ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう 作:ルピーの指輪
整合性をつけたり、説得力をつけたりというのが中々苦手みたいで、違和感がある部分もあると思いますが、上手くなるように頑張りますのでよろしくお願いします!
「本当にそう言ったのか!? ロビンがそんなこと!」
ルフィと合流した私たちはロビンとのことの顛末を話した。
ルフィとナミはアイスバーグの元に向かっている途中でガレーラカンパニーの船大工たちに暗殺犯扱いされて拘束されそうになったそうだ。
そのピンチはフランキーによって助けられる。彼は
その後、ルフィはアイスバーグと直接会うことが出来て、彼から襲撃犯の中にロビンが居たことを聞いたのだそうだ。
そして、ゾロと合流して隠れているところを私たちが見つけたというのが、ここまでの経緯だ。
「落ち着きな。ルフィ……。言われたのは本当だが、それがロビンの本音かどうかわからない」
興奮気味のルフィに対して私は冷静になるように諭す。
「にしてもだ、そろそろ
ゾロはブンと鞘に入ったままの刀を一振りして、白黒はっきりつけようと言う。
「キャハッ……、私も似たようなもんだからあまり強く言うつもりはないけど、その話に決着をつけるんだったら行く場所は1つよ」
ミキータは自虐的に笑って、ロビンが現れる場所に目星があるようなこと言った。
そりゃあ、彼女が次に現れる場所は決まってるもんな。
「アイスバーグさんのいるガレーラカンパニーの本社だな。ロビンのセリフから推測すると、彼の暗殺はもう一度実行されるはずだ。今度はもっと、徹底的に」
そう。CP9は今夜ロビンと共にアイスバーグ暗殺に乗り出す。
プルトンの設計図を狙って――。
「それは、おれたちをおびき寄せる罠とも取れる。おれたちが現場に居たら“罪”は完全になすりつけられる」
ゾロはロビンが敵だった場合を想定して意見を出している。
居ても居なくても、もう擦り付けられたようなものだけどね……。
「ちょっと、それじゃロビンが敵だって言ってるように聞こえるわ」
「可能性の話だ。おれはどっちにも揺れちゃいねェ」
ナミはゾロを非難するが、彼はあくまでイーブンの立場だと主張した。
「決めつけて動くと違ったときに動揺しちゃうってことね。ゾロくんらしい、硬派な意見だわ」
ミキータの言うとおり、彼は中立的に物事を見極める為に客観的に物事を見ているだけなのだ。
「で、ルフィ。現場には行くんだろ?」
「当たり前だ」
ルフィの意思を確認すると彼は当然という表情で頷く。
まぁ、性格的に引き下がるなんてあり得ないだろう。
「行くのは構わないけど、問題があるわ。サンジくんやアイスバーグさんが目撃した“仮面を被った誰か”って、それは私たちの中の誰でもない。きっとロビンが急変したのはそいつが原因よ」
ナミはこの話の核心をつく。そう、まさにロビンはその仮面の連中に脅されている。
「そいつに悪いことさせられてるんじゃないのか? ロビンは!」
「その考え方が“吉”」
チョッパーの意見に対してゾロは淡々とした口調で声をかける。
「元副社長がそいつと本当に仲間だった場合は“凶”ってこと? 嫌な2択ね……」
そして、ミキータがゾロの言葉に続けて顔をしかめる。
彼女の言うとおり気分のいい2択ではない。
「かと言って仮面の誰かじゃ手がかりにもならない。私たちの目的は何?」
「――ロビンを捕まえるんだ! じゃないとなんもわかんねェよ」
ナミの問いにルフィはハッキリと答える。まぁ、ここでロビンを確保出来れば楽だけど……。
相手は六式使い……。私どころか、ルフィやゾロも最初はあしらわれた。
「だが、世界政府があの女を20年捕まえようとしても、未だに無理なんだっけ?」
「でも……、真相を知るにはそれしかない」
ゾロの言葉にナミが続ける。2人ともそれが並大抵ではないことは理解しているみたいだ。
「だから捕まえようとしたんだけど、返り討ちにされちゃったんだよね……」
