ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう   作:ルピーの指輪

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そろそろウォーターセブン編も終了が近付いてきました。
クライマックスをぜひご覧になってください!


奪還

「勝手に動きやがってこのクソマリモが!」

 

「ああん!? てめェが余計なマネをするからだろうがアホコック!」

 

 カクとジャブラと戦っていたはずのサンジとゾロは何故かお互いに手錠で繋がれて言い争いをしていた。

 えっ? 何があったの? 手錠を使おうとして失敗したのか?

 

「君たち、なんで手錠で繋がれているんだい?」

 

 私は妙な状態になっている2人に率直な疑問を呈した。

 

「話せば長ェが、このマリモ野郎が全部悪ィ」

「ンだと! そもそも、お前がんなモンを拾ったのが――」

 

 お互いにお互いが悪いと譲らない2人。サンジとゾロはいつもこんな感じだよなー。

 

「というか、CP9はどうしたのよ」

 

「あそこで倒れてやがるのが、それじゃねェのか?」

 

 そんな2人の言い争いを呆れ顔で見つめていたナミの疑問にフランキーが答える。

 あっ、本当だ……。カクとジャブラが2人とも倒れている……。

 この2人は手錠で繋がれているのに――。

 

「まさか、手錠で繋がれた状態であの二人を倒したのか? 一体、どうやって……」

 

「そんなことよりライアちゃん。2番の鍵を持ってねェか? 一刻も早くこいつと離れてェ」

 

 私はとんでもないことをやってのけた2人に驚きを隠せずにいると、サンジが2番の鍵を持ってないかと質問してきた。

 

「ああ、2番なら私たちが手に入れたヤツだ」

 

 私は自分の持っている鍵でサンジとゾロの手錠を外した。

 この手錠って海楼石なんだよな……。すぐに加工するのは難しいかもしれないが、せっかくの海楼石だ。

 どこかで役に立つかもしれないから持っておこう。

 

「助かったぜ。ふぅ、清々した……」

 

「これで残す鍵はあと1つだけど――」

 

 スッキリした表情をしている2人を見て、私は残り1つの鍵について気にかけた。

 

 すると――。

 

「刻蹄・桜吹雪ッ!」

「一万キロJETスイングッ!」

 

 チョッパーの必殺技と、完成版(パーフェクト)キロキロパウンドに仕込んだ、噴射貝(ジェットダイアル)を利用したミキータの最大の切り札が炸裂したようで大きな音が下の方から聞こえた。

 

 ちなみに噴射貝(ジェットダイアル)はワイパーがゲダツを倒したときに手に入れたものを譲ってもらった。私も1つだけ持っている。

 

「――ッ!? げハァッ――!!」

 

 床を突き抜けてCP9のクマドリが吹き飛んで来て白目をむいて倒れる。

 

 程なくして、チョッパーとミキータが私たちの元にやってきた。

 

「なんだ、チョッパーとミキータちゃんは一緒に戦ってたのか……」

 

 ボロボロになった体で現れたチョッパーとミキータを見たサンジは、彼らに声をかけた。

 

「勝ったぞォ!」

 

「キャハハッ! うずめないで、ぶっ飛ばしちゃったわ!」

 

 ダメージは大きそうだけど、2人とも満足そうな顔をしてるなァ。

 チョッパーも暴走せずに勝てたみたいだし、何はともあれ良かった。

 

「思ったよりもスムーズに鍵は集まったな。あとはロビンに届けに行くだけ――」

 

 かくして、5人のCP9は私たちによって倒されすべての鍵を手に入れることが出来た。

 そして、これからの動きを考えようとしたとき、最悪はやってくる――。

 

『よりによって! “バスターコール”をかけちまったァ〜〜っ!』 

 

 響き渡ったのはスパンダムの声だった――。

 やはり、漫画と同様にバスターコールをかけたようだ。

 もしかしたら大丈夫とか思っていたけど、大丈夫じゃなかった。

 

『バカな事を! 今すぐ取り消しなさいっ!』

 

『バカ言え! “バスターコール”――結構じゃねェか! そもそも侵入した海賊共を止められねェ能無しの兵士共など死んだ方がマシだ! バカ野郎!』

 

 そして、その後響き渡ったのは聞くに堪えないスパンダムの身勝手な主張だった。

 まったく、正義の役人が聞いて呆れるよ……。

 

