ウソップっぽいポジションに転生したはずなのに、なんで私は女の子なんだろう 作:ルピーの指輪
お休みしてすみません。
めちゃめちゃスランプなんで、毎日更新はきついですけど、頑張ってみます。
「では、聞くが“男”……! そなたらは何の目的でどのようにして、この国に入ってきた?」
ハンコックは私たちに対して尋問を開始する。彼女の問いは当然の疑問だな……。
「なんつったら、良いんだ? よくわかんねェけど、あっという間に空を飛んでここに居たんだよ。なァ? ライア」
「うーん。まぁ、理屈はわからないから、そうとしか言えないか……」
悪魔の実とかの話をすると、余計に彼女の機嫌を損ねそうだったので、私はルフィに同意するだけに留めた。
「嘘をつけ! そのような滑稽な話で誤魔化されはせぬ! 狙いがあるハズじゃ」
当然、ハンコックは荒唐無稽な話を信じてくれない。
私たちに目的を話せと一点張りである。
「狙いっていうなら、船をくれ! おれたち行かなきゃならねェ場所があるんだ。なァ、お前は1番偉いんだろ!? 海に出たい!!」
「誓って話すが、私たちには害意はない。君たちの掟を蔑ろにしてしまった事については謝罪するが、ここで死ぬわけにはいかない」
私とルフィは自分たちに敵意がないことと、外に出たいことを端的に伝えた。
ルフィの言葉遣いにはカチンときた人たちが多かったみたいだけど……。
「生きてここを出られると思うな! “死”は免れぬ……!!」
ハンコックは強い殺意を視線に込めて私たちに送る。
口じゃどうしようも無さそうだ……。
「お待ちください! 蛇姫様!! この者たちは嘘を言える人たちじゃありません!!」
そんな中でマーガレットが私たちの前に出てきて、私たちを弁護してくれた。
私の頼みを聞いて、ルフィが死にそうなのを見捨てられないで助けてしまったことを語り、自分にこそ非があると訴えたのだ。
ついでに私が女ということも何となく伝わったみたいだが、あまり意味はなかった――。だって、背中見てるし、ルフィをここに入れた主犯だし……。
「マーガレット、君は下がってた方がいいよ。私たちを無理に庇うと君まで危ない」
「何を今さら! お前が服を褒めてくれたとき、嬉しいのと同時に胸が張り裂けそうだった。お前が死ぬのが嫌なんだ……! ルフィだってそうだ。悪い奴じゃないのに死ぬなんておかしい!」
彼女は泣きそうな顔をして私たちが殺されるのは不当だと訴えてくれた。
さらに、アフェランドラやスイートピーまでもが私たちの前に立って庇ってくれる。
半分はマーガレットのためであろうが……。
だけど、そんな理屈とか情とかが通じる相手じゃなさそうだ。
ハンコックは顔色一つ変えずに、マーガレットたちに近づき――。
「メロメロ
容赦なく彼女らを石にしてしまう。これにはルフィも驚いているみたいだ。
「君に意見しただけだろ? そこまでする必要があるのかい?」
「当たり前じゃ、そなたらを助けようとしたのだから罰を与えた」
私が立ち去ろうとしたハンコックに声をかけると彼女は当然だという口ぶりでこちらを振り向く。
やはりこれはやりすぎだ……。私は彼女を睨みつけた。
「下らない理屈だな……。蛇姫!」
「――ッ!? う、美しい……! なっ――!? わ、わらわが見惚れた……!? くっ……! そんなはず!!」
ハンコックは一瞬だけ驚いた表情をしたが、頭をブンブン振ってそのまま歩いて、元いた席に戻ろうとする。
「おい! お前! こいつらを元に戻せよ!」
「――すぐに化けの皮を剥がしてやる。“バキュラ”を闘技台へ!」
ルフィの言葉も無視して彼女は“バキュラ”という生き物を連れてこいと指示した。
「あれ? 縄が解けたぞ」
「そして、目の前には巨大な黒豹か……。武器も一緒に連れてこられたからどうしたものかとは思ったが……」
私とルフィは鉄のような硬さの蛇から解放されて立ち上がる。
目の前には見るからに獰猛そうな黒豹がいた。
「バキュラはこの国の皇帝に代々処刑人として仕える肉食獣。処刑後は一本の骨も残らぬ。精一杯、戦って散るが良い。わらわ達が見届けてやる……」
「ガルルルルルッ!」
巨大な黒豹――“バキュラ”に私たちを襲わせることで処刑を執行するとハンコックは宣言して、“バキュラ”は牙を剥き出しにして私たちに向かってくる。
「ここは急所を狙って……」
「ライア――お前、下がってろ!」
