学園の地下に山田先生と織斑先生の2人がいた。2人とも、最初はアリーナの戦闘の映像、次に廊下の監視カメラが壊れるまでの映像を見ていた。
「.........」
「.........」
アリーナの戦闘は2人のコンビで戦闘を繰り広げられ、廊下での戦闘は激しかった。ゴーレムの攻撃を避けず、斬り合い、殴り合い、蹴り合い......大地が傷つく度に山田先生は目をそらし、織斑先生はじっと見ていた。そして、全ての映像を見終え、
「......織斑先生.....」
山田先生は少し深呼吸を行い、持っていた端末を操作した。
「......あのISの解析結果が出ましたよ。」
「.....あぁ、どうだった?」
「....はい、あれは........無人機です。」
無人機......飛行機などでは採用されているが、ISでは未だに成功がされていない技術......
「どのような方法で動いていたかは不明です。」
「コアはどうだった?」
「それが.....2つとも登録されていないコアでした......」
「そうか...」
織斑先生は何か確信したような表情をしており、山田先生は、
「....何か心当たりがあるんですか?」
そう聞いたが
「.....いや、ないさ.........今は.....な」
「......そう.....ですか.....」
織斑先生はもう一度映像を見ようとしたが、山田先生が肩を震わせていた。
「......どうしたんだ?山田君....」
織斑先生は、山田先生の方を向き聞いた。
「.......約束したのに.......」
「.......」
「約束したんですよ.......柊君と......私を庇って死にかけて.......病院であの時に.......『今度は、私が守ります!!だって、私は貴方の教官ですから!!』って........なのに!.......」
山田先生の目には涙が流れていた。織斑先生も大地が背中を刺され、緊急搬送されたことは知っていた。
「........彼の元へ行けず........また......そして......織斑君たちにも.......」
「..........山田君....」
山田先生はボロボロと涙を流し話した。
「.......すみません.....」
山田先生は持っていたハンカチで涙を拭きしまった。
「......柊の容態は?」
「......お腹辺りと腕の打撲などの軽い怪我だけで済んだようです。」
「.....そうか.....」
織斑先生は山田先生を少し見てから、また映像を見始めた。
一方、保健室
「~♪.........これで.....完成かな?」
大地はあの戦いから数時間後に目を覚まし、教師たちからの事情聴取を終え、今日1日はベッド安静と保健の先生に言われ、先生に部屋の裁縫道具などを取って来てもらい何かを作っていた。
「お邪魔しま~す~♪」
「ど、どうも.....」
「.......」
そこに、本音と簪と相川が入ってきた。
「おー.......あれから大丈夫か?」
「.....それ....こっちのセリフ....」
「そうだよ!!1人で無茶して!!」
大地の言葉にツッコミをいれながら、近付いた。
「.....柊君.....」
「ん?あぁ、相川さんか......怪我は?」
大地は相川が怪我をしていた足を見た。
「あ!うん、先生も何ともないだって......その......ありがとう......」
「......別に......やることやっただけだし.......それに.....あれは俺が原因だろうしな......」
大地は3人が聞こえないほどの小さな声でそう言った。
「ねぇ~わんわんお~」
「わんわんおって言うな.....んだよ....」
本音が間に入り、あることを質問した。
「これって裁縫道具だよね~?何作ってたの~?てか、作れたんだ~」
珍しそうな顔で大地を見ている本音。
「あぁ、作れるが.....そうそう.....はいよ....」
「え?」
大地は完成していた、キーホルダーを相川に渡した。そこには、『健康』と縫われていた。
「足.......早く治ると良いな.....」
「っ!!......うん!!ありがとう!!」
「....そうそう笑顔でいろy「良いなぁ~!!」いででで!!引っ張るな!引っ張るな!怪我人だぞ!!こっちは!!」
本音も大地のキーホルダーが欲しいのか、腕を引っ張っていた。
「む~、私も欲しい~!!かんちゃんも欲しいよね~?」
「.....私は......既に持ってる....」
「え~!?ずるい~!!」
「だぁぁぁ!!分かったから!!作ってやるから腕を強く引っ張るな!!」
本音が駄々をこね、大地の腕を強く引っ張り痛みが出て痛そうにした。
「本音.......迷惑だから.......」
なんとか、簪に止めてもらい事なきを得る。すると、
「失礼しまーす。」
今度は一夏たちが入ってきた。
「(.....あー、まずいなぁ....)」
大地は少し嫌な予感がした。その予感の通り
「っ!!」
一夏の顔を見た簪が驚き、
「ちょっ!ちょっと!かんちゃん!!」
「え?あ、それじゃあね、柊君!!」
本音の腕を引っ張り急いで出て行き、相川も続いて出ていった。
「ど、どうしたんだ?」
「あー、あの子はな.......少し人見知りでな.....」
一夏が突然のことで驚き、大地に質問をした。
「そ、そうか.....」
「で、あんたは何してんのよ?」
一夏の後ろから鈴が出てきた。
「あ?裁縫だよ......完成したものはもうあげたけどな.....」
「へぇー、見た目によらず器用よね、あんた.....」
「見た目は余計だ....で、何しにきた?」
「見舞いだよ、お前が目覚めたって聞いたからな!!」
「全く.....あれくらいで男が情けないぞ!!」
また、後ろの箒がそう言う。
「おい箒、言い過ぎだぞ。それに、危険な行為をして1週間も自室謹慎くらったやつは誰だよ!」
「うぐっ!.....す、すまん....」
何のことだ?と大地は思ったが気にせず、
「別に良いぞ、気にしてないからな。で、セシリアは何持ってんだ?」
そう言い、3人より後ろでやり取りを笑っていたセシリアに視線を向けた。手にはバスケットがあった。