『全員島を離れて! エニエス・ロビーに“バスターコール”がかかった! 島にいたら誰も助からないわ!』

 

 ロビンは島中の人間に逃げるように忠告した。

 まぁ、そうしないと本当に何もかもが破壊されて、命がなくなってしまうからな……。

 

「やれやれ、こりゃあのんびりしてられないよ」

 

「みたいね。当然、ロビンは救出するとして――」

 

「ここからの脱出方法を考えなきゃならねェな」

 

 ナミとサンジは私の言葉に続いてこれから為すことを相談しようとしていた。

 そう、ロビンを奪還して全員で脱出する作戦を練らなきゃならない。

 しかも、漫画と大きく違うのはメリー号の奇跡は起きないということだ。

 

 メリー号には伝わっているはずだ。私が一緒にシロップ村に帰りたいと望んでいることを……。

 だから船の命を散らすような無茶をする訳が無いし、そんなこと起きてほしくない……。

 

「しかし、どーすんだ? 適当に船とか掻っ払うか?」

 

「キャハッ! 軍艦10隻からそれで逃げ切れるかしら?」

 

 ゾロの意見は悪くないけど、ミキータの懸念も尤もだ。

 軍艦だらけのところから逃げ切るのは容易なことじゃない。

 

「じゃあ、どうすればいいんだ?」

 

「作戦はある。いや、作戦というより、ギャンブルみたいな策なんだけど――」

 

 チョッパーが不安そうな顔を見せたところで、私は作戦を話した。

 かなり危険というか不安が付きまとう作戦だけど……。ガレーラやフランキー一家も含めて全員無事に、となるとこれしかない!

 

 

「スーパーじゃねェか! おもしれェ! そういうことならおれも協力するぜ!!」

 

 フランキーは作戦を聞いて興奮した表情でいつものポーズを決めた。

 彼が協力してくれるととても助かる。

 

「こんなに小せェ(ダイアル)で、そんなことがねェ……」

 

 ゾロは手渡した(ダイアル)を見て首を捻っていた。

 確かに不安なのはわかる……。

 

「キャハハッ! 任せなさい! 私が戻ってくるまでに準備は済ませとくのよ!」

 

 そして、乗り物といえばミキータの協力は不可欠だ。

 今回の作戦も彼女の能力ありきで考えている。

 

「じゃあ、ロビンの救出はライアとミキータに任せるとして、私たちは脱出の準備を――」

 

 ロビンの救出には私とミキータが向かう。

 魔法少女(マジシャンガール)モードを利用して空から救出に向かうのだ。

 遠距離からの攻撃が得意な私なら、いち早くロビンをフリーにすることが出来るだろう。

 

「うん。みんなで生きて帰ろう!」

 

「「おう!」」

 

 私たちは全員無事に脱出することを誓い合って、行動を開始した。

 ロビン、今から迎えに行くぞ……!!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「オハラの戦いは幕を閉じる! オハラは敗けたんだ!!」

 

「まだ私が生きている!」

 

 ためらいの橋でスパンダムはロビンを“正義の門”まで連行しようとしたが、ロビンはそんな彼に必死で抵抗していた。

 

 その奥では“正義の門”がバスターコールを受け入れるために全開になっている。

 やはり、のんびりはできない!

 

「そのお前が死ぬん――! ――ポガバッ!!」

 

「そうだ。まだ、君が生きている! 何も終わっちゃいない!」

 

 私は錆色の超弾(ボンバーブレット)でスパンダムの口を狙い撃ちして、彼の口元を爆破する。

 こいつの話すことは一言も聞きたくない。

 

「――ッ!? ら、ライア!!」

 

「ふふっ、初めて名前で呼んでくれたね。ロビン……。よく頑張っ――ッと……」

 

 ロビンが私の名前を呼んで、勢いよくこちらに飛びついて来たので、私は彼女を抱きとめる。

 

「――ぐすっ……。信じてた……。あなたが来るのを待っていた……」

 

 彼女は泣きながら私を待っていたと言ってくれた。

 そっか。信じてくれて嬉しいな……。

 

「ありがとう。信じてくれて――」

 

「うん……」

 

 私は泣いている彼女の頭を優しく撫でて、信じてくれたお礼を言った。

 緊張の糸が解れたからなのか、いつもと雰囲気が違うな……。なんか、随分と甘えてくるというか……。

 まぁ、背負ってたモノが大きかったんだし、そうなっても仕方ないか……。

 

