あれは嘘だ(無計画
さて戻ってきましたユーラシア大陸。強行軍になるとか言っておきながら、行きと同じく北極海が凍るまで移動できなかった時期もあったことについてはなかったことにしたい。
まあでも、その時期はトナティウに文字や言葉を教えるのに使えたから、結果オーライってことで?
にしても、トナティウは記憶力がいい。そして身体能力もかなり高い。半吸血鬼は能力が高いとはサンタナのレポートにあったけど、どうもその通りみたいだ。
ショシャナもかなり物覚えがよかったけど、あの子はわたしの見てないところでものすごい努力をしてることをわたしは知ってる。それをさほど苦労しないでこなしちゃうんだから、いかにトナティウが……というより半吸血鬼がすごいかわかるね。
……その点について、色んな懸念があるのも事実ではあるけど。いつものようにそれは棚に上げて、わたしは一路エジプトはアレクサンドリアに戻ってきた。
道中では何度もトナティウが好奇心を爆発させて質問攻めにあったけど、スポンジのように知識を吸収する彼女にわたしも触発されて、ついつい語りすぎてしまったこともあったね!
念のため、ギザの三大ピラミッドはまだ見せてない。あれはこの時代ですら、既に完成から二千年近くが経ってるロマンの塊だ。語り尽くすには相応の時間が必要だ。
「はー、やっと着いた」
「賑やかな街ですね! あんなに大きな船まであります!」
「ここは港としても重要なところだからね。色んなところの色んなものがここに集まっては出て行くんだよ」
「すごいですね……!」
キラキラした目であっちこっちに目を向けるトナティウを見てると、なんだか自分を見てるような気分になる。カーズ様たちも、こんな感じでわたしを見てたんだろうか……。
「えーと、これから行くのがここでのわたしの拠点だよ」
「ルブルム商会ですね! 商売というのがあちらにはほとんどなかったので、とっても楽しみです!」
サンタナの国は、ある意味では完全な統制国家とも言える。だから商売という概念が希薄で、広範囲をカバーする商会という概念となると皆無だった。トナティウが好奇心を向けるのも当然と言える。
そもそも売買すら滅多になかったもんなぁ……。物々交換がされてたくらいだから、貨幣という概念には最初困惑してたっけ。
そんなことを考えながら、およそ一年ぶりとなる我が家の軒先をくぐる。
「ただいまー」
「!? あ、アルフィー様!」
店番をしてた男が、わたしの顔を見て驚く。だけどすぐに嬉しそうな顔になって、大急ぎでショシャナを呼んでくるように周りの従業員に指示する。
「お久しぶりですアルフィー様! よくご無事で!」
「うん、久しぶり。まあ、病気とかに縁のない身体だし、そこはね」
「ああ、それは確かにそうなのですが。我々としてはやはり、どれだけあなたがすごくても心配になるのです」
「ありがとう。みんな優しいよね、嬉しいよ」
「いえいえ、アルフィー様にいただいた恩に比べれば……」
「ああああああああああ!!」
「……ショシャナが来たね」
「ですな」
話の途中に割り込んできた叫び声に、わたしと彼は苦笑する。
だんだん大きくなるその声が、ショシャナのものということは一目瞭然だ。
そして勢いよく扉が開くと同時に、
「ああああアルフィーさまああああああ!!」
猛然とわたしに抱きついてくる、いい歳した女が一人。言うまでもなくショシャナだ。
わたしに抱きついた彼女は泣きわめきながらわたしを抱きしめ、さらに頬ずりしながらキスを乱発してくる。
間近で見ると、随分やつれて髪も肌もかなり荒れているのがわかるけど……わたしに会えないのがそんなに堪えたのか……。
「……うん……よしよし、よしよし。寂しかったねぇ。大丈夫だよ、わたしちゃんと帰ってきたからねぇ」
でもそんな彼女を振り払う選択肢はわたしにはない。なんだかんだで、わたしも彼女のことは身内として認めてるのだ。実際、一年ぶりのこの強烈なスキンシップに妙に安心してるとこあるし。
……待て、さすがに股間に手を伸ばすのはナシだぞ。顔を舐めるのもやめなさい。ぺろぺろじゃありません、どこでそんなこと覚えたんですかこの子は! そんな子に育てた覚えはありませんよ! わりとマジで!
