ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう 作:ルピーの指輪
ミキータ加入が好意的に受け入れられて嬉しいです!
今回から空島編がスタートします!
空島を目指せ
「何言ってんだ、お前! おれはなんもしてねェぞ!」
「いいえ、耐え難い仕打ちを受けました。――責任とってね」
ゴーイングメリー号に密航していたミス・オールサンデーことニコ・ロビンがルフィが自分に対してした事の責任を取るように告げてきた。
サンジはルフィの胸ぐらを掴んで怒鳴っているけど、君が考えてるようなことはしてないと思うよ。
「意味わかんねェ奴だな。どうしろって言うんだよ?」
「私を仲間に入れて――」
ルフィの問いに対して、ロビンは自分を仲間に入れるように要求をした。
ロビンか……。彼女の人生も壮絶だよな……。
バスターコールとか、一生体験したくない……。
「「はぁ!?」」
ロビンの唐突な要求は
「――死を望む私を生かした。それがあなたの罪……。私は行くあても帰る場所もないの。――だから、私をこの船に置いて」
「なんだ、そうか。そらしょうがねェな。いいぞ!」
そして、行くところがないと主張する彼女にルフィはあっさり許可をした。
「「ルフィ!」」
「心配すんなって! こいつは悪いやつじゃねェから!」
許可を即答で出したルフィに対して、一斉にツッコミが入るが、彼はあっけらかんとした態度で笑って流した。
そんなわけで、ロビンはあっさりと麦わらの一味に加入した。
しかし、納得してない面々が多かったので、私が面談のような形を取りロビンにいくつか質問をすることとなった。
「ふむ。8歳まで考古学者……、そして賞金首……。なかなかハードな人生だね」
「ええ、そのおかげで裏で動くのは得意になったわ。お役に立てるはず」
ロビンは概ね漫画と同じような人生をたどっているみたいだった。
うーん。まだ、そこは掘り下げないほうが良さそうだな……。
「そっか、何か得意なものはあるのかい?」
「――暗殺」
そして、私が彼女に特技を質問すると、暗殺という答えが返ってきた。
まぁ、彼女の能力は暗殺向きだよね……。
「なるほど。うん、一通り聞いたけど問題ないみたいだね」
「問題あるわよ! バカ! 今、物騒な言葉を言ってたのが聞こえなかったの!?」
私がロビンへの質疑応答を終えたという感じを出してると、ポカリとナミからげんこつを食らった。
「痛いじゃないか。いや、だってさ。8歳で賞金首になったんだよ? 暗殺くらい特技にしないとやっていけないじゃないか」
私は頭を擦りながら、生きるために仕方ないことだと主張した。
海賊が倫理を説いてもしょうがないし……。
「ふふっ、やっぱり面白い人ね。狙撃手さんは……。へぇ、肌きれい……。食べちゃいたい」
するとロビンは私の肩から腕を生やして、両頬を撫でてきた。
肌はきれいかな? 日焼けには注意してるけど……。
「ちょ〜っと、何やってんの? 元副社長」
「ミス・バレンタイン……、大好きな狙撃手さんが取られると思ったのかしら?」
そんな様子を見ていたミキータがムッとした表情でロビンの顔を覗き込むと、彼女はすました顔でそう返した。
まさか、ミキータも……。私はビビの件があったのでビクッとした。
「そんなわけないでしょ! バカなことを言わないで!」
あー、良かった。そりゃそうだ。危ない、自意識過剰になるところだったよ……。
