ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう   作:ルピーの指輪

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いつも誤字報告や感想をありがとうございます!
ライアの記憶なんですが、割りと作者が読み返して忘れてた箇所を基準にしていたりします。
いやぁ、記憶って怖いですね。結構重要なことを忘れていてびっくりします……。
それでは、よろしくお願いします!


青キジとニコ・ロビン

「たまには、労働も良いもんだ」

 

「ほんとだ、いい気持ちだ! お前、なかなか話せるなァ!」

 

 突如として現れた海軍本部大将の青キジ。

 彼はロビンが我々の一味に加わったことを確認しに来たと言った。

 

 彼とやり取りをする中で様子を見に来た竹馬の男に青キジは移住の準備をするように話す。

 なんと、彼は竹馬の男を助けてやると言ったのだ。

 

 そして、私たちも移住の準備を手伝い、海岸にやってきた。

 

 

「――で? どうすんだ? このままおめェが馬や家を引いて泳ぐのか?」

 

「んなわけあるか。少し離れてろ――」

 

 ルフィの質問を否定して青キジは海に少しだけ手で触れる。

 

「――ギャオオオオ!」

 

 そこに巨大な海獣が現れて青キジを襲おうとした。

 

「いかんっ! この辺りの海の主だっ!」

 

「危ねェぞ!」

 

 竹馬の男とルフィは青キジに声をかけるが、彼は微動だにしない。そして――。

 

「――“氷河時代(アイスエイジ)”」

 

 一瞬の出来事だった。青キジが力を入れると、目の前の海が辺り一面氷漬けになったのだ。

 こういう芸当が出来ることは知っていたが、実際に目の当たりにすると戦慄する。

 能力を極めるというのはこういうことなのか……。スケールが違う……。

 

 その上、覇気も当然使えるのだろうから、弱点が見当たらない……。

 

「「海が凍ったッ――!!」」

 

自然(ロギア)系、“ヒエヒエの実”の氷結人間――! これが“海軍本部”大将の実力よ……!」

 

 驚く私たちに向かってロビンが焦った表情をしながら、青キジの能力を話した。

 この力を知っていたら彼を恐れるのも当然だ。

 

 だって、私たちなんて彼にかかれば簡単に全滅させることが出来るから――。

 

 

「ありがとなー! この恩はずっと忘れねェよー!」

 

「気をつけて行けよ〜!」

 

 竹馬の男に別れを告げた私たちは、猛烈に海岸が寒いということに気付きここから離れた。

 

 

「うーん。何というか、じいさんそっくりだな。モンキー・D・ルフィ……。奔放というか、掴み所がねェというか……」

 

「じいちゃん!?」

 

 じいさんという言葉を青キジが投げかけると、ルフィの顔が青ざめた。

 彼の祖父、モンキー・D・ガープは海軍の英雄。

 漫画での知識だけでもとんでもない人物だということは知っていたが、実際に伝説の海兵として超有名人だった。

 

 まぁ、ルフィにはかなり強めの愛のムチを与えており恐怖心を植え付けてるみたいだが……。

 

「キャハッ! どうしたの? 珍しく汗だくじゃない」

 

「べっ、別に……。いや、その……」

 

 動揺を隠せないルフィを興味深そうにミキータは見つめていた。

 

「お前のじいさんにゃ、おれも昔、()()()なってね。おれがここに来たのはニコ・ロビンと……、お前をひと目見るためだ――」

 

「ふーん。見るためねぇ……。じゃあ、その殺気はどうにかしてくれないかな?」

 

 青キジから感じる気配が微妙に変わったことを察知した私は彼に声をかけた。

 

「――おっと、敏感だな。お前さん。まぁいいや。――やっぱ、お前ら……。今、死んどくか?」

 

 青キジはまるで「部屋の掃除でもしようか」みたいなノリで私たちの死刑を宣告しようとする。

 

「政府は軽視しているが、細かく素性を辿れば骨のある一味だ。少数とはいえ、これだけ曲者が顔を揃えると――後々面倒になるだろう……。初頭の手配に至る経緯、やってきた所業の数々、その成長速度――長く無法者を相手にしてきたが、末恐ろしく思う……」