実際、さっきCP9が近くにおらず、単独行動していたロビンに失神させられたのは痛かった。
私は大チャンスを逃したのだ。
「あんたが加減したから、負けちゃうのよ」
「おれも頑張るから、ライアも元気だせ!」
落胆してる私をミキータとチョッパーが慰めてくれる。
2人とも優しい……。そうだな。悩んでも仕方ない。
何とか六式に対抗して助けるしかないんだ。
「じゃあ、行くぞ!」
ルフィの声に私たちは全員が頷いてアイスバーグの元へと向かった。
◇ ◇ ◇ ◇
「アイスバーグさんのところには、秘書のカリファって人がいて……。そして、その近くにはガレーラカンパニーの船大工たちが4人……。その他ガレーラカンパニーの面々が何十人も厳戒態勢を敷いている」
「キャハハ、こういうときはあんたの力は本当に便利よね〜」
私がガレーラカンパニー本社内の人員の配置を簡単に話すとミキータは感心したような声を出した。
私たちはガレーラカンパニーの本社から少し離れた場所の木の上から様子を眺めている。
「これなら侵入者が現れたら直ぐに気付けそうだな」
「いや、そうでもないんだ」
私はゾロの言葉を否定する。1つは暗殺犯というのがルッチたちで既に侵入済みということだけど、これは言えない。
私が話すのはもう一つだ。
「どういうことだ?」
「アイスバーグさんが最初に襲われたとき――部屋は密室だったらしい。つまり犯人はドアも窓も開けずに部屋に侵入したということになる。そんな芸当が出来るのは……」
ドアドアの実の能力者――確かブルーノとか言ったっけ? エアドアっていう技が反則級だったと記憶してる。
多分、そんなに遠くから使えないだろうから、接近には気付けると思うけど。
「悪魔の実の能力者ってこと?」
ナミは私の言いたいことを察してくれた。
「うん。可能性は高い。だから、事前に侵入に気付けないって可能性はある。もちろん、ロビンの気配が近くに来たら直ぐに気付くから大丈夫だとは思うけど……」
私は一応、能力者にも気を付けて欲しいと思ったので、この話を振ったのだ。
どっちみち、先手は打たれているので、後手になることは確定している。
私たちに出来るのは対処を出来るだけ迅速にすることだけだ。
「しかし、そんな能力者が居るんだったら、侵入を防ぐのはまず無理だな」
「でも、入口の前にも護衛が居るんでしょ? アイスバーグさんだって大声で助けくらい呼ぶんじゃない?」
ゾロの言葉にナミは真っ当な反論をする。
助けを求めても何とかなる相手じゃないんだよな。
それに――。
「キャハハ、私だったら最初に陽動を仕掛けるわね。ドカーンと、気を逸してからこっそりと侵入するのよ」
ミキータの言うとおり、連中はまずは見張りの数を減らそうとするだろう。
「へぇ、ミキータは頭がいいなァ。よし、頑張って見張るぞ」
「仮にコイツが言ったとおりの展開になるんだったら、爆発なんかは完全に無視した方がいいな。騒ぎが大きくなった頃にはもう――」
チョッパーが双眼鏡を覗き、ゾロがミキータの言葉に返事をしようとしたその時――爆発音が私たちに届く。
そして、仮面を着けた人がワザと目立った動きで走ってる様子が見えた。
ガレーラカンパニーの人間の目を引きつけることが目的なのだろう。
「と、言ってる側から爆発か。そして、あそこで仮面を着けて走っているのは――カリファだ……」
「カリファって、アイスバーグさんの秘書じゃない」
私はカリファが犯人グループの1人だということをみんなに教えた。
「なるほど、犯人は身内もいたってことか」
「ロビンたちの気配も近くに来てる。って、ルフィ――!」
そして、私はロビンともう一人の気配を察知した。
だけど、ルフィの姿が見えない。さっき、あれだけガレーラカンパニーへの侵入方法を話し合ったのに、先に行ってしまった――。
「あら、いつの間に居なくなったのかしら――」
ミキータはルフィが居なくなったことにさして驚きもせずにいた。
もう、彼女は諦めたのだろう。
「とにかく私たちも行こう。この騒ぎに乗じれば侵入も容易だろう。あと、ミキータ。君に頼みたいことが――」