「キャハッ……、あのさ……、イチャついてるところ悪いんだけど、私も来てるんだけど……」

 

「…………」

 

 そんなロビンにミキータがジト目で声をかけると、ロビンはハッとした表情をして顔を赤くする。

 

「わかりやすく照れてんじゃないわよ。ほら、手錠を外すわ。こっちに来なさい」

 

 ミキータは持ってきた手錠の鍵をロビンに見せて、手招きした。

 

「ミキータ……、あのとき海列車で言葉をかけてくれたから……、みんなを信じる勇気を持てたわ……」

 

「バカ……、素直なあんたなんて気持ち悪いじゃない。ほら、手錠が外れたわよ。ロビン……」

 

 ロビンがミキータのひと言に励まされたと言うと、ミキータは少しだけ照れたような声を出して、彼女の手錠を外した。

 

 そんなやり取りをしていると、ロビンを完全に奪還したことを護送船の近くに待機していた海軍の連中が気づき、こちらに向かって走ってきた。

 

 さて、ここから狙撃手の仕事をさせてもらうとしようか。

 誰ひとりこっちには近づけさせないよ――。

 

「長官! 大丈夫で――ブヘホッ!」

「グワッ!」

「がァッ!」

 

 こちらに近付いてくる海兵たちを私は得意の早撃ちで次々と倒していった。

 

「な、なんて早く正確な狙撃だ……」

 

「さて、諸君。見てのとおりだ。向かってくるなら容赦しないよ。私は――」

 

 海兵たちは仲間がバタバタと倒れる様子を呆然と眺めて怯んでいたので、私はこちらに動くと容赦なく狙撃すると宣言する。

 

「んおのれェ!」

 

「スパンダム……。君には特にキツいお仕置きが必要だな! ――必殺ッッ! ゴムハンマーーーッ!!」

 

 そんな中、怒りの表情を浮かべたスパンダムが懲りもせず立ち上がったので、私は彼の急所を目掛けてお仕置きをした。

 

「――!!!? くぁwせdrftgyふじこlp……!!」

 

 彼は言葉にならない声を発して内股になり、股間を押さえて蹲る。

 

「あとは、ご自由に……」

 

 そして、私はロビンの肩を叩いて彼を好きにするように促した。

 

「ふふっ……、そうさせて貰うわ! 六輪咲き(セイスフルール)! スラップ!」

 

「――ほゲブッ!」

 

 ロビンは彼の体に六本の手を生やして彼の顔がパンパンに腫れ上がるくらいまでビンタした。

 意外と優しいな……。

 

「よしっ! 逃げるわよ! ――ッ!? ――って、何あれ?」

 

 ミキータが逃げようと声をかけたとき、砲弾がエニエス・ロビーの防衛柵を破壊する音が響き渡った。

 

「始まったみたいだ……。軍艦による攻撃……。バスターコールが……」

 

 私たちは海軍の軍艦の接近に気が付き、バスターコールが始まったことを察する。

 

「脱出は護送船を奪うしかなさそうね……」

 

「ううん。あれは使わない。軍艦に集中的に狙われたら終わりだからね」

 

 ロビンは護送船を奪う作戦を口にしたが、私たちの計画は違う。

 

「じゃあどうやって?」

 

「海列車を使う! 全員で“ロケットマン”に乗り込んで、強引にここから脱出するんだ」

 

 彼女の疑問に私は答えた。

 “ロケットマン”に(ダイアル)を取り付けて機動力を強引に上げて勢いよくエニエス・ロビーから飛び出してしまおうという作戦を私は先ほどみんなに話したのだ。

 

 もちろん、この作戦はミキータによる重量操作が肝となる。

 1キログラムまで海列車のウエイトを減らせば、小さな(ダイアル)でも機動力を増すことは可能だと私は考えてこの案をだしたのだ。

 

「ギリギリ司法の塔まで戻るエネルギーは残っているわ。早く乗りなさい」

 

「ほら、ロビン。よく掴まってくれよ」

 

 私はロビンを抱き上げて、完成版(パーフェクト)キロキロパウンドに跨った。

 本来2人が定員だが、こうやって彼女を抱き上げれば何とか3人でも動ける。

 

「あっ……。ふふっ……」

 

 するとロビンはギュッと私の背中に手を回して、顔を私の胸に密着させる。

 いや、そんなに密着しなくても大丈夫だと思うけど……。

 

