Muv-Luv Alternative✖️機動戦士ガンダムOO 地獄に降り立つ狙撃手   作:マインドシーカー

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この小説は、ご覧の作者の提供でお送りいたします。

やっときた、どんときた。
やりたかったシーンの数々。
とりあえずは、読んでから決めてほしい。

あ、ごめんなさい本当はそんなに強気ではないんです。

ちょっとリアルが忙しめなのでこの先は投稿が滞るかもです。
なるべくは、1週間に1本のペースでいきたかったんですが(そんなこともないときもあったけどそんなのは気にしない気にしない)、今回は短い期間で連続で上げる形になりました。

独自解釈や、色々な裏設定追加などが起こっているため、「原作ではありえない」という事象がかなり多い当作品ではありますが、どうか温かい目で読んでいただけると幸いです。

前書き長くなり過ぎましたね。
では本編をどうぞ。

イメージOPは「SAVIOR OF SONG」



story10「明星作戦」

かつてユーラシア大陸において行われた人類初のハイヴ攻略作戦が存在した。

作戦名、パレオゴロス。

1978年当時、フェイズ3であったミンスクハイヴを攻略するために行われた作戦だ。

 

次に行われたのは、オルタネイティブ第3計画が主導して行われたボパールハイヴ攻略作戦。

作戦名、スワラージ。

1992年に行われたこの作戦は失敗したものの、この作戦によって同年には瓦解すると予想されたインド戦線を94年まで持ちこたえさせた。

 

それに次ぐ、大規模な反抗作戦を行うため、人類は横浜の地へ集結していた。

昨年、本土の半分近くを失った日本帝国は、佐渡島と横浜、二つの場所にハイヴを建設されてしまう。

人類は、先人たちが敗北を余儀なくされた幾多の戦いの雪辱を晴らすのと同時に、人類初のハイヴ攻略という悲願を成し遂げるため、横浜ハイヴ攻略及び、楔を打ち込まれた形になっている本州島奪還を目的とした作戦を行うことになった。

 

作戦名称―――――明星作戦(オペレーション・ルシファー)

 

国連軍主導で発案されたこの作戦は、前述した横浜ハイヴ攻略そして占領と同時に、本州部の奪還とBETAの侵攻を押し戻すのを目的としていた。

この作戦に参加するのは、作戦を主導した国連アジア極東方面軍及び、大東亜連合軍と、日本帝国軍。

無論、国連でも大きな影響力持つアメリカ合衆国軍も、国連軍と共に戦線において後方支援という名目で参加する事になっていた。

この作戦に参加する者たちは、人種に問わず、それぞれの思いを胸に戦場へ向かう。

 

ある者は、故郷を取り戻すため。

 

ある者は、祖国を取り戻す一歩にするため。

 

ある者は、愛すべき人を守るため。

 

ある者は、大切な家族を守るため。

 

ある者は―――――現実という非合理の塊へ復讐するため。

 

皆、その手に銃を取り、前進する。

未来(あす)を掴むために。

 

 

 

 

 

 

作戦開始1時間前―――――

 

帝国連合艦隊および、国連軍・大東亜連合軍の艦艇群で構成された水上打撃群は、上陸予定地点に対して艦砲射撃を行うため、砲撃位置へ移動するべく静かに霧に包まれた海上を移動していた。

多くの艦が海上を航行する中、霧の中から"それ"は現れる。

 

それは、極東の小さな島国が作った海の化け物(リヴァイアサン)

 

46cm45口径三連装主砲塔3基9門を搭載した、かつての大日本帝国海軍が誇る世界最大・最強の超弩級戦艦。

 

名を、大和。

 

日本という国を体現したソレは、海の覇者として君臨すべく生み出された存在だ。

 

しかし今、彼女の矛先は仮想敵として定められた各国の戦艦でもなければ、彼女がいる海は艦隊決戦の場ではない。

46㎝砲の砲口は、護るべき祖国(くに)へ向けられていた。

 

 

 

帝国海軍連合艦隊・第二艦隊第三戦隊旗艦、戦艦「大和」艦橋。

その場所は、太平洋戦闘時の物に比べると時代に合わせてより近代化を施された内装になっている。

 

「まさか、この「大和」の主砲が、倒すべき戦艦(てき)ではなく祖国へ向けられようとはな・・・」

 

艦橋内に立つ、帝国海軍の軍服を纏う男―――――戦艦大和の艦長である田所大佐は、そう独り言を呟いた。

時計の針は6の部分を指している。

 

現在の時刻は、午前6時丁度。

 

艦内では、1時間後の作戦開始に向けて各部署の人間たちがそれぞれに任を全うするべく奔走していた。

作戦の第一段階である国連宇宙総軍の軌道爆撃の準備も最終段階に入っているはずだ。

 

「艦長。第二艦隊全艦艇、並びに国連軍、及び大東亜連合軍の全艦の攻撃準備、間もなく完了いたします。」

 

彼の部下である「大和」副長が、そう伝える。

 

