大草原に小さな小さな人形が一つ。
金色の長い髪を後ろ二つに流し、素っ裸で辺りをキョロキョロと見渡している。
彼女は、若干困ったようにうろたえながら『声』に助けを求める。
「どこにいけばいいの?」
『そこまで悩むならとりあえずこの草原の植物を食べながら森に行きなさい、丁度太陽の反対側に森があるわ』
「もりにいけばいいのね」
目的地を確認し、彼女は非常にゆっくりと歩き出す。
手には植物の断片が握られており、時折それを口に運びながら鼻歌を歌う。
「~♪~~♪」
『天上の聖歌にも引けを取らない素晴らしい唄ね、どこで知ったのかしら?』
彼女は鼻歌を止め、しばし考えてから、
「さぁ?」
『そういえば記憶の転移にバグがあったのね、見た感じ完全な記憶喪失って訳じゃあなさそうだけど・・・』
「それよりはやくもりにいこう?」
『まあ、別にどうでもいい事ね』
そうして、しばらく機嫌良く歩いていた彼女の前に、うにうに動く緑色の毛虫が一匹。
彼女はピタッと急停止して、『声』に助けを求める。
『毛虫ね、あなたの軽く2倍の大きさだけど・・・やってみる?』
「わかった」
彼女はトップスピードで駆け出し、毛虫の顔を殴り飛ばす。
毛虫は何も出来ないまま少女にしばらくタコ殴りにされ、ようやく謎の液体の噴射による反撃に移る。
『今よ!その液体を飲み干しなさい!』
少女は言われるがまま、地面にへばり付いた液体を口に運び、飲み干した。
『≪毒液・最弱≫を手に入れたわ!使い方は分かる筈よ!決めてしまいなさい!』
彼女は毛虫の顔に毒液を吹きかけ、目を潰す。
『あいつの体に穴をあけて体内に毒をぶち込んでやりなさい!』
彼女は手に毒を纏わせ、毛虫の皮に穴をあける。
毛虫はしばらくもがき苦しんだ後、パタリと死んでしまった。
『やったわね、早速頂きましょう』
「うん、でもわたしよりおおきいけむしさんをどうやってたべるの?」
彼女はごく自然な疑問の回答を『声』に求める
『あなたの胃袋は文字通り無限よ、だから何の心配も要らないわ、排泄の必要もなし』
それを聴くが速いか、彼女は毛虫を頭からバリバリと食べて始める。
少しずつ引きちぎっては口に運び、手や顔を汚しながら、血肉、内臓、毛の区別なくすべてを胃に納めてしまった。
『良かったわね、レベルアップよ、それと獲得スキルがいくつかあるわね、確認してみなさい』
「ステータス」
即座に例の呪文を唱え、脳内にステータスパネルを出現させる。
Lv.2
HP 200 筋力20 敏捷20
MP 200 防御20 知力20
skill ≪『●●●●●●の魂』≫、≪キメラールEX≫、≪変態変体≫、≪無限収納≫、≪光合成・最弱≫、≪再生・最弱≫、≪毒液・最弱≫、≪毒耐性・弱≫、≪生体針・最弱≫
「ねぇ?」
しばらく眺めた後、彼女は『声』に疑問をぶつける。
「≪むげんしゅうのう≫ってなににつかうの?」
『あなたは無限にものを食べる事が出来るけれど、吐き出す事や保存する事は出来ないのよ、食べた瞬間、分解解析されてあなたのエネルギーに変換されてしまうわ、ここまでは良いかしら?』
「うん」
『だからものを保存するための別の袋が必要なのよ、≪変態変体≫の変化にも物質やエネルギーが必要だしね』
「わかった」
彼女の問いに『声』は丁寧に答え、また彼女が問いを投げかけるという繰り返しが何度か続く。
『じゃあ早速使ってみましょう、地面の土を収納してみなさい』
「わかった」
言うが速いか、彼女は大地に着く足から土を取り込む、しばらくズルズル取り込んでいたが、すぐに止めた。
『土は好きな時に取りだす事が出来るし、身体改造にも使えるわ、うまく活用しなさいな』
「わかった」
補足と言うか注意、
毛虫は毒液噴射とかしません
でもそれっポイイメージがあるから良いよね!