 

 さすがは大将というべきか、よく見ている。麦わらの一味が将来的に政府にとって厄介な者になるというのは間違いない。

 この人が今、始末しようと考えるのは海軍としては正解なんだろうな。

 

「特に危険視される原因は、お前だよ、ニコ・ロビン。懸賞額は強さだけを表すものじゃない……。政府に及ぼす“危険度”を示す数値でもあるから、お前は8歳という幼さで賞金首になった。取り入っては利用し、裏切っては逃げ、そのシリの軽さで裏社会を生きてきたお前が、次に選んだ隠れ家がこの一味というわけか」

 

 青キジはロビンが逃げ隠れるために私たちの仲間になったと言ってきた。

 言い方が腹立つな……。まるでロビンが私たちを利用しようとしてるみたいじゃないか。

 

「おい、てめェ! さっきから、カンに障る言い方しやがって! ロビンちゃんに何の恨みがあるんだ!」 

 

 サンジも頭に来たみたいで青キジに食ってかかる。

 

「お前たちにもそのうちわかる。厄介な女を抱えこんだと後悔する日も遠くはねェさ。その証拠に今日までニコ・ロビンが関わった組織は全て壊滅している、その女一人を除いて――だ……。何故かねぇ? ニコ・ロビン……」

 

 しかし、青キジは口を止めない。ロビンはどの組織も使い捨てにしてきたと言ってくる。

 

「やめろ! お前! 昔は関係ねェ!」

 

「何が言いたいの!? 私を捕まえたければそうすればいい!“三十輪咲き(トレインタフルール)” ! ――クラッチ!」

 

 ルフィは怒り、それ以上にロビンが怒った。青キジの体に手を大量に生やして、彼の体をへし折り粉々にする。

 

「ロビン! 君らしくないな。自然(ロギア)系の能力者にこんなことしても無駄なのがわからないはずないだろ?」

 

「そっちのお嬢さんの言うとおりだ。もう少し利口な女だと買いかぶっていた」

 

 粉々に砕け散った青キジは元通り再生して、私の言葉に続いてロビンに声をかけた。

 

「“アイスサーベル”……。命を取るつもりは無かったが……」

 

 そして、青キジは草を掴み息を吹きかけて氷のサーベルを作り、ロビンを斬りつけにかかる。

 

「……やらせねぇぞ!」

 

「“切肉(スライス)――シュート”!」

 

 しかし、青キジの攻撃はロビンに届かなかった。

 ゾロが刀でサーベルを止め、サンジがそれを蹴飛ばしたからだ。

 

「ゴムゴムのォォォ! 銃弾(ブレット)ッ!」

 

 さらにルフィが青キジの腹を激しく殴りつける。

 

「冷たッ!」

「ぐわっ!」

「うわっ!」

 

 だが、ゾロとサンジはそれぞれ腕と足を掴まれてそこから凍結し、ルフィは殴りつけた腕がみるみる凍り付いていた。

 

「シャレにならないわね……、あの男……」

「あの、3人がいっぺんに……」

「たっ、大変だ! 早く手当しないと凍傷で手足が腐るかもしれないぞ!」

 

 ナミとミキータは青キジの強さに驚き、チョッパーは凍りついたルフィたちの体の心配をした。

 

「――いい仲間に出会ったな。しかしお前はお前だ、ニコ・ロビン」

 

「違う――私はもう……! あっ……! そっ狙撃手さん!?」

 

 青キジは倒れた3人を尻目に、ロビンの全身を凍らせようと動く。

 私はロビンを突き飛ばして、青キジとロビンの間に割って入った。

 

「――ほう、まるで()()()()()()()()()()身のこなしじゃないか……。そして面白い道具を使うようだな」

 

「まいったね。炎貝(フレイムダイアル)くらいじゃ、君の冷気に対抗出来ないらしい」

 

