ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう 作:ルピーの指輪
そして、アンケートにお答え頂いてありがとうございます!
1日で思った以上の量の回答が得られましたので、ここで締めさせて頂きます。
結果は以下の通りになりました。
(492) いる
(1247) いらない
よって、タグはいらないという回答がかなりの割合でしたので、付けないでおくことにします。
しかし、その代わりのタグとして、感想に書いていただいた《天然女たらし》や《ヒロインはカヤ》に加えて《イケメン女主人公》を付けさせてもらうことにしました。
それでは、よろしくお願いします!
「――こっこんなにも、強いっていうのか……」
私は迫りくる気配を感じて膝から崩れ落ちそうになった。
なんだ、この力……? ルフィたちや、クリークとは比較にならないほどの凄まじい力を感じる……。
この力の正体は《鷹の目のミホーク》のモノに違いない。
今日、彼が来るのは知っていたけど、ここまで規格外の大きさの力だったとは――。
まだ、かなり距離があるのに、心臓が握り潰されそうだ。
「ナミ! 船をあのガレオン船から離すぞ! ジョニー、ヨサク、船を動かすのを手伝ってくれ!」
「船を動かすって、どうしてよ?」
「理由はすぐにわかる! とにかく早くするんだ!」
クエスチョンマークを浮かべるナミを急かして、ゴーイングメリー号をバラティエの前に動かして避難させる。
こうしてる間にもミホークの気配はドンドン近づいてくる。おそらく、あと10分以内に到着する。
私は初めてグランドラインの大物のレベルを感じていて、このレベルが集まる頂上戦争を想像していた。
ああ、私は普通に世界一派手な自殺の方法を実践しようとしているんじゃあないだろうか……。
そんなことを考えてる間に、バラティエから食料を持ったクリークが自分の船に戻ったりしていた。
この間にナミと一緒にバラティエの中に行くか……。
「うん、この場所なら安全だ。よし、ルフィたちのところに行くぞ」
「これからあいつら、クリーク一味と戦うんでしょう? 近づくの怖いんだけど」
私は間近でルフィたちの戦いを見ようと、ナミを誘った。しかし、彼女はあまり乗り気ではないみたいだ。
「大丈夫、怖くないよ。私が君を守るから……、どんなことがあってもね」
「ライア、あなた……」
私がそう言うと、ナミの肘鉄が私の胸に突き刺さる。
「だからそれを止めろって言ってんのよ!」
「――痛いじゃないか」
目を閉じて、真っ赤な顔をして彼女は苦言を呈する。
そんな、思ったことを素直に言っただけなのに……。
「それにしても……、あなたホントに女の子なのね……」
「肘で胸をグリグリしながら、しみじみ言うのやめてくれるかな? 誰もが君みたいな素敵な体形に成長するわけじゃないんだよ」
ナミの今さらな一言に私は苦笑いして答えた。
何それ、嫌味なの? 別に悔しくないんだからね。
そんな会話をしながら私とナミはバラティエへと入って行った。
中へ入るとサンジから熱烈な歓迎を受けたり、ゾロやルフィからは遅いと怒られたりしたが、戦慄したムードは消えなかった。
サンジはナミが入ってきた瞬間、天使が戦場に舞い降りたとか言ったのには笑っちゃったな。
そして、クリーク一味のギンはグランドラインのトラウマについて口にしていた……。
「そりゃあ……、鷹の目の男に違いねェな……。お前がその男の目を鷹のように感じたかはどうかは確かに証拠にならねェが、そんな事をしでかす事そのものが奴である充分な証拠だ……!」
料理長であり、元海賊で《赫足》と呼ばれていた男、ゼフがギンの話を聞いて推測を話した。
「鷹の目……、恐らくジュラキュール・ミホークだね。そりゃ、クリークは運がなかった」
「ライアー、知ってんのかァ? どんなやつなんだァ?」
私は彼の言葉を聞いて、名前を口にするとルフィは興味がありそうにこちらを見ていた。
「おれの探してる男さ……」
そんなルフィにゾロはミホークを探してる男だと宣言する。そう、このミホークは世界一の大剣豪。
要するにゾロが目標にしてる男なのだ。
「――艦隊を相手にしようってくらいだ。その男、お前らに深い恨みでもあったんじゃ?」
サンジはギンに恨まれるようなことをしたのではないかと質問する。
「そんな憶えはねェ! 突然だったんだ」
「昼寝の邪魔でもしたとかな……」
「ふざけるな! そんな理由でおれ達の艦隊が潰されてたまるか!」
ギンは突然やられたという物言いに、ゼフが一言かけると、彼は激昂した。
「そうムキになるな。もののたとえだ。
ゼフはグランドラインの理不尽さを語ってるだけだと言った。実際、そのとおりなんだろう。
ミホークはマジで暇つぶしだったみたいだし。