私が銃を構えようとすると、ルフィは私を手で制して、バキュラを一撃で吹き飛ばして倒してしまった。
「「――ッ!?」」
「つ、強い――バキュラを一撃で……!」
「“覇気”は使ってない……、“腕力”だけで……!」
ルフィが一撃でバキュラを屠ったことは見物者たちを大いに驚かせた。
ここでは“覇気”は当たり前の力なんだな……。
「どうかしてるぞ……、お前ら……。あんな女に――仲間を石に変えられてんのに、なんでへらへら笑ってられるんだよ!!」
「ルフィ……、君は……」
ルフィは怒っていた。彼は自分たちが死刑を執行されることではなく、マーガレットたちが石にされても平気な顔をしてみている女たちに対して怒っている。
彼にとって仲間が蔑ろにされることは1番耐え難いことだからだろう。
「野蛮人が私たちに向かって怒鳴ってる!」
「3人は可哀相だけど、蛇姫様のやる事に間違いはないのよ!」
「国の規律を破ったその子たちが悪いのよ!」
一応、彼女たちもマーガレットたちに同情心はあるみたいだが、ハンコックがここでは絶対の存在であるから、彼女のすることは全て正しいという認識なのだ。
「わらわは……、何をしても許される……! 何故なら、わらわは美しいから!!」
「「キャ〜〜♡ 蛇姫様〜〜ッ♡」」
ハンコックは自負している。自分はどんな横暴に振る舞おうともそれが全て肯定されると――。
まるで全てを焼き尽くすマグマのような強烈な自尊心もまた彼女の強力な個性なのだろう。
しかし――。
「――ふふっ、そなたらもそうであろう……?」
「お前、ムカつくなァ!」
ルフィには彼女の理屈は通じない。シンプルに彼は不快感を彼女に示した。
「ば、馬鹿なことを……。わらわの虜にならぬ男などおるはずない。――わらわにはあの男の存在が耐えられぬ……!」
ハンコックはショックを受けて天を仰ぎ、ルフィの存在が耐えられないと宣った。
「今すぐ、マーガレットたちを元に戻すんだ……。さもなくば、神が君を許しても……、私は君を許さないよ……!」
私だって庇ってくれた友人が石にされて大人しくしているような物分りのいい人間じゃない。
こうなったら頂上戦争なんて二の次だ。彼女たちを何としてでも元に戻してもらおうと、銃を構えて、ハンコックに立ち向かうことを宣言する。
「くっ……、そしてこっちはこっちで腹立だしい……! 女だというのに、男みたいな顔をしおって……! その上、わらわともあろう者が一瞬でも気の迷いを……!」
やはり、彼女は反論してくる人間の存在が嫌で仕方ないみたいで、死刑を宣告して、自らの妹たちを私たちにけしかける。
「サンダーソニア! マリーゴールド!」
「
サンダーソニアとマリーゴールドは共に悪魔の実の能力者――しかし、この国の人たちは呪いによる身体の変化と解釈してるみたいだ。
悪魔の実という概念がないのだろう……。
「また、元に戻るかもしれねェからな。ごめんな、おれたちの為に……!」
「人の心配よりも自分の心配をした方がいいんじゃない?」
「うっせー! とにかく、お前らをぶっ飛ばしゃいいんだろ!?」
ルフィは石に変えられたマーガレットたちを安全な場所に退避させて戦闘準備を行った。
「相手は2人なんだ私もそろそろ動いても良いかな?」
「あなたたち、私たちに勝つつもりなの?」
「それなら教えてあげるけど、客席と闘技台の間の溝は剣で埋め尽くされてるから落ちない方が良いわよ」
私も相手が二人ならと戦う準備をしていると、彼女たちは闘技台の周りが剣で埋め尽くされている溝で覆われていることを教えてくれた。
「なんだ、思ったよりも親切じゃないか。忠告してくれて、ありがとう」
「――ッ!? この子……、姉様とは違った意味で何か胸を締め付けてくる……」
「まさか、姉様と同じ系統の能力者じゃ……」
私がひと言、お礼を言うと彼女らは私が能力者なのではないかと口にしてくる。
いや、何もしてないのに能力者扱いは辞めてほしい。
「ん? ライアって、いつの間に悪魔の実を食ったんだ?」
「食べてないって! “ホバーボード”……!」
ルフィまで私が能力者になったのかどうか尋ねてきて、私はそれを否定しつつ“ホバーボード”取り出した。
「それ、いいなァ! 今度乗せてくれよ!」
「うん、今度ね。私は伸びないからこれくらい使わなきゃ能力者に対抗出来ないからさ」
