エスデス様大暴走。
注意、オリ主出番ありません。
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第2話
ーエスデスが来る‼︎ー
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○タツミside○
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○ナイトレイド隠れ家○
○とある部屋○
ーーー最近寒気が止まらない。
「あん?そんなの風邪じゃねぇのか?粥でも食って安静にすれば大丈夫だろ?」
目の前の席で、装備の点検をしているナイトレイドの仲間である【ラバ】が、俺の相談に軽く答える。
「いや、そうじゃなくて………そう、まるで襲われる前の獲物のような………」
「はぁ?なんだそりゃ?」
そう、この感覚は親父の『ドキ・本気の組手lvMAX』を初めて受けた時に感じたそれによく似ている。
あの時は本気で殺されるかと思った。
「嫌な予感がする」
「まあ、慎重なのはいいことだがな………そうだ。気晴らしに飯でも行くか?」
「………はぁ、そうだな。気にしすぎるのもアレだな」
「ああ、アレだからな‼︎」
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○タツミside END○
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○語りside○
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その日、北の異民族を鎮圧してきた将軍エスデスが皇帝に謁見し、褒美をもらう手はずであった。
しかし、その場にいた人間は言葉を失っていた。
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○宮廷○
○謁見の間○
「ーーー恋を成就させようかと思っています」
皇帝は言葉を失っていた。何せエスデス個人に褒美を与えようとしたら、惚気話が出てきたのだから。
「あ、相手はどんな人間なのだ?」
「はい、タツミという平民で、辺境の生まれですが………」
エスデスの口から語られる情報に、近くに護衛として控えていた1人の将軍が反応する。
「タツミ………もしや、大嵐のカイドウの息子」
「知っているのか?」
皇帝は思わず声に出してしまった将軍に問う。
「は、はい、皇帝陛下。タツミが私の知っているタツミであるならば、先代皇帝陛下が配下にして、当時最強の名を欲しいがままにしていた英雄、大嵐のカイドウ将軍の息子かと」
頭を下げた将軍が、皇帝に報告を行う。
「おお‼︎ その名前なら朕も聞いたことがあるぞ‼︎」
「はい、私の師であり義父でもあります」
皇帝の喉から変な音が出る。
「待てよエスデス将軍。それはすなわち………」
「ええ、義弟と結婚しようかと考えています」
皇帝は慌てた様子で隣に立つ太った男ーーー【オネスト】大臣を見る。
いつも大臣に任せれば何とかなっていた。今回もきっとうまくやってくれる。そう信じて皇帝はオネストに視線を向けていた。
しかし、その視線に答える余裕はオネストにはなかった。
「(か、か、か、か、カイドウだとぉおおお⁉︎ あのバケモノの息子⁉︎ アブアブアブ⁉︎ バァブ)」
帝国を牛耳り、その上皇帝を傀儡にしているオネストの脳内は、すでに恐慌状態であった。それはもうキャラ崩壊を起こすほどには。
それは彼がまだそれなりにしか権力を持っておらず、勢力を拡大させていた当時の話であった。
ーーーとある戦場。
ーーー圧倒的なまでの武力。
ーーー瞬く間に全滅する敵。
ーーー応援するだけの味方兵士達。
味方兵何してると言っている余裕など無かった………圧倒的な恐怖と今までも見たことのないような死の世界。それはオネストの心の中に恐怖を植え付けるだけの威力があった。
どんなに権力があろうと、どんなに兵を持ち合わせようと、どんなに金を持っていても、勝てる気がしなかったのだ。
何とか辺境に引っ込んだと思えば今度は息子である。オネストの胃腸はキリキリと音を上げていた。 珍しく手に持っていたハムを食べる気にすらならない。
「(ーーー待てよ?)」
しかし、悪知恵に関しては天才的であるオネストの脳内は、とある可能性を見出す。
「(エスデス将軍はこちら側の人間。別に引き込めるなら構わないのでは?)」
というよりもあの怪物の手綱を引けるなら悪い話ではない、とオネストの脳内は損得をはじき出す。
「(ついでにタツミとやらも利用して差し上げましょう。ふふふ、私にもツキが回ってきましたか)」
オネストは巨大な腹をぶるんと鳴らし、皇帝の顔に視線を向け、次にエスデスに視線を向ける。
「それではエスデス将軍、我々で協力できることはさせていただきましょう」
「それでは少しの休暇と一般兵を少々お借りします」
エスデスの目が細くなる。
「分かった。休暇を与え、帝都の兵は好きに使うといい。エスデス将軍ならば兵士達も喜んで従うであろう」
「はっ、ありがたき幸せ」
しかし、エスデスは内心で全く別の感情を持っていた。
「(愚物が)」
それはオネストに向けられた感情であった。
「(あのタツミが貴様なんぞの愚物の仲間になるわけがないだろう)」
タツミはナイトレイドという暗殺集団の一員である。そしてナイトレイドは反乱軍側の組織だ。
そんな場所に所属している人間が、悪の親玉たるオネスト側に付く事はありえなかった。
「(だが、それでいい)」
そう、エスデスは変わった。 タツミと出会い、タツミと過ごし、タツミを思い、タツミに恋い焦がれ、タツミと最後を迎えたその瞬間………その間の幸せが彼女を変えた。
彼女は戦闘狂、いや戦争狂であったが………すでに彼女の中で戦争は一番にはならず、その座にはタツミがいた。
「(タツミさえ見つかれば、信用できる兵と共に反乱軍に鞍替えし、交渉でタツミを手に入れ、チャンスさえあれば義父のいるタツミの故郷の辺境地域を独立国家として認めさせる。無論王はタツミで女王は私だ。 あとはうまくタツミを説得して、帝国か近くの国と小競り合いを起こせれば私の戦闘欲も満たせる)」
それはある種でエスデスらしい計画であった。しかし、エスデスはタツミのために帝国を捨て、皇帝を断頭台に送り、オネストを殺す覚悟を決めた。
「(ふっ、大臣に皇帝陛下。 せめて最後まで私とタツミの幸せの役に立つといい。 それまでは生かしてやるさ)」
しかし、問題がないわけでもなかった。
「(確かナイトレイドは女所帯だった気がする。なんだかんだで【アカメ】や【ナジェンダ】も女だしな。あ、もちろんあの【帝具】は除くが)」
それは常にタツミの周囲に女の影があることを意味していた。
「(一刻も早くタツミと会う必要がある。そう、"多少強引にでも"な)」
そしてもう一つ。
「(皇帝陛下の帝具【シコウテイザー】………あれをどうしたものか)」
それはタツミを殺した帝具であり、帝国の切り札である。
「(反乱軍ごときで何とかなる武力ではない。 仕方ない。 私の【三獣士】と反乱軍帝具部隊を鍛えて袋叩きにするしかないか?)」
そして皇帝に申し出た休暇。 それは未来で三獣士を死なせないためのものであった。
「(あの犯行はナイトレイドの仕業………下手をすればタツミがやったのかもしれない。流石に部下をタツミに殺させるわけにはいかない)」
どちらにしても、エスデスのやる事は決まっていた。
「(人と時間は確保できた。あとは実行するのみだ)」
エスデスは野望(?)に燃えていた。
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○語りside END○
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エンド
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