ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう   作:ルピーの指輪

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いつも誤字報告や感想をありがとうございます!応援してもらえてとっても嬉しく思っております!
今回はワポルとの戦いを最後まで。
それではよろしくお願いします。


名もなき国での戦い

「ゴムゴムのォォォォォ! ブレットオオオオオオッ!!」

 

「「――ッ!!」」

 

 私が城の外に出たとき、ちょうどルフィがワポルを殴り飛ばしているところだった。

 

「しっしっしっし! ライアをよくも殺そうとしてくれたな! 今、あいつは弱ってるんだ! 手は出させないぞ!」

 

 ルフィは私を彼らから守るために戦ってくれたみたいだ。

 彼にも気を遣わせてるな……。

 

「あっ、あいつ伸びたように見えたぞ」

 

「そりゃあ、伸びるさ。彼はゴム人間。君の言い方を借りると立派なバケモノだ」

 

 チョッパーがルフィの腕が伸びたことに驚いていた。

 

「うェェッ! ライア! おっお前、元気になったのか!?」

 

 ルフィは私が歩いてきたことに驚き顔をした。確かにちょっと前まで死にかけてたから、驚くのも無理はない。

 

「ああ、おかげさまでこの通りさ」

 

「そんなわけないだろ! あたしの忠告をこんなに早く無視するバカは初めてだよ! さっさとベッドに戻んな!」

 

 私が右手を上げて彼の言葉を肯定すると、ドクトリーヌは怒ってベッドで寝るように言ってきた。

 

「ドクトリーヌ。それは聞けない命令だ。私にも私の流儀がある。命を救ってもらえた恩を返せないなんて、死んだも同然なのさ。――へぶッ」

 

 ドクトリーヌに言葉に反抗すると彼女は私の腹を蹴飛ばしてくる。

 

「カッコつけて流儀なんて語ってんじゃあないよ。こんな蹴りも避けられないくらい、ヨロヨロの癖して……」

 

 彼女は私への説教を途中で止める。目の前で矢が吹き飛ばされたからだ。

 

「なっおれの矢が防がれただとッ! いつの間に()()()()()()()()()……!」

 

 チェスは自分の矢が私に撃ち落とされたことに驚愕する。ドクトリーヌの蹴りはマトモに受けたけど、何とか防ぐことが出来たぞ。

 

「キャハハッ……、そんな体でも得意の早撃ちは健在みたいねぇ」

 

「君はチェスくんだったかな? 親に習わなかったかい? 敬老精神を持てってね」

 

 ミキータの声を背中に受けながら、私はチェスに向かってそう言い放った。

 まったく、不届きな男だ……。

 

「コラッ! 何をしくじってやがる! ここには殺したいやつが大集合してンだぞ! 容赦せずに一人残らずやっちまえ!」

 

 ワポルはそれを見て不機嫌そうな声を上げていた。

 

「ドクターのあの“信念”は絶対に下ろさせない!」

 

 ドクトリーヌが襲われたのを見たからなのか、はたまた彼の信念によるものなのか、チョッパーの顔付きが真剣な表情に変わり、人型の大男の形態に変化する。

 

「トニーくんが……、大きくなった」

 

「キャハッ! 動物(ゾオン)系特有の形態変化ね」

 

 チョッパーの変化にビビとミキータが反応した。

 

「チョッパーくん。私も君の大切なモノを守るのを手伝わせてもらうよ」

 

 私もチョッパーの隣に立って銃を構える。

 

「――ッ!? おっ、お前……、いや、駄目だぞ! 病人は寝てなきゃ!」

 

「ドクターストップだ。いい加減に医者の言うことを聞きな。小娘……」

 

 しかし、チョッパーもドクトリーヌも私に戦うなと忠告をしてきた。

 まぁ、言ってることは2人が正しいのは分かるけど……。

 

「だから、私は……。ぐっ! ビビっ! ミキータ! 何をする!」

 

 私が2人に反論しようと私はビビとミキータに後ろにグイッと引っ張られた。

 

「いいから、そこで見てなさいよ。一歩でも動くと雪に埋めるわよ」

 

「ライアさんがトニーくんを助けたいのなら、私が代わりに助ける!」

 

