ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう 作:ルピーの指輪
今回でウォーターセブン編を終わらせようとしたら無理でした。
それでは、よろしくお願いします!
「ンマー、任せておけ。そのメリー号とやらはガレーラカンパニーが責任を持って修理して、丁重に保管しといてやる」
アイスバーグはメリー号を私が再びここに来るときまで預かってくれることを承諾してくれた。
ウォーターセブンに無事に戻った私たちは新しい船が出来るまでここでゆっくりと体を休めることにした。
漫画ではルフィとチョッパーが特に重傷だったが、2人とも割と元気だ。
おかげで毎晩のように宴会続きでお金が吹っ飛んでいく――。
まぁ、メリー号の修繕及び保管代と新しい船の施工代は既に支払っているから良いけど……。
そんな中、私の元に息を切らせたパウリーが走ってきた。
「おい! 大変だぞ! 海軍“本部”のガープ中将の船がここに来やがった!」
「ンマー! ガープだとッ! あの海賊王とやり合った伝説の海兵じゃねェか! お、おい! ライア!」
パウリーの言葉に驚くアイスバーグの言葉を背中に受けながら私は仲間たちの元に走り出した。
なるほど、このエネルギーに満ち溢れた強さ……。今までに感じたことがないくらい強い……!
これがルフィの祖父、モンキー・D・ガープの力の大きさなのか……。
「ずいぶん暴れてるようじゃのう。ルフィ!」
「げぇ! じ、じいちゃん!!」
「「えェ!? じいちゃん!?」」
私が仲間たちの元に駆けつけたとき、ちょうどガープが壁を突き破って部屋の中に入ってきた。
ガープはルフィを見るなりゲンコツをお見舞いして、海兵にならなかった事を嘆いた。
あれが武装色の覇気か……。なるほど、実体を捉える力というものが概念だけじゃ全く理解出来なかったけど――実際に見ても全く理解出来ないじゃないか!
あれって、私でも習得出来るのかなァ?
「“赤髪”に毒されよって! そもそも“赤髪”がどれほどの男か解っとるのか!? お前は!」
「シャンクス!? シャンクスは元気なのか!?」
ガープが“赤髪”の名を口にすると、ルフィはハッとした表情でシャンクスについて質問をした。
「元気も何も……、今や星の数ほどおる海賊の中で“白ひげ”と並ぶ4人の大海賊のうちの一人じゃ。“
ガープは“四皇”の名前を出してシャンクスがどれほどの海賊なのかルフィに教えた。
多分、ルフィはピンと来ないだろうな〜。
“四皇”ってとんでもない存在なんだけど、この人はそういうのには無頓着だし……。
「よくわかんねェけど。元気ならいいや。懐かしいな――」
ルフィは麦わら帽子を見つめて少し微笑んだ。
「まさか、“赤髪”と繋がりが……!」
「ルフィの麦わら帽子、その人から預かってるんだって。そんなにすごい人だって知らなかったけど。というか、ライアのお父さんもその人の船に乗ってるんでしょう?」
ロビンはルフィとシャンクスの繋がりについてびっくりしてたみたいで、ナミがどのような関係なのか彼女に教える。
ついでに私の父親が彼の船に乗っているということも……。
「うん。“赤髪海賊団”の狙撃手をやってるよ。クソ親父だけど、腕だけは良いから」
ナミに話を振られた私はそれを肯定する。
漫画と同じような未来を辿るなら、もうすぐあの場所に現れるはずだ――。
「キャハッ! あんたの射撃の腕がやたらすごいのはそのせいなのね。納得したわ」
ミキータは私の狙撃の才能が父親譲りだという事に気が付いて頷いていた。
「ライアのお父様……。いつか会ってみたいわ」
そして、ロビンは私を背中から抱きしめて、私の父に会いたいと言う。
いや、なんかスキンシップ激しくない?