「何よ。また、変な作戦?」
「まァ、念のためさ――」
私は今後のことを考えて、最悪の事態が訪れたときの為の作戦をミキータに伝えた。
これで、生存率はかなり上がるだろう……。
「ルフィは喜ぶと思ったんだけどなァ。仕方ない、私たちだけで窓から侵入しよう。このダイアルとキロキロの実の力を利用した“折りたたみ式の気球”で」
私は
さらにミキータの力で重量を1キロにすれば私たち4人が乗ってもかなりの距離を飛んで移動できるだろう。
「なんか、あんたの方が私の力を上手く使ってて複雑なんだけど……」
そんな私の新アイテムを見てミキータは複雑な顔をする。
確かにキロキロの実の力は便利だから色々と利用法を考えたりはしてるけど……。
「くだらねェこと気にすんな。お前の力にゃ、みんな感謝してる」
「ミキータの“運ぶ力”がすげェって、知ってるぞ」
ゾロとチョッパーはそんなミキータを慰めるような言葉をかけた。
「ゾロくん、チョッパーちゃん……。キャハッ、そうね。どうでもいいこと考えちゃってたわ」
ミキータは声をかけられてニコリと笑って気球に触って能力を使った。
「うわぁ! これが空を飛ぶのね! これなら誰にも気付かれずにロビンのところに行けるわ」
そして、ナミは気球に少し興奮しながら乗り込む。
私たちも気球に乗って、ガレーラカンパニーの本社のアイスバーグの寝室を目指した。
◇ ◇ ◇ ◇
「――“プルトン”の設計図はフランキーの元にある。あなたの波打つ血が――! ――ッ!?」
「やァ、ロビン。あと、ガレーラカンパニーの皆さん。お久しぶり」
ルッチが、フランキーが“プルトン”の設計図を持っていると確認したところで、私たちはアイスバーグの寝室に窓から飛び込んだ。
「もう! この気球、ビックリするくらい遅いじゃない! ロビンが帰っちゃってたらどうするの!? ちょっと待って、何よこの状況!」
ナミの言うとおり、“気球”はとんでもなく遅かった。ルフィなら我慢できなくなるくらい……。
しかし、ミキータには屋根の上でいつでも気球を出せるように待機してもらった。
こんなのでも空中を動ける移動手段だし……。
そして、ナミはカリファだけでなく他の船大工たちもアイスバーグの暗殺を企てようとしているのを見て驚いていた。
「ほう、あの四角っ鼻……、なるほど、こいつら全員が暗殺犯だったってことか」
「ロビ〜〜ン! 迎えに来たぞォ!」
ゾロは状況を見てすべてを察して、チョッパーはロビンに声をかける。
「――ちっ、邪魔を!」
ルッチが苦々しい表情で私たちを睨んできた。
「ゾロ、まずはロビンの確保だ。チョッパーとナミはアイスバーグさんの怪我が重傷だからスキを見て救出して手当てを頼む――」
私はゾロたちに指示を出して、CP9たちに意識を集中する。
なるほど、特にルッチとカクから感じられる戦闘力は桁違いだな……。
「スキだと? おれたちをナメるんじゃねェ。んなもん見せるか……。――
そんな中、私の言ったことが気に障ったのか、ブルーノが前に出て私に一撃を加えようとした。
「――ッ!? 指一本でこれ程の衝撃とは恐れ入る……!」
私は見聞色の覇気を集中させて、ブルーノの
「――バカなッ! おれの
ブルーノは驚愕しながらも、さらに追撃を加えようとしてきた。
「次は斬撃だね。――
「――う、あっ……」
私はさらにブルーノの
「何をやってる!? ブルーノ!」
「どうやら、ダイアルの真骨頂は“放つ力”よりも“吸収する力”らしい……」
見聞色の覇気で相手の攻撃を読んで、それをダイアルで吸収する。
これが私の考えた六式対策の1つだ。ブルーノ相手には通じたが……、しかし……。
私はルッチの凍てついた視線を感じて、猛烈に嫌な予感がした――。
今回は
原作でもウソップがルフィに対して使った手段ですし、見聞色の優れているライアならブルーノの六式なら何とかできるかと思ってこんな展開にしてみました。
あと、書いてて思ったのはやっぱりミキータの能力は便利すぎるってことですね。