「ちょっとあんたくっつき過ぎじゃない!? ま、まぁいいわ! とにかく急ぐわよ! 軍艦がもうそこまで――!」

 

 ミキータはそんなロビンに何か言いたげだったが、司法の塔を見据えて完成版(パーフェクト)キロキロパウンドを浮かび上がらせ、ためらいの橋から飛び立った。

 

 後ろから少しずつ砲弾が近付いてくる気配がする。

 ルフィ……、あとは君が勝利を掴むのを待つだけだぞ!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「ちっ、思ったよりも数が多い!」

 

「“ロケットマン”は既に出発の準備が出来ている! 奴らをここから先に通すな!」

 

「能力者も交じっているぞ! 気を付けろ!」

 

「それは、こっちも同じこと! 二度と捕まらないわ!」

 

「キャハハ! そう願いたいものね!」

 

 司法の塔に突き刺さった“ロケットマン”が再び動けるように準備を完了した私たちは、次々と軍艦から降りてくる海軍の連中と戦って、“ロケットマン”を守っていた。

 

 ルフィは“ギア3”からのギガント(ピストル)でルッチを吹き飛ばしたが、彼はまだ意識があり、裁判所の屋上――つまり私とブルーノが戦っていた場所で死闘を繰り広げていた。

 

 ブルーノを私が倒したから漫画よりも余力があると思っていたが、ルッチは強く……、ルフィはかなり苦戦している様子だった。

 

 そして、こちらはというと――。

 

 ゾロの刀――“雪走”が“サビサビの実”の能力者によって使い物にならないほどボロボロにされている。

 正義の門から離れた場所にいるおかげなのか、漫画ほど海兵の数は居ないが、彼らは海軍“本部”の精鋭。

 一人ひとりが強く、そして厄介だった。

 

 これ以上、奴らの数が増えると、私たちの防衛網が突破されるかもしれない――。

 

 私がそう思ったときである――私たちの頼りになる船長の怒号が辺り一面に響いた。

 

「ゴムゴムのォォォォ! JET暴風雨(ストーム)!!!」 

 

 ルフィは無数の拳をルッチにぶつけながら、彼を上空に吹き飛ばした。

 先日、アラバスタでクロコダイルをぶっ飛ばしたように。

 

「うおおおおおおおっ!! ああああああっ!! おりゃああああああっ――!!!!」

 

 さらにルフィの嵐のような拳がルッチの体に次々と突き刺さる。

 これには流石のCP9最強の男も耐えられない――。

 

 ロブ・ルッチは気を失って、こちらに向かってくる海兵たちのど真ん中に叩きつけられるように落下した――。

 

『ロブ・ルッチ氏が“海賊”麦わらのルフィに敗れましたァ!』

 

 悲鳴のような海軍の伝令が響いたとき、あれだけ猛追してきた海兵たちの動きが一瞬硬直した。

 

 よし、今の内に……。私はルフィの顔を確認する。

 彼は――。

 

「一緒に帰るぞ!! ロビ〜〜ン!!!」

 

 ルッチに勝利したルフィは涙ぐんでいるロビンの顔を確認すると大きな声でそう叫んだ。

 

 よし、みんなで帰ろう。この修羅場から一刻も早く脱出して――。

 

 

 

「すまねェ! ちょっとヤボ用を済ませてきた!」

 

「ぶへェ〜〜! もう少しで体が動かなくなるところだったぞ!」

 

 焦り顔のサンジとルフィが“ロケットマン”に乗り込み、一味全員とココロさんたちがこの中に全員入ったことを確認した。

 子電伝虫で連絡を取ったところ、ガレーラの人たちとフランキー一家は全員無事で戻る手段を手に入れたとのことである。

 おそらく、もう一つの海列車“パッフィングトム”を使うのだろう……。

 

「サンジ! ルフィ! 君たちで最後だ! フランキー! 準備は良いか!?」

 

「いつでも行けるぜ!」

 

 私がフランキーに確認すると、彼は力強い返事をしてくれた。

 よし、今からこの“ロケットマン”には大いに働いてもらうぞ!

