ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう   作:ルピーの指輪

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いつも誤字報告や感想をありがとうございます!
今回から頂上戦争編が始まります。
書き始めた頃は遠い未来の話だと思ってたのに、ここまであっという間でした。
それではよろしくお願いします!


頂上戦争編
再び赤い土の大地(レッドライン)


「いいんだ――。万が一本当にピンチでも、いちいちおれに心配されたくないだろうし、エースは弱ェとこ見せんの大嫌いだしな。行ったって、おれがどやされるだけさ。おれ達は出会えば敵の海賊。エースにはエースの冒険があるんだ」

 

 ルフィはナミがエースのビブルカードについて、放っておいても良いのかという問いかけに対してそう答えた。

 

 このルフィの言葉は本音だろう。

 兄であり強いと信頼しているエースが死ぬことなどあり得ないという前提で……。

 

「ビブルカードってのは本人が弱ると縮むだけで、また元気になったら元の大きさに戻るそうだ」

 

「うん、会うならそん時だ!! その為にエースは紙をおれにくれたんだ!」

 

 サンジがルフィに声をかけるとルフィは笑顔で再会するときは彼が元気なときだと答えた――。

 

 しかし、エースは――。

 ルフィは家族として彼を慕っている――。

 

 気が付くと私は口を開いていた。

 

「ルフィ、君の信念に水をさして悪いんだが……。気が変わったら意地を張らずに素直に教えてほしい。私たちはみんな君の吐いたツバくらい飲み込んで見せるからさ……」

 

「あっはっは! ライア、そりゃ汚ェぞ!」

 

 私がルフィにエースを助けたくなったら、いつでも言うように声をかけると、彼は足をバタバタしながら笑っていた。

 

「いや、今のはものの例えで……」

 

「分かった。もし、考えが変わったら真っ先にお前に言うよ」

 

 彼はちょっと恥ずかしくなってしまった私に対して、急に真剣な顔をして拳を突き出して約束をする。

 ルフィが彼を助けたいと望むのなら、私はそれを手伝おう。自分勝手な目的で彼に付いていこうとしているのだから――いや、私が堪らなく嫌なだけのかもしれない。

 朗らかに笑っている彼が悲しみに沈むことが――。

 

「キャハッ! あんたも随分と船長の世話を焼きたがるのね〜。それじゃ、ゾロくんも人間離れしたスピードで回復したし、改めて――」

 

 ミキータは私を世話焼きだと言う。別にそういうつもりは無いんだけど……。

 そして、さらにグラスを配って乾杯の音頭を促そうとしてきた。

 

「“音楽家”ブルックの乗船を祝して!!」

 

「「乾杯(カンパ)〜〜〜イ!!」」

 

 私たちは海の上で改めてブルックが仲間になったことのお祝いをした。

 ブルックは海賊王すらもルーキー扱いする程のキャリアを持つ、私たちにはない老獪さも持っている心強い仲間だ。

 

 彼の経験と知識は私たちをきっと助けてくれるだろう。

 

「お世話になりまーす!」

 

 陽気な音楽家ブルックは楽しそうに再び挨拶をした。

 

 そして、私たちは“魚人島”を目指して航海を続ける。

 赤い土の大地(レッドライン)が近いからなのか双子岬からウィスキーピークに向かったときと同じような異常気象に襲われたがサニー号はそれを難なく突破してくれた。

 

 

「ししし、とにかくこれで半分だ。ラブーンとであった双子岬は海の反対でこの壁と繋がってる!!」

 

 赤い土の大地(レッドライン)に到達したルフィは楽しげにそびえ立つ大きな壁を眺めている。

 

「こうして再び相見えると、壮観だね。なんかこう……、私たちの冒険の軌跡が映り込むって言うかさ……」

 

 私も感慨深い。偉大なる航路(グランドライン)の前半は“楽園”と揶揄はされているが、厳しい冒険の連続だった。

 正直言って何回死にかけたか分からない。

 

「世界をもう半周した先でもう一度この壁を見ることとなる――。そのとき、おれは海賊王だ!!」

 

 ルフィは高らかに海賊王になる未来を赤い土の大地(レッドライン)の前で誓い、さらなる冒険を夢見ていた。

 

 さて、ここから私たちはしばらく立ち往生することとなる。

 なんせ、私以外は誰もコーティング船のことなど知らないから、魚人島への交通手段が分からずにいる。

 

 現在は海底に潜ってその行き方を探っているところだった――。

 