ちなみに、斜め後ろに控えてたトナティウはドン引きだ。紛うことなきドン引きで、ついでに言うなら彼女的にわたしはサンタナに並ぶか下手すると上回る神様なので、ショシャナのこの行動に対して「不敬!」と言いたげでもある。
まあ、この子はわたしの家族なので。大目に見てあげて。これもカルチャーギャップってことでさぁ。
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その日は、終始ショシャナに抱きつかれたまま行動することになった。食事はおろか入浴や就寝まで彼女はわたしにべったりで、まるで子供の頃に戻ったようなありさまだった。
そんなに寂しかったのかと改めて思ったけど、同時にこれは矯正は無理そうだなど思う。どうしてこんなになるまで放っておいたんだ。……わたしのせいか。
他のメンバーに聞けば、わたしがいない間は最初の一ヶ月以外ほとんど使い物にならなかったみたいで、文字通り「わたしがいないとダメ」らしい。
おかげで他のメンバーも商人として成長せざるを得ず、結果として商会の底上げになったのは怪我の功名以外の何物でもない。
「……おはようショシャナ。よく眠れたみたいだね?」
朝。彼女が起きたのを見てそう言うと、彼女は感無量と言った様子でわたしの頰を両手で挟み込むと、さわさわと手を動かして。
「ああ……いる……アルフィー様が、ここにいらっしゃる……!」
とつぶやいてはらはらと泣くんだから、ホントどうしたものだろうね……。
そのまま唇を奪われたことはこの際目をつぶるから、誰かこの末期的な依存症をなんとかする方法を教えて欲しい。はーもう、二十一世紀から病院が来ないかなー!
だけど、本当の地獄はここからだった。
ルブルム商会での普段通りに、わたしがショシャナに抱きかかえられて食堂に降りたところをトナティウが待ち構えていたのだ。
「おはようございますアルフィー様! 本日もよろしくお願いします!」
「うん、おはようトナティウ。今日も元気だねぇ」
わたしも、ここ一年ほどの普段通りになっていた挨拶を習慣でしてしまったわけだけど……。
ここでわたし、自分の失敗を悟る。
慌ててショシャナに目を向ければ、彼女は般若も裸足で逃げ出しそうな凶相でトナティウをにらんでいたのだ。
「……アルフィー様……? この小娘は……一体……?」
「あ、あーっと、あのねショシャナ。あなたが思ってるのとは違うからね?この子はトナティウって言って、わたしの弟の従者なんだけどね、色々あってこっちに勉強しに来たの」
「……は……? まさか……この一年……この小娘と一緒にいたと……?」
「いや一緒だったのは帰りだけだから、半年くらい……」
「半年もッ! アルフィー様とッ!」
その声は、悲鳴みたいだった。思わずわたしは口をつぐむ。
「ゆ……許せない……許せない許さない許さないッッ!!」
そして沈黙は一瞬。ショシャナは身体を翻すと、そのまま一直線にトナティウに襲いかかった!