「了解した副長。全艦へ通達、別命あるまで待機せよ。」

 

微速のまま海上航行している全ての艦の艦載砲塔は、その全てが横浜市街地へ向けられている。

現在この海域には、連合艦隊第二艦隊第三戦隊所属の「大和」の他に同じ第三戦隊所属の「武蔵」「長門」、そして重巡洋艦と軽巡洋艦数十隻、駆逐艦多数が静かに海の上を移動していた。

この艦隊から少し離れた場所には50隻以上の戦術機母艦が航行し、海中には何十隻もの潜水艦が潜んでいる。

 

作戦開始の時間は、刻一刻と迫る。

 

別海域では、帝国海軍連合艦隊第二艦隊第二戦隊が展開していた。

 

「大和」率いる第三戦隊は第二陣であり、横浜・横須賀両港への突入が任務の第二戦隊は第一陣となっている。

 

第二戦隊は、大和型戦艦3番艦「信濃」を筆頭に、紀伊型戦艦「美濃」「尾張」「加賀」の3隻に加えて巡洋艦数隻、それに駆逐艦数十隻で構成され、その後方にはウィスキー部隊を抱えた戦術機母艦数十隻、その周囲に何十隻もの護衛艦艇、そして、第一艦隊旗艦である重巡洋艦「最上」が随伴していた。

 

 

 

 

「作戦開始まで、あと20分ほどね・・・」

 

「最上」艦内。

戦域をモニターしている巨大なCICの中で、CIC内の状況を静観する小沢艦長の隣に立つ白衣姿の女性ーーーーー香月夕呼は、そう、独り言を呟いた。

彼女はAL4の責任者として、そしてこの作戦を推した者の1人として、ここに来ていた。

 

夕呼は、時間を確認すると、艦長に許可を貰い、オペレーターの1人に命じ、待機中のある人間に通信を入れた。

 

「通信、繋がりました。」

 

「ありがと。」

 

夕呼は、オペレーターに渡されたヘッドセットを受け取り、装着する。

 

「聞こえるかしら、ウルズ01?」

 

『感度良好。問題無く聞こえてるよ、ミス・コウヅキ。』

 

インカム越しにそう声をかけると、すぐに飄々とした雰囲気で男の声返ってくる。

 

「作戦開始まで残り僅か。初陣を控えた隊長さんの調子はどうかしら?」

 

夕呼は皮肉気な笑みを浮かべながら言った。

 

『問題ないさ。調子は上々。それで、なんの用だミス・コウヅキ?』

 

強化装備に着替え、ヘルダイバーの管制ユニット内でジーナと共に機体の最終チェックをしつつで出撃待機をしていたロックオンは、問い返す。

 

「最終確認よ。わかっているわよね?」

 

その問いに、夕呼は敢えて回りくどい言い方で答えた。

それに対して、飄々とした態度でロックオンは返す。

 

『機体の準備は万全。他の連中も問題ない。あとは、俺たちが出撃するまでの間に作戦がうまく運んでもらえるかどうかにかかってる、くらいだな。』

 

「軽く言ってくれるわね。」

 

『でないと、俺もアンタも困るだろう?』

 

夕呼の呆れたような口調に、ロックオンは「仕方がない」という様子で返す。

 

『なぁ、ジーナ?』

 

同じ機体に乗る少女に話を振るロックオン。

振られた方は「私に聞かれても困るわ?」と返していた。

 

「軽口を叩けるのも今のうちよ。順番が来たら、嫌でも働かせてあげるわ?」

 

そう言う夕呼に「怖い怖い」と言いながらおどけてみせるロックオン。

 

『いつもあれだけ働かされるのに、更に働かされるのか。オーバーワークだ。パワハラだ。肝に銘じておかねぇと、次にどうなるかわかったもんじゃねぇ』

 

彼とて、大きな作戦の前で多少なりとも緊張していたが、慣れてもいる。

だからこそ、こんな軽口も叩けるのだ。

 

「そろそろ作戦が開始されるわ。それじゃあ、またね」

 

『オーライ。帰ったら一杯やろうぜ』

 

そう言葉を交わして、通信は修了した。

 

 

 

 

 

そして、戦いの幕が上がる。

 

 

 

 

 

 

(※ここからは、映画「男たちの大和」サントラより、『男たちの大和』を流しながらやると個人的にはテンションが上がりました。よければかけてみてください)

 

 

 

『総員に通達する!』

 

艦内放送で聞こえるのは、艦隊司令官の言葉だ。

 

『この戦いが、BETA大戦を早期終結に向かわせることを切に願う。』

 

海を、鋼鉄の竜が駆ける。

 

『真の平和と、安らぎをこの手に取り戻すために。オペレーション・ルシファー、開始せよ!』

 

CIC内が慌ただしくなり、オペレーターが次々と指示を出す。

 

「甲22号目標攻略作戦開始!目標、日本・横浜市!」

 

そして、「大和」艦橋。

 

「作戦開始時刻です、艦長。」

 

「ああ。」

 

