僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

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特級旗建築士


中盤戦

第一の番人は、投入されたAクラス生徒ペアにより撃破された

そして番人を撃破したことにより、以後はDクラスの迷路を通らないで良くなった

Cクラスに入るに当たり、雄二は作戦を一部変更

複数のペアを同時に突入させた

これは、なんらルール違反ではない

実際、中の迷路は所々で別れていた

それによる時間ロスを防ぐのと、様々な事態に対応させるためだ

もちろん、突入させたペアの大半はFクラスペアだ

そしてある程度進むと、広間に一人の女子が居た

そこに居たのは、着物を着た女子だった

誰だろ、と稟が首を傾げていると

 

「……三年生の小暮葵」

 

と康太が言った

よく見れば、康太の手には一冊のメモ帳が

どうやら、そこに書いてあるらしい

しかし、その葵は一人だけ

戦うには、人数不足だ

すると、一人のFクラス男子が

 

『おい、通っていいのか?』

 

と問い掛けた

すると葵は、微笑みを浮かべた状態で

 

『実は私、茶道部に所属してるんです』

 

と言った

それを聞いて、桜が

 

「あ、だから着物姿なんだ」

 

と納得した様子で手を叩いた

やはり、葵が着物姿なのが不思議だったらしい

 

『だからなんだっての』

 

『いい加減にしろや! 力ずくで退かすぞ!?』

 

と言ったのは、葵の言葉に憤ったらしいFクラスペアだった

もはや、ヤクザのようである

しかし、そんなFクラス男子ペアの恫喝にも葵は微笑みを浮かべたまま

 

『それと私……』

 

と言って、着ていた着物の襟元に手を持っていった

次の瞬間

 

『新体操部にも所属してるんです♪』

 

と言って、着物を脱いだ

その下は、レオタード姿だった

 

『ふおおぉぉぉぉ!!』

 

『うっひょぉぉぉぉ!!』

 

その場に居たペア達だけでなく、待機場所に居た男子達

も叫んでいた

しかも気付けば、待機場所の人数が大分減っていた

どうやら、勝手に中に突入したらしい

すると康太が

 

「……全員、失格」

 

と宣言した

すると、その映像を見ていたデイジーが

 

「……最低です」

 

と侮蔑した様子で、突入していった男子達を見た

その頃、待機場所の一角では

 

「稟君は見ちゃダメっす!」

 

「稟様、見てはいけません!」

 

「ぬおぉぉ!?」

 

シアやネリネ、楓が稟を押し倒す勢いで目を塞いでいた

そんな光景に、一部男子達が殺気を放っていたが、明久が片手に魔力刀の柄を持って威圧

それにより、稟へは攻撃出来なかった

なお、勝手に中に突入していった男子達により、Fクラスは殆どが失格

なお、待機場所に居て大声を上げても失格にはならない

すると、腕組みしていた雄二が

 

「吉井、行ってくれるか?」

 

と明久に問い掛けた

それに対して、明久は

 

「ああ、構わん」

 

と言った

そして明久は、デイジーと一緒に突入

道中の脅かしもスルーし、明久とデイジーは葵が居る場所に到着した

すると葵は

 

「あら、貴方は……かの剣神ですか」

 

と明久を見た

それに対して、明久は

 

「まあ、確かにそう呼ばれているな」

 

と肯定した

すると葵は

 

「貴方には、通用しなさそうですね。通ってください」

 

と言って立ち上がり、後ろの通路を指し示した

それを聞いて、明久とデイジーは通路を進んだ

そして進んでいると、明久とデイジーの前に二人の男子が現れた

 

試獣召喚(サモン)!」

 

四人はキーワードを唱えて、召喚獣を召喚した

すると、僅かに遅れて点数が表示された

 

英語(ライティング)

 

三年Aクラス

国博俊 298点

高島浩輝 287点

VS

二年Aクラス

吉井明久 876点

二年Bクラス

デイジー 213点

 

デイジーの点数は、Bクラスでもかなり優秀な部類だった

しかし、明久の点数が圧倒的だった

結果、明久による独壇場だった

あっという間に二人を撃破

明久とデイジーは、待機場所に戻ることにした

すると、デイジーが

 

「……あの、明久さん。なんで、そこまで点数が凄いんですか?」

 

と明久に問い掛けた

すると明久は

 

「俺はただ、恩返しがしたいだけなんだ……記憶を失い、重傷だった俺を受け入れてくれた神王陛下や魔王陛下……そして、殿下達にな。だから必死に、独学で頑張ったんだ」

 

と言った

その明久の顏は、真っ直ぐな表情だった

そんな明久を見て、デイジーは気付けば惹かれ始めていた

だからか、ほんの僅かに頬が赤くなっていた

そして二人が待機場所に戻ると、須川と横溝の二人によって人の山が出来上がっていた

どうやら、稟に飛び掛かった男子ペア達を撃破したらしい

 


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