「そ、そう? 会ってもつまらないと思うけど……」
「なんか、最近ロビンってやたらライアにベタベタするわね……」
ロビンと私を見てナミが少しだけ不機嫌そうな声を出していた。
そんな中、ざわざわと騒がしい音が外から聞こえてくる。
ん? これは、ゾロの気配か……。
「――ん? 何事じゃい!?」
「賞金首の“海賊狩りのゾロ”ですね」
騒ぎに対するガープの質問にピンク色の髪の男がそう答える。
あの人、ちょっと強いな……。
「ほう――ルフィの仲間じゃな。威勢がいいのう。――どれ、お前ら……、止めてみぃ――!」
「「はい!」」
ガープの指示でルフィとゾロに襲いかかる2人の海兵。
この二人はコビーとヘルメッポ。私と出会う前――ゾロをルフィが仲間にしたときに会った人たちだ。
二人は善戦したけど、ルフィとゾロの相手には全くならず、またたく間に蹂躙されてしまった。
そして、コビーがルフィに自らの名を名乗るとルフィはもちろん、ゾロまでその変わりきったのであろう風貌に驚きを隠せなかった。
「コビー!? お前、成長期にも程があんぞ!」
「事件のあとでお疲れのところ、すみません」
ルフィはコビーとの再会をとても喜んでいた。
そして、自ら七光のバカ息子と称したヘルメッポも一応思い出してもらっていた。
「そういえばルフィ。親父に会ったそうじゃな……」
「え? 父ちゃん? 父ちゃんってなんだよ?」
さらにしばらくして、ガープはルフィの父親について触れてきた。
ルフィはもちろんローグタウンで会ったあの男が自分の父親だということを知らない。
「なんじゃい。名乗り出んかったのか。ローグタウンで見送ったと言っとったぞ! お前の父の名は――“モンキー・D・ドラゴン”……、革命家じゃ!」
「「…………」」
ガープがルフィの父親の正体を明かすと、辺り一面が一気に沈黙する。
そして――。
「「え、ええーっ!」」
海兵たちも含めて全員が驚いた顔をして絶叫した。
「おい、みんな。一体、何をそんなに――?」
「バカ! お前、ドラゴンの名前を知らねェのか!?」
「あんたのお父さん! とんっっっでもない男よ!」
周りのリアクションを不思議に思ったルフィだったが、サンジもナミももちろん世界最悪の犯罪者として有名な革命家のドラゴンを知らないはずがなかった。
「おい、ロビン」
「何て説明すればいいのかしら――」
ロビンは少しだけ間を空けて、ルフィに説明した。
海賊は自分から政府や海軍を襲う事はないが、それとは別に、“世界政府”を直接倒そうとしている勢力があり、それが“革命軍”であると。
ドラゴンという男はその“革命軍”のリーダーなのだ。
世界中の色んな国々でその思想が広がり、王国に反乱をまねき、いくつもの国が倒れている。
故に“世界政府”はその黒幕であるドラゴン を、“世界最悪の犯罪者”として躍起になって探している。
しかし、その素性は誰も知らない謎の男として有名だったのだ。
なのに――ガープがあっさりとその事実を口にした。
だから、みんながあれほど驚いたのである。
まったく、恐ろしい血筋だよな。ルフィって……。
「あっ! コレやっぱ、言っちゃまずかったかのう!? ぶわっはっはっ!! じゃ、今のナシ!」
「「ぇええェ〜〜っ!!!?」」
あまりにも適当なガープの発言に周囲のみんなは堪らず絶叫した。
この破天荒なところはきっちりルフィに受け継がれてるなー。
そして、ルフィはコビーと“
あー、良かった。あの人と戦って勝てる気が微塵もしないもの……。
そのあと、私たちは何回目かわからない宴に参加したが、そのとき青キジの気配がした。
彼はロビンを見守ると言って去っていったが、それを聞いたロビンの顔は憑き物が落ちたように見えた。
それから船の完成やらを待つ間にいろんな事があった。
元気があり余っているルフィが連日の宴で更に散財して残った2億5千万ベリーを使い果たしてナミにボコボコにされたり、アイスバーグを含むガレーラの船大工たちが新しい船の作成を手伝ってくれたり……。
お金に関してはフランキーに予め多めに渡したから、船の装備は漫画よりも充実しそう。
それに加えて“
まぁこれはスリラーバークのことなんだけど……。
王下七武海――ゲッコー・モリアかぁ……。カゲカゲの実の能力者でゾンビ兵を量産する能力の持ち主……。
ゾンビ兵には前に悪魔の実の能力者対策で作って失敗した
そんなことを考えてると、フランキーの2人の妹分、キウイとモズが船が完成したと伝えてくれた――。
「ええーっ! もう出来たのかァ!? 随分早ェ!!!」
ルフィはあまりにも早い船の完成に驚いていた。
「超一流の船大工が5人で夜通し造ってたんだわいな!」
アイスバーグとフランキーに加えてパウリーたち1番ドックの船大工も協力して仕上げてくれたのだそうだ。