副長が作戦開始と告げ、田所は砲手へ命令を下す。

 

「主砲全門、射撃用意!」

 

「主砲、射撃用意!」

 

46cmの、世界最大の主砲が、全ての砲門を日本本土へ向けた。

 

「各艦、タイミング合わせ。左舷ロケット砲座および、艦対地ミサイル全門発射用意!!」

 

「発射用ー意!」

 

全ての準備は整った。

 

「攻撃目標、横浜市上陸地点周辺!」

 

           

 

 

 

ーーーーーそしてここに、反撃の狼煙があげられる。

 

 

 

 

「軌道爆撃、開始されました!」

 

観測員が上空から降下してくる対レーザー弾頭を満載した爆撃の様子を見る。

直後に、それを捉えた何かから白い光が横浜市上空へ放たれた。

 

それは、レーザー級による光だ。

 

「敵BETA群、レーザー級による対空迎撃を開始!」

 

観測員の報告と同時に、田所は叫ぶ。

 

「レーザー照射後の隙を突く!全砲門、撃ち方始め!」

 

「全砲門、撃ちー方始め!」

 

艦長の号令と同時に、砲手がそれを復唱する。

その号令と共に、艦隊全艦の全ての火砲が、一斉に火を吹いた。

 

放たれる何発もの砲弾とミサイルとロケット弾。

 

それらが横浜の廃墟となった街へと降り注ぐ。

宇宙軍の軌道爆撃に行った対空迎撃により、第一射目から次射までの間に生じる僅かなタイムラグ。

それによって数秒間、対空迎撃のためのレーザー級による傘が失われた状態である筈の地上のBETA群の頭上に、無数の砲弾が落下してくる。

照射待機状態にいた個体が順次、対空レーザー照射を再開し、落下してくる砲弾を迎撃していく。

更にダメ押しで、多摩川河川に展開していた砲兵大隊が追撃の砲撃を開始する。

次々と照射されるレーザーは、放たれるロケット弾を、砲弾を破壊していき、これによって横浜市上空には爆発によって空に黒い雲が形成されていった。

 

「横浜市上空他、目標エリアに重金属雲の形成を確認!」

 

これは布石だ。

形成された重金属雲は、レーザー級による対空迎撃を阻害する。

 

「これより面制圧砲撃を開始する。砲術長、あとは任せるぞ。」

 

「了解!これより、面制圧を目的と下艦砲射撃に移行する。弾種を対レーザー弾頭弾より通常弾頭へ変更。各艦は、砲撃準備が出来次第、徹底的な面制圧を開始せよ!」

 

CICへと指示が下り、火器管制を司る要員から各砲塔に指示が飛ぶ。

 

「弾種切り替えまだか!」

 

『もう少しで終わります!』

 

『2番砲塔、切り替え完了!いつでも行けます!』

 

『1番砲塔もいけます!』

 

『3番砲塔、準備完了!いつでもどうぞ!』

 

「了解。主砲、射撃開始せよ!撃ち方始め!」

 

直後、轟音と共に地表への艦砲射撃が開始される。

 

「観測員より報告!沿岸部におけるBETA群の数、想定の倍以上であると認む!目視確認のため、詳細はつかめず!」

 

艦橋では、報告される内容に艦橋要員の何人かが歯がみしながら言う。

 

「やはり、奴らの数は想定を上回るか・・・!」

 

「だが、既に賽は投げられたのだ。」

 

「砲撃の手を休めるな!」と指示し、艦長は海岸を睨むように見ていた。

 

 

 

 

 

「ふむ・・・。やはり、奴らの物量は想定していた数より多いようですな。」

 

通信員より現状を聞かされた「最上」艦長の小沢は、落ち着いた様子でモニターに映し出される戦況を見ながらそう言った。

 

「そのようですわ。」

 

腕組みをしながらモニターを眺めている夕呼。

戦況を表すモニターに表示されている時間は、既に30分以上が経過したことを示している。

作戦の第1段階は、既に終盤に差し掛かろうとしていた。

当初の作戦計画書に則れば、海上からの艦砲射撃と地上からの砲兵大隊による砲撃による2方面からの漸減を兼ねた面制圧射撃はまだ暫く行われるはずだ。

作戦が第二段階へ移行すれば、既に海中から横浜・横須賀両港を目指す「海神」を中心とした強襲揚陸部隊が、港を中心に強襲上陸をかけ、それに呼応して横浜と横須賀、両港を目指して第二戦隊が湾へ強行突入。

第二戦隊による支援砲撃を行いながら、ウィスキー部隊を上陸させる。

 

「想定外の出来事とはいえ、この規模のハイヴが短期間で作られたのですから、それも踏まえた上で臨機応変に対応してこそですわね。」

 

「なるほど。副司令にとっては、「お手並み拝見」と言ったところですかな?」

 

社交的な笑みを浮かべながら「お好きなように捉えてくださって構いませんわ。」と夕呼は返す。

 

「第二戦隊旗艦「信濃」より打電。『我、此レヨリ突入準備ニ移ル』とのことです」

 

