ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう   作:ルピーの指輪

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いつも誤字報告や感想をありがとうございます!ミス・バレンタインの予想以上の人気ぶりに驚きました。
今回はそんなバレンタインとか正体がわかったビビを中心としたストーリーです。
それではよろしくお願いします!


ウィスキーピークの戦い

「何をふざけてる! ミス・バレンタイン!」

 

 しばらく呆気にとられていたMr.5は怒鳴り声を上げる。

 あー、ふざけてるのか。確かにこのまま体重を増やしていく技とかあったよね。危ない、早く跳ね除けないと……。

 

「とりゃあっ!」

 

 私は背中に乗っているミス・バレンタインを思いっきり跳ね飛ばそうと力を入れた。

 

「キャッ……ハッ……!」

 

 思った以上に彼女は簡単に飛ばされて、宙に浮かび上がる。どういうつもりだ……?

 そして、私は足の痛みに耐えて何とか立ち上がった。

 

「私の狙いはミス・ウェンズデー! いや、アラバスタ王国の王女! ネフェルタリ・ビビ! とりゃっ!」

 

 ミス・バレンタインの足技がビビの髪留めを破壊しながら彼女の頭を掠める。

 

「くっ……、私のせいでライアさんまで……!」

 

 ビビは自分のピンチなのにも関わらず私の身を案じるようなことを言う。

 

「キャハハッ! トドメよ! 地面に埋めてあげるわ!」

 

 ミス・バレンタインはフワリとジャンプしてビビに攻撃を加えようとした。早く銃を抜かなきゃ……。

 

「やめろ! ミス・ウェンズデーに手を出すな!」

 

「はいっ!」

 

 私が銃を構えようとしながらミス・バレンタインに向かって怒鳴ると、彼女は何を思ったか攻撃を止めて、そのまま着地した。

 

「「――えっ?」」

 

 私とビビは状況がわからずに困惑して顔を見合わせた。

 まさか、本当に攻撃をやめるとは……。

 

「あっ……、キャハッ……。えっと……、あまり見ないでくれない……?」

 

 ミス・バレンタインは頬を桃色に染めて俯きながらそんなことを言い出した。

 

「君は何を言ってるんだい? とにかく、彼女を攻撃するのは許さない…。この距離なら外さないよ、私は……」

 

「キャハハ……、わかったから……、これ以上睨まないで……。せめて睨むのだけはやめてちょうだい……」

 

 私は彼女がふざけていると感じて、嘗められないように銃口を彼女に向ける。彼女は私の目つきが気にいらないようで、チラッチラッとしかこちらを見ない。

 なんで俯きながら上目遣いでこっちを見るんだ? 戦いにくいと思うんだけど……。

 

「おいっ! ミス・バレンタイン! お前はマジでどうしやがった!? もういいっ! 社長命令だテメーら! Mr.8及びミス・ウェンズデーを消せ! ついでにあそこにいる邪魔者もだ! 消したやつには、おれが奴らの後釜に推薦してやるっ!」

 

 Mr.5はそう言ってウィスキーピークの賞金稼ぎたちをけしかけてきた。

 連中は長いものに巻かれる主義なのか、リーダー格のはずのイガラッポイ、もといイガラムやビビに遠慮なしに襲いかかる。

 

「とりあえず! レディに手を出すやつァ許さねェ!」

 

「ライア! こいつらをぶっ飛ばせばいいのか!?」

 

「まぁ、いいや。とりあえず試し斬りしたかったし、理由は後で聞いてやろう!」

 

 サンジ、ルフィ、ゾロの三人が私とビビ、そしてイガラムに襲いかかる100人近い賞金稼ぎたちを次々と蹂躙していく。ナミはこっそりと私の後ろにしがみついて様子を窺っていた。

 

 ナミがしがみついた瞬間にビビとミス・バレンタインの表情が一瞬変わったような気がするが、今はそんなことを気にしてられない。

 