さすがに悪魔の実の能力者で覇気まで使える強敵を相手にするのだから、私も出し惜しみは出来ない。
使えるものはすべて使って勝ってみせる。
「言うわね。そんな浮く板を使ったくらいで私たちに勝てる気なんて、ナメないでもらいたいわ」
「さ、始めましょう!」
私たちは戦闘を開始した――。
「――私の相手は君かい? サンダーソニア……」
私は目の前に立ちふさがるサンダーソニアを見据えて、右上に飛び上がろうとする。
「右上に飛んで来てそこから銃弾を放つ……」
「君はそれを邪魔しようと下から尾を伸ばして攻撃する」
お互いがお互いの攻撃を読み合い、そしてそれを躱す。
さすがに見聞色もきっちり使えるってわけだな……。
「――ッ!? 外海の人なのに覇気が使えるのね……。ちょっとだけ驚いたわ……」
「サンダーソニア様とあの銀髪の攻撃――どっちも当たらない!?」
私たちは何度も攻撃を繰り出すが、その全てを読み尽くし、そして回避していた。
「――ふむ……。やはり、
「思ったよりもずっとやるじゃない!! でも、貧弱なあなたは一回でも攻撃を受けると耐えられそうに無いわね」
「それなら、全部躱すまでさ……。よし、
「ま、また心臓を鷲掴みにさせる感じ……、妙な力を……!」
私がサンダーソニアを睨みつけて特殊な弾丸を準備しようとしたとき、彼女はなぜか私から目を逸らして胸を押さえた。
「あ、あれ? ――必殺ッッ! 鉛星ッッ!!」
「――避けきれない! でもッ!!」
私はそれを好機だと思って鉛の弾丸を放ったがそれは彼女の皮膚に当たって弾かれてしまった。
「――武装色硬化!? やはり、普通の弾丸では脅しにもならないのか!? しまった――!?」
「とっさに後ろに下がって、衝撃を逃したわね……。でも、ダメージは大きそう」
私が弾丸を弾かれたことに意識を向けている隙にサンダーソニアの尾が私の腹に突き刺さる。
私は地面に激突してかなりのダメージを受けてしまった。
「うわっ!!」
「ルフィ……!?」
そして、その隣にルフィも吹き飛ばされてきた。彼も武装色と見聞色の覇気に苦戦しているみたいだ。
「なかなか頑張ったけど、お遊びはここまで……。そろそろ、“罰”と“死”を与えなきゃ」
このあとの展開は私は置いてきぼりになってしまった。
なぜなら、石像を壊そうとした姉妹に対して怒ったルフィが覇王色の覇気を発動して、会場の全員の度肝を抜いたと思えば、彼はその後ギア2を発動。
瞬く間にサンダーソニアとマリーゴールドを圧倒して蹂躙した。
さらにマリーゴールドの炎を纏った攻撃を跳ね返したルフィだったが、それによって衣服が燃えてしまったサンダーソニアの背中ががら空きとなり、ルフィは彼女の背中に飛びつきそれを隠そうとした。
その騒動もあり、ハンコックは“武々”とやらの中止を宣言することとなった。
さらにルフィはハンコックから船を貸すこととマーガレットたちを元に戻すことの2択を迫られたとき、即答でマーガレットたちを助けることを選択したことにより、彼に対する評価は急転することとなる。
その後も色々とあった。ハンコックたちが元天竜人の奴隷だったことを告白したり、それを受けても全く態度を変えないルフィに彼女が惚れて船を貸し出すことを約束したり、エースの公開処刑のニュースをルフィが知ることとなったり――。
「ライア……」
「ん?」
「みんなには悪ィけど、おれは寄り道して行きてェ」
ルフィはニョン婆というお目付け役みたいな老婆からエースの処刑について聞かされて、彼を助けたいと口にした。
そう言うだろうということは分かっていたけど、実際に聞くと来るものがあるな。
「そっか。じゃ、私もエースを助けに行こう」
「本当か!?」
私がルフィと共にエースを助けることを口にすると、彼は笑顔を私に向けた。
「ああ、もちろんだ。問題はどうやってインペルダウンに行くかだが――」
「おぬしら、それなら可能性は薄いが方法はある――」
ニョン婆はインペルダウンに行く方法を私たちに話しだした。
インペルダウンは海軍の軍艦でしか行くことはできない。
現在、ハンコックは七武海の“強制招集”を拒み続けている。
もし、ハンコックがそれに応じれば、軍艦に私たちも乗り込むことが出来るかもしれない。
そんな中、ハンコックが病に倒れたという知らせを私たちは受ける。
確か、ルフィに惚れて“恋煩い”とかそういうこの島特有の病気になったんだっけ?
