僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

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短いですが、更新します
待ってくれてた人、居るのかな……
居ないか


開始

夕食後、明久達はある場所に居た

その場所は、地下へと向かう階段の前の広場

そこが、女子浴場へと向かう唯一の階段だ

そこの前に布陣していれば、敗北しない限りは誰も通れない筈である

フィールドの形成は、高橋女史がやってくれる

そして、この階の端には西村が待機している

負けた生徒が逃走する前に、捕まえるつもりだ(とはいえ、過去に逃がしたことはないが)

 

「……緊張するぜ……」

 

「人数は、前の倍近く……」

 

と須川と横溝がそう呟くと、それまで目を閉じていた明久がゆっくりと目を開けた

気配を感じたからだ

そして、奥の階段を見つめて

 

「来るぞ」

 

と言った

その数秒後、雄叫びを上げながら走ってくる男子達の姿が見えた

すると、明久が

 

「高橋先生、俺達全員であいつら全員に魔法理論で勝負を挑みます!」

 

と高橋女史に告げた

それを聞いて、高橋女史は頷くと

 

「許可します!」

 

と言って、フィールドを展開した

明久達は、高橋女史がフィールドを展開したのを確認してから

 

試獣召喚(サモン)!」

 

と一斉にキーワードを唱えた

その直後、連続して爆発音が響き渡って、明久達の足下に召喚獣が姿を表した

そして、僅かに遅れて点数が表示された

 

魔法理論

Aクラス

吉井明久  875点

土見稟  386点

皇興平 397点

 

Fクラス

須川亮 263点

横溝真一 249点

 

それを見て、覗き部隊は足を止めず

 

「あいつらを殺れぇ!」

 

と直接攻撃しようとした

だが

 

「ルールを破った者は補習!」

 

と、西村がその数人を捕縛

連れ去ったのだった

そう

今この時だけは、試験召喚獣戦争のルールが適用される

そして、そのルールの一つ

 

《召喚者への直接攻撃は禁止》

 

彼等はそれを破ったのだ

それを破った場合、戦死した時と同じように補習室行きになるのだ

予期せぬことで減ったが、それでもまだ人数差は激しい

だが、諦めるつもりは毛頭無い

今、ここに立っている漢達は不退転の覚悟で立っている

特に明久

今の時間、女子浴場に入っているのはAクラス女子達である

つまり、ネリネやリシアンサスが入っている

例え、自分の命が果てようが、誰一人として通すつもりもない

 

「ちいっ! 忘れてたぜ!」

 

「仕方ねえ! 試獣召喚!」

 

一人が悪態を吐き、一人がキーワードを唱えた

それを皮切りに、続々と残っていた覗き部隊もキーワードを唱えた

その結果

 

魔法理論

Bクラス 平均95点×20

Cクラス 平均87点×20

Dクラス 平均55点×20

Eクラス 平均49点×20

Fクラス 平均30点×32

 

試験召喚獣戦争では主に、現代国語、古典、数学、化学、日本史、世界史、英語(ライティングとリスニング)、保健体育が重要視されている

これら個別点数が加算されているのが、総合点数である

そして、その点数に表示されない教科が通称選択科目である

選択科目は、美術、音楽、技術、家庭科、魔法理論だ

この選択科目は、試験召喚獣戦争ではあまり使われない

故に、殆どの生徒が最低限の点数を取るだけで終わる

だからこそ、こういう時に切り札となるのだ

相手は最低限しか取っていないのに、自分達が高得点だったらどうなるのか

答えは簡単

一撃撃破だ

 

「ギャアアァァァァァ!?」

 

「つか待て!? なんであいつら、あんなに高得点なんだ!?」

 

「た、助けて!?」

 

「お助けぇぇぇ!?」

 

先頭で邂逅した男子達が、悲鳴を上げた

最低でも、百点以上の差があるのだ

例え急所でなくとも、致命傷になる

それを証明するかのように、一番最初に交戦した男子達は戦死

西村によって連行されていった

しかし、戦闘は始まったばかり

人数差は圧倒的

気を緩めるわけにはいかなかった

この時明久は、稟に向けられている殺意に気づいていた

そして、その殺意を発している相手が誰なのかも

 

(人数は一人……場所は、後ろの階段か……)

 

だから明久は、ある策を行動することにした

明久は僅かに下がると、稟の耳元でボソボソと呟いた

それを聞いて稟が頷き、右手で左手手首を触った

それを確認した明久は、元の位置に戻るために一歩踏み出した

次の瞬間、僅かに明久の姿がブレたが元の位置に立っている

そして、二面作戦が始まった


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