ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう 作:ルピーの指輪
今回でリトルガーデンのお話は終わりです。ミキータ加入でどうなるのか? それではよろしくお願いします!
『ルフィ? そうか、てめェが麦わらか……。Mr.3はどうしたッ!? てめェが殺ったのか!?』
クロコダイルは状況を判断して、ルフィがMr.3を倒して電伝虫を奪ったと解釈してるみたいだ。
「――みすたー、もごぉっ! もごもご……」
これ以上、ルフィを喋らせるわけにはいかないので私は必死でルフィの口を押さえる。
ここから何とか誤魔化さなきゃ……。
「失礼しました。ボス……。麦わらのルフィを今、始末しました。逃げ足が速いやつでして、多少手間取りましたが任務はこれで完了です」
私はちょうど今、ルフィを倒したとクロコダイルに報告をした。
これで彼が納得してくれればいいけど……。
『てめェ……! おれを嘗めてるのか!? この流れでてめェをMr.3だと信じるバカがどこにいる?』
やはりやらかした後にすんなり私の言うことを信じるほど、クロコダイルは甘い相手では無かったか……。
どうしよう……。すごい怒ってるし……。
「なるほど、私を偽物だと疑っているわけですね。ボス……」
私は努めて冷静に淡々と事務的な口調で彼と会話をする。
相手にこっちの動揺を悟らせてはならない。
『疑っているんじゃねェ! 確信してるんだ、偽物野郎! このタイミングで都合よく麦わらを殺っただと? 誰がそれを信じる!?』
クロコダイルは私を偽物だと決めつけているみたいだ。まぁ、当たってるんだけど……。
「ボス! 私も見てました。Mr.3が麦わらを殺るところを――!」
私が次の言葉を探していると、突然、ミキータが口を開いた。
どうするつもりだ?
『誰だてめェは! 女か!?』
クロコダイルはミキータに対して怒鳴った。
「私はミス・バレンタイン。それとも、運び屋ミキータと名乗ったほうがよろしいでしょうか? 麦わらの一味は私の本名を知らないので騙ることは出来ないはずです」
ミキータは自分の本名を名乗り、クロコダイルに信用してもらおうと考えているみたいだ。
そうか、彼はミキータがこっち側についたことを知らないから、それを利用しようとしているのか……。
『――ほう、なるほど。いや、疑って悪かった。Mr.3……。計画も最終段階でな。こっちも慎重になっているんだ』
ミキータのファインプレーでようやくクロコダイルの信頼を勝ち取ることができた。
「いえ、理想郷を作るというボスの計画を思えば当然です。任務遂行が遅れていたのは事実ですから、私に落ち度がありました」
私は思ってもないことをペラペラと話す。こういうのは嘘つきの土俵だ。
『クハハッ! 殊勝な態度を見せるじゃないか。Mr.3……。ともあれ、任務遂行ご苦労だった。今、アンラッキーズをそちらに向かわせている。ある届け物をもって、任務完了の確認をしにな』
クロコダイルは完全に私を信じてくれたようで本題を切り出してきた。
「届け物……、ですか?」
『アラバスタ王国への
私がクロコダイルの言葉を復唱すると、彼は私の目的である
よし、これでほとんど作戦は上手くいったようなものだ。
ちょうどこっちに向かって来てるアンラッキーズ――今回は手加減しないよ。
私はまずはラッコを睡眠弾で撃ち落とした。
「承知しました。アラバスタ王国にまっすぐ向かえばよろしいんですね?」
そして、クロコダイルに話しかけるのと同時にハゲタカを撃ち落とす。
「――なんて、早撃ち……」
ミキータはゴクリと生唾を飲みこんで、私の射撃に対する感想を漏らした。
『そのとおりだ。なお、電波を使った連絡はこれっきりだ。海軍が嗅ぎ付けても厄介だからな。以後の連絡はこれまでどおり指令状によって行う。――以上だ。幸運を……Mr.3』
「ええ、お任せください……」
私はクロコダイルの話にうやうやしく返事をすると、彼は通信を切った。
「ふぅ……、何とか誤魔化せたな……。君のおかげだよ、ミキータ……」
私はミキータにお礼を言った。彼女の機転がなければ危なかった。
「キャハッ……、そんなことより、あんたらの船長……、長いこと息してないみたいだけど大丈夫なの?」
