ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう 作:ルピーの指輪
今回はライアとパールの戦いからスタートです!
それではよろしくお願いします!
「ハァーハッハッハ! 君の活躍もこれまでだ。おれの殺人パンチ、パールプレゼントを食らうがいいッ!」
パールは手に付いた盾で殴りかかってきた。見た目によらず、結構スピード速いな……。
「――へぇ、面白い技だね……。当たると痛いんだろうな」
私はバックステップでパールの一撃を躱して、銃弾を放った。
「――ッハ! 貧弱な攻撃だねぇ、どうも。
パールは自慢の盾で私の銃弾を防ぎつつ、パンチを繰り出し攻めてきた。
やはり硬い。そして、攻撃力も高い。多分、一撃でも受けたら結構効いちゃう。
「チンケな銃とはずいぶんな言い様じゃないか。これでも、結構気に入ってるんだ。悪いが、君もこの銃で、仕留めさせてもらうよ」
私は銃弾を繰り出しながらパールの言葉にそう返した。
どうやって仕留めるとかは今から考えるけど……。
「仕留めるう? 君が、おれを!? 無理だねそりゃあ! おれは過去61回の死闘を全て無傷で勝ってきた鉄壁の男だ。おれは君の銃弾を防ぎ、全身を守りながら戦える。おれは戦闘において一滴の血も流したことがねぇ〜のよ。血の一滴たりともだ。無傷こそ強さの証! クリーク海賊団鉄壁の盾男パールさんとはおれのことよ。――おれはタテ男でダテ男だ。イブシ銀だろ」
長々とした口上を述べたパール。61回の死闘を無傷で乗り越えて来たか……。そりゃ、自信満々になるよね。
「なるほど、その盾で全部守って来たということか……。わかった。じゃあ、その盾を壊そう。いろいろと考えたけど、それしか無さそうだ」
私は次から次へと銃弾をパールに向かって放った。
「おれは軍艦の大砲でも正面から立ち向かうことができるんだ! そんな銃弾、何発受けようと効きはしない! ――パールプレゼント!」
パールは自慢の右拳を振り下ろしてきた。
「待ってたよ。この瞬間を――。
パールの振り下ろされた拳にカウンターの要領で銃口を密着させてから銃弾を発射させる。
大きな破裂音と共に、私とパールは互いに吹き飛んだ。
「やっぱり、かなり痛いな。銃で受けたのに衝撃がもの凄い……」
私は右手をさすりながらダメージを実感していた。
「――おっ、おれの盾が……。たかが銃撃で……」
パールは弾け飛んだ右手の盾を見ながら愕然としていた。
私は闇雲に銃弾を撃っていたわけじゃない。
彼は盾に関しては無防備だったので、同じ箇所をことごとく狙って微細なヒビを入れておいたのだ。
そして、最後の一撃は《
これは銃を密着させたとき限定で効果がある銃弾(もはや銃撃の意味合いが無い)で、超振動と共に銃弾が破裂する効果がある。私の数少ない近距離用の技なのだ。
私はようやくパールの鉄壁とやらを破った。右手がめっちゃ痛いけど……。
「あっ、パールさんの腕に盾の破片が刺さって血が……」
「バカっ! 余計なことをいうな!」
「血だっ! ヤベェエ!」
あれ? 血が出ると何か起きるんだっけ? クリーク一味の慌てぶりを見て、私は大事なことを思い出した。
そうだった、この人血を見ると……。
「気を静めて下さい! パールさん!」
「おれの鉄壁がくずされた! コイツら危険だぜ!」
パールは右腕の血を見つめながら目を見開いてそう言った。
「よせパール! たかが血でうろたえんじゃねェ! ここはジャングルじゃねェんだぞ!」
ルフィと戦ってるクリークまでもパールを止めようとする。まぁ、彼はこの船を乗っ取るつもりだからそう言うだろうな。
「身の危険! 身の危険! 身のキケェーン!」
左手の盾をガシガシと胸の盾に叩きつけながらパールは泣きそうな顔をして身の危険をアピールして――全身から炎を吹き出した。
「やべェ! 出ちまった! ジャングル育ちの悪いクセ!」
「猛獣の住むジャングルで育ったパールさんは、身の危険を感じると! 火をたいちまうクセがあるんだっ!」
クリーク一味たちもこれには参ってるようだ。自分らも巻き込まれるから……。
「おれに近づくんじゃねーっ! ファイヤーパァ〜ル! 大特典っ!」
パールは全身から火の玉を放った。火の玉が無差別に飛んでいき辺りの人間を襲う。
迷惑な奴だな。それなら――。
「燃えろォ! この炎と炎の盾でおれはそりゃあもう超鉄壁だ!」
「ならば消火しよう。
私はパールの盾を狙って、冷気の弾丸を撃ち出した。
すると冷気と炎が互いに打ち消し合い、パールの体を纏う炎が消えてしまった。
「ハァァァァ!? どうやっておれは危険から身を守れば――」
