青々と生い茂る大森林に大股で歩みを進める指人形が一つ。
『森は多種多様な生き物たちの棲みかよ、地面を大きく抉るように捕食していけば飛躍的に強くなれるわよ』
「わかった」
彼女は魂のラインを限界まで薄く広げて自らの体表面積を薄く広げていく。
そして体表に触れる全ての物質を猛烈な速度で捕食する。
地中の生物は地面ごと根こそぎ捕食され、根を喰われた大木は倒れ、そして彼女の力となり替わる。
『良いわよ、その調子。その調子で森を丸ごと捕食してしまいなさい』
「わかった」
大森林を蝕みながら彼女達は猛進する。
そして暫く森の真ん中辺りまで進んだその時、猛進する彼女に『声』がストップを掛ける。
『止まって』
「?」
『近くに人間の村があるわ、今の強さで人間の集団に接触するのは無謀極まりないわ』
「どうするの?」
『直接戦わなければ良いのよ。近くに泉があるわ、まずはその水を根こそぎ吸い取りましょう』
「わかった」
彼女達は方角を変え、森の泉に向けて猛進する。
生い茂る木々を片っ端から捕食してゆき、通りかかる小動物も纏めて、根こそぎ、一切合財捕食してゆく事数時間。
あっと言う間に森の泉へと辿り着いた。
『大きいわね、端から端まで三百キロ程度かしら?』
「おおきい・・・どうするの?」
『とりあえず水を根こそぎ拝借しちゃいましょう』
そう言われると彼女は巨大な泉に体を浸し、凄まじい勢いで全身から水を吸収し始めた。
『水は捕食じゃなくて保存袋に入れて置きなさい、あって困るものでもないし』
森を捕食した事によりレベルも大幅に上がり、支配できる物質の総量が増えた事もあり、体を薄く引き延ばした時の表面積は大木を覆い尽くせる程であった。
途中に点在する魚や水獣を巻き込みながら水を根こそぎ吸い上げる彼女。
泉の水面は目に見える速度で下がっており、吸い尽くされるのも時間の問題と言う感じであった。
『吸い尽くすまでにだいぶ時間が掛りそうね、まぁこれだけデカイ泉を吸い尽くそうと思えばそれだけの時間は掛るか』
そのあとは特に会話を挿む事も無く、静かに水を吸っていたその時、水面から突如巨大な龍が姿を現す。
『水龍ね、気付かれたら面倒だけど、今の貴女は全身が完全な水だから気付かれる事は無いわ』
龍は泉から飛翔し、空から水かさが減ってゆく泉を見つめながらウロウロと右往左往し困り果てていた。
「どうして水が減っているのだ!?このままではそう時間を置かずに泉は枯れてしまう。ど、どうすれば・・・!?」
龍は水魔法を唱えたり、豪雨を降らせたりとなんとかして水が勝手に減ってゆく現象を相殺しようと奮闘する。
「くそっ!これじゃあ焼け石に水だ。ほ、本当にこのままでは枯れてしまう」
『天下の大尊龍も自然には頭が上がらない様ね』
「あれ、どうするの?」
空で喚き散らしている龍を指しながら指示を待つ彼女。
『ああやって雨を降らしたり霧を出したりするのは結構な労力なのよ。疲れ果てた龍は泉に浸って力を取り戻そうとする筈、そこであなたが龍の全身に纏わりついて全力で捕食すれば割と簡単に龍退治が出来るわ』
『とりあえずあなたは水をもっともっと吸ってしまいなさい、あの龍の力の源は水よ、泉が枯れれば龍は力の補給源を失い、衰弱してゆくだけだから』
「わかった」
軽く会話を交わすと彼女は益々勢いを増して水の吸収に走る。
Lv.980
HP 約二十億 筋力 約一千万 敏捷 約二兆
MP 約二十億 防御 約一千万 知力 約四万
skill ≪『●●●●●●の魂』≫、≪キメラールEX≫、≪変態変体≫、≪無限収納≫、≪光合成・最弱≫、≪再生・最弱≫、≪毒液・最弱≫、≪毒耐性・弱≫、≪生体針・弱≫、≪怪力・壱≫、≪跳脚≫、≪敏捷補正≫、≪兎の俊足≫、≪速歩≫、≪光合成・弱≫、≪再生・弱≫、≪分体≫、≪飽食の極み≫、≪砕歯≫、≪酸性雨≫、≪猛進≫、≪食欲増進≫