「あっ!?」
ミキータの言葉で私がルフィの鼻と口を押さえっぱなしだということを思い出した。
「――ぷはぁっ……。ぜぇ、ぜぇ……。ライアー! 死んじまうとこだったぞ!」
ルフィは顔を青くして私に苦情を言ってきた。
「ごめんごめん……。てか、君の力なら簡単に振りほどけたのでは?」
私はルフィが力づくで抜け出さなかったことに疑問を呈した。
「ノリだ!」
「ああ、ノリか……。――って、ノリで君は死にかけてたのかい?」
堂々とノリだと宣言するルフィ。いや、そこは命に関わるからノリで済まさないでほしい。
「あんたら、運がいいのね。追手が来なくなるだけじゃなくって、都合良くアラバスタへの
ミキータは当然、私が
クロコダイルが追手を差し向けることを避けるためだと解釈している。
「ん? 傘のヤツじゃねェか。なんでここに居るんだ?」
ルフィはようやくミキータに気が付き彼女に話しかけた。
「ああ、彼女はミキータ。私の命を助けてくれた恩人なんだ。行くところがないから、一緒に船に乗せたいんだけどさ……」
私はルフィに彼女を紹介した。私の命を救ってくれたことを付け加えて……。
「そっか。いいぞ! よろしくな! ミキータ!」
思った以上にあっさりルフィは了承してくれた。反対はしないとは思ったけど……。
「キャハッ……!? 軽っ! あんたらのところの
ミキータはあまりにも軽いルフィの態度が逆に不安だったらしく、彼にもっと疑えと言っていた。気持ちはわかるけど……。
「別にいいじゃないか。許可してもらったんだから……。これから一緒に旅するんだ。改めてよろしく」
私はもう一度、彼女に対して手を差し出した。
「いっ、一緒に……。そっそりゃ、そうよね。えっと、うん」
ミキータは照れくさそうに目を背けながら、右手で頬を掻きながら、左手で私の手を握ってくれた。
「ところで、ライア! 巨人のオッサンたちの決闘を邪魔した奴らは見つけたのか?」
「ああ、それならゾロとサンジがやっつけちゃったよ。ドリーもブロギーも何事もなく決闘してたし、問題なさそうだ。ラッキーなことに
私はルフィの質問に答えて、彼にみんなの元に戻るように促した。
ふぅ……、今日は精神をすり減らしたからなのか、Mr.3との戦いのときからやたらと体がダルいな……。
◇ ◇ ◇ ◇
「「ああ〜、お茶がうめェ〜!」」
戻ってみたら、ドリーとブロギーが揃ってお茶を飲んで和んでいた。
「何これ、どういう状況……?」
私はビビにそう尋ねた。意味がわからない。どうしてこうなった?
「ああ、ミス・ゴールデンウィークが出したお茶が美味しかったって、この二人が……」
ビビが彼らが和んでいる理由を話す。ミス・ゴールデンウィークが? どうしてまた……。
「チビ人間は器用なもんだな」
「こいつらをふん縛ってれば大丈夫だろ。おれは女を縛る趣味はねェ」
感心するような口調のドリーと、縛られたMr.5とMr.3を指さすサンジ。
まぁ、彼女には戦闘力はないけれど……。
「ビビから聞いたんだけど、あなた正気なの? 敵だった女を一緒の船に乗せたいなんて」
ナミが私の姿を確認すると、ミキータを乗せることについて渋い表情をした。
確かに彼女の主張が正論だよね。
「うん。いろいろと助けて貰ったし」
「助けられたねぇ。それだったら、ここに1年も居なきゃいけないって状況も助けてほしいものね」
ナミは私の言葉に対してそう返す。やはり、ログが溜まるまで1年という話がかなり効いているみたいだ。
「それも含めてさ。ミキータのおかげでほら、アラバスタ王国への
私はミキータの機転のおかげで手に入った
「えっ! そっ、その
「うん。彼女が上手く、Mr.0を騙してね。何とか私たちはここを脱出出来そうだよ」
私はミキータの功績を彼女に話した。
「キャハッ……、別に私は大したこと――」
「ミス・バレンタイン! ありがとう! あなたのおかげで私は国を助けられる!」
私の言葉を聞いて、ミキータは両手を振って謙遜しようとしたが、ビビは彼女を力いっぱい抱き締めて大きな声でお礼を言い出した。
「ミス・ウェンズデー……。ちょっと、離れてくれる? もう、わかったから離しなさいよ!」
ミキータは顔を真っ赤にしながら、ビビを引き剥がそうとした。