「危険が嫌なら海に出るなよ。危険だからこそ楽しい――。ウチのクルーはそういう連中だぞ、ダテ男――」
私は動揺するパールの懐に潜り込み、銃口を胸の盾に付けた小さなキズに密着させる。
「
引き金を引いたその瞬間――パールの一番大きな盾が弾け飛んだ。
「必殺ッ――鉛星ッッ!」
さらに私はパールの両肩を銃弾で撃ち抜く。あのパンチを打てなくするために。
これで私が有利になるはず――。
「ハァーッ、ハァーッ、血ッ、血がこんなにいっぱい! かっ……、かっ……」
そんなことを思っていたら、パールは自分の血がたくさん流れていることにショックを起こして、そのまま気絶してしまった。
「ぱ、パールさんがヤラれちまった〜ッ!」
ふぅ、何とか倒すことが出来たけど、やっぱり体力がないからクタクタ……。
と、その時である……。私の頭に向かって何かが近づく気配を感じた。
これは……、クリークの鉄球? 避けなきゃ……、あっ、足がもつれて……。
油断したところへの不意討ちに動揺して、私は体を上手く動かせずにコケてしまう。これはやばいかも……。
私は覚悟を決めた。が、しかし鉄球は飛んでこなかった。
「レディにンなもん飛ばしてんじゃねェ!」
なぜなら、サンジが蹴り技で鉄球を弾き返して私を守ってくれたからだ。
「大丈夫かい、ライアちゃん。すまねェ、おれらの店の為に……。立てるかい?」
優しくサンジは私に手を貸して立たせてくれる。
「あ、ありがと……」
「ライアちゃんは少し休んどいてくれ。後はおれが……」
そうサンジが声をかけてくれて、私はその言葉に甘えたくなったが、しかし……。
「――そこっ! やらせないよ!」
私は振り向きざまにゼフに向けて弾丸を放った。
「ライアちゃん、なんでジジイに……!? なっ! ギンッ! てめェ!」
「ちっ、なんて腕してやがる!」
私は背後からゼフに向かって突きつけようとしたギンの銃を弾き飛ばした。
「せっかく、平和的に話をつけてやろうとしたんだがな。あんた、この場の全員の命を危険に晒したんだ」
ギンはこちらに歩きながら、そんなことを言う。やはり、腕には自信があるようだ。
「そうか、それは悪いことをした。私はそれなりに教養を積んでいると思っていたが、人質を取ることが平和的なんて知らなかったよ。君は単純に臆病なだけさ。クリークにも逆らえなきゃ、恩人のサンジを手にかけることも出来ない。ただ怖いから、卑屈な手段しか取れないんだ」
ギンはサンジに命を救われた恩義があるけど、クリークの言うことは絶対だと思っている。
要するに今の彼は板挟みなのだ。
「――くっ、そうかもしれねェな。おれにはサンジさん! あんたを殺す勇気はねェ! 聞いてくれ! 今、全員が船を降りたら、
ギンはサンジを説得しようと声をかけていた。
「船を降りろ? やなこった。おれを殺す? 舐めんじゃねェぞ、下っ端! おれには死んでもこの船を降りねェ理由があるんだ。何を言っても聞けねェよ!」
タバコを吹かせながら、サンジはギンを正面から見据える。
「そうか……、あんたには傷つくことなくこの船を降りてほしかったんだが、そうもいかねェようだな」
「あぁ、いかねェな。降りるなんざあり得ねェ」
サンジとギンがにらみ合い一触即発の空気が流れている。
「だったらせめておれの手であんたを殺すことが……、おれのケジメだ」
「――ハッ……、ありがとうよ。――クソくらえ」
サンジは吸っていたタバコの吸い殻をポイッと投げながらそう言った。
そして――。二人の戦いが始まった。
ギンがサンジに向かっていく。かなりのスピードだ。
そして鉄球が付いたトンファーでサンジを殴りつけようとした。
しかし、サンジは宙に高く舞い上がり、得意の蹴り技を放つ。
ギンとサンジは一進一退の攻防を繰り広げていた。
「なっ、なんなんだ。このコック! 鬼神と呼ばれたウチの総隊長と互角だなんて」
「総隊長がやられたら、残るは首領クリークのみ! やべェぞ!」
クリーク一味はサンジの強さに驚愕していた。
「どうしたギンッ!てめぇ、相手に手心を加えてるんじゃねェだろうな!」
クリークもサンジに押されてきたギンにシビレを切らせて怒鳴り込んだ。
「お前の相手はおれだろッ!」
しかし、そんなクリークも、いつの間にか近くまで詰め寄られたルフィからの攻撃を受けそうになっている。
「くだらねェ!」
クリークは体中から銃弾を乱射してルフィの接近を許さなかった。
こっちはまだかかりそうだな……。
サンジとギンか……。確か、ギンってサンジに勝った上で彼を殺せないって言ってきて、怒ったクリークが毒ガスを撒いたんだよなー。
しかしこの戦い、どう見てもサンジが押している。これはどういうことだ?