「ちょ、ちょっとショシャナ!?」
幸い、というかなんと言うか。トナティウは半吸血鬼だから、攻撃自体はなんなく受け止めてた。なんならそのまま押し返すだけの膂力もあるから、余裕すら感じられる。
だけどその顔には隠しきれない怒りが浮かんでいて……。
「それはあたしのセリフですっ! なんですかあなたは昨日から! 黙って見てればアルフィー様に無礼な行いの数々! 神様に対する敬意はないんですかっ!」
「うるさいうるさいうるさぁぁぁい!! アルフィー様は私の母で姉で運命の人なのよ!! ポッと出の小娘ごときが、私たちの愛を引き裂こうなんて断じて許さないわ!!」
「なんですかこの頭悪い女! 信じられないです! あーもーあたしも限界! もー我慢できないっ!」
あ、やべ。そんな声が出た。
そしてわたしが周りにいる全員に避難指示を出すのと、にらみ合う二人がスタンドを出すのは同時だった。
「【ラ・ラガッツァ・コル・フチーレ】ッ!」
ショシャナの姿が変わる。暗い色合いで構成された全身に。昔に比べて背丈も伸びて、すらりとした身体つき。だけどどこか泣き顔のような印象を受ける顔面のデザインは、昔と変わることなく怪人のようだ。
ただ一つ、背中に生える翼だけがどこまでも白く、彼女に許された純真さがいかに少ないかを語っているようで。
その姿は、どことなく物悲しい。
「【マクイルショチトル】ッ!」
対してトナティウの隣に現れた人型は、まさに正反対。白を基調とした身体は美しく、その身に刻まれた装飾はサンタナを祀る神殿に施されていたものとほぼ同じ。エメラルドのように輝く瞳はトナティウのそれと同じ色で、彼女の旺盛な好奇心を体現したかのようだ。
さらにはその周囲を緩やかに公転する、五つの花が特に目を引く。いかにも熱帯の花らしい様子のそれは赤やオレンジなどの、鮮やかな色合いで。
その姿は、どこまでも華々しい。
「スタンド……!? そうか……そういうことなのね……それでアルフィー様にすり寄ったのねッ!」
「ナワル……!? なんでそんな高等なものに欲望一直線の単細胞が開眼してるんです!?」
二人はお互いのスタンドを見るやそう感想を言い、
「アルフィー様! 騙されてはいけませんわ! この小娘はスタンドであなた様をたぶらかしているのですよッ!」
「アルフィー様! あたし納得できないです! こんなおバカになんでここまで加護を与えちゃったんですかぁ!?」
そして直後に同時にわたしに声をかけ、
「誰がバカですってぇこの小娘がッ!」
「不敬がすぎますこの頭沸騰女めッ!」
最後に、これまた同時互いにガンを飛ばしあった。
さらに二人同時に拳を繰り出す様を見て、わたしは思った。
実は仲が良いのでは……?
そんなわたしをよそに、二人の……正確にはショシャナの拳とトナティウのスタンドの拳とがぶつかり合った。爆発にも似た音が鳴り響く。
だけど、両者にダメージはなし。ショシャナの【ラ・ラガッツァ・コル・フチーレ】は防御特化のスタンドで、自身の攻撃力はあくまで本体であるショシャナに依存する。けど、ただの人間である彼女が放った拳は、あくまで成人女性のそれでしかない。
一方、トナティウの【マクイルショチトル】は近距離パワー型のスタンドで、本来であればそのパンチはわたしたち柱の一族にすらダメージを与えうる。ところがそんなパンチであっても、【ラ・ラガッツァ・コル・フチーレ】の守りを抜くことはできないらしい。
そして二人は、これまた同時に自身の攻撃が互いに効かないことを瞬時に理解したんだろう。すぐさま能力を用いた戦いに移行した。
「死ねッ!」
なんとも物騒な言葉とともに、ショシャナの足元に転がっていた小石たちが凄まじい速度で放たれた。
向かう先はもちろんトナティウだけど、半分を本体に、もう半分はスタンドにという具合でなかなかに周到だ。速度と言い、随分と能力を使いこなしてるようで何よりだよ。
「ふぅーん、ですっ!」
「!?」
だけど、それはすべて当たらなかった。外れたのではない。かわされたのだ。
トナティウが何をしたかと言えば、【マクイルショチトル】の周りを公転していた花が二つ消え、直後に周辺にその花がいくつもしかしわずかな時間差で咲き誇り始め。それらを順繰りにスタンドで殴っていっただけだ。
一見すると、それだけ。だけど、そうやって順番に花を殴ったことで、結果的にスタンドと本体が踊るように動くことになり、それによって石を回避したのだ。