「何が起きてもおかしくねェってことだろ」
ゾロがゼフのセリフの真意を捉える。
「くーっ! ぞくぞくするなーっ! やっぱそうでなくっちゃなーっ!」
「あなたはもっと危機感を覚えなさい!」
「怒ってるナミさんも素敵だァ!」
喜ぶルフィに危機感の無さを注意するナミ。サンジは平常運転みたいだ。
「でもこれでおれの目的は完全に
「ばかじゃねェのか。お前ら真っ先に死ぬタイプだな」
ゾロが嬉しそうにグランドラインを目指すと言うと、サンジはそんなゾロをバカ扱いする。
「当たってるけどな……、バカは余計だ……。剣士として最強を目指すと決めた時から命なんてとうに捨ててる。このおれをバカと呼んでいいのはそれを決めたおれだけだ」
しかし、ゾロは野望のためなら命は惜しくないと語る。そう、この人は本当に口だけじゃないから恐ろしい。
「あっ! おれもおれも」
「こういう人たちだからさ、なんかほっとけないんだよ。だから、私も共に旅をしてる」
そして、もちろんルフィだって、まっすぐに死を受け入れるくらいの覚悟は持っている。だから私は彼らの助けがしたいのだ。
「ライアちゃん……。いや、おれにはわかんねェよ」
サンジは私の顔を見て、そして彼らが理解できないと言った。やはり、実際の彼らを見ないと何とも言えないかもしれない。
「おいおい! このノータリン共! 今のこの状況が理解できてンのか!? 今店の前に停まってんのはあの海賊艦隊提督
以前、空腹時のギンをボコボコにした、コック。名前はパティというらしいが、彼が話を現実に戻した。
目の前にクリークの船があるから、至極まっとうな意見だよね。でも、そのガレオン船もそろそろ……。
私の見込みどおり、ちょうどクリークの一味がこちらに向かってくる瞬間に轟音が鳴り響いた。
「――何、なにが起こったの? なんであの大きなガレオン船が真っ二つに……?」
ナミは外で起きた異様な光景が信じられない様子だった。
「斬られたんだよ。ズバッとね……」
「斬られた? 何をバカなことを? そういえば、あの辺りってさっきまで私たちが居た……」
巨大ガレオン船が斬られたというと、ナミは信じられないという表情とともに大事なことに気付いたみたいだ。
「うん、まさかここまでの事が起きるとは思わなかったけど。とんでもない力の持ち主が近づいてくるのが分かったから、船を遠ざけたんだ」
私は船を移動させた理由を話した。
「ライア、ちょっといい?」
「へっ? ――痛いッ!」
ナミが私の額にチョップする。結構強めに……。
「あんなことする奴が近づいてるなら、どうして逃げ出さなかったのよ! ここに居たら意味ないじゃないの!」
「あー、そういえば! 君は頭がいいんだね」
確かにナミの言うとおりだ。私はミホークの目的を知ってるから呑気にしてたが、実際は即撤退が正しい判断だろう。
漫画の知識にばかり頼っていると想定外の事態にやられる可能性もあるかもしれない。
これは戒めなくては……。
「バカッ! このバカライア! 約束守りなさいよね!」
「約束?」
ナミが怒りながら私に顔を近づけた。文字通り目と鼻の先くらいの近さまで。
「私を守るって約束よ」
「ああ、当たり前じゃないか。何があっても、君は守ってみせるよ。天に誓ってね」
私はここまで付き合ってくれたナミを何としてでも守るつもりだ。私のエゴに付き合ってくれたんだから。
「――――はっ! そっ、そうよ。キチンとするのよ。約束なんだから」
ナミはしばらくの間ボーッと私の目を眺めてたかと思うと、約束を守れと念を押した。
そして、自分の顔を両手で2回くらい叩いて首を横に振っていた。
やはり、クリークや鷹の目が怖いんだろうな……。
そんなやり取りをして、私たちが外に出ると、既にゾロが鷹の目のミホークに喧嘩を売りつけているところだった。
「おれはお前に会うために海へでた!」
「――何を目指す」
「最強ッ!」
ゾロはミホークと対峙して、目標を問われてそれに返事をする。黒いバンダナを頭にまいて……。
おや、いつの間にかジョニーとヨサクもこっちに来ていたか。まぁ、あんな音がしたら無理はないな。
クリークたちも三刀流から、ゾロの正体を察したようだ。
「ヒマなんだろ? 勝負しようぜ」
「哀れなり、弱きものよ……。いっぱしの剣士であれば剣を交えるまでもなくおれとおぬしの力の差を見抜けよう。このおれに刃をつき立てる勇気はおのれの心力か……、はたまた無知なるゆえか」
「おれの野望ゆえ――そして親友との約束の為だ」
ゾロの凄まじい殺気をそよ風程度にしか感じてないような、ミホークの余裕そうな態度。
やはり最強の剣士の風格はとんでもない。この距離ならさらに理解できる。ゾロとミホークの気が遠くなるほどの力の差が……。
ゾロとミホークの戦いが始まった。彼は東の海の相手如きにはナイフだけで十分だと言い放ち、実際にそれだけでゾロをあしらっていた。