CICのオペレーターの1人が、小沢へと報告する。

 

「いよいよですな。」

 

「ええ。」

 

モニターに映し出された第二戦隊を示す光点が、ゆっくりと東京湾外縁部である横須賀港近くの海域に近づきつつあるのが確認できた。

 

 

 

突入準備に入った第二戦隊は、横浜市、そして横浜・横須賀港へと近づいていく。

 

「作戦は第二段階へ移行!強襲揚陸部隊がこれより上陸を開始します!」

 

「了解した。第二戦隊旗艦「信濃」より各艦へ。進路そのまま、支援砲撃を行いつつ上陸地点の安全を確保!海中からくる連中の道を開け!」

 

そして、ゆっくりと本土との距離を近づけていく「信濃」以下第二戦隊の艦艇群から再び砲撃が行われる。

 

 

 

 

海中を進むのは、オルシナスのコールサインを冠された潜水艦群だ。

そしてそれは、潜水艦先端部に存在した。

 

81式強襲歩行攻撃機「海神(わだつみ)」。

 

それらで構成されているのは、スティングレイ中隊と呼ばれる戦術機中隊だ。

同じ海域にもう一つ、この「海神」で構成された中隊は存在した、これらは海中から目標地点への強襲上陸と、上陸地点の確保を目的として行動していた。

 

『作戦は第2段階へ移行した。オルシナス01より、スティングレイ01へ。これより戦闘海域に入る!準備はいいな?』

 

『勿論だオルシナス01。』

 

『それでは行け!海兵隊の底力を奴らへ見せつけろ!』

 

同時に、潜水艦から次々に海神が切り離されていく。

 

 

 

海の神は世に放たれ、不届き者へ神の鉄槌を下す。

 

 

 

『スティングレイ01よりスティングレイ全機へ!海兵隊の恐ろしさを奴らへ思い知らせろ!全て蹴散らすんだ!!』

 

『モビーディック01よりモビーディック全機!スティングレイの連中だけに良い顔をさせるなよ!白鯨の名が伊達ではないという事を証明してみせろ!』

 

スティングレイともう一つ、白鯨(モビーディック)の名を冠されたもう一つの「海神」の中隊がそれぞれ上陸地点を目指して海中を進む。

やがて速度をあげ、港近くに浮上した。

浮上の勢いを利用して海上に躍り出ると、潜航形態から戦闘形態へと変形する海神。

そして、港を目指しながらそれを阻むべく接近してくるBETAの生き残り目掛けて両腕のチェーンガンを構え、一斉に攻撃を開始した。

十分に海岸に接近し、未だ海上にいる海神からは無数の銃弾とミサイルが放たれる。

互いに助け合いながら、全機が無傷で上陸地点に到達した。

そして、地上を歩きながら港から街を目指す。

放たれる銃弾とミサイルは、BETAの軍勢をなぎ払っていった。

 

『こちらスティングレイ01!上陸地点に取り付いた!これより上陸部隊の安全を確保するために前進を開始する!』

 

『上陸地点の安全確保を最優先にしろ!どのみちこいつじゃ、地上で掃討戦をやるのは無理だ!』

 

徐々に戦線を押し上げつつ、上陸地点を確保するスティングレイとモビーディック両中隊に危機が迫る。

 

『隊長!光線級が!』

 

生き残っていた光線級の群れが、スティングレイとモビーディック両隊へと照準を定め始めるのが各機から確認できた。

空陸ともに脅威となる光線級。

それらが、再度陣形を組み直して両隊を消滅させるべく準備を始める。

 

このままでは、海神で構成された上陸部隊に被害が出るだけでなく、すでに同じように射程内へ入っている突入部隊と戦術機部隊を上陸地点へ送り届けるべく近づいてきている戦術機母艦部隊が攻撃を受ける。

 

『スティングレイ01よりHQ(ヘッド・クォーター)へ!至急、支援砲撃を頼む!上陸地点近くに潜んでやがった光線級の団体さんが現れた!このままじゃ、戦術機母艦部隊が狙い撃ちにされるぞ!』

 

『HQ了解。現在、支援砲撃の準備を行っている。準備完了次第、砲撃を開始する。』

 

『急いでくれ!このままじゃやられてしまう!』

 

海神の部隊は、この間にも戦線を押し上げていた。

 

と、次の瞬間。

人を「知的生命体」として認識していない相手だ。

こちらの常識が通じるはずもない。

 

『れ、レーザー照射が始まりました!これは・・・!』

 

目の前を光が通過し、数機が貫かれる。

 

『スティングレイ06!』

 

『スティングレイ09、通信途絶!』

 

『モビーディック04、応答しろ!』

 

港から出て市街地へと近づいてきていた海神数機が沈黙した。

そして、そこをすり抜けた背後の戦術機母艦部隊へ吸い込まれていく。

 

『間に合わないか・・・!?』

 

容赦なく放たれたレーザーは、容赦なく戦術機母艦へ襲いかかるーーーーー筈だった。

 

