「......大地さん.....本当に大丈夫ですの?」
「.......あ?あ、あぁ、大丈夫大丈夫.....体が重いだけだから.....」
いつもより少し遅くに教室に向かっている、セシリアと大地。だが、大地は昨日の体調が回復しないのかフラフラしていた。
「....しっかりしてくださいまし......どうぞ、お手を...」
「.....別に大丈夫やけん......ほら着いたぞ....」
「そう.....ですか....」
何故か残念そうな顔をしていたセシリアだったが、大地は気付かなかった。そして、教室へ入ると
「......騒がしいな.....」
教室では何かの話題で持ちきりで、クラスメイトが騒いでいた。
「どうしたのでしょう?.....あ、本音さん。」
「ん?あ、セッシーとわんわんおだ~、おはよう~」
「えぇ、おはようございます。それで、この騒ぎは?」
「うん、実はね....」
「2組に転校生とクラス対抗戦の賞品の半年も使えるデザートのフリーパスで盛り上がってる.......ことか.....」
「うんうん......(ねぇ、セッシー....)」
「?(どうしましたの?本音さん。)」
本音はセシリアの近くに行き、耳打ちをしていた。
「(わんわんおどうしたの?何か変だよ?)」
「(....実は、体調が優れないらしくて.....本人は普通にしていますが.....歩くと少しフラフラしていまして.....)」
「(そうなんだ.......わんわんおって言っても何も言ってこなかったから......保健室には行ったの?)」
「(いえ、何度も言ってるのですが.....本人が大丈夫って押しきって.....)」
大地の変化に本音とセシリアは心配していたが、
「.....その情報、古いよ。」
突然、入り口から声が聞こえた。一斉に視線がそちらに向けた。
「だ、誰ですの?」
「...例の転校生じゃないかな~?ねぇ、わんわんおはどう思う~?......ってわんわんお?」
セシリアと本音は大地を見てみると、
「.......」
「だ、大地さん?」
凄く驚いている顔をしていた。
「2組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝出来ないから。」
噂の転校生はそう話をしていると
「鈴.....?お前、鈴か?」
一夏が突然、口を開いた。
「そうよ。中国代表候補生、凰鈴音。今日は宣戦布告に来たってわけ。」
彼女はふっと小さく笑みを漏らす。すると、大地が突然立ち上がり、鈴音の元へ向かった。
「.......久しぶり....だな....」
「....あんた......そういえば、あんたも動かしてたのよね....」
大地と鈴音は知り合いのように話す。
「.....あの時は弟が本当に迷惑をかけた。すまない....」
「いや、だから、あれは私のせいでもあって.....てか、あの時もこのやり取りしてたわね....」
「お、おい、大地....」
「ん?」
一夏の声に気付き振り向く。
「知り合いなのか鈴と?」
「ん?あぁ、少しな......空夜が知ったら喜ぶな....あいつお前をそうとう慕ってたからな『鈴姉!!』って。」
「へぇ、あいつ元気なんだ。」
「あぁ。」
2人が仲良く話をしている時、クラスの半分がこう思った。
「(笑ってる)」
彼は常にムスッとした顔で目付きが悪くあまり笑わない人間だった。しかも、頭を下げていたので尚更、驚いていた。
「(.....大地さんが落ち着いて笑っていらっしゃる。)」
セシリアも笑ってる顔を見たことがあるが、それは今のとは違って何か諦めの感じる笑顔だった。そして、
「おい」
「あ、千冬さん.....」
「SHRの時間だ、教室に戻れ。後、ここでは織斑先生と呼べ。そして、入り口を塞ぐな。邪魔だ。」
「す、すみません。一夏!!また後で来るからね!!」
すたこらさっさと鈴音は2組に戻って行った。
「柊もさっさと戻れ。」
「は、はい。」
大地も自分の席へ戻ったが、
「一夏!!今のは誰だ!?知り合いか?えらく親しそうだったな?」
篠ノ之さんから始まり、クラスメイトたちの質問攻めを一夏は受けていた。その全員が、織斑先生の出席簿食らった。
「凄かったな.....篠ノ之さん.....」
「え、えぇ.....」
セシリアと大地は授業も終わり、食堂で食事をしていた。午前の授業中、篠ノ之さんは鈴音と一夏の関係を考えていたせいで山田先生に注意され、織斑先生の出席簿アタックを食らっていた。
「.....大地さん.....それで足りますの?」
「あ?」
大地のメニューはいつもの.....ではなく、フルーツ!フルーツ!フルーツだけであった。
「今は飯よりこっちが良い.....あ~うめぇ。」
「......」
やはり体調が良くないのか?とセシリアが思っていると
「あ、わんわんおだ~、ねぇ、ここ良いかな~?」
後ろから本音と......谷本と相川の女子が少しびくびくしながら待っていた。
「.....俺は.......別に......セシリアは?」
「えぇ、構いませんわ。」
「やった~。ほらほら二人とも~。」
「え、えっと失礼しま~す。」
「ど、どうも~」
大地は少し渋ったが前よりひそひそ話も無くなり、座る所もまた少なくなっているので.....と、良いと思った。
「ねぇねぇ!!わんわんおとさっきの転校生の人ってどんな関係なの!?」
本音がさっきよりぐいぐいと近付いて来ていた。
「だぁ!鬱陶しいなぁ!あまり近付くな近付くな!だから、少し関係があるってだけだつうの....」
「あ、私も気になる。」
「私も!私も!」
本音に続いて、谷本と相川が続いた。
「.....私も気になりますわ。」
頼みの綱のセシリアも気になり、本音側に回った。
「......はぁー....弟が迷惑をかけたんだよ....」
「弟?」
「わんわんおって弟居たんだ。」
諦めたのか事情を話し出した。
「.....あれは....12月で中学....1年の冬休みだったな.....弟が俺の誕生日プレゼントのために何か考えてな......その時に助言してたのが鈴音だったわけ.....俺には全く秘密で、従兄弟の弾にも内緒で二人で遠くで買い物をしてたわけだが.......案の定迷子......やっと帰って来たのが、午後8時......冬だから暗くてな........俺の為なんかに......はぁー、弟を殴って、次の日に鈴音に謝ったってわけ。1、2回しか会ってないのに良く俺のことを知っててな.......多分、弟が言ったんだろうな.....」
「そうなんだ。」
「........はぁー、この話は終わりだ。終わり。」
彼は残りの物を食べて立ち上がった。
「その、弟君は何をプレゼントしようとしたの?」
ただ、ただ純粋に気になった相川は大地に聞いた。
「......本だよ...」
「本?」
「そう.....学校の図書館で毎回読んでた本の新作がな......学校には無くてな.....だから、諦めてたんだが......それを弟が察知して買って来たってわけ.....しかも、作者とイラストレーターのサイン入り......そのために遠くまで行ってたんだよ.....今でも持ってるよ。」
「どんな内容?」
「.......じゃあな!」
「あっ!待ってよ!!」
「私もその内容聞きたい!!」
内容を聞かれたくない大地はさっさと食堂から離れた。
「むー!....セッシーはどんな内容か知ってる?部屋同じ何でしょ?」
「.....さぁ?どうでしょうか?ご馳走でした。」
「え!?それ知ってるってことよね!待ってよ!!」
セシリアも3人に気にせずに食堂から離れた。
誤字や何か意見があれば宜しくお願いします。