「よし! すぐ行こうぜ!」
「キャハハ! 楽しみね!」
私たちはみんな新しい船の完成を喜んだ。実際にたったの3日で最強の船を造り上げるなんて尋常じゃない仕事量だ。
私たちが外に出るとこっちに大急ぎで向かってくる集団が居た。
「「麦わらさ〜〜ん!」」
「フランキー一家だね。どうしたんだい? そんなに慌てて……」
フランキー一家の面々がドタバタと走ってきたので私は彼らに何があったのか質問した。
まぁ、大体の察しはついているのだけど……。
「ハァ、ハァ……、実は無理を聞いて貰おうと……。手配書を見ましたか!?」
フランキー一家のまとめ役のザンバイというツンツン頭の男が息を切らせながら手配書の話をする。
やはり手配書の話か。フランキーの首に懸賞金が付いたのだろう。
「手配書?」
「麦わらさん、あんた凄い金額ついてるぜ! それに他のみんなも追加手配されちまってる!」
まだ、ピンと来ていないルフィにザンバイは懸賞金が上がったことを伝える。
そして、ナミ、サンジ、チョッパーにも懸賞金がかかったということも……。
「「えっ?」」
「話すより見てくれ――あんたら8人、全員の首に賞金が!!」
ザンバイは私たちの手配書を広げて見せてくれた。
ああ、本当にみんなに賞金がかかってるね……。
私たちの首にかかった賞金は――。
“麦わらのルフィ”――懸賞金3億ベリー
“海賊狩りのゾロ”――懸賞金1億2000万ベリー
“レディキラー”ライア――懸賞金9600万ベリー
“悪魔の子”ニコ・ロビン――懸賞金8000万ベリー
“泥棒猫”ナミ――懸賞金1600万ベリー
“運び屋”ミキータ――懸賞金4250万ベリー
“わたあめ大好きチョッパー”(ペット)――50ベリー
“黒足のサンジ”(写真入手失敗)――7700万ベリー
「うはーーっ! 上がった」
素直に喜ぶルフィ……。まァ、やらかした事の大きさとその主犯なんだからこのくらいの金額は妥当だな。
「フン……」
ゾロは興味なさそうにしてるけど、この顔は比較的機嫌が良いときの顔だ。
美味しいお酒を差し入れしたときの表情と同じだから。
「こんなに……、まいったな……」
私に1億近くの賞金かぁ……。正直言って過大評価だと思うけど、世界政府の旗を燃やしちゃったからそれが大きいんだろうな。
ていうか、ロビンをちょうど助けたときの写真に変わってて、彼女の腕と髪の一部が私と一緒に写ってる……。なんで、写真変えたんだろ?
「ちょっと……」
ナミは自分が賞金首になったことにショックを受けていた。
それが普通の女の子のリアクションだよなぁ。
ていうか、すっごくノリノリのポーズで可愛く写真に写ってるけど、確か騙されて撮られたんだっけ?
「…………♪」
ロビンは自分の手配書というより、私の手配書を妙に機嫌良く眺めていた。
最近、彼女は笑うことが増えたな。楽しそうにしていて何よりだ。
「キャハッ!」
ミキータはいつもどおりの明るさで楽しそうに手配書を見ていた。
彼女の写真も変わっていて、キロキロパウンドを構えている写真になっていた。
「ごじゅ……」
チョッパーは50ベリーという子供のお小遣いみたいな賞金にショックを受けていた。
良いじゃないか。可愛いんだから。写真も可愛い。
「誰だ……?」
サンジは漫画と同様で絵心があるんだか無いんだかわからないイラストで手配されていた。
私は彼の写真が漫画と同じように載らなくて正直に言ってホッとした。多分、写真が載ったりするとジェルマが黙ってない。
実際この絵にそっくりな人をジェルマは探し当てて別人と認識して大人しくしていた。
だから、サンジの写真が撮られなかったのは彼にとって幸運だったのだ。
「――ま、まァ、心中お察しするというか、色々言いてェことはあるだろうが、その……、待ってくれ! ――おれたちの頼みって言うのはこっちなんだ! コレ見てくれ!」
ザンバイはもう一枚の手配書を取り出して、私たちに見せた。
“
「「フランキー!!」」
やはりフランキーにも賞金が懸けられていた。
当然といえば当然だ。CP9のフクロウも単独で倒してるし……。
「アニキだけは免れることが出来なかった――。このままだとアニキの命が危ねェ……。だから、おれたちみんなで話し合ったんだ! 麦わらさん! アニキを海に連れ出してくれ! アニキは元々海賊の子なんだよ!」
ザンバイたちフランキー一家は揃ってルフィに頭を下げて、フランキーを連れて行ってほしいと頼み込んだ。
フランキーは慕われてるな。こんなにも沢山の人たちに大事にされているんだから……。
「――元気出しなよ。サンジ」
「元気なんか出せねェよ。笑われるんだ、おれは……。世界中のレディから」
新しい船に向かう準備をしている私たち。
うなだれて動かないサンジに私が声をかけると、彼はよほど手配書のことがショックみたいで悲しそうな声を出した。