 コーティング船のことを教えようと思ったのだが、シャボンディ諸島でのトラブルは一歩間違えれば海賊団の全滅もあり得る。

 ここで私が変なことをすると、予想外の出来事が起こり大ピンチに陥る可能性も考えられたので、命の危険が伴わない範囲ではあまり干渉しないことにした。

 

「ぷはぁーー! 出たぞーー! ダメだ、海の底も全然見えねェや。本当にあんのか? 魚人島」

 

「ヨホホ、初めて乗りました潜水艦」

 

「これより下なら、着く前に死んじゃうわ」

 

 ルフィたちは潜水艦で海底に潜ってみたが、当然のことながら成果はゼロだった。

 知ってて言わないのはやはり、罪悪感があるなぁ……、

 

「変ね……、記録指針(ログポース)は確かに真下を指しているんだけど……。ねぇ、ライア。どうしたら良いと思う?」

 

「うーん。そうだな。やはり情報を手に入れるために――」

 

 ナミにアドバイスを求められて、何も答えないのも不自然だと思い、とりあえずシャボンディ諸島に行こうと提案しようと口を開こうとした――。

 

 するとそのとき、海から海獣が飛び出す。

 

「うおおおっ! さっきのやつだ! 付いてきたのか、“海兎”!!」

 

「ピョオオオオッ!!!」

 

「海の上でおれに敵うか! ゴムゴムのォォォォ! 回転銃(ライフル)!!」

 

 ルフィは飛び出た“海兎”を一撃で屠った。あんなに大きな生き物を一撃で……。

 相変わらず凄いパワーだ。

 

「お、お見事……! だけど……!」

「何か吐き出いたぞ!!」

「人? いや、違う……!?」

「ま、まさか〜〜!?」

 

 私たちは“海兎”よりも吐き出されたナニカに目を奪われていた。

 あのシルエットは……。

 

「きゃーーーっ!」

 

「だ、大丈夫かい? 怪我はない……?」

 

 私は落下地点を予測して、()()を受け止める。

 魚人は見たことあったけど……。

 

「――ハァ……、ハァ……。――ッ!? わーーーっ!? 人間の王子様に声をかけられちゃったーーーっ!!」

 

「いや、王子とかじゃないからね……」

 

 “海獣”に吐き出されて落下してきた彼女は私の腕の中でオーバーなリアクションを取る。

 

「まさか、本当に――人魚!?」

 

「キャハッ! 初めて見たわ……!」

 

 そう、落下してきたのは人魚だった。頂上戦争のことばかりで頭がいっぱいだったので、彼女のことはすっかり忘れてた。

 

「わーーーっ!! びっくりした! 人間の人がいっぱい!!」

 

 このオーバーリアクション気味の人魚はケイミーというデザイナー志望の女の子だ。

 そして、もう一人、新鋭のデザイナーと名乗るヒトデのパッパグが彼女と一緒に自己紹介した。

 

 さて、サンジは勿論、私たちも初めて見る人魚に興味津々で色々と話をしていた。

 そんな中で、ケイミーの電伝虫に連絡が入る。

 人さらいの“マクロ一味”が“トビウオライダーズ”という集団と手を組んで、彼女の友人である“はっちん”を捕まえたのだそうだ。

 

 “マクロ一味”はケイミーをしつこく狙っていたらしく、その“はっちん”が彼女を守っていたらしいが、“とびうおライダーズ”と手を組むようになって苦戦するようになったらしい。

 

 ナミは魚人島への行き方と引き換えに“はっちん”を救出しようと提案して、ケイミーはそれを承諾。

 

 私たちは“はっちん”の救出へ向かった。

 

 しかし、その“はっちん”って、アーロン一味のハチなんだよなー。

 だから、ナミがそれを知ったらと考えると……。私はそれが少しだけ心配だった。

 

 魚人海賊団のやった事は私は到底許されないことだと思ってるし、ナミはもちろん私以上にそう思っているだろう……。

 

 しかし、その背景を考えると……、胸が空く思いがする。

 ケイミーのような人魚は人さらいに狙われ続け、魚人は迫害され、そして中には奴隷にされる者もいる……。

 この世界は不条理で溢れ返っている。そんな膿というか、闇の部分が今後行く予定のシャボンディ諸島では垣間見えるだろう……。

 

 まぁ、難しい話は考えることは止めておいて、私はフランキーの協力もあって完成した新アイテムの調整でもしよう……。これは今後にきっと役に立つはずだ……。

 

