僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

6 / 68
Fクラスからの挑戦状

二日後、Fクラスの姿がAクラスにあった

 

なお、Bクラスとの戦いは予想外に早く終わった

 

理由は、Bクラスの反則負けである

 

試験召喚戦争にも、守るべきルールがある

 

Bクラス代表たる根本は、それを破ったのだ

 

そのことが康太と麻弓のタレコミにより、西村に露見

 

一発で反則負けとなったのである

 

そして、雄二は満を持してAクラスに来たのである

 

「俺達Fクラスは、Aクラスに対して代表同士による一騎打ちを申し込む」

 

「目的はなにかしら?」

 

そう問い掛けたのは、職員室に呼ばれた翔子の代わりに出た木下優子である

 

優子からの問い掛けに、雄二は自信満々で

 

「それはもちろん、Fクラスの勝利だ」

 

と宣言した

 

それを聞いた優子は、首を振って

 

「受け入れられないわね。だって、これは戦争だもの」

 

と言った

 

「なるほど、こっちから姫路が出るのを警戒したな? だが、安心しろ。こちらからは、俺が出る」

 

優子の否定の言葉を聞いて、雄二は自身を親指で示すが

 

「信じるわけないでしょ? もう一回言うけど、これは戦争なんだから」

 

と言った

 

雄二の采配を知った優子は、どうやら騙し討ちを懸念しているようだ

 

雄二がどうしようか悩んでいると、音もなく優子の背後に人影が現れて

 

「……受けてもいい」

 

と言った

 

「代表! 戻ってたの?」

 

優子は驚いた様子で、翔子に問い掛けた

 

問い掛けられた翔子は、無言で頷き

 

「……ただし、条件として5対5での決闘にしたい。先に三勝したほうの勝ちで」

 

と続けて翔子が言うと、雄二は頷いて

 

「だったら、教科選択権は全部こっちでいいな? せめて、それくらいのハンデは欲しい」

 

と言うが、翔子は首を振り

 

「……せめて、そっちが三回でこっちが二回。しかも、勝ったほうは負けたほうに命令出来るというのが条件」

 

と言った

 

「OK、乗ってやるよ。その命令権は個人か?」

 

雄二が問いかけると、翔子は無言で頷いた

 

「……開戦は昼休み直後でいい?」

 

翔子がそう問いかけると、雄二は頷き

 

「いいだろう。場所はAクラスでいいな?」

 

と聞いた

 

「……構わない」

 

雄二からの問い掛けに翔子はそう返した

 

すると、翔子の背後に稟が現れて

 

「やっぱり、Aクラスが目的だったか」

 

と言った

 

すると、雄二が不敵な笑みを浮かべ

 

「そうだ。バカに負けるのを楽しみにしろや」

 

と言った

 

その直後、Fクラス側から島田が歩み出て

 

「土見ー! 今日という今日こそ、観念しなさい! あの目障りな女子達が居なければ、こっちのものよ!」

 

と言った

 

楓と桜の二人は、紅薔薇先生に呼ばれたために現在、教室には居ない

 

そして、島田がいきり立った様子で拳を振り上げて近づこうとしたら

 

「よせ、島田! 揉め事は控えろ!」

 

と雄二が止めたが、島田は雄二の静止を振り払い

 

「うるさい! これ以上、我慢できるもんですか!」

 

と言い、稟に近づきながら再び拳を振り上げた

 

が、島田の首元に半透明の刃が突きつけられた

 

「それ以上近づくならば、実力で排除する」

 

明久は無感動でそう宣言した

 

「な、なんですって!?」

 

島田が怒った様子で喚くと、明久は睨みつけながら

 

「貴様からは、害意しか感じない。護衛として、貴様の接近は許容出来ない」

 

「護衛だかなんだか知らないけど、邪魔しないで!」

 

と島田は言うと、稟に対して一歩踏み出した

 

「警告はした」

 

明久はそう言った直後

 

神剣一刀流 初の太刀 紫電

 

そう呟きが聞こえて、閃が走った

 

その直後、島田はうつ伏せに倒れた

 

すると、姫路が島田に駆け寄り

 

「美波ちゃん! なにも攻撃しなくても!」

 

と明久に抗議した

 

明久は柄を懐に仕舞いながら

 

「気絶させただけだ。それに、貴様らは外交問題にしたいのか?」

 

と言った

 

すると、姫路が訝しむように眉をひそめて

 

「どういうことですか?」

 

と、問い掛けた

 

「こちらにいらっしゃる稟殿は、ネリネ殿下とリシアンサス殿下の婚約者に選ばれた方だ。すなわち、次期王様候補である」

 

姫路からの問い掛けに、明久がそう返した直後

 

「なんだと!?」

 

「土見ー!」

 

「貴様、羨ま……羨ましい!」

 

と、バカ共が黒いローブを纏って現れた

 

「お前ら、FFF団!?」

 

稟は顔を青ざめて、一歩引いた

 

FFF団

 

彼らは嫉妬からくる怒りにより、女子に近づいた男子に対して暴力を振るう問題集団である

 

ちなみに、彼らに取って稟はトップクラスの対象である

 

「横溝! あ奴の罪状を読み上げい!」

 

「はっ! 被告、土見稟は周囲に美少女を侍らすに飽きたらず、更に美少女の婚約者になるという……」

 

FFF団会長である須川に乞われて、横溝がどこからか取り出した紙を読み上げていると

 

「ええい! 長ったらしい! もっと簡潔に述べい!」

 

と須川が、持っていたムチを鳴らした

 

すると横溝は、持っていた紙を引き裂いて

 

「要するに、今の状況が羨ましいんじゃボケェ!!」

 

と、恨みの声を上げた

 

すると、須川は満足そうに頷き

 

「うむ! 実にわかりやすい!」

 

と言うと、どこからか剣を抜いて

 

「諸君、異端者土見を殺せー!!」

 

と号令を発した

 

「「「「「オオオォォォ!!」」」」」

 

須川の号令に従って、FFF団(バカ共)は凶器を振りかざしながら稟に飛びかかった

 

それを見た明久は、懐から二つの柄を取り出して

 

神剣二刀流 参の太刀 八華蟷螂

 

神速の連続斬撃を繰り出した

 

「「「「「ギャアァァァー!」」」」」

 

それにより、FFF団は一瞬にして全滅した

 

積み上がったバカ共を見て、雄二は溜め息混じりに

 

「あー……すまんな……面倒をかけた」

 

と、謝罪した

 

すると、明久は柄を懐に仕舞いながら

 

「構わない。こういう害虫を駆除するのも、近衛の役目だ」

 

と言った

 

明久はもはや、人間扱いを止めたようである

 

この後、バカ共は到着した西村と紅薔薇の二人に連行されていき、厳しい罰則の補習を受けたようである

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。