ファイアーエムブレム風花雪月 異国のサムライ 作:戦国のえいりあん
今回はフェリクスです!
・ガルグ=マク大修道院 騎士の間
騎士の間にある、焚き火前の長椅子にフウカは腰掛けていた。テーブルの上には自慢の愛刀に加え、自身が所持している数々の武器が置かれていた。傭兵をしていた頃から武器の手入れは特に入念に行っており、このように暇があれば手入れをしたり磨いたりしているのだ。
そんなフウカを見かけたある人物が声をかけた。
「…おい」
「おや?フェリクス殿、こんな所で会うとは奇遇ですね」
「…たまたま通りかかっただけだ」
「そうですか、あなたのことですからてっきり訓練のお誘いかと…」
「そいつも悪くない、お前との訓練は学ぶことが多い。お前と剣を交えれば…俺はさらなる高みを目指すことができるはずだ」
「ふふ、そう言って頂けると嬉しいです。強くなったあなたの剣を早く見てみたいですね」
「…気が変わった。少し付き合え。勝負だ」
「いいですよ。ですが、武器の手入れが終わるまで少し待って頂けませんか?」
「…ああ、待ってやる、早くしろ」
そう言うとフェリクスは近くの壁にもたれかかって手入れが終わるのを待ち始めた。フウカも早く手入れを済ませようと手の動きが早くなる。そんな時、フェリクスはフウカが手入れしていた武器を珍しそうな顔で眺めていた。
「…ひょっとして、私の武器は珍しいですか?」
「…ああ、お前の剣はおそらく"倭刀"だが、それほど上等な剣は見たことがない」
「ふふ、この刀は父上から受け継いだ物です。一つは"備前"、もう一つは"長光"…いずれも私の故郷で造られた物です」
「…変わった名前の剣だな。だが、名工の剣であることには違いない」
「よろしければ、持ってみますか?」
「…阿呆が、そんな大事な物を人に貸すな。お前の親父から託された大切な物だろう」
「フェリクス殿になら構いません。そのかわりと言っては何ですが…あなたの剣を見せてくれませんか?」
「…これか、やはりお前には分かるか」
僅かに微笑むと、フェリクスは腰に下げていた剣をフウカに手渡した。フウカは渡された剣を少し抜いて刀身や装飾、その出来映えを眺めていた。
「…いい剣ですね。厚い刀身に独特な刃紋…さらに切れ味もかなりのものと見ました。この剣も名剣と言えます」
「名工ゾルタンの作だ。少し前に行商で売られていた物だ」
「ふふ、良い物を見せて頂きました。やはり、名工が造った武器を見るのは感慨深いですね」
「俺も同感だ。質の良い武具を見るのは悪くない…」
「では、愛刀を見せて頂いたお礼です。私の刀もどうぞご覧になってください」
フウカは愛刀をフェリクスに手渡した。渡されたのは二本の中で刀身が長い"長光"の刀だった。
フェリクスは刀を鞘から抜き取ると同じように刀身や装飾を眺めている。
「…無駄の無い装飾に、花びらを思わせる華やかな刃紋、それによく手入れされている。切れ味も相当なものだろうな…これほどの剣は俺も見たことがない」
「ふふ、その刀は知人の刀鍜冶が鍛えた物です。オサフネという人なのですが、故郷では名匠と言われていた鍜冶職人です」
「なるほどな…名匠と呼ばれているのも納得できる」
刀の出来映えに感心するフェリクスだったが、それと同時に驚きも覚えていた。それは何と言ってもその刀の重さだ。推定ではあるがこの刀の重さは少なくとも2kgはあるだろう、常人ならこれを長時間振り回すのはかなり困難であるはずだが、フウカはこの刀を片手で軽々と振り回しているのだ。
(以前から思ったが、あの細腕のどこにあんな力があるんだ…?)
フェリクスは改めてフウカの強さを実感すると共に確信したことがあった。彼女の技を盗むことができれば間違いなく更なる強さを身に付けることが出来るだろうと…。
「…良い物を見せてもらった。ほら、返すぞ」
「ありがとうございます。もう少しで終わりますから、今しばらくお待ちを…」
「ああ、……ん?おい、それは何だ?」
フウカが最後に手入れしていた見たことも無い武器、フェリクスはそれに興味を抱いていた。それは小さな鎌に鎖が取り付けられ、その鎖の片端には金属の分銅が付いている。こんな武器はフォドラ大陸でも見たことがない武器だ。
「あ、これですか。これも私の故郷で造られた武器"鎖鎌"ですよ」
「鎖鎌…?見たことも聞いたことないな…」
「そうですね…故郷でも珍しい武器ですから」
「そうか…ところで、お前は扱えるのか?」
「鎖鎌を教えてくれた師匠には及びませんが、ある程度なら扱えますよ」
「…ほお、面白い。その鎖鎌とやら、俺に見せてみろ」
「構いませんが…刀ほど上手くは扱えませんよ?」
そう言うとフウカは早速、騎士の間に置いてある打ち込み人形の前に距離を離して立つと、鎖鎌を構える。分銅の付いた鎖を腰の近くで円形に軽く振り回し始め、その鎖の回転速度が徐々に速くなっていく。そして狙いを定め、フウカは鎖分銅を勢いよく人形に命中させた。分銅が命中した人形の箇所には深いへこみが出来、その威力の凄まじさを物語っていた。
「ふう…やっぱり難しいですね」
「驚いたな…まるで鎖が生きているようだったぞ…」
「鎖鎌の戦法は基本がこの分銅です。距離が詰められたならこちらの鎌で急所を狙う…。ですが鎖分銅を掻い潜って距離を詰めるのは困難でしょうね」
「…面白い。こんな武器がこの世にあったとはな。おい、その鎖鎌とやらで俺と勝負しろ」
「え!?で、ですが…これは訓練でも危ないですよ?」
「構わん。俺はその鎖鎌と戦ってみたい。さっさ行くぞ!」
「ち、ちょっと!フェリクス殿!待ってください!」
フウカの静止も聞かずにフェリクスは足早に騎士の間を去っていった。恐らく訓練場に向かったのだろう。
「ど、どうしよう…訓練用の鎖鎌なんて持ってないよ~!下手したら大怪我させちゃうかも…」
フェリクスとの支援が上がった!
フェリクスをエピタフにして倭刀を装備させてよく戦わせてました!風花雪月の中で日本っぽさがあるのはエピタフと倭刀だけですよね…
後、もう一人支援会話を書くつもりです!