 それにしても圧倒的というか何というか……。

 ホントに一瞬でほとんどの賞金稼ぎたちが倒されてしまい、Mr.5は沈黙していたが、少しだけ腕がプルプルと震えていた。

 ミス・バレンタインが何故か動かない今、自分の不利を悟ったのかもしれない。

 

「しっ、信じられん! この町の賞金稼ぎたちが一瞬で……!」

 

「彼らは強いのよ。イガラム……。特にあのルフィさんは3000万ベリーの懸賞金に見合うだけの強さだわ……」

 

 ビビはルフィたちの強さをもちろん知っている。アーロンパークで、アーロンを圧倒していたところを見ていたから……。

 

「おいっ! ミス・バレンタイン! このままだと社長におれたちが殺されちまう! さっさと王女を始末して戻ってこい!」

 

「――動くと撃つよ! ミス・バレンタイン!」

 

 Mr.5が堪らずミス・バレンタインにビビを抹殺するように指示を出したので、私はさらに彼女に近づいて銃口を突きつける。

 

「うっ……、撃てばいいじゃない! 何よ! 彼女の前だからってカッコつけて! キャハハッ! 私がバカみたいじゃん!」

 

 なぜか涙目で自分を撃てと言うミス・バレンタイン。

 いやいや、なんかよく分からなくなってきたぞ! これってどんな状況なんだ?

 

「いや、ナミは彼女じゃないし……、君は何を勘違いしているんだ? というか、そんなことどうでもいいだろ?」

 

 とりあえず、ナミにも迷惑な勘違いなので私はそれを訂正した。

 

「――えっ? そっ、そうなの?」

 

「ほっ……」

 

 ミス・バレンタインは涙目だった表情が一瞬でポカンとした表情に変わり、なぜかビビが胸をなでおろすような動作をした。

 

「ちょっと! ライア! あなた、戦闘中に女の子を口説くなんて信じられないんだけど!」

 

 ナミが突然、荒唐無稽なことを言ってきた。

 

「なっ、何を言ってるんだ? 私がそんなことをするわけがないじゃないか!」

 

 私はナミに反論する。大体、私はミス・バレンタインとはほとんど会話していない。

 

「どう考えてもあの人の態度がおかしいじゃない! 絶対に何かしたでしょ!?」

 

「そりゃあ、ちょっと変だなーとは思ったけど……」

 

 それでもナミはまったく信じない。いや、確かにおかしな態度を取っているから、ふざけていると――。

 

「キャハハッ! 覚えてなさいッ! この借りはいつか返してやるんだから!」

 

 ミス・バレンタインは私とナミが言い争いをしているスキをついて、捨て台詞を吐きながら戦線を離脱しようとした。

 

 

「Mr.5ッ! 撤退するわよ! あれ? Mr.5!?」

 

 ミス・バレンタインはMr.5がさっきまで居た場所に向かったが、彼はそんなところには居なかった。

 そして、彼女は愕然とした表情を浮かべたのである。

 

「ん?こいつのことか?何か暴れてたぞー!持ってくかー!?」

 

 ボロ雑巾のようになったMr.5を片手でブンブン振り回すルフィ。

 

 そして、そんな彼をミス・バレンタインに向かって投げつける。

 

 ミス・バレンタインはMr.5をキャッチしてそのまま逃げ出してしまった。

 

「Mr.5……が、いつの間に!? まさか、オフィサーエージェントをこうも容易く……!?王女はその実力をご存知だったから、私に手を出さぬように忠告されたのか!」

 

「えっ? ええ、そうね。もっ、もちろんそれもあるわ」

 

 ビビはチラッと私を見ながら気まずそうな顔をしていた。

 どうしたんだろう。巻き込んで悪かったとか思っているのだろうか……。

 

 とにかく展開が早すぎて、みんなは状況が掴めてないと思う。

 私ですら呆気にとられているのだから。

 

 そんなわけで、ビビとイガラムから事情を聞く流れに持っていこう。

 

「なぁ、ミス・ウェンズデー。君がアラバスタ王国の王女、ネフェルタリ・ビビとか言われていたけど、本当なのかい?」

 