 私は炎貝(フレイムダイアル)を青キジの腹に押し当てて火炎を放射したが、ダイアルごと凍らされてしまう。

 

「そこをどけ。その女を守ったところで損するだけだぞ」

 

「あははっ……、損するとか、得するとかじゃないよ。私はただ自分の大切な人を守りたいだけさ」

 

 ペキペキと音を立てて私の体はどんどん凍りつく。

 くっ、今の私じゃまったく相手にならないみたいだ……。

 

「――ッ!? バカなことはやめて! このままじゃあなたが!」

 

「すまないロビン……、どうやら私じゃ時間稼ぎにも――」

 

 私はロビンの方に顔を向けて、青ざめた顔をしている彼女に謝罪しようとしたが、その途中で意識が途切れてしまった――。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「――あー、死ぬかと思った」

 

「バカ! 死ぬかと思ったじゃないわよ!」

 

 船の中のベッドの上で目を覚ました私がひと言もらすと、ナミが凄い形相で怒ってきた。

 

「ははっ、ごめんね。心配かけちゃってさ。みんな無事だったかい?」

 

「キャハッ! 船長があんたと同じように氷漬けにされたけど、あんたよりも早く回復したから、全員無事よ。信じられないけどね……」

 

 私が仲間の無事を確認するとミキータが状況を説明する。

 おそらく、ルフィが漫画と同じように一騎討ちをしたのだろう――。

 

「そっか。良かった……」

 

「狙撃手さん……」

 

 私がホッと胸を撫で下ろすと、ロビンが私に声をかけてきた。

 

「やぁ。すまない君にも心配を――」

「もう、こんなことをしないで。約束して」

 

 私のセリフが言い終わらない内にロビンは私の手を握り、自分を庇わないでくれと言葉を投げかける。

 

「――約束かァ。それは無理だよ、ロビン……。君がまた同じような状況になったら、私は何度だって同じことをする。性分なんだ。これは変えられない」

 

 仲間がピンチなのに動かないなんてことは、私には出来ない。

 我ながら面倒な性格だとは思っている。

 

「でも、私は――」

 

「君が自分の価値をどう決めているか知らないけど、この船に乗ったんだったら諦めた方がいい。()()()()()()ってことを、ね」

 

 私は彼女の目をまっすぐに見て、真剣に話をした。

 大体、私だけじゃなくって他のみんなも同じだろう。船長(ルフィ)を中心に……。

 

 

 それから、4日間ほど静養して私たちは出航した。

 ログを頼りに船を走らせ、さらに3日経ってから、私たちはついにウォーターセブンに辿り着く。

 

 途中で、海列車“パッフィング・トム”と遭遇して、シフト駅にて駅長のココロと彼女の孫のチムニーと出会い、ウォーターセブンについて話を聞いた。

 

 ウォーターセブンは“水の都”と呼ばれて、世界一の造船技術を誇る都市だという情報を聞いたルフィは、そこで必ず“船大工”を仲間にすると決めた。

 ココロは親切な人でウォーターセブンの簡易的な地図と市長であるアイスバーグへの紹介状をくれた。まぁ、アイスバーグが市長だってことは教えてもらえなかったけど……。

 あと、政府の人間に気を付けろとも言われた……。

 

 世界政府か……。青キジのことはうっかりしてたけど、この次に遭遇する敵のことは覚えている。

 世界政府の諜報機関の工作員であるCP9――連中に対抗するために、私は新たなアイテムを静養しながらも開発していた――。

 

 それにしてもウォーターセブンかぁ……。

 私はここに至るまで、なるべくメリー号に負担のないように努力してきた。

 しかし、目に見えて大きいダメージはなかったものの、至るところにガタがきている事には気付いている。

 

 果たして、今のこの船の状態は思ってるよりも良いのか、悪いのか、それが気になるところだった――。

 

 そして、ロビンはあれから普段どおりの感じになっていたが、私はなぜか彼女に避けられるようになってしまっていた――。

 どうやら、出しゃばったせいで、嫌われてしまったみたいだな……。

 

 