ちなみに花を殴った時に、グレートとかパーフェクトとか、そういう意味合いの象形文字が出現するのは……なんていうか、すごくゲームっぽい。
「……ちぃ!」
とはいえ、それで取り乱すほどショシャナはうぶじゃないし、諦めも良くない。小さいものでダメなら、同時でダメならと、すぐそこにあった机と椅子をランダムにぶっ飛ばし始める。
「効きませんねぇ!」
それをトナティウは、やはりその能力で回避し続ける。
けれどかわすだけでもなくて、スタンドのほうが少しずつショシャナに近づいている。本体にも飛んでくる射撃もかなりあるのに、それをかわせているのはひとえに半吸血鬼としての高い能力があるからだろう。
「はあっ!」
げ、ショシャナったら遂に包丁の類まで飛ばし始めた……ああもう、食堂がめちゃくちゃだ。
そして当然のようにそれを回避するトナティウに、いい加減痺れを切らしたのか。ショシャナが次の手を切った。
「うひゃっ!? くっ、このぉやりましたね!?」
今しがた、回避したはずの包丁がぐるりと軌道を変えて再びトナティウに襲いかかったのだ。
そう、ショシャナはある程度射出したものの軌道を変えられる。追尾はさせられないけど、進行方向を変えるくらいはわけないのだ。この辺りは、わたしの【コンフィデンス】の影響のような気もするけど。
この能力を使い出したことで、トナティウもスタンドをより精密かつ正確に動かす必要が出てきた。先ほどまでは単調なところもあった花は、かなりの頻度で現れるようになっている。
ついでに言えばスタンドの周囲を公転する花の数は二つに減っていて……いわゆる、「難易度が上がった」ことが見て取れる。
それでも直撃を食らわないのはさすがと言うべきか。
「そ……こだぁっ!」
そして間隙を縫って反撃に転じるんだから、まったく大したものだと思う。
「効かないわね!」
だけど、その攻撃もショシャナには効かない。打音は鳴ったけど、それだけ。強いて言えば少し体幹が揺らいだ程度で、相変わらず理不尽な防御力だ。
「これでも食らいなさいっ!」
そしてその隙を見逃すショシャナじゃあない。攻撃直後の体勢を崩すように、拳が遂に【マクイルショチトル】の腹部に叩き込まれた。
「……っ! ふん……軽いですねぇ!」
普通なら、本体の攻撃はスタンドには通じない。だけどスタンドによって変身しているショシャナの拳は通る。いかにそれがただのパンチでも、確かにダメージになったようだ。
「ふふん、でも『効かない』とは言わなかったわね!」
「……言わせておけばっ!」
そう、トナティウは
にも関わらず、逃げなかったトナティウは根性が据わってると思う。わたしがあの場にいたら、……ショシャナの能力を知ってるからでもあるけど、一度下がって様子を見るだろうに。
うん、トナティウは逃げなかった。公転する花をすべて使って咲き誇る無数の花を殴りながら、踊るようにショシャナの身体を打ちすえる! ラッシュだ!
「ううううりゃあああああーーっ!!」
花が次々に消されていく。現れる文字はほとんどがグッド、だけどたまにプアーとパーフェクトが混ざる。
「無駄ァ!」
「うぐっ!?」
ショシャナがDIO様みたいなことを言い出した! いや今更か!
彼女の声とともに、【マクイルショチトル】が天井にぶっ飛ばされた。あれは殴ったんじゃなくて、スタンドそのものを射出したんだな。その速度は今までの比じゃあなく、さながら人間大砲じみた有様だった。
あれがあるからショシャナのスタンドは厄介なんだよなぁ……。殴ってきた相手すら能力の対象としてぶっ飛ばせるから、本人の攻撃力が低くても関係ないんだよなぁ。特に閉所だと、壁が凶悪な武器に早変わりするから余計。
それはそれとして、今の大丈夫かな? トナティウはもちろんだけど、この建物が壊れるのはまずい。ローマンコンクリートでできてるし、大丈夫だと信じたいなぁ……。あとで念のため検査しとくか……。
ハラハラしながらも二人に目を戻すと、トナティウが背中をかばうようにして立っていた。さすがに、コンクリートに背中から叩きつけられたのは効いたらしい。口から血を吐いてるし、内臓にも届いたみたいだ。
「……ふふん」
ところが、彼女は笑っていた。なぜなら。
「な……そ、そんな……!?」
ショシャナの身体に、一部。小さいけど確かに、ヒビが入っていた。そこからはくすぶる煙と弾ける火花が上がっている。さながら壊れた機械みたいで……彼女自身も、痛みがあるのか少しフラついてる。
そう。なんと、トナティウはあの【ラ・ラガッツァ・コル・フチーレ】の防御を抜いたのだ!
