ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう 作:ルピーの指輪
今回はノジコやゲンさんとの会話からスタートです。
よろしくお願いします!
「その顔でナミを誑かしおったのか!? 覚悟しろっ!」
ゲンゾウは本気で私を狙って銃を構えている。いや、天に誓ってナミに手出しなんてしてないし……。
彼女だってそんなことを疑われて不本意だと思う。
「ちょっと、待ちなよゲンさん。この人のおかげで助かったんだろ? それにこの人はナミの彼氏だなんて言ってないよ」
ノジコがゲンゾウの肩を叩いて声をかけた。
「むぅっ! そっそうか……。それは失礼した。若いの……」
ゲンゾウは銃を下ろして、頭を下げた。
「いや、私こそ急に悪かったね。ナイーブになっているときに不躾だったと思うよ」
私はようやく普通に会話が出来ると思い、ホッとしていた。
しかし、ナミのためにここまでするとは彼女も溺愛されているな。村の人から嫌われてると思い込んでるみたいだけど。
「だけどさ、あんた何考えてるんだい? アーロンに手を出すなんて、バカとしか思えないよ」
ノジコは私に近づいてきてアーロンを挑発したことに関して言及してきた。
「ああ、文字通りアーロンに喧嘩を売ろうと考えてるんだ。私は海賊でね。仲間たちとここに来て、彼から力づくで奪い取ろうと思ってるんだよ」
彼女の質問に私は答える。
「奪い取るって、何を?」
「ナミを貰ってくつもりだ」
そう、アーロンからナミを奪い取ることが海賊としての私たちの目的だ。他に何の目的もない。
「はぁ? あんた、正気なの?」
「生憎、まともになろうってあまり思ったことないからさ。正気じゃあないのかもしれないね」
ノジコが呆れたような表情を見せると、私は自分の心情を吐露した。
「でもね、ナミは苦しんでる。それを黙って見ているのが正気っていうんだったら、私は迷わず狂気に身を委ねるよ。それが仲間だ」
こんな状況に置かれてる仲間を放っておける方が私にとってはそれこそ、どうかしている。
何とかしようとしない、なんて選択肢はない。
「こりゃ本気みたいだねぇ。ナミも変なのに目を付けられたもんだ。仲間か……、あの子にそんなこといって、ここまでくるバカがいるなんて……」
「若者よ、帰りなさい。気持ちは嬉しいが、アーロンの支配に耐え忍ぶ戦いを私たちは選んだんだ。命を粗末にするな」
ノジコの言葉に続いて、ゲンゾウは私に帰れと言う。自分たちはアーロンの支配から耐えて生き残ることを選んだから、と。
「そうもいかないんだ。仲間たちがもうこの村に入ってる。ちょうど、この道をずっと奥に行ったところかな? ナミも一緒だ。
私はルフィたちの気配を察知して指をさした。
「あっちは、ノジコ、お前の家の方向……。では、本当にナミが……」
「帰って来てるみたいだね。あんた、超能力みたいな力があるのかい?」
私の言葉を聞くと、二人は顔を見合わせて頷きあっていた。
「ナミはあたしの妹でね。あっちに居るんだったら、多分、あたしの家に居るんだろう。付いて来な。案内してやるよ」
ノジコは私を家まで案内してくれると言ってくれた。ナミと彼女は血が繋がっていないと聞いたけど……、関係ないな。
二人とも優しくて強い人だ……。
「ありがとう。ナミは幸せ者だね。君みたいな妹想いの強い人がお姉さんなんだから」
ノジコの目を見て、私はお礼を言った。
「――ふぅ……。あの子大丈夫なの? あんたと一緒だと色々とやられてそうだけど……」
「やはり、貴様! ナミに! ナニをした!」
ノジコがため息をついてナミの身を心配するような事を言い出したものだから、ゲンゾウが再び銃を私に向けてきた。
いやだから、それって武器コレクションで鑑賞用じゃ……。待てよ、武器コレクション?
「ちょっと待って。そんなことより頼みがあるんだけど――」
私はノジコと家に行く前にゲンゾウに頼みごとをした。それは――。
◇ ◇ ◇ ◇
「本当に帰ってたんだね。ナミ……」
ノジコに彼女の家まで案内された私はルフィたちを見つけた。
やはり、ナミは姉である彼女の家に彼らを連れてきていたらしい。
「すぐに出るわ。ちょっと休ませてもらってるだけ。って、ライアも居るの!?」
ナミはノジコの後ろに私が立っていたので驚いたみたいだ。
「おう! 待ちくたびれたぞ、ライア!」
「――ったく。急に飛び出しやがって。待たされる身になってみろッ!」
「ああん! レディがいくら遅れても待つのが漢だろうが! ライアちゃんお帰り〜」
ルフィたちも私に気付いて声をかけてくれた。というか、強引に飛び出したのに、当然のように待っててくれたんだ。
合流出来ると信じて……。
「うん、ちょっとしたゴタゴタがあってね。偶然、君のお姉さんと知り合ったんだ。ラッキーだったよ」
私はノジコとここに来たいきさつを話した。
「ン……、ナッ……、ナミさんのお姉さま! さすがにお綺麗だぁぁぁぁ!」
「うるせェ。はしゃぐな。みっともねェ」
「ンだと! このッ!」
サンジが盛り上がってる所にゾロが水を差して、また二人はケンカを始めようとする。
二人とも沸点が低いというか、なんというか……。
「アーロンを撃ったくせに、それをちょっとしたゴタゴタで済ますって、ナミ、あんたってこういう男が好きだったの?」
「はぁ? ちょっと、何を勝手なこと言ってるの!? ライアは女の子よ……、ギリギリ……」
ノジコの言葉にナミが反応する。えっと、私ってギリギリだったの?