ビビは国の情勢がかかっているから本当にありがたかったんだろうな。
「ほう、裏切り者って聞いたからどんな奴かと思ったが、やるもんだ。言っとくがおれは信用してねェからな」
「普通そうよね〜。まともな奴がいて安心したわ」
そして、そんな様子を眺めていたゾロは彼女に忠告するが、彼女はそれをどこ吹く風だと言わんばかりに受け流した。
「ああ、今日ほどこの船に乗って良かったと思える日はない! ミキータちゃん……、君はなんて可憐で美しいんだ!」
さらに可愛い女性が船に乗るという出来事にハイテンションになっているサンジがクルクル回りながらやってきて盛り上がっていた。
「キャハハッ、よく言われるわ。あんたは扱いやすそうね……」
「どうぞ、何なりと扱ってください。おれは恋の下僕になる決意が今できた!」
ミキータのそんなひと言にもサンジはニコニコしながらきれいなお辞儀をする。こういう所は絶対にブレないよなー。
「はい。サンジくん、黙っててね。まっ、
ナミも最後にこの窮地を脱することが出来る事に対して彼女にお礼を言っていた。
「はぁ、どうやらみんなそれなりに彼女を認めてくれたみたいだ」
「ちょっと、あなた。私たちの負けでいいからMr.3たちを解放してくれない?」
私がミキータが問題なく船に乗れそうなことを確認していると、ミス・ゴールデンウィークが話しかけてきた。
「君はミス・ゴールデンウィークか。仮に解放したとして、
「決まってるわ。何とかこの島を出てB・Wのために戦うの」
私の言葉に対してミス・ゴールデンウィークは混じり気のない瞳でまっすぐ私を見据えながらそう答えた。
そこからは一切の邪気を感じられず、ただひたすら純粋な気持ちに溢れていた。
「はははっ、君は正直だし仲間想いなんだね。でも、それなら簡単に解放はできないよ……」
私は彼女の受け答えに対してそう言った。それにしても、なぜ彼女はB・Wに所属してるのだろう。
「………これあげる」
「あっ、ありがとう」
ミス・ゴールデンウィークは唐突にせんべいを私に渡してきた。ん? これはどういう?
「また、アラバスタ王国で会いましょう。カラーズトラップ……友達の黄緑……!」
ミス・ゴールデンウィークがそう言葉を言い放つと、プテラノドンが飛んできて彼女を背中に乗せる。
「へっ!? いつの間にプテラノドンにッ! カラーズトラップを!?」
「うっひゃあッ! すっげェな!」
私は呆気にとられ、ルフィは目を輝かせてその様子を見ていたら、彼女は素早く縛られているMr.5とMr.3を回収して空へと舞い上がって行った。
「感心してる場合か! あいつ、仲間を連れて逃げちゃったじゃない!」
「ほう、チビ人間が恐竜を従えるとは……」
ナミはプテラノドンを指さし、ドリーは感心したような声を出した。
「くっ、逃がすか……。必殺ッ――あれっ?」
私は愛銃、
「ライアちゃん、大丈夫かい? 拳銃を落とすなんてらしくないな」
「ごっ、ごめん。手が滑ったみたいだ……」
サンジがいち早くそれに気づいて、私を気遣うような言葉をかけてくれる。やはり、疲れが溜まってるみたいだ。
「まずい……。ミス・ゴールデンウィークがMr.5とMr.3を連れて行っちゃったわ。グズグズしてると、
「出航を急ぎましょう。せっかく
ミキータとビビが顔を見合わせて深刻そうに話し合っていた。
そうだな。急いだほうが確かに良さそうだ。
「ふむ、客人は旅立つか。ならば、うまい酒とうまい飯の恩を我らも返すとしよう」
「ゲギャギャギャギャ! そうだな、ブロギー。久方ぶりに見た面白い連中だ。死なせるのは惜しい」
そして、私たちの会話を聞いていた二人の巨人がニヤリと笑って立ち上がった――。
◇ ◇ ◇ ◇
「――覇国ッッッッッ!!」
島食い――育ち過ぎた金魚なのだそうだ。その大陸と見紛うほどの巨大な金魚に飲み込まれたメリー号……。
しかし我々は二人の巨人のアドバイスどおり“まっすぐ”に進み続けた。
するとどうだろう。ドリーとブロギーによるエルバフに伝わる巨人族の奥義が炸裂し、島食いは海ごと抉られて、ゴーイングメリー号は再び青天の下へと還ってきたのである。
ともあれ、私たちはこのリトルガーデンを脱出することに成功したのだ――!