「えぇ、保健室で安静と聞きましたので、サンドイッチを作ってきましたわ。」
セシリアは大地に近付き、バスケットを開けた。
「マジでか、腹減ってたから助かったわ。おー、選り取りみどり。ちょっと待ってろ、片付けるからな。」
大地は、机の上にあった裁縫道具を片付け、近くの水道で手を洗った。
「では、頂きます!」
「どうぞ、お食べください。」
大地は、まず左端にあるサンドイッチを手に取り食べた。
「.......」
「?どうしました?大地さん?」
「大地?」
突然、食べた瞬間顔が青くなり、口が動かなくなった大地を心配し始めた4人。
「(.....なんだこれぇぇぇぇ!!!!!!最初、苺ジャムかと思ったが、変な味がする!!しかも、なんか香水の匂いががががががが!!!!!)」
「あの.....大地さん?駄目.....でしたか?」
「(そんな、目で見ないでくれよぉぉぉぉ!!!!!)んぐっ!......イエ、オイシイデス。トッテモ.....」
「良かったですわ!でも、何故片言ですの?」
「キニスルナ.....それと、セシリアさんや....」
「はい?」
「.....今度.....一緒にサンドイッチ作ろう......このお礼とかしたいから.....」
「?え、えぇ、分かりましたわ!!あ、皆さんもどうです?」
「あ、良いのか?そr「駄目だ!!」え!?」
セシリアが他の3人にサンドイッチを勧めようとして、一夏が手をつけようとすると大地が止めた。
「......腹が凄く減っててな.....これ全部で満腹にしたいんだよ......」
苦し紛れの言い訳をすると、
「あぁ、それなら仕方ないな!」
「む!一夏!!そんなに食べたいなら私が作ってやらないこともないぞ!!」
「あ!!卑怯よ!!一夏!!私も作ってあげるわよ!!」
一夏は納得したが、今度は一夏を巡る争いが起こった。
「皆さん、大地さんのご迷惑ですわよ?ほら、大地さん遠慮なく食べてください。」
セシリアが2人の争いを止め大地にすすめた。
「.....頂きましゅ....(作ってくれた奴の思いと食品の無駄には出来ん!!)」
その後、不思議な味と香りに悪戦苦闘をし全て食べきり、4人は保健室から退場した。
その夜
「........寝れん.....」
大地は保健室のベッドで寝よう、寝ようとしても考え事でいっぱいで眠れずにいた。
「.........少し歩くか.....」
大地はベッドから抜け出し、廊下を歩き出した。
「.......ん?」
大地は静かに廊下を歩いていると、ある人物を見かける。
「.....ん?おや.....こんな時間にどうしたんだい?柊君。」
「いえ、眠れなくて......轡木さん。」
「はい、どうぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
大地と轡木は学園内にある事務員たちが時々使用している休憩室いた。大地は、轡木から出されたお茶をもらい....
「.....ふーふーふー...」
「あぁ、熱かったかい?氷を入れようか?」
「.....大丈夫です。ふーふーふー。」
意地をはって、氷を入れるのを拒否をした。
「.......今日は大変だったねぇ......」
「そうですね......」
今回の事件は学園内の生徒と教員全員に箝口令がしかれており、噂話さえ一切禁止されていた。だから、事務の人とは関係がないし、知らないかと思っていた大地。
「......今回のことで眠れないのかい?」
「.....別に......あれ以上の怖いものを知ってますから.......ただ......考えてしまうんです.....」
大地は自分の中の恐ろしいものを知っていた。だから、あまり、あぁいうのに恐怖は少し湧くが立ち向かえない程ではない......
「......何を考えてしまうんだい?」
「.......自分がこの世に居なければ良かったなぁ......って.....」
「......」
大地は淡々と話を始めた。
「自分が居なければ......家族には迷惑をかけなかった......山田先生があんな目にあうこともなかった.....皆も怖い思いもせずに済んだ......毎日....毎日毎日....そう.....考えてしまうんです.....」
「.......」
「それで.........最悪な結果が頭の中でいっぱいになるんです.......今回だって......もし、あいつらが逃げた先に第3、第4のISが現れていたら......って........俺のせいで.....もう誰かが傷つくのを見たくないんです......だから、もうs「そこまで!」っ!」
ピシャリ!と大地が言いそうになったことを止めた。
「.......君は本当に優しいんですね......でも、それを言ってしまえば.....君の家族や友達が悲しみますよ......それこそ、相手を傷つけるのと同じです.....」
「.......すみません.....」
「いえ、分かってもらえれば良いんです。......これを....」
轡木が近くのファイルからある紙を1枚、大地に渡した。
「......これって.....」
「ゴールデンウィーク中の外出届けの許可書です。私と君の仲を妻が知ってるから渡されたんですよ。......少し、肩の重い荷を落として楽しんでください。」
「.....すみません、ありがとうございます.....」
「いえいえ。あ、でも良いですか?」
「はい?」
大地は飲み物を飲み干し、保健室に戻ろうとした時轡木に止められた。
「.......必ず、誰かと一緒に行くこと.....それが.....約束です.....良いですか?」
「......それは、どっちの意味ですか?」
「どっちもです!」
そうニッコリと笑って返事を返された。
「......分かりました......重ね重ねご迷惑をおかけします.....それでは、失礼します。」
「はい、お休みなさい........良い夢を.....柊君....」
轡木は優しい目で、大地の後ろ姿を見守った。
今回はここまでです!!
何かあれば、よろしくお願いいたします!!