艦娘に転生したけど燃料が足りないので清掃員になります 作:シニカケキャスター
特に筆者。
1日1時間くらいしか執筆できない(泣)
「私が来る前はすごく汚かったんですよねー」
「じゃあ清掃員さんが全部きれいにしたの?」
「妖精さんが手伝ってくれましたから」
私は着任した新しい提督を案内している。もちろん初期艦の電ちゃんも一緒だ。ちっちゃくてかわいいです。ハイ。
「ここが入渠施設です。簡単に言えば怪我した艦娘を治すところになります」
「すごく広いのです!」
「妖精さんが本気を出した結果、ちょっとしたスーパー銭湯みたいになっちゃいました。マッサージチェアとかはご自由にお使いください」
「妖精さんってすごいね…」
妖精さんはすごいです。
「ここが執務室です」
「公務を行うところなのです!」
「この本棚は隠し扉になっていて、裏には隠し部屋があります」
「秘密基地かな?」
「前任の提督の趣味なんじゃないでしょうか?ここ以外にも隠し部屋や隠し階段があるので暇な時に探検してみるのもいいでしょう」
「ほんとに秘密基地かな?」
前任に聞いてくだせぇ、私ゃ知らん。
「ここが食堂です」
「みんなでご飯を食べるのです!」
「今のところ料理係が私と妖精さんしかいません。人員を…増やしてください…!」
「えっと…なんかごめん」
すごく…ブラックです…!
「ここが工廠ですね」
「工廠では艦娘の建造ができるのです!…あれ?もう稼働してるのです?」
「妖精さんが提督の着任前に建造を開始しました」
「えぇ!?」
「だって人手が足りてないんですもん…!中庭の手入れに廊下の掃除、ここから10キロ以上離れた街に行って買い出し!他にもこれから事務作業もあるんですよ!?こんなの絶対おかしいよ…!妖精さんがいなきゃ私過労死しちゃいます!誰か他の人雇ってくださいお願いしますぅ〜…」
「なんかごめん」
「そ、それはそうと、もう建造できたみたいなのです!」
「そうだね!誰が来るのか見てみよう!」
話をそらすな!死活問題だ!
「オープンなのです!」
私が錯乱しているうちに始まっちゃった。チャンスは三回。何が出るかな?
「暁よ。一人前のレディとして扱ってよね!」
「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」
「雷よ!かみなりじゃないわ!そこのとこもよろしく頼むわね!」
おーう、暁型揃っちゃったよ初っ端から。妖精さん全部駆逐艦のレシピでやりましたね?個人的には軽巡が欲しかったです。
「あ、電じゃない!」
「久しぶり、電!」
「ハラショー」
「みんな…!」
感動の再会。こんなあっさり書いていいのかと思うでしょうが、筆者の腕前ではこれが限界でございます。
それはさておき。
「提督、これからお仕事の時間です。書類の山を攻略いたしましょう」
「え゛!?い、いや、私書類整理とか苦手かなー…なんて」
「仕事です。諦めてください」
「用務員さんがんばって!」
「清 掃 員です二度と間違えないでくださいよ提督」
「ヒィィィィ!逃げろォォォ!」
「妖精さんお願いします!」
『つかまえろー!』
『にげるやつはていとくだー!』
『にげないやつはよくくんれんされたていとくだー!』
『ひっとらえろー!』
『たてよこくみん!』
「ギャアアアアアアアア!!」
さあ、お仕事の時間です!
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「司令官、用務員さん、お茶持ってきたわ」
「休憩なのです!」
「用務員じゃなくて、清掃員です…」
「書類…もう見たくない…」
疲労困憊満身創痍。提督のライフはもうゼロです。
「聞いてくださいよー。提督が思った以上に書類整理が下手だったせいで私の仕事が増えちゃったんですよー」
「どうせ下手ですよ!高校出てすぐ実家の手伝いしてたからやったことないから!」
「実家は何をしていたんだい?」
「農家だよ。北海道で酪農とか畑とかやってた」
へー農家だったんですか。うちの親戚にも農家さんいたよ。静岡で茶葉作ってた。
「それでも事務作業はあったでしょ?」
「私はやってないです」
やってくださいよ個人経営でしょ?キリッとした顔で言わないでください。
「士官学校とかで習ったでしょ?」
「実技以外ギリギリでした」
おいおい。
『じゃあてーとくはおばかさんなんだー』
『おばかさーん!』
「なにさ!バカって言った方がバカなの!」
『ばーかばーか』
『ばーかばーか』
「ムキー!」
「喧嘩のレベルが小学校低学年と同等なんですけど?」
提督がこれはないでしょー。
「はわわ、妖精さんも司令官さんも落ち着いてくださいなのです!」
そしてその喧嘩を止めようとがんばる電ちゃん。すごくかわいいです。ハイ。
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「哨戒任務にいってくるのです!」
暁型駆逐艦の初任務は哨戒。まあ妥当なところかな?