「嘘でしょ、あのゾロがまるで子供扱い……」
「いや、それ以上の差だよ。ナミ……。あのゾロの鬼斬り……、一度撃たれた私ならわかる。アレはナイフで止まるような技じゃない……」
三本の刀とナイフのぶつかり合いから、伝わるのは絶望――。誰が見ても実力の差ははっきりしていた。
「何を背負う? 強さの果てに何を望む? 弱き者よ……」
「アニキが弱ェだと! このバッテン野郎ォ!」
「てめェ思い知らせてやる! その人は――」
「やめろ手ェ出すなヨサク! ジョニー! ちゃんとガマンしろ――!」
ミホークに対して斬りかかろうとするジョニーたちをルフィは取り押さえる。自分も飛び出したいのを必死で堪えて……。
「ルフィ……、なんであそこまで……」
「汲んでいるのさ。私がクロと戦っているときもそうだった。彼はそういう男だ」
そんな様子をハッとした表情で見ていたナミに私は彼の心情を語る。ルフィはあの時も力強く見守ってくれていた。
「虎――狩りッ!」
ゾロの決死の必殺技も虚しく、彼の胸に深々とミホークのナイフが突き刺さった。
「このまま心臓を貫かれたいか、なぜ退かん?」
「さァね……、わからねェ……、ここを一歩でも退いちまったら何か大事な誓いとか約束とか……、いろんなモンがヘシ折れてもう二度とこの場所へ戻って来れねェような気がする……」
ゾロがまったく引かないことに初めてミホークの表情が変わった。
「そう。それが敗北だ」
「へへっ……、じゃなおさら退けねェな」
「死んでもか……?」
「死んだ方がマシだ」
ゾロは敗北よりも死を取ると断言した。まったく、この死にたがりが……。本気で言ってるから質が悪い……。
「小僧……、名乗ってみよ」
「ロロノア・ゾロ……」
「憶えておく。久しく見ぬ強き者よ。そして剣士たる礼儀をもって世界最強のこの黒刀で沈めてやる」
ミホークはゾロを敵として認めて、ついに剣を抜いた。アレが……、ミホークの剣……最上大業物――《夜》か……。
威圧感がさらに増したように感じる。
ゾロは精神を集中しながら構えていた。
「散れ!」
ミホークが間合いを詰めて剣を振り下ろす。
ゾロはそれを大技をもってして受けようとしていた。
「――三刀流奥義! 三・千・世・界!」
彼のこの技は私が今まで見た彼の剣技の中でもっとも力強く見えた。目を奪われるほどに美しい剣技だった。
しかし、ゾロは斬られた上に、親友の形見の刀である《和道一文字》以外は粉々に砕かれてしまった。
そして、彼は振り向いて正面からミホークを見据えた。
「何を……?」
「背中の傷は剣士の恥だ」
彼はニヤリと笑ってそう言い放つ。最後までこの男は……。
「見事」
ゾロはミホークに胸を斬られて、海へと沈んだ。
私は気付いたら、ナミをサンジに任せて海へと飛び込んでいた……。
ゾロ……、当然、無事だよな……?
◇ ◇ ◇ ◇
ゾロは何とか無事だった。そして、ルフィに向けて「もう二度と敗けない」と誓いを述べる。すると、ミホークは満足そうな顔をして去って行った。「この俺を超えてみよ」という言葉を残して……。
私はジョニーとヨサクにゾロをメリー号へ運んで、応急処置をするように指示をして、バラティエの開かれた足場である《ヒレ》の上に舞い戻った。
そして、遂にクリークたちとの戦闘が始まった!
ルフィはクリークに狙いを絞って戦いを挑んでるみたいだ。ナミとの賭けもあるからクリークは彼に任せよう。
サバガシラ1号とかいうのが吹き飛ばされたのを皮切りに続々と海賊たちがこちらに攻め込んで来たのだ。
「さて、と。久しぶりに暴れさせてもらおう。ナミ、君は下がってな」
「言われなくても下がるわよ」
私は愛銃、
「こういう勝負の場合、銃は有利だよね」
「ライアちゃん、やるな〜。惚れ直したっ! 素敵だっ!」
「やだ……、素敵だなんて……」
海賊を撃ち落としていた私はサンジの一言に危うく撃ち落とされそうになる。
「あの銀髪と赤い銃……! まさか、あいつ《魔物狩り》!?」
「血も涙もない……、凶暴な賞金稼ぎがなんでここにっ!」
「《海賊狩り》の次は《魔物狩り》かよっ!」
クリーク一味の一部は私に気がついたみたいだ。えっ? ホントに凶暴って噂になってるの?
「次はそこだっ!」
そこはかとなくショックを受けながら、私はヒレに上がってくる気配を察知して銃弾を放つ。
しかし、私の銃弾は見事に弾かれてしまった。
「ハァーッハッハッハハ! てっぺき! よって無敵!」
体中が盾に覆われている伊達男、鉄壁のパールが私の前に立ち塞がってきた。
うーん。ちょっと相性が悪いかもしれないなー。
ミホークとの戦闘は原作と同じなのでライアとナミの会話を多めにしました。
そして、ライアのバラティエ編の相手は鉄壁のパールです。
次回もよろしくお願いします!