「そゆこと〜。キャハハッ! 病人は病人らしく大人しく見てなさい」

 

 ミキータとビビは口々に私に向かって代わりに戦うと言ってきた。

 はぁ、どうやら従うしかないみたいだな。

 私はみんなの言うことを聞いて下がっていることにした。

 ミキータもビビもこんなに頼もしかったんだ……。何か漫画と印象がかなり違うな……。

 

 

「よーしッ! ケンカだ! ――って、なんか寒いぞッ!?」

 

「あんた、その格好じゃ寒いに決まってるでしょ。暖かい格好してきなさい」

 

 ルフィが今さら薄着で寒がっているのを見て、ミキータは呆れ顔でツッコミを入れる。彼女もそろそろルフィに慣れてきたみたいだ。

 

 ルフィは防寒具を取りに城に戻って行った。

 

 

「要するに皆殺し希望って訳だな! まずはワポル様に狼藉を働いた、お前からだ狙撃手! 死ねっ! 静電気(エレキ)マーリモッ!」

 

 その時である。クロマーリモが私目掛けてアフロを千切ったものを飛ばしてきた。

 

「ライアさんには触れさせない! 孔雀(クジャッキー)スラッシャー!」

 

 ビビはすばやく孔雀(クジャッキー)スラッシャーでそれを受け止める。

 技の精度は大したものだ……。

 

「へぇ、見事ね。って言いたいけど、なんか付いてるわよ」

 

「きゃあああ! 何これ、取れない! あっ、取れた」

 

 しかし、ミキータが言うように静電気(エレキ)マーリモがビビの武器に張り付いてしまっていて、彼女はそれを焦って取ろうとした。

 

「私に付けてんじゃないわよ!」

 

 しかし、取れた静電気(エレキ)マーリモはミキータの衣服にくっついてしまっていて、彼女はムッとした表情でビビに苦情を言い放つ。

 

「まだまだ増えるぞ! 静電気(エレキ)マ〜〜〜リモッ!!」

 

 そうこうしてるうちにクロマーリモはどんどん静電気(エレキ)マーリモを放っていき。

 彼女らの体には多数の静電気(エレキ)マーリモが張り付いてしまった。

 

「ちょっと、あんたに元々付いてたものじゃない! ほらっ!」

 

「やめなさい! これは返すわ!」

 

「何やってるんだい? 君たち……」

 

 そんな状況で、2人は互いの静電気(エレキ)マーリモを押し付け合いケンカを始めてしまった。いや、そんなことしてる場合じゃ……。

 

「やかましいだけの女どもか。チームワークがなっちゃいないな! その静電気(エレキ)マーリモはよく燃えるんだぜ!」

 

 チェスはそんな様子を見ながら彼女らを嘲り、火矢を2人の静電気(エレキ)マーリモ目掛けて放った。

 

「まずいわ! ミス・バレンタイン! あいつ、これを燃やす気よ!」

 

「キャハハッ! ここが雪上ってことに感謝するわ! ほらっ、こっちに来なさい!」

 

 しかし、ミキータは余裕の表情でビビを抱き寄せて、抱えてジャンプする。

 

「えっ!」

 

「一万キロ雪洞(ビバーク)ッ!」

 

 そして、彼女はそのまま雪の中に凄い勢いで身を隠して火矢をやり過ごした。

 なるほど、体重を勢いをつけて重くすることで雪の中に避難したんだな。

 

「きっ消えた!」

 

「バカッ! どうやったか知らんが、雪の中に入っただけだ!」

 

 チェスとクロマーリモは思惑通りにいかずに少し動揺していた。

 

「ゲホゲホッ! 雪が口の中に入っちゃった」

 

「キャハハッ! 無傷なんだから、良いじゃない」

 

 ビビは口から雪を吐き出しながら、穴から這い上がって、ミキータは笑いながら彼女の苦情を聞き流す。

 

 

「この国から出ていけ!」

 

 さらにその瞬間、チェスがミキータたちに驚いているスキを狙ってチョッパーが力いっぱい彼を殴ろうとした。

 

「どけ! チェス!」

 

「危ない!」

 