あっそうか。私がパールを倒しちゃったから、その分のダメージが今のサンジには無いんだ。
だったら、この勝負は見えている……。
「
サンジの蹴り技のラッシュがギンに次々と突き刺さる。
そして――。
「
彼の必殺の蹴り技を受けたギンは回転しながら吹っ飛んで、ヒレに体を叩きつけられた。
これで、決まりかな? そう思っていると、ギンはよろよろと立ち上がった。
「――ってェ……。痛てェよ、サンジさん……。はぁ、はぁ……、結局、ボコボコに……、されて……、少しだけ……、ホッとしちまってる……、自分も居るんだ……。そっちの
息を切らせながらフラフラのギンはサンジに向かってそう言った。
というか、そっちの兄ちゃんって、私のこと?
「サンジさんから蹴られて……、あんたがどれだけこの店を守りたいかが、わかったよ……、おれとは違う……、真剣な覚悟だ……。おれとあんたとはそれが決定的に違ってた……。――大事なんだな? この店が命よりも……」
今にも倒れそうなギンは、確かめるようにサンジに質問を投げかけた。
「――ふぅー。ああ、この店はジジイの夢だ。てめェらなんざに死んでも渡さねェよ……。ギン、まだやるか?」
サンジはタバコに火を付けて煙を吐き出し、ギンの質問にそう返した。
「……いや、この勝負は悔しいがおれの負けだ。おれは自分にこれからケジメをつける……、
ギンは声を張ってクリークに向かって話しかける。
ちょうど、ルフィはクリークの鉄球によってこちらに吹き飛ばされたところだった。
「
なんとギンはクリークにこの船を見逃せないかと言いだした。結局、この人の心はそっち側に傾いたんだな。
「艦隊一忠実なお前が戦闘に負けるだけに飽き足らず! このおれに意見するとはどういうイカれ様だ! ギンッ!」
クリークは大きな盾をこちらに向けている。あれには、猛毒弾《M・H・5》が仕込まれている……。
まったく、何でもありなところは海賊らしい海賊だ。
「しかし首領――!おれ達は全員この店に救われて……」
「もういいッ! ギン、これから猛毒弾《M・H・5》を放つ。ガスマスクを捨てろ、てめぇはもうおれの一味じゃねェよ……!」
クリークは毒ガスを使うからと、ギンにガスマスクを捨てるよう促した。
「おい、ライア。あいつ、何を言ってるんだ?」
ルフィは状況が読み込めず私に質問をする。
「ヤツは毒ガスを使うつもりなのさ。猛毒のね……。クリーク一味はガスマスクを持ってるんだろう。ギンにはそれを捨てさせようとしてるんだ。彼を確実に殺すために……」
「あいつ……、仲間を殺そうとしてんのかッ!」
そのセリフを聞いたとき、ルフィから発せられる何かが背中に突き刺さりドキリとしてしまった。
仲間を殺そうとするクリークの非情さが彼の逆鱗に触れたのかもしれない。
「おれは
「おいっ! お前、何やってる!」
ギンは観念した表情でガスマスクを投げた――。
そして、その瞬間にクリークは猛毒弾《M・H・5》を放った。
この事態は――想定済みだッ!
「必殺ッ――煙星ッッ!」
《M・H・5》に向けて放った銃弾は共に砕け散り……。二種類の煙が辺りを覆った。
ルフィ以外のみんなは海の中に避難したみたいだな。上手くいくか自信がないから良かった。ルフィもガスマスクをつけてるみたいだし……。
そして、煙が晴れた後にクリークは驚きの声を放った。
「どういうことだッ! なぜ、ギンもそこの銀髪も倒れてねェ! 毒ガスを食らったんだぞ!」
そう、私もギンも無事だった。なぜなら……。先ほど放った、私の煙星は《M・H・5》の中和剤だからだ。
これは、賞金稼ぎをしていたときに、武器商人が売っていたものを買い取り弾丸から撃ち出せるように改良したものだ。
海に出る前に何年もあったんだ。私が何の準備もしてないはずがない。
出来る準備は出来る限りしておいたのだ。
さぁ、後は頼んだぞ!
ライアのクエイクスマッシュはインパクトダイヤルみたいなイメージです。もはや銃撃じゃないとか言わないで……。
次回はルフィとクリーク戦からスタートです!