『隊長ぉ!護衛の艦が・・・!』

 

退避命令を無視したのであろう。

戦艦群よりも先に港近くへの強行突入を敢行した護衛艦数隻が、戦術機母艦の盾になる形でレーザーの直撃を受ける。

レーザー照射を受けた数隻が、何もなせぬまま無念の内に炎に包まれて海中へと没していく。

直後に、炎上しながら沈んでいく護衛艦の残骸を押しのけながら、巨大な戦艦が侵入してくる。

最大戦速で第2戦隊の艨艟達が一斉に飛び込んできた。

 

『進路そのまま!目標、敵残存光線級群及び敵残存BETA群!撃ち方始め!』

 

『撃ちー方ー始めっ!』

 

先頭の「信濃」を筆頭に、砲撃が開始された。

程なくして、地上のBETA群に砲弾の雨が降り注ぐ。

しかし、接近したがゆえにレーザー級による迎撃を許してしまい、効果的な砲撃は望めなかったことで海上を進む戦術機母艦群に光線級によるレーザー照射が行われてしまう。

想定よりも数が多いがゆえに、撃ち漏らしが出たのがここにきて痛手になっていた。

しかし、仲間の屍を越えて上陸部隊は作戦通りに上陸を秒読み段階に移行していく。

 

『各艦は臨機応変に戦況に対応!以降は各艦の裁量で判断し、上陸部隊を出撃させよ!』

 

この通信を聞いた戦術機母艦各艦の艦長が、各々で指示を出す。

戦いの場で、想定外の出来事は日常茶飯事だ。

 

それが、BETA相手の戦いならば尚更。

 

次々に、戦術機母艦の格納部からから撃震や陽炎、不知火、F-4E、F-15Cが出撃する。

 

『メイジ01よりメイジ隊各機へ。生きている機体は残らず俺に続け!上陸地点で踏ん張っている連中と合流するぞ!ついてこい!』

 

『ブラウン01より各機へ。全機、噴射跳躍最大出力!辿りつけなければ終わりだ!行くぞ!』

 

『ランサー01よりランサー各機へ、我に続け!各隊とともに、突破をはかるぞ!』

 

『ガーゴイル全機、何がなんでも上陸地点にたどり着け!』

 

どれほど被害を受けようとも、彼らの戦意が衰える事は無い。

なぜなら、彼らにはそれだけの理由がある、覚悟がある。

だからこそ、ここにいるのだ。

海上を、そして主戦場たる港を含めた沿岸施設へと辿り着いた何十体もの戦術機が、戦場を駆け抜ける。

 

帝国軍である事を示す灰色の「撃震」「陽炎」「不知火」。

 

それに続くのは、国連軍所属である事を示すUNブルーの「ファントム」「イーグル」だ。

 

『ここから出ていけクソ野郎!ここは・・・俺たちの場所だ!』

 

それに乗る衛士達は口々に叫び、立ちはだかる障害たるBETAの大群を突き崩してゆく。

 

『返してもらうぞ!俺の故郷を!』

 

後方からは支援砲撃が降り注ぎ、進路上のBETA群を薙ぎ払う。

 

 

 

その頃、多摩川を中心として構成されていた防衛線から戦域にアプローチしてくる部隊がいた。

本土伝いに旧横浜市街を目指してきたのは、帝国陸軍の2個連隊だ。

 

その中に、一糸乱れぬ動きで戦場を駆け抜ける12機の戦術機がいた。

 

「―――――綾峰中将。貴方の無念は、必ずやこの私が晴らしてみせます。」

 

銃撃音が鳴り響き、不快な破裂音や炸裂音とともに戦車級が吹き飛ばされ、切り裂かれた要撃級が崩れ去る。

 

『皆、同じ気持ちです。どれほどこの日を待ち望んだことか・・・!』

 

「なればこそだ。帝国本土を守護するは斯衛だけではない事を示す!」

 

隊長機である沙霧の乗る戦術機ーーーーー帝国本土防衛軍のカラーリングである94式「不知火」12機が、戦場を駆け抜ける。

 

「聞こえているな?中隊全機、我に続け!帝国の精鋭が斯衛だけではないということを証明してみせろ!」

 

ーーーーー本土防衛軍、ここにありと!

 

『『『『『『『『『『『はっ!!』』』』』』』』』』』

 

優秀な軍人でありながら、時代の流れに殺された不運の名将の遺志を継いだ武人は戦場に立つ。

 

彼らの志は一つ。

 

「(もう、これ以上は喪わぬために戦うのみ)」

 

彼らの意思を体現するかのように、機械仕掛の侍(不知火)が、自分たちへ仇を成す不届き者へ天誅を下す。

 

「そこを退け、化け物共!」

 

そして、沙霧の乗る不知火が、正面から襲いかかった要撃級を切り刻み、沈黙させた。

 

 

 

 

 

 