 しかし、チョッパーの拳はチェスには届かない。なぜなら、大口をあけたワポルに捕まり、彼の口の中に入ってしまったからだ。

 

「うォおおおおお」

 

 その時である。防寒具を着たルフィがこっちに向かって走ってきた。

 

「船長! 掴まりなさい!」

 

 そのルフィに向かってミキータは両手を伸ばす。そして、ルフィと手を繋ぎ彼を勢いをつけて振り回し始めた――。

 

「ゴムゴムのォォォォォ! 加重量(フルウエイト)(ウィップ)ッ!」

 

 ルフィは目一杯足を伸ばしてワポルの腹に遠心力を加えた一撃を放つ。

 どうやら、ミキータの能力でルフィ自身の重さが極限まで引き上げられているらしい。

 

「んぬァにィ! ブふゥッッ!!」

 

 ワポルは文字通りの重たい一撃を腹に受けて、崖から落ちそうになるくらい吹き飛んだ。

 カバのような乗り物が邪魔をして落ちてくれなかったみたいだが……。

 

「キャハハッ! ナイスショットッ!!」

 

 その光景を嬉しそうに眺めるミキータ。彼女は今の一撃に手応えを感じたらしい。

 

「悪魔の実の能力者が二人揃うと恐ろしいな……」

 

「なるほど、あっちのニヤけた小娘も能力者か」

 

 私は能力者同士のコンビネーションに舌を巻いた。

 ドクトリーヌは私の言葉を聞いて納得したように頷く。

 

 

 

「くそっ! 絶対に殺すぞ! あいつら――!」

 

「「ワポル様!?」」

 

「見せてやる! “バクバクファクトリー”」

 

 しかしワポルはタフな体をしており、まだまだ元気そうだった。

 そして、自らの体を家のような形に変化させた。

 

 

「マーハッハッハ! ワポルハウス! そして、奇跡を見るが良い!」

 

「「ぎゃあああッ」」

 

 ワポルはその状態でチェスとクロマーリモを食べだした。うわっ……、生でみるとグロいな……。

 

「仲間を食べた……!」

 

「何をしようとしてるの?」

 

 ルフィもビビも彼の意図が掴めないでいるみたいだ。

 

「いでよ! ドラム王国最強の戦士」

 

「「チェスマーリモ!」」

 

 チェスとクロマーリモが合体した姿でワポルの中から出てきた。

 ルフィは目を輝かせてカッコイイとか言っている。悪いけど、同意はしてあげられない。

 

「キャハハッ! 肩車しただけじゃない」

 

「侮るんじゃないよ。あいつらが強くなかったら、医者の追放なんてバカなマネ……、国民全員で止めてたさ」

 

 ケラケラ笑ってるミキータにドクトリーヌは忠告する。実際、奴らが恐怖政治の中枢に居たんだもんな。そのとおりだ。

 

「この国で王様の思いどおりにならんやつは死ね――ドラム王国憲法の第一条だ。よりによって、あんなヘボ医者の旗なんぞ掲げるんじゃねェ! 城が腐っちまうぜ!」

 

 そして、ワポルは城の上に掲げられたヒルルクのシンボルであるドクロの旗を大砲で撃ち落とす。いちいち、この男は下衆なことをするやつだ……。

 

「海賊旗……。おい、トナカイ……。あの旗……」

 

 ルフィは折れた海賊旗を眺めながらチョッパーに話しかけた。

 だが、彼はルフィの言葉には反応せずにまっすぐワポルに殴りかかろうとする。

 

「おれはお前を殴らない。殴らないからこの国から消えてくれ!」

 

 彼は拳を止める。恩人であるヒルルクが彼を救おうとしたから……。

 

 結局、彼の優しさもすべては無駄だった。ワポルは容赦なくチョッパーを攻撃した。

 彼は為すすべもなく血まみれになって倒れてしまった。世の中には煮ても焼いても食えない奴がいるってことかな……。

 よくもチョッパーに酷いことを……。私は静かに怒りを溜めていた。

 

 

 その時だ、ルフィは城の上からワポルに向かって叫び出した。

 手にはヒルルクのドクロマークの付いた旗を持って。

 

「お前らはこの海賊旗(はた)のもつ本当の意味を知らねェ!」

 