もう少しでミキータにまで好意を向けられているのかと思ってしまうところだった。
「こらこら、ムキになると相手の思うツボよ。犯罪組織の元副社長……。ルフィは騙せても私は騙されないわ。妙なことしたら、叩き出すわよ」
さらにそのやりとりを見ていたナミがミキータの肩に手を置いて、ロビンに疑いの眼差しを向けた。
「さすが、ナミちゃん。ごめん、私が熱くなっちゃったわ」
ミキータは感心したような顔でナミを見ていた。
「そういえば、クロコダイルのところから少し宝石持ってきちゃった」
「いやん! 大好きよ。お姉様っ!」
だが、ロビンが宝石の入った袋を出すと、ナミの態度は一変する。
「キャハッ……、早くない?」
「悪の手口だな……」
それを呆れた顔でミキータとゾロが眺めるという構図となった。
「漂う恋よ……。僕はただ漆黒に焦げた体を――」
ちょうどそのとき、おやつの準備をしていたサンジがいつものように大袈裟な詩の朗読をしながら、ロビンにおやつを差し出していた。
「キャハハ、サンジくんはあんな感じよね〜」
「まぁ、
それもミキータとゾロは並んで頷きながら見ている。案外、この船で最も冷静なのはこの2人なのかもしれない。
「いいじゃないか。サンジもナミもロビンを受け入れてるんだから、ゾロもミキータも受け入れてあげなよ」
そんな2人に私は諦めてロビンのことを認めるように促してみる。
「なるほど。裏切りなんざ恐れねェで、ほっとけということか。確かに、そのときが来れば、躊躇わずに斬っちまえばいいだけだからな。ライアらしい考え方だ」
ゾロは凶悪な笑みを浮かべて勝手に納得していた。
「えっ? 発想が怖いんだけど……。君の中での私のイメージってどうなってるんだい?」
私はゾロからどう思われているのか急に不安になってきた。
「まっ、私を受け入れたあんただもん。来る者は拒まないのはわかってる。仕方ない。私が代わりに警戒しといたげる」
「その必要はないと思うけどな〜」
ミキータはミキータで、義務感を燃やしながらニコリと笑った。
B・Wに長く居たからこそロビンへの畏怖みたいなのがあるのかなぁ?
「ところで、航海士さん。ログは大丈夫?」
少し時間が経って、ロビンはログの心配をした。
「西北西にまっすぐ! 平気よ、ロビン姉さん!」
「文字通り現金だね。君は……」
「絶対に宝石もらっただろ……」
ナミの変わり身に私とゾロがツッコミを入れる。
「ナミ、次の島は雪降るかなァ?」
「あんた、また雪みたいの?」
ルフィは雪がお気に入りみたいである。ナミはそうでもないみたいだけど……。
「アラバスタからのログを辿ると次は秋島よ」
「秋かァ! 秋もいいな!」
ロビンの情報によると次は秋島のようだ。あれ? 空島じゃなかったっけ?
そんなことを思っていると、空から何かの破片が落ちてきた。
「ん? 雨か?」
「いや、雨じゃねェ……」
ゾロとサンジも異変に気付いて空を見上げる。
「これは驚いた――」
「空から……、なんで?」
「ガレオン船――!?」
私たちは空から降ってくるモノの正体を見て驚愕する。
なんと巨大なガレオン船が落ちてきたのだ。
「キャハハ! 嘘でしょ! 何これ!?」
「とっとにかく、船にしがみつけ!」
「「うわあああッ!」」
ガレオン船が落ちてきた影響で海は大きく揺れて、私たちは外に放り出されそうになり、慌てて船の至るところにしがみついた。
「なんで、空から船が降ってくるんだ?」
「ああっ!
