一面の大草原の中心に極小の指人形が一つ、ピクリともしない彼女だか、なんとこれが生きている。
「ん、んんぅ?」
『あら?ようやく起きたのね、気分はどうかしら?』
「わたしは、いったい・・・?」
彼女は心底不思議そうな顔で『声』の主を探すために首をキョロキョロさせている。
しかし彼女は一本の草をよじ登る事すら困難な大きさの為、辺りを見渡す事は到底、出来はしない。
まぁ、たとえ世界中を探し回ったところで『声』の主を見つける事は出来はしないのだが。
『覚えていない・・・?そんな馬鹿な・・・まぁ良いわ、こっちの方が面白そうだし』
「あの、あなたは?」
『私は私よ、それより体の調子はどうかしら?』
『声』の主は答えになっていない答えを返しながら質問を質問で返した。
「えっと、だいじょうぶです・・・たぶん」
語尾に勢いが無くなる、なんとも頼りない言葉を返しながら彼女は次の『声』を待つ。
『じゃあとりあえず、「ステータス!」って唱えてみなさい』
「す、すてーたす?」
戸惑いながら軟弱な発音で「すてーたす」を唱える彼女はどこか愛らしいが、やはり頼りない。
『全っ然!!出来ていないわ!もう一度だけ言うわ「スタータス!」よ、分かったかしら?』
「ス、ステータス!・・・ッ!?」
外から見れば何の変化も起きていないが、彼女視点で見れば話は変わる。
彼女の視界には青のステータス画面がそれはもう、テカテカと、ピカピカと見えているのである。
まぁ、大体こんな感じである・・・・・・
Lv.1
HP 100 筋力10 敏捷10
MP 100 防御10 知力10
skill ≪『●●●●●●の魂』≫、≪キメラールEX≫、≪変態変体≫、≪無限収納≫
「なにこれ?」
『今のあなたのスペックよ、気になるところはあるかしら?』
彼女は少し間を開けて、一言。
「へんたいへんたいってなに?」
『そのまんまの意味よ、あらゆる物体や生物に変化する事が出来るスキルよ、ただその物体や生物の情報がいるけどね』
彼女は首を傾げ。
「じょうほう?」
『ええ、情報よ、生物や物質を捕食するとその姿を真似る事が出来るわ』
「じゃあキメラールEXは?」
『その捕食した生物や物質の性質やスキルを複製出来るスキルね、後、~魂は私の事よ、分かったかしら?』
「うん、わかった」
『なら良いわ、ほら、ちょうど目の前に植物が生えているでしょう?千切って食べてみなさい』
彼女は『声』の言うままに目の前の巨大な(彼女が小さいだけでいたって一般的な大きさの)草のほんの一部を千切って口へ運んだ。
『おめでとう、≪光合成・最弱≫と≪再生・最弱≫を手に入れたわよ、良かったわね』
「え?・・・あ、うん、ありがとう」
『両方とも自動発動のスキルよ、意識的にオフにする事も出来るけどね』
「つぎにわたしはなにをすればいいの?」
『好きにしなさい、強さの極限を目指すのも良いし、のんびり日常を満喫するのも良いわ』
「つよさのはて?」
『ええ、主神ですら到達できない果てを目指すのも悪くないわね、あなたの体に寿命は無いしね、幾らでも修行出来るわよ』
「どうすればいいの?」
『片っ端から目に付くものを殺せば良いのよ、そして沢山喰う、これに尽きるわ』
「うん、わかった」
それはわかっちゃ駄目だと思うよ、うん。
初めは彼女が生物を捕食する度に、極限の性的快楽を得られる設定だった。
快楽に溺れ地上の生き物をすべて捕食し尽し、永遠の命を持ってしまった彼女は快楽を求め、永遠に彷徨う筈でしたが、流石に自重しました。
・・・・・・実は下書きだけなら原始より前に書かれた作品。