 私は当然の質問を投げかけた。ミス・ウェンズデーが実は王女だったというのは急展開すぎる……。

 

「――ライアさん。ええ、本当よ。私はアラバスタ王国の王女――。訳あって、このバロックワークスに潜入していたの……」

 

 ビビは申し訳なさそうな顔をして、私の質問を肯定した。

 

「そっか。王女様がそんなことをするなんて、よっぽどの事があったんだね。君たちさえ、良ければさ……、理由を話してくれないか?」

 

「ちょっと、ライア! 何、面倒に首を突っ込もうとしてるのよ!」

 

 私がビビに理由を聞こうとすると、ナミが慌てて止めに入る。

 おそらく面倒ごとの気配を察知したのだろう。さすがに勘がいい……。

 

「だって、気になるじゃないか。一緒に旅してた人が突然、王女様って言われたらさ」

 

「うう……、そりゃあそうだけど。危ない話だったら、逃げるわよ!」

 

 私が少しだけ押すと彼女は折れてくれた。なんだかんだ言ってもナミは優しい。

 

「おれも聞かせてもらうぞ。長くペアを組んでたんだ。――まさか、王女様であらせられたとは……! ご無礼をお許しください!」

 

「ちょっと、あっ、頭を上げてよ。Mr.9!」

 

 格好をつけて現れた、と思いきや速攻で土下座するMr.9と、それを止めようとするビビ。

 一緒に行動してわかったけど、この人って結構、情に厚いから悪人になりきれないタイプだ。

 

「Mr.8、私もこいつと一緒だよ。あんたとは長くペアを組んだ。ミス・ウェンズデーとも友人だと思ってた。だから、手は出さなかったけど、理由を聞く権利くらいあるはずだ」

 

 さらに筋骨隆々な女性がイガラムの元に現れて彼にそう語りかけた。

 

「ええーっと、お姉さんはどちら様で?」

 

 私はミス・マンデーだと知ってたけど、それを口にするのも変だと思ったので、彼女にそんな質問をした。

 

「えっ? お姉さんって、柄じゃないんだけどな……」

 

 よく分からないけど、ミス・マンデーは私から目を背けて恥ずかしがる動作をする。

 いや、人見知りなの? この人って……。

 

「だから、あなたが口を挟むと面倒なの!」

 

 ナミにはなぜか頭を叩かれた。私が悪いのか? まったくわからん。

 

「彼女はミス・マンデー。私の護衛として一緒に潜入したMr.8――イガラ厶とペアを組んでいる人よ」

 

 そして、見かねたビビが彼女に代わって紹介をする。

 

「ミス・バンッ! マーマーマーマーマ〜♪ ミス・マンデー……、あなたが望むなら話そう」

 

 イガラムは彼女の気持ちを汲んだのか、訳を話そうとしてくれた。

 

「別にお前らに興味はねェが、ライアが聞きたがってんならついでに聞いてやるよ」

 

「ミス・ウェンズデーちゃん。王女様だったのかー。可憐だと思ったんだよなー」

 

「どーしたー? 冒険の話かー?」

 

 そして、賞金稼ぎたちを見事に全滅させたルフィたちがこちらに来て、全員でビビとイガラムの話を聞くこととなった。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 そして、ビビとイガラムは語った。自分たちの国、アラバスタ王国が内乱中だということ、その原因がバロックワークスだという噂を聞いて潜入したということ、さらにバロックワークスの社長の正体を突き止めたということ。

 

「社長の正体か……。そりゃあマズイな。おれたちゃ、これ以上聞いたら命を狙われちまう。わりいがこの辺で身を隠させてもらう。まぁ、なんだ……。ミス・ウェンズデー、オメーの武運を祈ってるぜ……。――バイバイ、ベイビー」

 

「Mr.8、ミス・ウェンズデー、表立って応援は出来ないけど、死ぬんじゃないよ……」

 

 バロックワークスのエージェントの二人は身の危険を感じてこの場を去って行った。

 賢明な判断だと思う。

 