BETAによって形成された肉の壁を突破するべく、作戦に参加する衛士達は奮闘していた。

そして彼らが戦う戦場に、満を持して到着した部隊がいた。

京都において受けた屈辱。

それを晴らすために、帝国斯衛軍が今まさにこの戦場に参戦していた。

多摩川河川より、帝国本土防衛軍に遅れる形で戦域へ入ってきた部隊。

無数に形成された戦場のうちの1つに、色取り取りの戦術機が到着する。

 

それは、赤い色に塗装された戦術機を先頭に、隊列を組んでいた。

赤い色の戦術機―――――帝国斯衛軍採用の最新鋭機である00式「武御雷」の先行量産機だ。

それに率いられた中隊に引き続いて、その横に新たに隊列を組んで戦場へ現れた部隊がいた。

山吹に染められた「武御雷」と、白き「武御雷」11機からなる白き牙部隊(ホワイトファングス)が美しい陣形を形成し、号令を待つ。

更にその周囲には、瑞鶴で構成された3個中隊が合流してくる。

 

『―――――時は来た。戦場に立つは我ら斯衛の誉れ。かつて受けた雪辱を今こそ晴らす!』

 

赤い武御雷が抜刀し、その切っ先を向かうべき敵へと向けた。

 

『クリムゾン01より、斯衛の同志たちよ!突撃にぃ・・・移れぇい!!』

 

「応!!!」という全員の声と同時に、赤の武御雷を先頭にクリムゾン中隊が突撃を開始した。

共に、黄色や白、黒、赤で構成された瑞鶴のみの部隊もそれに呼応して一斉に戦線へと混ざっていく。

 

『ホワイトファング02よりホワイトファング01。赤の斯衛ばかりにいい顔をさせてよろしいので?』

 

ホワイトファング01―――――山吹色の武御雷に乗る衛士へ、部下である白の武御雷に乗るホワイトファング02から通信が入る。

 

「わかっている。かつて京都での戦いで受けた屈辱。そして、戦いの中で散っていった斯衛の先達たちに恥じぬ戦いを」

 

山吹色の衛士強化装備に身を包んだ少女―――――篁唯依中尉が、凜とした声で告げる。

 

「ゆくぞ!ホワイトファング全機、その名の示す通りに、その牙をもって奴ら噛み砕け!!」

 

『『『『『『『『『『『はっ!』』』』』』』』』』』

 

斯衛の女性衛士のみで構成された部隊「白き牙部隊(ホワイトファングス)」。

その隊長たる帝国斯衛軍中尉・篁唯依の号令の下、戦乙女たちが美しい陣形を組みながら突撃を開始した。

 

 

 

 

 

 

太平洋上、横浜周辺海域。

第3段階において太平洋側より攻撃を行う予定の第二陣たる帝国海軍連合艦隊・第二艦隊第三戦隊及び国連軍所属の5隻のアイオワ級戦艦で構成された水上打撃部隊。

更にその後方には上陸部隊第二陣として、戦術機母艦群が控えている。

第一陣によって上陸地点は確保され、旧横浜市海岸部への逆上陸は可能になっている。

しかし、戦いは益々苛烈を極めるだろう。

そして、戦術機母艦の中で、衛士達は出撃命令を待つ。

 

 

―――――そして、その瞬間は訪れる。

 

 

 

『エコーα1よりHQ、全艦艦載機発進準備よし!』

 

艦の昇降機(エレベーター)が起動して、機体が上へと持ち上がっていく。

彼らの眼前に広がるのは、重金属雲によって黒く染まった空と、灰色に映る海。

視界の先にある陸地では、散発的に光が点滅していて、港方向には煙がいくつも上がっている。

 

『HQ了解!全機発進せよ!繰り返す、全機発進せよ!』

 

号令と同時に、戦術機が次々に戦術機母艦の艦上から飛翔した。

噴射跳躍で跳び立つ戦術機部隊。

 

そしてまた、AL4配下の部隊を抱えた戦術機母艦の艦上に、国連軍所属としては珍しい戦術機が現れる。

それは、A-01連隊所属の2つの部隊が運用する94式「不知火」だ。

 

『いくぞヴァルキリーズ!全機、続け!』

 

『デリング01より中隊各機へ。ヴァルキリーズの連中に遅れを取るなよ。忠実に任務を全うしろ!』

 

『『『『『『『『『『『了解!』』』』』』』』』』』

 

戦術機母艦から、UNブルーの不知火2個中隊が出撃した。

 

 

 

 

 

 

『パープル01より、CP(コマンドポスト)!数が多すぎる!至急、支援を要請する!』

 

BETAの大群を、他の中隊と共に相手取るパープル01は、悲鳴にも似た声をあげた。

 

ウィスキー部隊の1部隊として戦闘に参加していた彼らは、89式戦術機「陽炎」を中心とした戦術機中隊だ。

彼らは、同じ戦域に展開する帝国軍の部隊と共に、ハイヴを周辺の安全を確保する目的で前進を続けていた。

しかし、眼前の圧倒的な物量の前に思うように戦線を上げることができなくなっていた。

補給用コンテナがあるとはいえ、圧倒的な物量を相手に消耗戦を続ければ、いずれ押し負ける。

 