 

「あっ! “正義の門”が閉まって! 渦潮が起こってる、サンジくん、まさか!」

 

 ナミは“正義の門”が閉まって渦潮が発生し、軍艦がパニックになっている様子を見て、サンジのヤボ用が何だったのかを察した。

 

「念には念を入れたほうがいいだろ? ねぇ〜、ナミさん! おれを褒めてくれ!」

 

「はいはい……。凄いわ! サンジくん!」

 

 サンジはナミに褒められて嬉しそうな顔をしていた。

 これで、さらに脱出しやすくなったぞ。

 

「よし、最後に噴射貝(ジェットダイアル)をこの角度にセットして……」

 

「急げ! 軍艦がこっちに向かって砲撃してくるぞ!」

 

 私が最後の調節をしていると、ゾロが出発を急かしてくる。うん、大丈夫。これで行けるはずだ。

 

「出発だァ! 行けェ!!」

 

 ルフィはふらふらになりながらも元気のいい声で号令をかけた。

 あの、ルッチを倒した後なのにすごいな……。

 

「トムさんが作ったこの“ロケットマン”はこんな軍艦どもには負けねェよ! いくぞ、てめェら! 振り落とされんなよ!!」

 

 フランキーは威勢の良い声で私たちに注意を促して、構えた――。

 私も彼に合わせて風貝(ブレスダイアル)噴射(ジェットダイアル)を発動させようとする。

 

風・来・砲(クー・ド・ヴァン)!!」

噴射(ジェット)ッ!!」

 

 それは一瞬だった。ロケットマンがまるでミサイルのように上空に向かって飛んでいき、エニエス・ロビーから一気に飛び出して行ったのだ。

 Gがすごいので私たちは皆、必死でどこかにしがみついた。

 

「と、飛んだァ〜〜!!!」

 

「こ、こいつァ! 想像以上だ!」

 

「すげェ!」

 

 ルフィとフランキーとチョッパーは目をキラキラさせて興奮している。

 

「キャハハ! 海兵たちが唖然としてるわね!」

 

 いきなり私たちを乗せた鉄の塊が空の彼方に飛んで行ったので海兵たちが呆然としている、と双眼鏡を使っていたミキータは報告した。

 

 そして、上手く路線に乗ることが出来た“ロケットマン”はウォーターセブンに向かって走り出した。

 

 

「――みんな……。言うのが遅れちゃったけど……。ありがとう!」

 

 脱出が落ち着いたことを確認してロビンは私たちにニコリと笑ってお礼を言った。

 彼女の顔は今まで見たどんな時よりも晴れやかだった。

 

「気にすんな! ししし!」

 

「そゆこと。水臭いことは言いっこなしよ」

 

 ルフィとナミはそんなロビンに笑って返事をする。

 うん。私たちが好きでしたのだから、気にする必要は全くない。

 

「改まって、んなどうでもいいことを……」

 

「どうでもいいとは、どういうことだ!? てめェ!」

 

 ゾロがロビンに悪態をつくと、サンジはそれに対してキレて蹴りかかろうとする。

 

「まぁまぁ、サンジ。ゾロなりの照れ隠しだよ。これは」

 

 私はサンジの肩を抱いてそう声をかけた。

 

「おい! おれは別に!」

 

 すると、ゾロは顔を赤くして私を睨んでくる。

 

「ゾロくん。本当は優しいもんね〜。キャハハ!」

「ちっ……」

 

 そんな彼を見て笑い声をあげるミキータと舌打ちをしてそっぽを向くゾロ。

 

「くすっ……」

 

 ロビンはそんな様子を見て幸せそうに微笑んでいた。

 

「――しかし、お前ら。こりゃとんでもねェことをしたぞ。大体、世界政府の旗を撃ち抜くなんて……」

 

 そんな和やかなムードの中でフランキーは神妙な顔で私たちにとんでもないことになったと、声をかけてくる。

 

「取られた仲間を、取り返しただけだ……。――この喧嘩! おれたちの勝ちだァ!!」

 

 しかし、ルフィは()()()()()なんか全く気にしてない。

 そして、世界政府と私たちのロビンをめぐったこの喧嘩の勝利宣言をした。

 

「「よっしゃーーァ!!」」

 

 私たちは声を揃えて、この戦いの勝利の味を噛みしめる。

 CP9との死闘は本当に厳しかった――。

 この戦いを乗り越えたことで私も少しはレベルアップしていれば良いんだけど……。

 

 まぁ、ロビンが無事だったんだから、それもどうでもいいや……。

 




エニエス・ロビー脱出成功ということで、ウォーターセブン編も残り僅かになりました。
このあとの注目ポイントと言えば、ライアとミキータの懸賞金とかその辺ですかね〜。
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