ガンゲイル・マーケット キリト×ストレア   作:メタルギア教の教祖オティヌス

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今回で終了となります。




「大切なパートナー・・?」

 

 一瞬、頭の中がフリーズしかけた。確かに俺とストレアはSAO時代から背中を預け合う仲になり、今まで過ごしてきた。それを何故ここで聞いてくるのだろうか?

ストレアの方にも目を向けてみたが、質問に不安がっている表情をしていた。

俺は意を決して答える事にした。

 

「はい。ストレアは俺の大切なパートナーです!」

 

「アタシも!キリトはアタシのパートナーだもん!」

 

俺とストレアは店員の質問にハッキリと思いを込め、答えた。

 

「そうですか・・・分かりました」

 

店員は俺たちの出した答えを聞き、表情を緩めた。

 

「オプションパーツもサービスで一つ追加できますがいかがいたしましょうか?こちらのショーケースからお選びください。決まった際はお呼びください」

 

そう言い残すと店員はわざわざ銃をケースに戻し、カウンターの奥へ戻っていった。

 

「レーザーサイトにドットサイト・・サプレッサーにこ、コンペンセイター?何がどんなパーツかワケが分からなくなってきた・・」

 

「キリトはどんな感じでハンドガンを使いたいの?」

 

「うーん、やっぱり取り回しの良さだよな。あとは命中精度を上げたいってところか」

 

「そっか!じゃあコンペンセイターがいいかも」

 

 オプションパーツを選び終わり、終わりました!と奥へ向かって声を掛けるとガンケースを2つ両手に下げて持って来てカウンターの上に置き、ロックを解除した。先程と違ったのはグリップとスライドの色が紫色で他は黒色に塗装されていた事だった。

 

「あの、この色って」

 

「ええ、お客様方にお似合いの色だと思いましたのでこちらもサービスで塗装させていただきました」

 

「これって、まるで」

 

 ペアルックじゃないかと喉元まで出かかったが、それぞれの銃にあるグリップに刻印されたメダリオンを見て止まった。そのメダリオンにはかつて2年も閉じ込められ、自分達と共に生き抜いた相棒である剣だった。もう片方はストレアが使用していた両手剣も同様だった。自分と同じく驚きを隠せず何も言い出せないストレアと目があった。意を決してようやく言葉にした。それまでに何十分も時間を掛けた感覚がした。

 

「この刻印…まさかアンタも」

 

『GGMをご利用いただきありがとうございます。閉会のパレードまで残り10分となりました。お越しのお客様はゲートまでお集まりください。繰り返します…』

 

「パレード⁈キリト、急ごう!フィナーレの事すっかり忘れてた!」

 

「そうなのかストレア⁈ああでも…」

 

「キリトさん、ストレアさん」

 

声を掛けられ、店員の方を振り返った。

 

「アナタ方のおかげで私たちはあの城から解放され再びVRゲームに戻ってくる事が出来ました。私たちを覚えていて欲しいと言うつもりはありません。ただアナタ方に救われたのではなく、こうしてもう一つの現実に来させて下さった事への感謝をどうしても言いたかったんです。本当にありがとうございました」

 

 そう言うと、店員は深々とお辞儀をした。

 

「ストレア」

 

「うん、行こうキリト」

 

 遠くから花火が撃ちあがる音と歓声の上がる方へ、ストレアの手を握ってキリトは外へ出た。

 

 

 

 

 誰も居なくなった店内の奥から男性が出てきた。

 

「あの人達は行ってしまったかい?」

 

「ええ、幸せそうだった」

 

「そうか良かった。あの銃気に入ってくれるといいな」

 

「大丈夫よ。私たち会心の出来だったじゃない」

 

「じゃあ僕らも片づけたら打ち上げに行こうか」

 

「そうね」

 

色とりどりの花火が藍色の空に咲いていた。

 

 

 

 

 


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