「うるせェ! 何度でも折ってやる! そんな目障りな旗!」

 

 そんなルフィの言葉を歯牙にもかけず、ワポルは再び大砲を彼に向かって発射した。

 

「よけろ! 危ない!」

 

 チョッパーは大声で彼に向かって叫ぶがルフィは微動だにしない。

 

「このドクロマークは“信念”の象徴なんだ!」

 

 案の定、ルフィは砲弾をマトモに受けてしまった。

 

「キャハ……、あの船長……。マジでイカれてるんじゃない?」

 

「ルフィさん……」

 

 ミキータとビビはルフィの姿を目を丸くして凝視していた。

 

「ほらな――折れねェ……!」

 

「まったくもって、彼に敵う気がしない……」

 

 私はこのモンキー・D・ルフィを間近に見てこのような感想を何度持ったことだろう。

 

「これは()()()()旗だから。へらへら笑ってへし折っていいものじゃないんだぞ!」

 

「ぐぬぅ……」

 

 ルフィの気迫に圧されたせいなのか、ワポルの顔色が青くなっていた。

 

「おいっ! トナカイ! おれは今からあいつをぶっ飛ばすけど……。お前はどうする!?」

 

 ルフィはチョッパーに質問をした。

 

 しかし、ルフィの言葉にチョッパーが反応するより早く、ワポルは再び彼を攻撃しようとする。

 

「やめろっ!」

 

 チョッパーはそれを止めに入った。

 

 彼は戦うつもりのようだ。大切な人の信念を守るために。

 

 ルフィはワポル。チョッパーはチェスマーリモと戦うみたいだ。

 うーん。私たちの出る幕がなくなってしまいそうだな……。いや、まだやり残したことがあるか……。

 しかし、無茶をして私の体もあまり良くない。どうしたものか……。

 

 チョッパーはランブルボールを口にして優勢……。おそらく漫画と同じく彼は勝つだろう。

 

 ワポルはそのスキに城に入って行く……。

 

 よし、彼を追うか……。ルフィはチョッパーに見惚れて動きそうにないし……。

 

「ミキータ、君に頼みたいことがある。聞いてくれるかい?」

 

 私はミキータにこっそりと話しかけた。今からワポルとやり合うために……。

 

「はい! ――くっ、違うって! しっ仕方ないわね。聞いてあげるわよ」

 

「ありがとう。悪いけど、私をここに来たときみたいに背負って城の中に入ったワポルを追ってくれ――」

 

 ミキータは私の頼みを快く聞いてくれて、私を背負ってくれた。

 彼女とはいい友達になれそうだなぁ。本当に優しい……。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇

 

「武器庫にさえ行けば、このバクバクの実の能力で人間兵器になることが出来る! そうしたら、あんな奴ら皆殺しだ!」

 

「そうはいかないよ! 食らえっ!」

 

 私はミキータに背負われながらワポルに発砲した。

 

「パクっ! マーハッハッハ! 食らうか! そんなへなちょこ!」

 

 しかし、ワポルは私が放った弾丸を大きな口を開けて食べてしまった。

 

「キャハハ……、あいつ銃弾食べたわよ……」

 

「ああ、よく考えたら砲弾も食べるような奴だった……」

 

 私とミキータは唖然として顔を見合わせた。

 

「十倍返しだ!」

 

「ミキータ! 浮くよ! 錆色の弾丸(ボンバースマッシュ)

 

 そして、ワポルが大砲を私たちに撃ち出して来たので、私は命中すると爆発を起こす錆色の弾丸(ボンバースマッシュ)を地面に撃ち、爆風を起こす。

 

「キャハハッ! 良いわね! なかなかの風よ……!」

 

 ミキータと私は爆風に乗って浮上して、ワポルを見下ろした。

 

「カバめっ!わざわざ的になりやがって!」

 

「そんなの撃ち落とすのはわけない! 必殺ッッ! 火薬星ッッ!」

 

 ワポルが私たちに向かって再び大砲を撃ち出したので私は錆色の弾丸(ボンバースマッシュ)を大砲の弾に当てて相殺する。

 

「チッ! 大砲の弾をあんなやり方でッ! まぁいい! それよりも武器庫だ!」

 