『こちらCP。パープル01聞こえるか?』

 

『パープル01よりCPへ!感度良好だ!返答は!?』

 

『すまないが、支援砲撃にはしばらく時間がかかる。貴官達は、現戦力で対処されたし。』

 

『なに・・・!?』

 

無情にも告げられる「支援砲撃を期待するな」という言葉。

最早彼らには退路は無いというのに、ここにきてその返答は死に等しかった。

このままでは、現状を打破できない。

 

『ふざけるな!このままでは全滅も―――――』

 

『・・・待て。何?国連軍の1個中隊が向かった・・・?』

 

『どうしたCP!?』

 

『朗報だ。そちらへ国連軍所属の戦術機1個中隊が向かった。それが到着次第、戦線の押し上げを図れ。』

 

『たった1個中隊!?ふざけるな!そんなの焼石に―――――』

 

焼石に水、と言おうとしたが、CPには一方的に通信を斬られてしまった。

この状況で、ただの1個中隊が戦力に加わったところで状況が変わる筈が無い。

 

『結局、自分の身は自分で守れってことかよ・・・!俺たちは捨て駒か・・・!?』

 

『隊長!戦域に侵入してくる中隊があります!これは・・・』

 

『なんだ・・・?』

 

ーーーーーそう。ただしそれは、ただの(・・・)1個中隊であればの話だ。

 

戦域マップに表示される、戦闘エリアへと侵入してきた新たな12機の戦術機。

その識別信号は国連軍だが、確認できた戦術機の該当機種はパープル01もよく知る、帝国軍制式採用の戦術歩行戦闘機、94式「不知火」だ。

 

彼が知る中で、国連軍で運用される戦術機はF-15EやF-4Eといった機体だ。

不知火を装備している部隊など聞いた事が無い。

そして、次の瞬間「それ」が眼前に現れた。

 

『こちら、国連軍ヴァルキリー中隊所属、遠藤春香大尉だ。微力ながら、貴官らを援護する。』

 

『あ、ああ………』

 

網膜投影に映ったのは女性衛士。

しかも、階級はパープル01より上の大尉だ。

 

『ヴァルキリー01より各機へ。さぁ、狩りの時間だ。戦乙女(ヴァルキリー)の名に恥じぬ戦いを見せろ!』

 

獰猛な笑みを浮かべる遠藤。

押し寄せるBETAへ向かっていく12機の不知火。

新たに参戦したヴァルキリー中隊。

彼女たちの洗練された動きと、連携によって、怒涛の勢いで戦術機部隊を押し戻そうとしていたBETAの大群に綻びが生じ始めた。

 

 

 

 

 

 

作戦開始から既に5時間以上が経過し、沿岸部、そして地上からの二方面攻撃はBETAの戦力を完全に二分することに成功し、作戦は第3段階への移行を開始する。

衛星軌道上で周回軌道に乗っていた軌道艦隊から離脱する影があった。

それは、ハイヴ周辺のBETA群の誘引に成功し、(ゲート)周辺の安全が確保されたことが前提で大気圏へと突入した軌道降下兵団の戦術機部隊をカーゴ内に積載した再突入型駆逐艦だ。

衛生軌道上から大気圏、それを経て旧横浜市上空を目指し、死を覚悟した命がけの降下(ダイビング)を経て降下兵団は戦場へ到達。

そして、再突入型駆逐艦から投下された幾つものカーゴが、規定の高度に達したことで解放され、中から血に飢えた鷲の群れが放たれる。

 

『アクイラ01よりアクイラ各機(アクイラズ)!命がけの降下の気分はどうだぁ!?』

 

自由落下の要領で地表を目指す降下兵団の内の1機、アクイラ中隊の隊長機が通信を繋げた配下の機体に乗る部下たちに叫んだ。

 

『はっ!最高だなこいつはぁ!これで、奴らに一矢報いれる!!』

 

2番機であるアクイラ02のコールサインを与えられた衛士が応答する。

 

『その意気だアクイラ02!全機、気を緩めるなよ!ここで着地に失敗なんてヘマをした奴は俺が地獄まで追って殺してやるぞ!』

 

『『『『『了解!』』』』』

 

国連軍を示す「UN」の文字を肩につけたF-15E(ストライクイーグル)が、群れを成してハイヴの上に形成された地表構造物の横にある門を目指して降下していく。

ハイヴ上空に形成された重金属雲を突き抜け、軌道降下兵団の戦術機甲部隊は地表を目指して最終着陸態勢に入った。

 

『く・・・!』

 

重金属雲を抜けると、地上では激戦が繰り広げられているのが上から見下ろすことが出来た。

これは、軌道降下兵団だけの特権だ。

しかしまた、彼らも戦場の渦中にいることを再認識させられる。

戦線を瓦解させられているとはいえ、BETA群は全体的に見ればまだ生きている状況だ。

 

『各機、対レーザー回避運動!撃ち落されるなよ!』

 