「いってらっしゃーい」
「帰ってくるまでが哨戒任務ですよー。あと大破したら無理せず即帰還すること!これ大事。大破したら即帰還!」
『だいじなことなのでにどいいました』
『てすとでるよー』
『これおぼえておけばごうかくー』
「大破進軍なんて許さないよ。提督命令!」
「はい!」
「もちろんよ!」
「ハラショー」
「言われなくたてもわかってるわよ!」
それならいいんですよ、それなら。
「ちゃんと帰ってきてね」
「プリンを作って待ってますからね」
「プリン…!」
ふっふっふ、つれたな!
「と、いうわけだから頑張ってね!」
「「「「はーい!」」」」
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私は北海道で実家の手伝いをしながら過ごしていた。
「おーい、ハルー!なんか手紙届いてるぞー」
「手紙?」
一通の手紙が届いたその日から、私の人生は変わった。提督の適性があるということが判明して、御国の為と士官学校に送り出された。御国の為って言われても、そんなに愛国心はないからやる気は全然なかったんだけど。
でも深海棲艦という敵と戦っているのが、艦娘っていう女の子だと聞いてから、そんな不真面目な考えは捨てた。だって私よりちっちゃくてかわいい女の子が、身体を張って戦っているんだよ?しかもそんな艦娘を、やれ化けもんだ、やれ道具だなんて言う輩がいっぱいいる。世も末だと思ったよ。
もしかしたら深海棲艦はこんな愚かな人間を滅ぼす為に現れたんじゃないかとかも思った。このまま深海棲艦の好きにさせてもいいんじゃないかなとも一時期思ったけど、艦娘が今まで頑張って人間を守ってきたんだから、それを無にするのも悪いと思った。
それから私は頑張って勉強した。私が頑張れば艦娘が沈んでいくのを減らせるかもしれない。そんなふうに考えた。結局頑張っても合格ギリギリの点しか取れなかったけど。
私が提督としてやってきた鎮守府は、山と海に囲まれたところだった。街までは10キロ以上離れているし、道は舗装されていない一本道。実家も似たようなものだったから私は大した問題はないけど。
「あわわわわ、すごく揺れるのです!」
「砂利道だからねー」
「あうッ!」
初期艦の電ちゃんは慣れてないからだめみたいだけど。
「ほ、ほんとにこんなところに鎮守府があるのですか!?」
「さぁ?あっても重要度の低い鎮守府だと思うけど」
前任の提督が麻薬の密輸入でとっ捕まって、艦娘が総異動になったっていうからろくでもない鎮守府なんだろうけど。
「お、見えてきたよ」
視界に入ったのは、意外にも立派な鎮守府だった。もうちょっとボロいと思ったんだけどな。
「ほんとにあったのです…」
「場違いなまでに立派な鎮守府だね」
意外と前任も外観には気を使ってたのかもしれない。
「やっと着いたのです。運転お疲れさまです!」
「大本営も車で送るくらいしてくれたっていいじゃないかまったくー」
「きっと大本営も忙しいのです。がまんがまんなのです!」
かわいい、すごくかわいい。思わず撫でちゃう。
「わわっ、司令官さんいきなりなでないで欲しいのです!」
これは君がかわいいのがいけないんだ。私は悪くない!
そんなことをやっていたせいか、玄関掃除をしている人にまったく気がつかなかった。
180センチはありそうな長身に、ボサボサな灰色がかった黒髪を後ろに束ねている。向こうもこちら気がついたのか、整った顔立ちに笑みを浮かべて立っている。
「どうも!私はこの鎮守府の清掃員です!」
こんなキャラの濃い清掃員がいるか!