ルフィが疑問の声を上げたとき、ナミが大声で
「違うわ。より強い磁力を持った島にログを書き換えられたのよ……。指針が上を向いているなら……、“空島”にログを奪われたということ――」
「なるほど、空島か……。
ロビンの空島という発言に私も頷く。一応、旅の準備のために
それだけ異質な存在みたいだ。
「すっげェ! 空に海が浮いてて島があるのか! よし、すぐ行こう!」
「おおっ! 面白そうだ!」
ルフィの言葉にチョッパーも目を輝かせて楽しそうな声を出す。
「ちょっと待ちなさい! ロビンも、ライアも何言ってるのよ! 常識で考えて空に島なんてあるわけないでしょう!」
「じゃあ、常識を捨てて考えよう。この海に常識は通じないっていうのは、今までの航海でもわかってるだろ? 指針が上を向いてるなら私たちがすることは1つだ」
ナミの言葉に対して私は持論を述べる。本音を言うと船が心配なので空島には行きたくないという部分もあるが、妙な意見を出して漫画と違うルートになるのも怖いので、行こうという結論が自分の中で出来ていた。
「空に行く方法を考える。そう言いたいんでしょう? 狙撃手さん」
「うん。とりあえず、この船に落ちてきたモノから何か手がかりが掴めないか探ってみよう」
ロビンの言葉に私は頷き、空島への手がかりを探そうと提案した。
◇ ◇ ◇ ◇
探せば何とかなるもので、スカイピア――つまり空島の地図らしきモノは発見できた。
しかし、手がかりはそこまでで、残りは海に沈んだガレオン船からサルベージして手に入れようという話になった。
「おい、ライア! これは本当に大丈夫なんだろうな!」
「うん。設計上は無理しなきゃ問題ないはずだよ。本当は私も潜りたいけど、上から指示を出さなきゃいけないからさ。まぁ、もしものときはミキータの能力で簡単に引き上げられるから」
間に合わせで作ったサルベージセットに懐疑的なゾロの質問に私は答える。
ミキータのおかげで引き上げがとても楽になるから安全性はかなり高い。
「キャハハっ! いつだって浮かべてあげるわ」
「ミキータちゃんに浮かべてもらったら、天国まで行っちまいそうだぜ! ナミさん! おれに任せてくれ!」
ミキータとナミに手を振るサンジ。最近、彼は私たちが並んで立っていると何故か嬉しそうにする。
「よろしくね♡」
ナミもなんだかんだ言って空島には興味があるらしく手がかり探しに積極的になってきた。
そして、ルフィ、ゾロ、サンジの3人はガレオン船を探索するために海に潜った。
「こちら、チョッパー。みんな返事して」
『こちらルフィ、怪物がいっぱいです。どうぞ』
『ここは巨大海ヘビの巣か!?』
『こちらサンジ。うわっ!? こっち見た!』
チョッパーが面白そうだと志願をして彼らの引き下げ作業を行っており、彼の問いかけに3人は返事をする。
「オッケー」
「よし、このまま続けてくれ」
「キャハッ……、あんたら、割と容赦ないわよね……」
私とナミが彼らの言葉を流していると、ミキータが少しだけ引いた顔をして私たちを見ていた。
だってルフィたちだよ? 心配ないとか思ってはいけなかったのだろうか?
作業を始めてしばらくすると、少しだけ離れたところから歌が聞こえてきた。
「「サ〜ルベ〜〜ジ♪ サルベ〜ジ♪」」
「
歌の正体はマシラ海賊団。そして、現れたのはマシラという猿顔の巨漢だ。
大きな船で私たちと同様にガレオン船のサルベージを行うみたいだ。
マシラたちは勘が悪いのか、私たちの目的もサルベージだということに気が付かなかった。
その後の展開は予想通りだった。案の定ルフィたちとかち合って争うことになる。
そして、マシラが業を煮やして海に入った直後、事態は一変する。
巨大な生物の気配がルフィたちに近付いて来たのだ。
「ミキータ! すぐに引き上げてくれ! ルフィたちが危ない! みんな! 早く樽を被るんだ!」
「キャハハッ! 何よいきなり! わかったわ!」
ミキータがキロキロの実の能力でルフィたちの重量を最小限まで減らしてグイッとチョッパー共に引き上げ作業を開始する。
「どうしたんだい? ライアちゃん、急に……」
「急に大声が聞こえたから焦ったぜ……」
「なぁ、船の中に猿がいたんだ! いきなり暴れ出したから驚いたぞ!」
ルフィたちは袋を片手に樽とともに引き上げられた。良かった無事だったか……。
「でも、ライア。なんで、急に大声を出して引き上げようと……。って、何よあれ?」
「亀が船を食べてるわね。あのままだったら、みんな仲良くお腹の中に行って……」
「キャハッ……、相変わらずエグいことを平気な顔で言うのね……」
ナミたちは巨大な亀が海上に上がってきてガレオン船をムシャムシャと咀嚼している様子を見て口々に感想をこぼした。
あれに食べられたら危なかったかもしれない……。
そんなことを考えていると、マシラが怒りの形相で私たちの船に乗り込んできて暴れようとしていた。
しかし、急に辺りが暗くなり事態はまたもや一変する。
なんと巨人族のドリーやブロギーよりも何倍も大きな人影が目の前に映し出されたのである。
「「怪物だああああ!」」
みんなは絶叫して、猛スピードで船を動かして巨大な影から離れていった。
実際は空島の人が映し出された像なんだっけ?