アクイラ01が、網膜投影越しに見える景色を見つつ、高度警報を聞きながら指示を出す。

直後、運悪く被弾したストライクイーグルの姿が見えた。

 

『隊長!』

 

それは、無慈悲にも放たれたレーザー照射によるものだった。

 

当然だ。

レーザー級は空にいる存在(モノ)全てを焼き尽くす悪魔だ。

それが、空を飛ぶ大鷲(ストライクイーグル)を逃す筈がない。

 

『くそったれ…………!』

 

アクイラ02の真横を、レーザーが掠めた。

その1分後に、アクイラ01のストライクイーグルが目標地点である門近くへと着地する。

同時に、ゴールインを終えていた部隊とともに、アクイラ中隊も突撃を開始した。

 

『さあ仕事の時間だ大鷲ども!たっぷりと奴らにプレゼントをくれてやれ!!』

 

裂帛の一声とともに、アクイラ01が駆るストライクイーグルが装備している2門の突撃砲が火を吹いた―――――。

 

 

 

 

 

地中奥深く。

ハイヴから、蟻の巣のように伸びた横坑。

その中を移動するBETAの大群は、静かに指揮をとる者の指示を待っていた。

すでに、彼らの準備は整っている。

ハイヴの入り口である門を確保した突入部隊は既にハイヴ内への突入を開始し、ハイヴ近辺には地上からの突入部隊が接近していた。

 

本来のこの世界において行われた同じ作戦よりもよりも更に規模の大きな反抗作戦。

しかし、苛烈なまでの人類の猛反撃は、それでも尚、その上をゆくBETAの物量によって塗りつぶされようとしていた。

 

鋼鉄の巨神達の前に、さらなる怪物が立ちはだかる―――――。

 

 

 

 

 

 

「最上」CIC内。

 

「軌道降下兵団による門の確保、開始されました!」

 

オペレーターの一人が、軌道降下兵団の参戦を告げる。

 

「博士。頃合いですかな?」

 

それを聞いた田所が、傍らに立ち戦況を見ていた夕呼に言う。

 

「そのようですわね。オペレーター、ウルズの連中を出撃させて頂戴。」

 

「了解。」

 

そして、未だ後方の戦術機母艦の中で出撃命令を待っていたウルズ小隊隊長機へと通信が繋げられた。

 

 

 

 

 

『CPよりウルズ小隊へ。出撃してください。』

 

ウルズ小隊の隊長機であるF-14/AN4「ヘルダイバー」。

その中で、出撃の瞬間を待っていたロックオン・ストラトスの耳に、CPからの出撃命令が届く。

 

「ようし!ウルズ小隊全機、聞いていたな?満を持しての出撃だ。準備はできてるな?」

 

『ウルズ02、問題ありません。』

 

『ウルズ05、いつでも大丈夫ッス。』

 

『ウルズ06、右に同じく~』

 

『ウルズ04、問題ない。』

 

他の機体に乗るウルズ小隊のメンバーから返事が返ってくる。

 

「ウルズ03、問題ないな?」

 

複座の配置になっている管制ユニット内。

ロックオンの正面に座る形のジーナへと確認するロックオン。

 

「問題ないわ。いつでもいけるわよ?」

 

『ハロモ行ケル!ハロモ行ケル!』

 

ジーナが返事を返すと同時に、ハロもそれに応じるように耳に似た開閉部を開けたり閉じたりしながらロックオンに喋りかける。

 

「頼りにしてるぜ、相棒。」

 

ロックオンがそう言うと、昇降機が動き出し、外の景色が見えてくる。

 

『ウルズ小隊各機、出撃準備完了。いつでもどうぞ。』

 

戦術機母艦から通信が入る。

 

「オーライ。ウルズ小隊、出撃するぞ!」

 

ロックオンの号令と同時に、ウルズ小隊所属の5機が跳躍ユニットを噴射させ海上へと躍り出た。

 

「さぁ、任務開始だ。」

 

そうして、5機の戦術機は混迷の戦場へと向かった。

 




まだまだ続くよ明星作戦。
はい、説明パート的な状況が戦闘描写でもずっと続いちゃってます。
正直、ここであれを出したりこれを出したりするのも、四苦八苦だったので色々無茶苦茶になってます。
話が長くなるので一旦ここで区切りました。
なので、前書きにも書きましたが「温かい目で」お願いします。
まあ、うん。自分が悪いんですがね(

感想、ご指摘、ご要望など、気軽に頂けると幸いです。

それでは勝手に恒例にしてる次回予告をどうぞ。




手にした力を振るう理由はいつでも変わらない。
命、生きる場所、人としての誇り、穏やかな生活。
それらを奪われるから、ただ奪われないために。
誰かが危機に陥るたび、誰かが立ち上がる。
誰かが犠牲になると知りながら、誰かを守れると信じて戦う。

次回「光の果てに」

―――――それ以外に、僕らは術を知らなかった。

(イメージED「バッドパラドックス/BLUE ENCOUNT」)

※作者の都合で次話タイトルは変わります。ご了承ください。

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