病に倒れてもなお、ルフィを案じるハンコックは彼と話がしたいと希望を口にして、私たちは彼女と面会した。
そして、ルフィは兄を救うために彼女に協力を求める――。
「“七武海”の招集に応じろというのね……。それをあなたが望むなら、わらわはどこまでも行きます――」
ハンコックは七武海の“強制招集”に応じてルフィに協力を約束した。
「良し! これでインペルダウンに行ける!」
「ルフィ、それなら別行動をしよう。私は海軍本部に行こうと思う」
ルフィがインペルダウンに行けると意気込んだところで、私は先程から考えていたことを口に出した。
「どういうことだ? エースを監獄から救い出すんだろ?」
「もしもの話だ。君がその作戦に失敗したとなると、エースは海軍本部の前で処刑される。しかし、その前に白ひげ海賊団と一戦交えるのであれば――私は海軍側から隙を狙ってエースを救出しようと思う」
ルフィの疑問に私は答える。未来が漫画と同じように動くなら、私はインペルダウンに行かない方がいい。
むしろ、海軍側に忍び込んで後から来るはずのルフィのサポートをしたほうが良いと考えたのだ。
「海軍側から?」
「つまり、海兵に成りすまして海軍本部に潜入するんだよ」
私は海兵に変装して海軍本部に潜り込む計画を話す。
一応、いつか役に立つと思って海軍の服を手作りしていた。これで誤魔化せるか分からないけど……。
「おぬしも酔狂じゃな。海賊が海軍本部の中に入るなど……」
「覚悟なら出来てるさ」
ハンコックの言葉を受けて、私はナイフを懐から取り出した。
「ライア……、お前……、ナイフで――髪を!?」
そして、私は自分の髪の毛を切り裂く。よく男に間違えられるから、伸ばしていた長い髪を――。
「――女の海兵はいないことはないが、男よりも数が少ないからね。不本意だが、男によく間違えられる私だ。男装して本部に入ろう。その方が目立たないからね」
私はなるべく目立たないようにするために、男の海兵として潜入しようと思った。
髪を短くしたのはその決意表明だ。
「ならば、前に海軍の船から略奪した物の中に奴らの軍服があったはずじゃ。それを着て、わらわが漂流して捕えた海兵として連中に引き渡そう」
「ありがとう。助かるよ」
するとハンコックは海兵に化けることや、自然に潜入することを助けてくれると言ってくれた。
なるほど、それなら楽に潜入が出来そうだ。
「ふーむ。おぬしは早うこの島から出なくては大変なことになりそうじゃな」
「私が? なんで?」
そんな私に対してニョン婆が唐突に私は外に早く出ろと言ってきた。
「恋煩い――。今まではおぬしが女だという認識じゃったから、ギリギリ防げておった。しかし、男装までするのであれば、この国の者たちが何人おぬしのせいで倒れることか……」
「へっ?」
「蛇姫の前でも正気でおれるくらい鈍感なおぬしであろうから教えてやるが、“武々”の後におぬしに惚れそうになっている人間が後を絶たん。男を知らぬ者すら、止めようのない感情に戸惑っておる。取り返しのつかん事になる前に早う出てほしいのぉ」
ニョン婆は私がいると国の人たちに“恋煩い”が蔓延するみたいなことを言ってきた。
このままだと国が滅びるとか、そんな大袈裟な……。
「姉様と似たような系統の力かと思っていたけど……。それ以上に厄介みたいね」
「私たちもあなたを見てると時々、胸を締め付けられる……」
「そういや、ナミやミキータやロビンも似たような顔をするときがあるなぁ。あれって、ライアが悪いのか!」
ルフィたちは口々に、私を見ると女性が変な感じになるみたいなことを言ってくる。
そんなこと起きてるっけ? まったく言ってることがわからない。
「そ、そんな。私を病原菌みたいに言わないでくれよ」
「みたいではなくて、その物なのじゃ。頼むからこの国の未来のために――」
「わかったよ。早く出ればいいんだろ? ハンコック、あとで海兵の服をお願いする」
ニョン婆に完全に病原菌扱いされた私は不満だったけど、とりあえず準備を急ごうと考える。
そして、私は捕らえられた海兵“ライアン”として、海軍の軍艦に潜入することとなった――。
女ヶ島はさすがに軌道修正できなかったので、ほぼ原作通りになりました。
そして、インペルダウンに行くとまた原作と同じになるので、ライアに男装をさせて海軍本部に潜入するストーリーに予定を変更しました。
ショートカットで男装したライアが海軍本部でどうなるのかお楽しみに!