ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう 作:ルピーの指輪
道力って設定が出たときは遂にワンピも戦闘力が!?みたいに思いましたけど、これっきりでしたよね〜。
コビーとか、ガープの道力が気になったりします。
それでは、820道力のブルーノにライアがどう闘うのかご覧になってください。
「
ブルーノは私が1人で戦うことが不満な様子だったので、私は再び彼を狙って発砲した。
弾丸は彼の首をギリギリ掠めて、彼の表情が曇る。
「無駄口を叩くな。すぐに終わってしまうぞ。負けるにしても負け方っていうものがあるだろ?」
「――貴様ッ! “
私が煽るとブルーノは地面を瞬間的に10回以上蹴ることで超人的なスピードで移動することを可能とする移動技で、視界から消える。
しかし、その領域のスピードも既に――。
「そのスピードにはもう――慣れた……!」
私は背後に迫るブルーノの腹に弾丸を叩き込む。
「“
しかし、ブルーノの鋼鉄と化した肉体には私の弾丸は通じない。
ならば――私はブルーノの腹に右手の掌底を密着させる――。
「――
「ごフッ!」
「やはり、内部破壊系の技は通用するみたいだね。とはいえ、今日2発目はキツかったな……」
右腕から肩までの痺れるような痛みに私は思わず苦笑いした。
「妙な技を……! “
ブルーノは空中を歩き、上から大きく開脚した状態で“
私はそれを躱すが、勢いを利用した回転により続けざまに足を振り下ろし、連続攻撃を仕掛けてくる。
「――なるほど、ネロとは違うみたいだ……! ――必殺ッッ! 灼熱星ッッッ!」
「――ッ!? がぁッ! 何だ!? この弾丸は!?」
“
「
特殊な弾丸にそれを使うことは出来ないが……。
「驚かされてばかりだが……やること為すことが軽い。CP9は超人の集団。お前の小細工ごとき、何発受けようとおれは倒れん。――“
「くっ……!」
高速移動からの“
「いつまでその妙なモノでおれの“
「し、しまった……!? がハッ……」
そして、ついにブルーノの“
「トドメだ! “
飛び上がったブルーノは“
これは当たると、それだけで勝負が決まってしまう。
「――ッ!? ――なんて、破壊力ッ!」
「外したか……」
かろうじて身をよじらせて私はそれを躱す。
「攻と防を同時に放つ……、厄介なことを……。ならば……」
私はだらんと腕を下ろして、脱力した状態で構えた。
「なんだ、その構えは? ナメてるのか!? ――“
「………こういう感じか? ふーむ」
ゆらゆらと1枚の舞い散る木の葉のように揺れて、私はブルーノの“
「こっ、この身のこなしはまさか……!? 貴様ごときが、“
「避けながら、君が攻撃する瞬間を狙ってカウンターをしかける……」
“
さっきの“
「そ、そんな都合のいいことをいつまでも……! くそっ、当たらん! ――がハッ!」
私はブルーノの“
「――必殺ッッ! 灼熱星ッッッ!」
「――ッ!!? ごフッ……! し、信じられん!
さらに熱を付与した弾丸が彼の左肩を貫いたとき、彼はドアドアの実の能力を利用してエスケープした。
「ドアドアの実の力で消えたか……」
私は精神を集中して、彼の気配を探り続けた。
しかし――。
「回転ドアッ! “
「――目がッ! うわッ!」
目の前にブルーノの手が出てきて、私の目の部分が回転する、意外な行動に面食らっていると“
「――“
「うっ……! 左腕が……!」
さらに“
何とか急所を突かれることを避けられたけど……、血を流しすぎてしまったな……。
「その状況でわずかでも“
「いきなりで驚いて、隙を見せたのは私の甘さだ……。はぁ、はぁ……、目が使えないなら最初から見なければいい」
クルクルと目が回った状態が気持ち悪くて、見聞色を怠ってしまい隙を生み出してしまった。
だけど、視覚が失われたことは私にとってそこまで問題じゃない。
「貴様、目を瞑って……、おれに攻撃を当てただと!? まぐれに決まっている!」
ブルーノはこの状態で攻撃が自分に当たったことに驚きながらも、“
「まぐれじゃないさ」
「――ッ! がハッ! くっ……」
その瞬間を見極め、私は目を閉じた状態でブルーノに弾丸を当てる。
今度は右肩に当たったかな? 私は回転した目を止めて彼の負傷箇所を確認した。
「しかし、私も血を流しすぎてしまった……。そろそろ、君を倒さなきゃ面倒そうだ」
実際、長期戦になると私は不利だろう。
それに、まだエニエス・ロビーでの戦いは始まったばかりだし、ここでさらにダメージを受けるのは本意ではない。
「そろそろおれを倒す? 貧弱な狙撃手が何を戯けたことを……!」
