彼女は毛虫を倒した後、全く止まらずに進んだため、いよいよもって草原と森の真ん中あたりまで来ていた。
『あなたには見えないでしょうけど、丁度ココがスタート地点から森までの中間地点よ』
「あとすこし」
『ええ、あと少しね、でもその前にするべき事があるわ』
彼女は首を傾げ、
「すること?」
『今のままでは森に行っても踏み潰されて終わりよ、まずはレベルを上げてから行きましょう』
「わかった」
ずんずん歩いていると、黒い胴体がピカリと光る、怪力で知られている昆虫、蟻に出くわした。
『蟻ね』
「ありさん?」
『ええ、蟻よ、良かったじゃない、スキル獲得のチャンスよ』
「わかった」
彼女は力なく頷くと、拳を握りしめ、前へ駆けだす。
彼女は蟻の正面へと真っ直ぐ突っ込んで行き、蟻の顔面をぶん殴る。
殴られた蟻は一瞬怯んだものの、彼女の腕に噛み付き、手首から先を食いちぎる。
「ッ!!!」
『しっかりしなさい!≪キメラールEX≫のお陰で腕は即座に再生する事が出来るわ!』
彼女は頷きで返事を返し、腕を取り戻す。
草や毛虫を取りこんでいたので、それらを腕の質量分だけ消費し、元通りに再生出来たと言う訳だ。
HPは依然減ったままだが、スキル≪再生・最弱≫により少しずつ回復している。
モチャモチャと彼女の腕を喰らっていた蟻は全てを喰い終わると突進を繰り出す。
彼女は再び腕を伸ばし、蟻の顔面を叩く。
確かに蟻には無視できないダメージが通っているのだが、同時に彼女の腕も毟り取られている。
「・・・・・・しょうり」
『どう言う事?まだまだこれからじゃないの?』
『声』が疑問をぶつけるがそれには知らんぷりをして、蟻の方を残りの指で静かに指す。
そこにはもがき苦しみ、激しく痙攣を起こしている蟻がいた。
『そうかっ!≪毒液・最弱≫を使って体に毒を充満させていたのね!やるじゃない!』
またまた返事もせず、力尽きた蟻の方に近づき、頭から豪快に喰らってゆく。
腕はいつの間にか再生しており、両腕で食べやすいサイズに引き千切ったり、そのまま齧り付いたりとしていた。
『レベルが5つ上がったわね、スキル獲得は≪怪力・壱≫、≪生体針・弱≫を手に入れたわね、≪生体針≫が2種揃ったから統合しておくけど良いかしら?』
「わかった、ステータス」
Lv.7
HP 1000 筋力180 敏捷40
MP 1000 防御180 知力24
skill ≪『●●●●●●の魂』≫、≪キメラールEX≫、≪変態変体≫、≪無限収納≫、≪光合成・最弱≫、≪再生・最弱≫、≪毒液・最弱≫、≪毒耐性・弱≫、≪生体針・弱≫、≪怪力・壱≫