 そんな準備をしていたら、いつの間にか“はっちん”の正体がハチだと分かって、どうするか迷っている内にケイミーが“マクロ一味”に捕まってしまう。

 

「いいわ! ハチも解放しましょう。無害な奴だし……」

 

 その様子を見ていたナミはハチも助けようと決断を下した。

 

「ふふっ……」

 

「な、何よ……!?」

 

 私がナミの顔を見て笑いかけると、彼女はムッとした顔をこちらに向ける。

 

「いや、やっぱり優しいんだね。君は……。ナミのそういうとこ、好きだよ」

 

「――も、もう! バカなんだから。早く行くわよ!」

 

 彼女は照れたのか、少しだけ頬を赤く染めて戦闘の準備をした。

 

 ルフィは一瞬でケイミーを奪い返して、私たちに命令する。

 

「野郎ども! 戦闘だァ!!」

 

「「うおおおおおーーっ!!」」

 

 私たち“麦わらの一味”は“トビウオライダーズ”と戦闘を開始した――。

 

「フランキー、さっそくコイツを使わせて貰うよ」

 

 私は折りたたみ式のスノーボードのような形の板を取り出して、フランキーに声をかける。

 

「おっ! 試運転するのか!? その、スーパーダイナミック・スカイロケット号の!」

 

「うん。この“ホバーボード”はずっとほしかったモノの内の1つだからね。存分に使わせてもらう」

 

 転生前に大好きだった映画“バック・トゥ・ザ・○ューチャー”。

 その映画の中の未来の世界で出てくる“空飛ぶ板”は私の憧れであり、何とか(ダイアル)を駆使して作ってみたかった。

 一人では作れなかったのだが、フランキーの知恵を借りて、やっとそれが叶った。

 

 私はホバーボードを起動させて、銃を構える。

 

「おっ……! きっちり浮いてるじゃねェか!」

 

「うん! 完璧だ……! ――よっ……、と」

 

 サニー号から私がホバーボードに乗って飛び出すと、大きなトビウオに乗った一団が海中から飛び出してきた。

 

「へぇ、向こうも飛んできたか。面白い……! ――1つ! 2つ! 3つッ!!」

 

「「ぐわあああっ!!」」

 

 ホバーボードに乗りながら海上に出て私はトビウオたちを撃ち落とした。

 キロキロパウンドよりも飛べる高度は低く、連続起動時間は短いが、スピードが速く、能力無しで誰でも使える点がこのアイテムの利点だ。

 

『一旦潜る!!』

『了解……』

 

「――あっ! ルフィ!」

 

 なぜか、トビウオに乗っていたルフィが海中にダイブしようとしているところを見つけた私は大慌てで彼に近付いた。

 

「ぶはっ……! やべェ……、もう少しで海の中に落ちるとこだったぞ――!」

 

「君って何も考えてないように見せて、本当に何も考えてないことあるよね……?」

 

 私は彼が海に落ちる寸前で彼の手を掴み救出して、サニー号まで引っ張って行く。

 時々、“面白そう”が先行しちゃうところが、ルフィの弱点だな……。

 まぁ、それを補って余りある決断力と行動力があるから良いんだけど……。

 

 そうこうしている内にゾロがハチを救出し、ブルックが次々とトビウオライダーズを眠らせたりして、終始私たちが押し気味で戦闘は進んでいった。

 

 そして……。ルフィは懲りずにトビウオに乗って、リーダーの男がいる彼らのアジトへ突っ込んで行った。

 

 

 さて、ここから先は茶番というか、なんというか……。

 

「オラの顔を見せてやる……。会いたがったぬらべっちゃ……!」

 

 トビウオライダーズのリーダー、デュバルはサンジの手配書にそっくりの男だった。

 彼はサンジが手配されてから、恐ろしい目にあったらしく、サンジを恨んでいた。

 髪型を変えたり、髭を剃ったりという発想は彼にはなかったらしい。

 

 向こうの因縁も分かったところで全面抗争という場面になったが、こちらの優位は揺るがず……。

 私がサニー号の秘密兵器、“ガオン砲”というコーラ樽を5つ使う燃費の悪さだが超強力な空気砲を放ち、勝負はほとんど決した。

 

 そして、デュバルはというと――。

 

整形(バラージュ)ショットッ!!」

 

「ダバダァァァァッ!!」

 

 サンジの高須ク○ニックもびっくりな蹴り技は、デュバルにトドメを刺すだけに留まらず、彼の顔を別人と言えるレベルまで変えてしまった。

 