ブルーノは私の言葉が気に食わなかったのか、苛つきを顕にする。
「確かに私は貧弱だが……、
私は精神を集中させながらブルーノを睨みつけた。
「
「――ッ!?」
ブルーノは超スピードに加えてドアドアの実の力で床、空気中、と様々なところに隠れながら私を翻弄してきた。
「どうだ見切れまい! ドアドアと“
「――うッ!?」
さらにその超スピードから“
「貴様に攻撃を加えるときは常に“
「それはどうかな? ――必殺ッッ!」
高らかに勝利宣言を行うブルーノに私は銃口を向け、集中力を最大限に高めた――。
そして――。
「“
「――
ブルーノと私は互いの必殺を同時に放つ。この刹那に勝負は決した。
「「…………」」
「き、貴様……」
ブルーノはギロリと私を睨みつけるとばたりと倒れた。
「世の中には“アリの眉間”すら撃ち抜く狙撃手がいる。だったらせめて、
昔、幼かった頃にバカな親父がしていた自慢話を思い出しながら、私は眉間に弾丸を受けて倒れたブルーノに声をかけた。
故に当てる場所さえ間違わなければ一撃必殺の威力を発揮するのだ。
まぁ、持って帰ってこれた
「うっ……」
「よっと。最後の射撃凄かったな。お前の父ちゃんみてェだったぞ!」
ルフィはよろけた私をガシッと支えてくれ、ニカッと笑って声をかけてくれた。
この人はずっと見守ってくれてたんだろうな……。私を信じて……。
「あそこにロビンがいる。早く助けに行こう」
「ちょっと、待ってろ。それなら……。すぅ〜〜」
私が司法の塔を指さすと、ルフィは大きく息を吸い込み始めた。
「ロ〜〜ビ〜〜〜ン!! 迎えに来たぞォ!!!」
ルフィの大声がエニエス・ロビーに響き渡る。
彼は自分たちの到着を高らかに宣言したのである。
しばらく待っていると、大きな音ともに司法の塔の屋根が崩れフランキーとロビンが飛び出してきた。
おそらく、フランキーが彼女を連れてきてくれたのだろう。
「おーっ! ロビン! よかった。まだそこに居たのかァ! よしっ、待ってろ! すぐそこに――」
ルフィはゴムゴムのロケットでロビンの元に飛ぼうとした。
「待って! 私はあなたたちの元には帰らない! 私がいつ助けてって頼んだの!? 私はもう死にたいのよ!」
しかし、それをロビンは止める。彼女は助けて欲しくないし、死にたいと言う。
そんな悲しいことを……。私は彼女の悲痛な気持ちを感じ取り、胸が痛かった。
そこにルッチやカクを始めとするCP9たちが現れた。
並んで立つとなかなか壮観だな。ブルーノと同格かそれ以上……。ルッチ、カク、ジャブラ……、この三人は別格で強い……。
「わははっ! よく集まった“CP9”! ――だが、もう少し待て! たった今、麦わらの一味が内部崩壊を始めたところだ! さぁて、間抜けな船長はどんな顔をしてあの女を――」
そして、それを取りまとめているすべての元凶である長官のスパンダムが現れてニヤニヤとした表情でルフィの顔を窺おうとしていた。
こいつがロビンを……。私は彼の顔をジッと見て、必ず報いをくれてやると誓う。
そして、ルフィはというと――。
「ロビーーーン! 死ぬなんて、何言ってんだァ!? お前!」
「鼻をほじるのは止めないか?」
ルフィは鼻をほじりながらロビンの叫びを聞いていた。
まったく。彼らしいというか。何というか……。
「あのなァ! お前! おれ達ここまで来ちまったから、とにかく助けるからよ!! そんでなァ、それでもまだお前死にたかったら、そしたら、その時死ね! 頼むからよ、ロビン! 死ぬとか何とか――何言っても構わねぇからよ! そういうのは、おれ達のそばで言え!!」
ルフィはロビンの意志は放ったらかしで、まずは助けると言い出す。
これ以上ない直球の言葉に彼女もスパンダムも言葉を失ったみたいだ。
「あっはっはっ! そうだな。ルフィ! とりあえず君は助かってから、そういうことを考えたらどうだい!?」
私はルフィの素直というか、自由と言うか、そんな純粋な気持ちが愉快になり、彼に同調した。
「キャハハッ! ねっ、言ったでしょう!? この船長にあんたの理屈なんて通じないのよ!」
ミキータも隣に立って朗らかな笑顔を見せる。
「そうだぞ! ロビンちゃん!」
「ロビン帰って来ーい」
仲間たちも裁判所の屋上まで駆け付けて来てくれて、私たちはズラリと横一列に並んで、CP9と対峙する姿勢で睨み合った。
「あとはおれたちに任せろ!」
そして、ルフィは自信に満ちた声で自分たちに任せるように言い放った。
麦わらの一味とCP9はここから全面対決へと移行する――。
ロビンの気持ちを確かめた後に――。
強いのですが、使い捨てなのでここぞという場面でしか使えないということで、ライアの当面の切り札になりそうです。