深淵卿に憑依しました リメイク 作:這いよる深淵より.闇の主人
すいませんでしたぁ!
下手っぴだけど許してヒヤシンス!
それでは、どうぞ!
浩介含めたクラスメイト達(愛子先生以外)は、メルド団長と騎士団員複数人達と共に、【オルクス大迷宮】前の宿場町【ホルアド】へと到着した。着いて直ぐに迷宮へ向かうなんて事にはならず、自由時間に少し町を
「はぁ……」
明日からは早速、大迷宮に挑戦する事になるので、風呂に入り次第ベッドへ横になったのだが未だ眠れずにいた。
「はぁ、まだ悩んでんのか俺は……」
……俺ならそれを止める事ができる。しかし、そうすると俺たちやトータスの世界にいる住人だけでなく元いた世界まで終わりを迎える。だから俺は原作通り友達を見捨てる事にした。だが、
もしかしたら原作通り奈落の底へなんぞ落ちなくても
もし、俺が転生するにあたって貰える筈だった特典を[
もし、ハジメと友達になんてならなかったら……こんな、悩んでいなかったかもしれない
こーすれば、あーすれば……と、次々に出てくる数々の
(……あぁ、香織か)
向かいの部屋がハジメだった事を思い出した俺はどうするか迷った結果、邪魔をしたくはなかったので剣をベッドに放る。何かしら別の事に意識を向けたかったので、装備を点検する為に一つずつ武器を置いていく
やっとで装備を全て広げ、手前の苦無を持った所で扉をノックする音が響く。今度は隣ではなく俺の部屋だ……恵里ならば3回連続ノックをするか、カチャカチャと強引にピッキングしようとする筈なので候補から除外しておき、もしかして龍太郎か? と思いながら装備の片付けをする
「浩介、起きてる? 私よ。ちょっといいかしら?」
そんな声に、なんで雫が? と、驚きつつも、慌てて扉に向かう。鍵を急いで開けると、そこにはネグリジェに、カーディガンを羽織っただけの雫が立っていた。
「……嘘やろ」
「……へ?」
「何でもない、いいから入ってくれ」
俺の一言に首を傾げている雫。取り敢えず廊下に長居させて万が一にでも他のクラスメイト(男)達に雫の
「お、お邪魔します」
少し落ち着かない様子ながら部屋に入っていき、雫は窓側にあるテーブルセットへと座った。
何も出さないのは良くないかと思い、美味い物ではないが紅茶もどきを自分と雫の分を作って差し出す。そして、反対側の席へと座った
「ありがとう」
そう言って紅茶を受け取り口を付ける雫。月明かりに照らされる純白の彼女はとても美しかった。ずっと見ていたい気持ちをなんとか押し殺し、話を促す
「それで、こんな夜遅くにどうした?」
浩介の質問に対して返ってきたのは沈黙だった。顔を俯かせているので表情は読めないが、何となく怯えているように見えた
「……雫、大丈夫か?」
一週間前の実戦訓練で魔物を倒した日の夜も精神的に参った状態だったが、今はその時以上かもしれない。どうしようかと迷った結果、頭を撫でようかと手を伸ばし———
「浩介は死なないわよね?」
その言葉と共に俺の手は掴まれ、キツく握り締められる
「は? ……いやいや、死ぬわけないだろ?」
「絶対?」
「え? お、おう」
「本当の本当に?」
「……ま、待て、一旦落ち着けって。メルド団長も言ってたが今回挑むのは20階層まで、俺たちが心配するような事は何も——-」
「だって! 夢で、浩介は……」
雫からの質問の連続にたじろぎながらも落ち着かせようとするが、聞く耳を持ってはくれない。だが、何故こんなにも様子がおかしいのか……その原因は分かった
「ほら、落ち着けって……」
右手は拘束されているので、仕方なく左手で頭を撫でる。ぶつぶつと呪文の高速詠唱をするかのごとく何かを呟いていた雫は一瞬の硬直の後、頰を赤く染めて沈黙する。
(頭を撫でた時の反応が猫っぽくて可愛いんだけど……喉を撫でたりしたらゴロゴロとか言ったり……いや、やらないけどっ!)