 ちょっと、あの技……、私の顔にもやってもらえないかな? もうちょい可愛い感じになるように……。

 そんなことをサンジに言ったら、「ライアちゃんの顔を蹴れるはずがねェだろ」って笑いながら言われてしまった。

 冗談で言ったんじゃないんだけどな……。

 

 

 ともかくハチの救出は成功した。

 デュバルは顔が変わって人生が変わったから「麦わらたちの力になりたい」と言ってハイテンションで去って行き、ケイミーたちに魚人島への行き方を聞くこととなった。

 

 そしてコーティング船のことを聞き、私たちはようやくシャボンディ諸島へと足を踏み入れることとなったのだ。

 

 

「あら? あんたは船から降りないの?」

 

「うん。少しだけ、“ホバーボード”と()()()()()のメンテナンスをしてから向かうとするよ。大丈夫、みんなの気配なら辿れるからさ」

 

 シャボンディ諸島に着いて下船の準備をしているミキータが、機械いじりをしている私に声をかけたので、返事をした。

 この先の戦いに備えて、万全を期しておきたい。このあと漫画通りに《あの出来事》が起こるなら、準備出来るのは今このときしかない。

 

「ふーん。じゃ、私たちは先に行ってるわね」

 

 こうして、船番に残ったサンジと船のメンテナンスで残ったフランキーを含めた私たち3人がサニー号に残り、残りの仲間たちは船を降りた。

 ゾロだけ別行動を取るみたいだったが……。

 

 しばらくして、新しい武器のメンテナンスが終わろうとしたとき、サンジが私に近づいて声をかけてきた。

 

「ライアちゃんってさ。海賊やってる父親に会いに行くために海に出たんだよな?」

 

「ん? そうだよ。どうしたの? 急に……」

 

 サンジの言葉の意図が掴めなかった私は、それを彼に尋ねる。

 

「いや、その。もしも、航海の途中で目的が叶っちまったら、どうすんのかなーって、思ってさ」

 

 サンジは私がヤソップに会う目的を果たしたらどうするつもりなのか興味があるみたいだ。

 

「ああ、そういうことか……。正直、言ってね。海に出たときは目的が叶ったら船を降りて故郷から出ないつもりだった……。そう約束した人もいるし……」

 

 そう、私はカヤと約束をしている。ヤソップを連れて帰ったら、シロップ村から出ないと……。

 でも――。

 

「つもりだった?」

 

「気が変わっちゃったんだ。やっぱり、というかどうしようもなく、私はルフィを“海賊王”にしたい。困ったことに目的が1つ増えちゃったんだ」

 

 ――共に戦い、共に笑い、共に怒り……。

 私にとってルフィの存在は大きくなっていた。

 それは恋愛感情とは程遠く、“義”や“仁”といった感情に近いだろう……。

 私の航海の目的はいつしか2つに増えていたのだ……。

 

 だから、カヤには大いに謝るつもりではあるが、私はルフィを何としてでも“海賊王”にするつもりである。

 

「くぅ〜〜!! いいじゃねェか! 仁義あってのこの世界……!! それを蔑ろにするのは男じゃねェ……!!!」

 

「うん。そうだね。よくわかるよ。でも、今度“男なら”とか私に言ったら怒るからね……」

 

 大袈裟な物言いをするフランキーに対して、私はツッコミを入れる。

 ナチュラルなのか、イジってるのかはっきりしてほしい……。

 

「おいっ! てめェは割り込んで来ながら、ライアちゃんに失礼なこと――んっ!? 電伝虫か……? ナミさんかな?」

 

『ケイミーが攫われたァあああッ!! 人魚や魚人は悪人じゃなくても売買が黙認されてるらしくって――』

 

 電伝虫の声の主はチョッパーだった。そうだった、ケイミーを狙っている人さらいの集団はまだ居たんだった……。

 確か、ケイミーはどこかで競売にかけられる

はずだ……。そこで彼女を助けなくては……。

 くそっ、会ったばかりの上に小さな力しかない彼女の気配は、これだけ人が多い場所だと探れない……。

 

「トビウオライダーズを呼ぶ」

 

 サンジは冷静にこの道のプロの話を聞こうと判断して、トビウオライダーズに連絡を取ろうと動く。

 彼の迅速な判断力にはいつも助けられるな……。

 私たちはケイミー救出へ動き出した。

 

 




目的を果たしてもライアはルフィに付いていくつもりみたいです。
頂上戦争編を盛り上げることが出来るように頑張ります!
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