あにめのべる   作:nyanoD

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 惑星サンライズに存在する『クラウディア』
 それに存在する『クラウド大陸』から、大陸外の調査に向け出発した雲海調査船『アスタンテ』

 彼らは、まもなく雲海の彼方に現れた”光の柱”の調査を行なおうとしていた。

 だが、それと同時にMIA(Missing in Action)扱いとなった恋人の幻覚に襲われる「カンジ・アカツキ」
 その幻覚の正体とは……

 そして、その幻覚に対しイサムとガルドが言葉を発するのだった。



第2.1話 “人形”たちの想い-VOICES-

▶アスタンテ・ブリッジ◀

 

リエ「……」

フェステニア「だからさぁっ! 私たちを保護しろって言ってんの!!」

カティア「あなたたち、軍人でしょ? この場合、保護するのが当り前よね?」

メルア「えーと、対応次第では相応の報いを……」

リエ「ッ!!」

 

遂にリエも我慢の限界だった。リエは、3人の頬を叩いた!

 

リエ「いい加減にしてください! 自分たちの都合だけで物事を進めないでよね!!」

フェステニア「ふーん」

カティア「これがあなたたちの意思なのね」

メルア「ぶ、ぶつことないのに……とても、痛かったです」

 

 3人は、これを狙っていたのだろう。軍人が一般人に手を出すという行為を!

 その様子を見ていたイサムとガルドが仲裁に入る。

 

いや、どちらかといえばリエのフォローにまわったのだった。

 

イサム「艦長さん、そういう役は俺たちに任せておけ」

ガルド「いったん冷静になれ」

   「艦長に不利になるような状態にしないと誓っておく!」

リエ「は、はい……」

 

 リエは、涙ぐんだ顔を見られないようにブリッジを後にした。

 ここから反撃が始まる……

 

イサム「久しぶりだな、おまえら」

ガルド「俺たちの顔を忘れたとは言わせんぞ?」

 

フェステニア/カティア/メルア「!!」

 

 3人の顔色が一気に変わったのが分かった。

 

イサムとガルドは、アスタンテに搭乗する前、当時所属していた軍の任務で月に出向していた。その時、月の施設で彼女たちに会ったことがあったのだ!

 

 当時から生意気だった彼女たちは、矯正という名目で軍のお偉方から指導を受けていた。イサムとガルドも彼女たちには、困らされていたが知人の“ミュン・ファン・ローン”に身柄を預けることで、イサムたち3人とトラブルが起きることは少なかった。

 

 しかし、元々彼女たちは新型の戦術兵器のコアとして、身体を操作された言わば“人形”だった。そんな彼女たちにミュンは、歌を歌うことを教えた。次第に表情も柔らかになってきた頃、事件は起きた……。

 

 それは、矯正という体罰を超えたものだった。記憶の改ざんや遺伝子操作など、もはや人間としての扱いをされなくなっていった!

 

 イサムとガルドを見た彼女たちは、この記憶を思い出してしまうのだろうか?

 フラッシュバックする彼女たちの記憶……それは、

 

フェステニア「(歌が、聴こえる……)」

カティア「(やさしく包まれる声……)」

メルア「(私たちの……お母さん……)」

 

 ミュンの歌声だった。ミュンは、彼女たちにとって母親と言える存在となっていた。毎日のように苦しくて悲しい実験を受けてきた彼女たちが唯一心を許せる……それが、ミュンだった。

 

イサム「(なぁ、ガルド。連中、やっと邪を振り切ったみたいだ)」

ガルド「(ああ。ミュンは……あいつらの母親みたいなもんだからな)」

 

 彼女たちは、冷静さを取り戻した。そのタイミングでカンジとリエがブリッジに戻ってきた。

 

リエ「あ、あの……」

メルア「か、艦長さん……」

フェステニア「わ、私たち……」

カティア「皆さんにご迷惑をおかけしてしまって……」

 

  「「「ごめんなさい!」」」

 

リエ「ううん。私の方こそゴメンね。みんなのこと、もっと理解してあげるべきだったのに……」

 

 リエとフェステニア、カティア、メルアの間に邪の空気は無くなった。そして、4人はかけがえのない関係へと発展していくのだった。

 

フェステニア「ねぇねぇ、艦長さん」

カティア「もし良ければ……“リエちゃん”って呼んでいい?」

メルア「私たち、皆さんと仲良くなりたいです!」

リエ「うんっ、もちろん! これから私たち、友達だね♪」

 

 リエの笑顔は、眩しかった……しかし、ずっと一緒というわけにはいかなかった。様子を見ていたイサム、ガルド、カンジが口を開いた。

 

イサム「艦長さん……すまないな」

リエ「えっ?」

ガルド「こいつら、この時代に存在する者じゃない」

リエ「ど、どういうこと……何ですか!?」

カンジ「『オルゴン・マテリアル』そのものなんだよ。こいつら」

 

 そう、彼女たちは別の時代の存在だった。分かりやすく言えば、カンジの彼女『ルン・フォレスト』同様、思念体であった。

 

リエ「そ、そんな!?」

フェステニア「……事実だよ」

カティア「私たちの本来の目的は『アスタンテ』の皆さんにオルゴン・マテリアルを届けるためなの」

リエ「……」

メルア「でもね。私たち、最後にリエちゃんと友達になれて本当に嬉しかったです! 私たち3人とも、その気持ちにウソはないです」

 

 そして、3人はブリッジから姿を消した。それを確認したリエは、最後に感じた心の中にいる永遠の友達の意思とクルーからの信頼……それら全てを背負った艦長として、指示を出した。

 

リエ「アスタンテは、これより『光の柱』の内部調査を開始します!」

 




とりあえず一区切りです。

続編的な物語を書くときは“第2部”として、展開していきたいと思っています!
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