◇ ◇ ◇ ◇
「さすがにビビったね。あれには……、どーも」
「「ふぅ……」」
巨大な影から逃げ出して落ち着いた私たちは口々に今日あった出来事をおさらいする。
最後にマシラがそれを締めくくると、私たちは一斉に深呼吸をした。
いや、実際に見てみると知っててもびっくりするものだな……。
というか、マシラはまだ乗ってたんだ……。
私がそんな感想を持ってマシラの顔を見た刹那――。
「「――出ていけ〜〜!」」
ルフィ、ゾロ、サンジが同時にマシラを蹴り上げた。
彼は彼方まで吹き飛ばされて行った。容赦ないな〜。
マシラが吹き飛ばされたあと、ルフィたちの戦利品をチェックしたがガラクタばかりで、ヒントになりそうなものはなかった。
「完全に行き先を失ったじゃない! ねぇ、ライア〜。どうしましょう」
ナミは涙目になって私に相談してきた。
確かにルフィたちはこういうとき、呑気だから焦るよね……。
「いやァ。どうしようって……。そういえば……、ロビン。君はさっきあの男から何かを盗ってたみたいだけど……」
私はロビンがハナハナの実の能力を発動させて、マシラから何かを盗っていたのを感知していた。
「ふふっ、狙撃手さんは目ざといわね。はい、どうぞ」
「君ほどじゃないさ。ありがたく受け取っておくよ」
ロビンは微笑みながら、マシラから盗んだモノを私に渡した。
「キャハッ、
ミキータは私が受け取った
「“ジャヤ”と……、書いてあるね。彼らの本拠地ってことか」
「ジャヤ? そこに行くのか?」
私の言葉にルフィが他人事のように反応する。
「アホか! あんたが決めるんでしょうが!」
「オ〜〜シ! ジャヤ舵いっぱ〜〜い!」
そんなルフィにナミがツッコミを入れて、ルフィは次の行き先を“ジャヤ”に決めた。
あれ? ジャヤに行って空島へのヒントを手に入れるんだったっけ? この辺のことよく覚えてないんだよな。
なんか、ルフィに一撃で倒された男が居たことはよく覚えてるんだけど……。ベラミーとかいう名前の――。
それが強烈過ぎてジャヤの記憶がほとんどない……。
というか、空島辺りの記憶って正直言ってアラバスタやウォーターセブンと比べてかなり薄い……。
あやふやな記憶に一抹の不安を抱きながら私たちはジャヤへと向かった――。
ロビンが加入して空島編がスタートしました。
ライアが空島の記憶が薄いのは他意はないです。決して作者が空島編が嫌いとかそんなのではないのですが、読み返して忘れてる箇所が今までの章と比べて圧倒的に多かった……。
ストーリーの完成度はめちゃめちゃ高いし、面白いんですけどね。
新章も百合要素も忘れないようにして面白く出来るように頑張ります!