 ワポルは武器庫の鍵を取り出して鍵を開けようとした。よし、この瞬間のために私はミキータに浮き上がって貰ったんだ。

 

「ミキータ! 頼みたいことがある――」

 

「マジ!? そんなこと出来るの!?」

 

 私はミキータに作戦を話す。彼女は作戦を聞くと驚いた表情をした。

 

「――必殺ッッ! 鉛星ッッッ!!」

 

 そして、私は上から床を狙って鉛の弾丸を放つ――。

 

「マーハッハッハ! どこを狙って――! うぎャあああああッ! そんなカバなあああッ!」

 

 その弾丸は上からでないと跳ねない角度で跳ね上がり、ワポルの持っている鍵を弾き飛ばした。

 

「キャハッ! ホントにこっちに鍵が飛んできたわ!」

 

 弾き飛ばされた鍵はゆっくりと落下していたミキータの手元に届き、彼女はそれを難なくキャッチした。

 

「ちくしょう! 鍵を返しやがれ!」

 

「見つけたぞ! 邪魔口ィィィィ!」

 

 ワポルは怒りの形相を浮かべてミキータに襲い掛かろうとしたが、ルフィがこちらまで駆けてきて、足を伸ばしてワポルを蹴飛ばした。

 

「ヌベェッッ!!」

 

 ワポルは吹き飛ばされて壁に激突する。

 

「ライア! ミキータ! 大丈夫か!」

 

「この隙にッ! 最後の奥の手だッ!」

 

 ルフィは私たちを気遣うが、ワポルは彼の意識が逸れたのを確認して、階段を登って逃げてしまった。

 

「私は大丈夫だ! ルフィ! やつを追ってくれ!」

 

「わかった!」

 

 私は自分たちに構わずルフィにワポルを追うように頼むと、ルフィは頷いて彼を追っていった。

 

「ふぅ、とりあえず……。私の役目は終わりかな」

 

 私はルフィの勝利をひと足早く確信して、ミキータに床に降ろしてもらう。

 

「キャハハッ! 随分とあんたも無茶をするのね。ちょっと前まで死にかけてたクセに……。そんなにあのトナカイちゃんが大事なの?」

 

 彼女はチョッパーのために私やルフィが動いていることを不思議に思ってるみたいだ。

 

「うちの船長が仲間にしたいみたいなんだ。だったら、私も彼をたとえ今だけだとしても仲間として扱いたい」

 

 私は本心からそう言った。たとえ、チョッパーが漫画と違って仲間にならない選択をしたとしても、この瞬間は彼の仲間でありたいと素直にそう思ったからだ。

 

「ふうん。イカれてるわね。そんなことに船長もあんたも命を懸けるんだもん。じゃあ、もし私が仲間になったとしてピンチになったら……」

 

「助けるさ。ていうか、ミキータはもう仲間だよ。私の大切な、ね……」

 

 ミキータがまるで自分がまだ仲間ではないみたいな言い方をするので、私は思っていることを口に出した。

 

「――ッ!?」

 

「どうしたんだ? 急に真っ赤になって……。熱でもあるのか?」

 

 するとミキータの白い顔がりんごみたいに赤くなった。もしかしたら、寒さにやられた?

 

「――もっ、もう知らない! 本当にバカなんだから。キャハッ……、人の気も知らないで……」

 

 ミキータは顔を背けながら、そう言った。

 どうしたんだろう? 一体、私が何をしたというのだ?

 

 

「ゴムゴムのォォォォォ! オオオオオオ! バズーカッ!」

 

 そんなことを彼女と話していると、上の方からルフィが必殺技を叫ぶ声が木霊した。

 

 やはりというか、当然というか、ルフィはワポルを宣言どおりぶっ飛ばしたらしい。

 我々の勝利が決まった瞬間であった。

 




ミキータとルフィの合体技なんですけど、ミキータがルフィを伸びる武器として扱うみたいなイメージです。
武器であるルフィの重量を上げて破壊力を増すみたいな感じですね。
キロキロの実でホントにそんなことできるのか分かりませんが……。悪魔の実を利用し合った合体技を出したかったのでやってみました。
次回からいよいよアラバスタ王国に入ります。

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