あの絶望的な防御力を知っていると、にわかには信じられない話だ。だけどこれも、もちろんスタンド能力によるものだ。
トナティウのスタンド、【マクイルショチトル】。その能力は、ただ攻撃をかわすことじゃあない。その本質は、
ラッシュのとき、いくつか混ざったパーフェクトの象形文字はまさにその証。ショシャナの堅い守りを抜くという、限りなくゼロに近い可能性をそれによって強引に現実のものとしたんだね。
正直言って、運命に干渉する破茶滅茶なスタンドだと思う。ただ、もちろん穴はあるわけだけど……さて、ショシャナにそれをつけるだろうか。
まあ、つけたとしてもこれ以上はわたしが許さないけど!
「はい、二人ともそこまで!」
建物はもちろん、二人にも相応のダメージが入ったところで、レフェリーストップだ。これ以上暴れられると、色んな意味で取り返しがつかなくなる。主に建物のほうが。
ダメージを受けた(あるいは与えた)ことで少し頭が冷えたのか、二人もそれは認識したようだ。双方が同じ表情を浮かべながらもスタンドを解除した。
「うん、よろしい。はあ……わたしも迂闊な発言したけど、やりすぎちゃダメだよ?」
「申し訳ありません……私としたことが我を忘れてしまって……」
「はい……あたしが軽率でした。せっかくの食堂がめちゃめちゃですね……」
周りに目を向ければ、大惨事だ。これより悪い事態なんて、それこそ建物が壊れるくらいしかないんじゃあないかってレベル。
「だよね。……というわけで、まずは片付けだよ。わたしも手伝うから、三人で終わらせるよ!」
ところがそう言ったら、
「いいえ! アルフィー様のお手を煩わせるほどのことではありませんわ! アルフィー様は休んでいてください!」
「そんな畏れ多い! アルフィー様は神様なんですから、こういうことは下々に任せていただければいいんですよ!」
二人してこう言うんだもんなぁ。
君たち、やっぱり仲良いでしょ?
「……ふん、小娘と同意見なのは癪ですが、確かにこういうことは私たちの仕事です」
「ふーんだ、あたしだって癪ですよ。でも実際、これくらい余裕ですもんね」
こう付け加えて、顔を背け合うんだからなんだかなぁ。わたしは苦笑するしかない。
わたしとしては、わたしも含めて三人でやったほうが早く終わると思うんだけど。それでも二人は頑として譲らなかったから、わたしは諦めて二人の仕事ぶりを眺めてることにした。
なお、この日の朝食は昼食とイコールになったことは付け加えておきたい。二人とも片付けながらケンカするんだもんなぁ……。
スタンド:マクイルショチトル 本体:トナティウ
破壊力:B スピード:B 射程距離:E 持続力:B 精密動作性:B 成長性:C
白い胴体にアステカチックな模様と装飾が施された人型のスタンド。本体が女なのでスタンド像も女性的だけど、近距離パワー型。
本編中でも説明があった通り、出現する花を散らすことで直近の可能性の中から最善の結果を引き寄せる能力を持つ。ただし必ず成功するわけではない。
デフォルトではスタンドの周囲を公転する五つの花を持つが、能力を発動すると、状況に応じてこの花が消える。消えた花の数が多ければ多いほど、最善を引き寄せる難易度が上がることを意味している。この挙動はパッシブなものであり、本体にも制御はできない。
花を散らすと、そのタイミングに応じてミスとかプアーとかグッドとかグレートとかパーフェクトとかを意味する象形文字が出現するが、要するに大規模な三次元ju〇eat。