「うっそ、信じられない……。へぇ、悪かったわね。ずっとキザな男がナミを陥落させるために頑張ってると思ってたわ」
上から下までジッと私を観察しながらシミジミ彼女はそんなことを言ってきた。
途中から、そんな気はしてたけど、言うタイミングがなかった。
ていうか、自分は女ですって上手く言えるタイミングがあるなら教えてほしい。
「慣れてるから気にしないで。言わなかった私も悪いんだ。それに、ここに連れてきてくれたんだから、感謝してるよ君には――」
「――そっ、そう。それなら、良かった……。あっ、あたし、お茶でも入れようかな」
私を観察してるノジコに顔を少しだけ近づけてお礼を言うと、彼女は何故か目を逸らせてそそくさとお茶を入れに行った。
何か気にさわることでもしたのだろうか?
「人の姉を口説くな!」
「痛いじゃないか。私はお礼を言っただけだよ」
ナミに頭を叩かれて、身に覚えのないことを言われる。感謝の気持ちを伝えたかっただけなのに……。
「で、アーロンのヤツをぶっ飛ばすんだろ!? 今から行くか!?」
「うん。引き伸ばしても仕方ないから、連中のアジトに乗り込むのが一番早いかな」
私はウズウズしてるルフィの言葉にそう返した。実際、海戦とかになると勝ち目がないし、村の中で戦うと色々と迷惑がかかりそうだから、アーロンパークで戦うのが最善だろう。
「おっし、ようやく暴れられるな。ストレス溜まってんだ。戦闘は大歓迎だぜ」
「あー、屈辱の敗戦の後だもんな。そりゃストレスも溜まるってか?」
「ああん!?斬るぞ!てめェ!」
ゾロがサンジに向かって刀を抜こうとした。
「だから、その体力はとっときなよ。特にゾロ。君は重傷なんだからさ」
「別に……、これぐらいどうってことねェよ」
ゾロはそう言うけど、普通は動けること自体が奇跡みたいな怪我をしている。それで、戦えるのだから彼は化物なんだ。
「まぁ、私に出来ることは武器を借りてくることぐらいだったよ」
私はゾロに刀を二本手渡した。
「おっ、お前、これをどうしたんだ?」
「武器コレクターのゲンゾウさんって人から借りてきた。言っとくけど、借りただけだから、丁寧に扱うんだよ」
そう、武器をコレクションするのが趣味なら刀くらい持ってそうだと尋ねてみれば、持っていたので、貸してもらった。
「あなた、ゲンさんにも会ったの?」
「うん。君はとても彼からも大切に想われてるね」
「ゲンさんが私を……?」
私が彼に対しての印象を語ると、彼女は意外そうな顔をしていた。
「知ってるってことさ。君が歯を食いしばってるのを、ね。聞こえたんだ。彼の心の想いが……」
私はナミの肩を叩いた。
「あんたら、本気でアーロンのところに行くつもりなんだ。まったく、呆れたバカとしか言いようがないよ。殺される前に精々上手く逃げるんだね」
ノジコは私たちの様子を見て、本気だということが伝わったらしい。
「ははっ、ありがとう、ノジコ。お茶、美味しかったよ。君の優しさが伝わるようでさ。また、飲ませてくれないかな? 私たちが勝った後で……」
「――ばっ、バッカじゃないの? こっ、こんなもんで良ければいつでも飲みに来な……。死んだら飲めないんだから、生きて……、帰って来るんだよ」
私がノジコにお茶のお礼を言ったら、バカって言われてしまった。どんどん声が小さくなってるけど、体調が悪いのだろうか?
「もちろんさ。勝った報告を伝えたいからね。君に……」
「――う、うん。わかった……」
彼女の言葉に返事をすると、彼女は俯いて静かにそう答えた。あれ? こういう人だったっけ?
「だから、それをやめろって言ってるでしょっ!」
ナミは私をノジコから引き離そうと服を後ろから引っ張った。あっ、危ないじゃないか……。
「ライア、早く行くぞ! もう待てねェ!」
「ルフィ! やっぱり、アーロンに手を出すのは……」
ルフィが私を急かすと、ナミは何を思ったか彼を止めようとした。
「うるせェ! 黙って待ってろ!」
彼は麦わら帽子でナミの頭を押さえつけるようにして、それを制した。
それは、預けるってことかい? 君の
「行くぞ! 野郎ども!」
ルフィを先頭に私たちはノジコの家を出てアーロンパークへ足を進めた。
野郎じゃないって言うのは野暮なんだろうなー。
そんなこんなで、私たちはアーロンパークを目指していた。
私はここまで、一応は漫画の動きを出来るだけなぞろうとしていた。しかし、それは無駄なことであった。
なぜなら、私という存在が漫画の中には無かったからだ。
自分を鍛えるために過ごした“魔物狩りのアイラ”としての日々……。これが今になって波紋となり、この世界に小さな影響を与えていたのだ。
「その銀髪と緋色の銃……、お前……、“魔物狩りのアイラ”だな? お前をスカウトに来た。大人しく付いてきて貰おうか……」
「ようやく見つけたわ……。痛い目に遭いたくなかったら、言うことを聞いたほうが身の為よ……」
アーロンパークへの道中、オレンジ色の髪の王様の格好をしている男と水色のポニーテールの女に急に話しかけられた。
えっと、確か彼らはMr.9とミス・ウェンズデー……。なんで、この人たちが
書く時間がなくて、短めの更新で申し訳ありません。
ノジコさんはナミ以上にガードが固そうなイメージです。百合をどうにかして挟みたかったので、ライアにはかなり攻めてもらいました。
そして、最後はまさかのあの二人が早めの登場。
次回もよろしくお願いします!