僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

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今回、初めて完全スマホ投稿です
もしかしたら、少しおかしい場所があるかもしれません
ただ今、作者は茨城県まで応援に来てるんです
詳しくは、割烹を見てください


終結

戦闘が始まって、早十数分が経った

明久達は奮闘していたものの、徐々に押されていた

それはやはり、数の差だった

いくら一人一人が強かろうが、数の暴力に押されていた

一人倒しても、直ぐに倍以上の敵が殺到している

須川と横溝の二人も奮戦していたが、内心でかなり焦っていた

何時になれば、明久が言っていた影が来るのかと

その時だった

やはり焦りからだろう

須川は飛び掛かってきた相手への反応に僅かに遅れて、押し倒されてしまったのだ

 

「しまった!?」

 

須川が焦りの言葉を口にした時、須川達の上を三体の召喚獣が飛び越えた

 

「しいっ!!」

 

その須川のフォローに、横溝が片手の魔力銃を連射した

それにより、二体の召喚獣が倒せた

しかし、残った一体が戦っていた稟目掛けて武器を振り下ろそうとした

明久は複数人を相手にしており、稟のカバーに回れない

須川は押し倒されていて、横溝は二人を相手に近接戦闘をしていた

そんな二人は、稟に警告をしようと口を開こうとした

その時だった

稟の背後の階段から、小さい何かが飛んできた

飛んできた物

針は、稟を攻撃しようとしていた召喚獣の頭を貫いた

それにより、稟を攻撃しようとしていた召喚獣は消滅

そして、稟の背後の階段から次々と人影が現れた

現れたのは、桜と楓を筆頭としたAクラス女子と同じくAクラス男子達だった

 

「な、なんだ!?」

 

「Aクラスだと!?」

 

何故Aクラスが来たのか分からず、覗き部隊は狼狽えていた

須川と横溝も訳が分からなかったが、直ぐに行動を再開

自分達と戦っていた相手が止まっていたので、一撃で倒して稟のカバーに入った

 

「あれって、Aクラスだよな?」

 

「ああ……まさか、Aクラスが隊長の言ってた影なのか?」

 

二人はそう会話しながらも、稟を攻撃しようと接近してくる覗き部隊を次々と打ち倒した

この時、二人は前だけに意識を向けていたので気付かなかった

階段から、稟に害意が向けられていることに

 

魔法理論

Aクラス 平均285点×約30人

Aクラス代表 霧島翔子 387点

Aクラス 八重桜 355点

Aクラス 芙蓉楓 367点

 

どういう訳か、Aクラスの魔法理論の点数が軒並み高い

魔法理論は前述した通り洗濯科目故に、殆どの生徒は最低限の点数しか取らない

Aクラスの高点数と人数

その二つにより、覗き部隊は瞬く間に討伐されていった

そして、Aクラスが突入してきて数分後に覗き部隊は全滅した

 

「終わったか……?」

 

「みたい……だな」

 

二人はそう言いながら、明久に近寄ろうとした

その時だった

階段から人影が飛び出し、稟目掛けて飛び掛かったのだ

二人が動くよりも早く、稟の防衛に誰かが入った

それは言うまでもなく、明久だった

しかし、須川と横溝は驚いた

なにせ、今この場所には明久が二人居たからだ

 

「た、隊長が二人居る!?」

 

「ど、どういうことだ!?」

 

二人が困惑している間にも、事態は進んだ

後から現れた明久は、飛び掛かってきた相手

清水美春を一撃で無力化して、拘束した

そして、気絶した清水の手から物体

ナイフが、こぼれ落ちた

刃渡りは、優に10cm以上はあるだろう

恐らくは、それで稟を刺すつもりだったのだろう

そんな長さのナイフで刺されたら、命が危うかっただろう

清水を拘束し終えた明久は、稟に視線を向けて

 

「稟、助かった。解除してくれ」

 

と言った

すると稟は、頷いてから左手手首の腕時計

魔道具を弄った

その直後、最初の位置に居た明久の姿が掻き消えた

 

「まさか……」

 

「幻術系の魔道具?」

 

二人が推測混じりにそう呟くと、明久が頷き

 

「ああ……稟に協力してもらって、隠れていたんだ」

 

明久はそう答えながら、天井を指差した

そこには、金枠が外されている通風口があった

元々は古い旅館だったという話だったから、その時の名残だろう

そこに隠れていたようだ

最初からか途中からかは二人には分からなかったが、二人は心中で驚愕していた

つまり明久は正面からではなく、上から見ながら召喚獣を操作し戦ったのだ

その難易度は、二人には想像出来なかった

簡単に言うと、ゲームで自分のではなく隣の画面を見ながら戦っているのと同じだろう

それを明久はやってのけ、しかも、稟の危機に素早く行動した

それを知って、二人は尊敬の眼差しで明久を見ながら敬礼した

そして、気になったことを聞くために明久に近寄り

 

「しかし、隊長。まさか、Aクラスが隊長の言ってた影なんですか?」

 

と、問い掛けた

その問い掛けに対して、明久は首を左右に振って

 

「いや、彼等は影ではない」

 

と答えた

そして、足下に倒れている清水を見下ろしながら

 

「こいつが、部屋に盗聴機を仕掛けている可能性を考えてな……」

 

と言った

つまりは、《敵を騙すには、味方から》である

恐らく、明久が直接頼んだのだろう

それならば、Aクラスが高い点数なのが頷けた

明久が頼んだから、テストを受けて取得したのだろう

明久は、清水を担いでから

 

「霧島代表、Aクラスの協力に感謝する」

 

と言った

すると、翔子は頷いてから

 

「……雄二の無実を証明出来るなら、安いもの」

 

と答えた

それを聞くと、明久は清水を担いだまま去っていった

これにより、覗き部隊との戦闘は終結したのだった

 


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