「実物の君は格好いいんだから問題ないよ。そんなこと……」
「ライアちゃん……。そうだよな! こんな手配書なんか……、手配書なんかァ……! あああっ……! おれはこんなんじゃねェェェ!」
サンジは私の言葉を聞いて少しだけ元気を取り戻したが、自分の手配書とにらめっこして頭を抱えて叫びだした。
「キャハハ! そんな単純に受け入れられないわよね〜。ほら、チョッパーちゃんも元気出して!」
ミキータは賞金額に傷付いたチョッパーを慰めながらケラケラ笑っていた。
どうにか落ち着いた彼らを引っ張って私たちは新しい船の元に向かった。
新しい船の元にはアイスバーグ1人しか居なかった。フランキーはどうやら自分のアジトに帰っているみたいだな……。
「この船は凄いぞ、図面を見た時に目を丸くした。あらゆる海を越えて行ける。フランキーからお前への伝言はこうだ、麦わら。『お前はいつか”海賊王”になるんなら”百獣の王”の船に乗れ』!!」
アイスバーグはそう言いながら、新しい船を覆っている布を引き剥がした。
大きな“スループ船”が私たちにその姿を見せる。
「うおーーーーっ!! でけーーーっ!! かっこいい〜〜〜!!!」
ルフィは新しい船の姿を見て大興奮だった。
大きさはメリー号の倍くらい。船首にはお馴染みのクマのようなライオンのオブジェ。
芝生の甲板にすべり台、遊び心もある素晴らしい船だ。
ナミは機動力のある大きな
サンジは鍵付き冷蔵庫と巨大オーブンに感動してフランキーに感謝をしている。
「で、この日にもう一つ間に合わせたモノがある! やっぱ、こういう儀式はしっかりやっておかねェとな!」
アイスバーグは新しい船の隣にあるモノに被せていた布を外した。
すると、その中からは――。
「め、メリー号だ! す、凄い! まるで新品みたいにピカピカじゃないか!」
私の目の前にはシロップ村でカヤからプレゼントしてもらった時と同じくらいキレイな状態に修繕されたゴーイングメリー号の姿があった。
「ンマー、やっぱり乗り換えるんだったらお前らもお別れとか、いろいろ言いてェことはあるだろ? おれの権限で最優先に修理をさせておいた!」
「ありがとう! アイスバーグさん! さすがは世界一の造船会社ガレーラカンパニーだ! 素晴らしい仕事ぶりだよ!」
私はアイスバーグの最高の計らいに感謝した。
まさかメリー号の修理まで最速で終わらせてくれるなんて!
私たちは全員メリー号の前に集まって横一列に並んだ。
「メリーーーーーっ! 今までありがとな!! おれが海賊王になったら! 絶対にお前に会いに行くからなァ!!」
ルフィはメリー号の前で海賊王になることと再会を誓った。
「まぁ、なんだ……、おれたちの命はお前だから守れたってのは間違いねェ。達者でな……」
ゾロはぶっきらぼうながらもメリー号だから1番大切な命を守ってもらえたと伝える。
「メリー! あなたと一緒に積んだ経験は絶対に無駄にはしないわ! また、元気に走るところ、見せてね!」
ナミはこの船で学んだことを活かして次に繋げることを約束した。
「大した船だったよお前は。おれらの無茶に応えてくれて感謝してるぜ!」
サンジはメリー号を称賛し、感謝の気持ちを伝える。
「あ゛りがどー! やっぱ寂じい゛ーぞ! でも直っで良かっだなァァ」
チョッパーは涙を流しながらも、きちんと修理してもらったことを喜んでいた。
「キャハハ! 良かったわね! キレイにしてもらって! 最後のひと仕事も頑張りなさい!」
ミキータは明るく、シロップ村への航海を頑張るように激励する。
「短い間だったけど、楽しかったわ。あなたと空に行ったこと、決して私は忘れない」
ロビンはメリー号との思い出は忘れないと約束した。
「メリー……、今まで良く無茶振りに耐えてくれたね。お前と絶対に無事に故郷に帰るって誓うよ。だから、少しだけ待っていてくれ!」
そして、私はメリー号に必ず一緒にシロップ村に戻ることを約束した。
でも、やっぱり別れが現実味を帯びると寂しくて――気付いたら私はボロボロ泣いてしまっていた――。
でも、本当に良かった。元気な姿のお前を見ることが出来て……。
今までありがとうメリー……。
こうして私たちはメリー号に別れを済ませた。
そして、フランキー一家の願いを聞いて、強引にフランキーを仲間に入れようという計画を実行に移すことにしたのだった――。
メリー号へのお別れまで書いたら今回も量が多くなってしまいました。
そして、フランキー加入が次回になってしまった……。
で、非常に分かりにくくて申し訳ないのですが、次の話は後半がスリラーバーク編と重なるので、次回からスリラーバーク編ということで章を分けさせて貰います。
上手くまとめられなくてすみませんでした!