何となく良さげなタイミングで手を止める。「あっ……」と、心なしか名残惜しそうにしている雫に罪悪感が湧き上がるが、構わず問いを投げる
「……どうだ?」
「ごめんなさい。落ち着いたわ」
「そりゃ良かった。それじゃあ悪いんだが、さっき言ってた夢って何のことだか教えてくれるか? 無理はしなくていいからな」
せっかく笑顔になり始めていたのだが、俺の思った通り
「さっき少し眠ってたんだけど……その、悪夢を……ね」
「悪夢?」
「うん。え……とね、浩介が暗闇の中で戦ってて……でも、全然敵わなくて……それで……最後……」
(成る程な、俺はそいつに殺されたってのか? ……つーか暗闇の中で戦うってベヒモスじゃねぇよな? アイツは全員で相手してた筈だし——-て、今はそれより)
「それ以上はいい。嫌なこと思い出させちまったようですまんな」
「……謝るのは私の方よ。その、ごめんなさいね。こんな時間に話を聞いて貰っちゃって……しかも、取り乱して迷惑かけたと思うし」
「別に、俺でも香織にでもいいから頼れとか甘えろって言ったの俺だしな。迷惑だなんて思ってないよ」
「———うん、ありがとう」
「ほら、明日は早い……のかは知らんが早く部屋に戻——」
雫の笑顔に見惚れたのと、お礼を言われた事で顔が赤くなったのを隠そうと目線を横にズラした隙に雫はベッドへ座っており、こちらに手招きをしてきた
「浩介、此方に来て」
「いや、だから——「浩介、甘えていいん……だよね?」……分かったよ」
反論の余地さえ与えてくれないらしい……有無を言わさぬ笑顔に諦めを込めた返事をすると、隣へ渋々座る。どうすればいいのか困っていると、膝に重みが加わる。
「寝づらい……」
「なんで膝枕? てか、文句言うなら乗せなきゃいいだろ……」
「……」
俺の言葉を無視した雫は、右手を掴んで頭に持っていくと「撫でて」と言ってくる
「普通は女の子が男にやるもんじゃないの? 膝枕……いや、やって欲しいって訳じゃないんだけど——」
「それじゃあ次は浩介の番ね?」
(俺の番って何?!)と驚いているのも束の間、身体を起こした雫は流れるように俺の事を引き寄せると、自分の膝へ俺の頭を乗せた
(え、なんで膝枕されてるの? てかヤバイ……柔らかいし、いい匂いっていうか……)
こんな状況だけに嬉しさやら羞恥やら色んな感情が押し寄せてきて焦っていた俺は次の一言で落ち着きを取り戻し、それと共に嫌な汗をかいた。
「浩介も悩みがあるんでしょ?」
「……は? え、いやいや無いって」
「本当?」
「いや本当だって、何でそう思うんだよ?」
「だって浩介が嘘つく時は私と目合わせないし、右手隠そうとするもの」
「え、マジ?」
(目を合わせないのは恥ずかしいからなんだけど、右手を隠すっていうのは初めて知った)
「ええ、今だってそうじゃない?」
「——よく分かるな……本人も知らない癖のことなんて」
「長い付き合いだもの……それに」
「それに?」
「そ、それよりも浩介の事が先よ……私でも力になれるかも知れないし、話してみて」
真実を話すことはできないので、それらしい理由を考える。力になりたいと言ってくれた彼女には申し訳ないが、誤魔化すことにした
「…………俺の技能で直感ってのがあるだろ?」
「浩介が危機察知能力が高くなるって言ってた?」
「まぁ、超大雑把に言うとそうだな。その技能のせいで嫌な予感がしてたから気になっててな……明日の大迷宮の件だが、心配する事ないって言ったが、出来る限り注意だけはしておいてくれ」
「……分かったわ」
「よし、それじゃあ早く部屋に戻れ。香織が心配してるんじゃないか?」
「そうね……おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ」
別れを済ませ、ベッドへ横になった俺が寝付けたのは数時間後だった。
さて、次は迷宮ですね
なんかアンケートでの恵里人気ヤバイなぁ。次の話では出番ありますよ!
それでは!
雫以外のヒロインについて
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