「社長って、そんなにヤバイやつなのかー?」

 

 二人が去ってから、ルフィはビビにそんなことを質問する。

 ヤバイどころじゃない。正直、この時点のルフィがあの男に勝てたのは奇跡なんじゃないかとすら思う。

 

「ルフィ、当たり前でしょ。国を乗っ取ろうとする奴なのよ。ヤバイやつに決まってるわ」

 

 ナミは一般論を口に出す。

 そのとおりだ、アラバスタといい、ドレスローザといい、国の乗っ取りを企むヤツって個人の実力も組織力もズバ抜けている。

 

「ええ、あなたたちがいくら強くても、Mr.0、王下七武海の一人、サー・クロコダイルには決して勝てはしないわ」

 

「おっ、王女ッ!」

 

 うっかりどころじゃない口のすべらせ方をしたビビに対して、イガラムが顔を青くして声を荒げる。

 

「へぇ、社長って七武海なんだ。そりゃ、大物だね……」

 

「はっ――!」

 

 私の言葉がそれに続いて、ビビは自分が失言したことに気が付いたらしい。もう口を押さえても無駄だと思うが……。

 

「じぃーっ……」

 

 それをしばらく眺めていたラッコとハゲタカ……。確かアンラッキーズとかいう伝令やお仕置きをする役割をもつ動物だ。

 ラッコはハゲタカに乗って空に飛んで行ってしまった。

 

「ちょっと、何なのよ! 今の鳥とラッコ! あんたが私たちに秘密を喋ったこと聞いてたんじゃないの!?」

 

「ごめんなさい。ごめんなさい……」

 

 ナミはビビの胸ぐらを掴んで必死で抗議していた。こうなったら、そんなことをしても、もう無駄なんだけどな。

 

「こうなったら逃げるしかないわ! 来て早々に七武海に狙われるなんて、あんまりよ! 幸いまだ顔はバレてないんだから!」

 

「そうでもないみたいだよ。ほら、なかなか上手に描くもんだ。器用なラッコだね」

 

 ナミは逃げようとしていたが、ラッコが上手に私たち5人の似顔絵を描いてそのまま飛び立とうとしていた。

 

「言ってる場合か〜! 早く撃ち落としてよ! 狙撃手でしょ!」

 

「え〜。可愛い動物を虐待って気が進まないんだけど」

 

 ナミはそう言うけど、小さな動物を狙うのはちょっとな……。

 

「何よ! 可愛い女の子は何人も撃ち落としてるくせに!」

 

 ナミがまた身に覚えのない言いがかりをつけてくる。

 

「人を女たらしみたいに言わないで欲しいな。まぁ、仕方ないか――。この睡眠弾で――」

  

 しかし、彼女の言うことはもっともだ。みすみすクロコダイルに私たちの情報を渡す道理はない。

 私は緋色の銃(フレアエンジェル)でハゲタカを狙って引き金を引こうとした。

 

「ぶぇっくしょんッッ」

 

「わっ――!」

 

 そのとき、隣にいたルフィが思いっきり大きなくしゃみをした。私は驚いてしまって、的を外してしまう。

 くっ、この程度で動揺して外すなんて修行不足もいいところだ……。

 

「ルフィ! 何やってるのよ!」

 

「虫が鼻に入ってムズムズした」

 

「これで逃げ場がなくなっちゃった〜! どうしてくれんのよ〜!」

 

 ナミはルフィに怒鳴り、そして頭を抱えて涙目になっていた。

 

「怒ってるナミさんもお美しい〜!」

 

「これでおれたちは5人ともバロックワークスの抹殺リストに追加されたわけか」

 

「なんかゾクゾクするな〜!」

 

 ナミとは裏腹にルフィたち男3人はこんな状況でも平常運転だった。これが、彼ららしさなのだが……。

 

 

「で、これから君はどうするのかな? 国は一大事、その上あの王下七武海であるクロコダイルが敵に回ってる。次の刺客が来るまでさほど時間はないと思うよ」

 