「すっげェ! でっけェな! 巨人っていうのは!」
「ああ、いつか見てみたいものだね。エルバフという巨人族の村も」
「よし、行こう! エルバフ、エルバフ! 巨人族の村へ!」
ルフィは二人の巨人のスケールの大きさに感動してリトルガーデンをずっと眺めていた。
さて、漫画だとこのあとナミが原因不明の高熱にうなされることになり、進路を急遽変更して元ドラム王国があった場所へと向かった。
そこで、次の仲間であるチョッパーと出会うことになるはずなのだが……。
「どうしたの? ライア。人の顔をジロジロ見て」
ナミが不思議そうな顔をして私を見ていた。おそらく私が彼女をガン見していたからだろう。
「いや、今日も可愛い顔してるなって思っただけだよ」
「ばっ、バカっ! サンジくんみたいなこと言わないでよ!」
私が誤魔化そうとそう言うと、ナミの顔がみるみる赤くなり彼女は怒り出した。
今のって、サンジっぽいかな?
「お呼びですか〜。ナミさん! 暑いですからね。冷たい飲み物なんていかがです?」
「じゃあ、お願い。サンジくん」
自分の名前が呼ばれたのを聞いて、サンジは超特急でナミの元に駆けつける。
そして、直ぐに気遣い……、これはなかなか出来ることじゃない。
「かしこまりましたー! おら、どけクソ剣士! おれァ急いでるんだ。そんなところで暑苦しいマネしてたら、レディたちが余計に暑がるだろうが!」
「知るかよ、ンなこと!」
ルンルン気分でキッチンに向かうサンジの道を塞ぐようにして鍛錬をするゾロに彼は悪態をつく。
ゾロは鉄の硬度のキャンドルチャンピオンが斬れなかったことが気に障ったらしく、鉄を斬れるようになるために修行してるのだそうだ。
まぁ、そうしてくれないとスパスパの実の能力者であるMr.1には勝てないし……。
「キャハハッ、緊張感の欠片もない船ね〜」
ミキータはそんな彼らを見てせせら笑っていた。
「でも、確実にアラバスタ王国に向かってる。これで、私は生きてアラバスタに帰れる」
ビビはそれを聞いていたが、アラバスタ王国に進路をとっていることに有り難さを感じており、引き締まった表情をしていた。
「あんたは、もちっと、楽にしたらいいんじゃない? キャハハッ、どうせ緊張してようが戦闘じゃ大した戦力にならないんだから。リラックスして、逃げ足だけはいつでも早くしときなさい」
「ミス・バレンタイン……」
そんなビビにミキータは明るく力を抜くようにアドバイスしていた。
割と仲間になると義理堅いところもあるのか、それとも命を狙っていた負い目なのかわからないが……。彼女なりにビビを気遣っているのだろう。
「へぇ、あんたが誑し込んだ彼女、意外とまともなこと言ってるじゃない」
「だから、誑し込んでないって。それよりナミ、体調とか悪くないか?」
私はナミに向かって率直に体調について尋ねた。
そろそろ熱が出なきゃおかしいんだけど……。
「はぁ? 体調? 別になんとも無いわよ。どうしたの急に」
「本当かい? ビビに気を遣って黙ってるんじゃ……」
なんともないという、ナミの言葉を疑って、私は彼女の額に自分の額をくっつけた。
「んっ……、何? 急に――。――って、ライア! あなた、ひどい熱よ!」
「えっ? あっ……!?」
ナミの額は氷のようにひんやりしてた。彼女って低体温だっけ……? えっ? 私の熱がすごいって……、それじゃあまるで私が……。
気付いたら、私はそのまま倒れてしまっていた――。
まさか、ナミじゃなくて、私が発病した――?
リトルガーデンを脱出させようと思ったら、いつの間にか7000字近くなってしまってました。
ミキータの機転でエターナルポースを手に入れたのは良かったのですが、ミス・ゴールデンウィークがいち早く仲間を連れてリトルガーデンを脱出。
彼女らはアラバスタでも再登場させます。
ミス・ゴールデンウィークって、B・Wになんで居るのかわからない感じのキャラクターですよね。懸賞金もMr.3より高いし……。
そして、ケスチアを発症したのはナミではなくライア……。
感想欄で予測されちゃったみたいですが、こんな感じで元ドラム王国に向かうことになりそうです。