 ウォーターセブンは海賊でも客はウェルカムらしく、町の人に案内されて都心部から少しだけ離れた岬に停める。

 

 とりあえず、ルフィとナミとミキータと私の4人でまずは黄金の換金と船の修理の依頼に行くことにした。

 

 

「私が言いたいことは3つよ。1つ……、言い忘れてたけど、こいつは1億ベリー、その隣は5600万ベリーの賞金首。2つ……、今の鑑定結果に私は納得していない。3つ……、次に嘘をついたらあなたの首をもらう……」

 

 黄金の換金で査定してもらった金額が気に食わなかったらしいナミは、ドスの利いた声で鑑定士を脅す。

 

 そして、気になる査定結果は――。

 

「「ごっ、5億ベリー!?」」

 

 今までに見たこともない圧倒的な札束の山を目の当たりにして、私たちの興奮はマックスに達する。

 

「キャハハッ! 信じらんないわァ」

 

「大金持ちね。私っ!!」

 

「おいおい、私たち……、だろ?」

 

 そして、1億ベリーが入ったカバンを5つ持って、私たちは造船所に向かった。

 

 

「とにかく、アイスバーグさんという人を探しましょ」

 

 造船所の前でナミは私たちにそう声をかけた。

 しかし、造船所は広く、人が多いのでなかなか見つかりそうにない。

 

「ライアなら、わかるんじゃねェの? おれのこと、すぐ見つけるじゃん」

 

「いや、さすがに会ったことのない人は無理さ」

 

 ルフィの言葉に私は首を横に振る。彼は私の力を勘違いしてるのかな?

 

「キャハッ、あの中って入っちゃってもいいのかしら?」

 

「いいんじゃねェの? おじゃましまーす!」

 

 ミキータの言葉を聞いてルフィは躊躇いなくドックの中に入っていこうとした。

 

「おっと、待つんじゃ、余所者じゃな」

 

「ん?」

 

 しかし、男が現れてルフィを止める。彼は――。

 

「工場内は関係者以外、立入禁止じゃぞ。あ〜〜! どっこいしょ。このドックに用か?」

 

 独特の口調の鼻の長い男が、ルフィに話かけた。彼はカクだな……。ガレーラに潜入しているCP9の1人。

 なるほど、上手く隠してるけど相当な実力者だ……。

 

「お前、すげぇ長い鼻だな〜〜! こんな鼻が長いやつ初めて見たぞ」

 

「ルフィ、失礼だよ。初対面の人に」

 

 ルフィの言葉を私が咎める。

 私がウソップだったら、違うリアクションなんだろうなー。

 

「あの、アイスバーグさんという人に会わせて欲しいの。あなたは、知ってる?」

 

「知っとるも何も、アイスバーグさんはこの都市の市長じゃ。うーむ。あの人も忙しい身じゃから――要するにお前さんたちの話は船の修理じゃろう?」

 

 カクはそう言って、船の場所を聞くと「10分で船の修理査定をしてくる」と言って、とんでもないスピードで空に舞い上がるように飛び上がって消えていった。

 

 身体能力はやはり、超人と言ってもいいレベルだな……。

 

「キャハハッ! すんごいスピードで消えてったけど、落ちたりしてないのかしら?」

 

「ンマー心配するな。奴はこの町を自由に走る……。人は彼を“山風”と呼ぶ」

 

 ミキータの言葉に対して声をかけてきたのは秘書を引き連れた男――。

 なんと、私たちが探していたアイスバーグ、その人だった。

 

 ここから、私たちはウォーターセブンで起こるある事件に巻き込まれることになる……。

 

 しかし、その前に――メリー号だ。ゴーイング・メリー号はカヤにプレゼントしてもらった私の宝である。

 漫画でのメリー号の最期は確かに感動的だったのかもしれない。

 だけど……、私は認めたくない。メリー号がなくなってしまう未来なんて――。

 

 




さて、ウォーターセブン編の最初のポイントである船の査定結果が近づいて来ました。
ライアのここからどう動くのか、是非ともご覧になってください。
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