 私はビビにそう話しかけた。彼女の意志を確かめたかったからだ。

 

「もちろん、国に帰ってこの危機をみんなに伝える。クロコダイルの思いどおりにはさせられないもの」

 

 ビビは当然のように危険でも国に帰るという確固たる意志を示した。うん、やっぱりこの子は強い子だ。

 

「そこで、恥を忍んであなたたちにお願いさせて頂きたい。どうか、この王女を無事にアラバスタ王国まで連れて行って欲しいのです」

 

「ん?いいぞ。」

 

 ビビの言葉に続けてイガラムが私たちに彼女の護衛をして欲しいと頼んできた。

 それに対してルフィは即答する。

 

「ちょっと、ルフィ。何を勝手なことを! 七武海よ! 七武海!」

 

「まぁまぁ、どっちみち狙われてるんだから一緒だよ」

 

 当然のようにナミは怒りだす。気持ちはわかるけど、私は何とか彼女を宥めた。

 

「へっ、七武海か。楽しみだな」

 

「ビビちゃん、おれがあなたの騎士になります! 大船に乗ったつもりでいてください!」

 

 ゾロもサンジも概ね乗り気なのでこの件は引き受ける方向で固まった。

 

「では私に提案があります! それは――」

 

 ビビをアラバスタ王国に送り届けるという依頼を引き受けた私たちにイガラムはここからの作戦を話した。

 

 まずイガラムがダミー人形を用意してビビのフリをしながら海に出て永久指針(エターナルポース)でアラバスタ王国を目指し、バロックワークスからの刺客を引きつける。

 そして、私たちは通常の航路を経てアラバスタ王国を目指すという作戦だ。

 

 漫画ではイガラムは出航した途端に沈没させられていたけど大丈夫かな? まぁ、ミス・オールサンデーことニコ・ロビンは敢えて彼を生かしたみたいだから安心だとは思うけど……。

 逆に変なことを言って警戒される方がリスクは高いか……。

 

 そもそも、漫画とは若干出航のタイミングも違うはずだから、ミス・オールサンデーが来ないという可能性もあるよな……。

 

 

 そんなことを考えていたが、やはりというべきか……、私たちのログが溜まったタイミングで出航したイガラムの船は我々と別れたあとに直ぐに爆発してしまった。

 

 

「――立派だった!」

 

 ルフィはそう一言だけ残してゴーイングメリー号を目指した。

 

 私は思った以上の大きさの爆炎が立ち上った船を見て呆然と考えていた。

 知ってて止めなかった私は彼を見捨てたも同然なのでは、と。無論、彼は生きている可能性が高い。

 しかし、爛々と炎上する船を見て私はそう思わずにはいられなかったのだ。

 

「――ッ!?」

 

 血が出るほど唇を食いしばって、駆け出したい衝動を抑えているビビ。

 彼女は私よりも年下のはず。なのに、なんて気高くてそして強い心を持っているのだろうか……。

 

 イガラムに報いることが、私の罪の償いになるならば、私は――。

 

「ビビ、大丈夫だよ。私が命に代えてでも君を守り、無事に故郷に送り届ける。約束しよう!」

 

 私はビビを抱きしめて頭を撫でながら彼女に一方的に約束を押し付けた。

 

「らっ、ライアさん。わっ、私……」

 

「うん。不安なのはわかってるよ。いつでも寄りかかって良いから。君の弱音だって、何だって受け止めるくらいしてみせよう。私だけじゃないよ。強い仲間が君にはあと4人も付いているんだ。誰にも負けないさ――」

 

 こうして、私たちはゴーイングメリー号に乗り込んで、次の島を目指し出発した。

 

 この船に仲間以外が乗り込んでいることに気付いているのは――まだ、私しかいない……。

 

 




キリの良いところまで書いていたら過去最長に……。
5000字前後を目指しているのに、上手く行かないものです。
原作とは違ってクロコダイルは麦わらの一味を5人だと最初から認識することになりました。
次回はオールサンデーとか、リトルガーデンとか、そんな感じです!

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