深淵卿に憑依しました リメイク   作:這いよる深淵より.闇の主人

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すいません遅れました。

遅れた理由を正直に言いますと 9-nine-シリーズをプレイしてました

面白いので皆さんも是非

それではどうぞ!


影の軍勢

 ——暗い

 

「此処は……なんだ? 俺は一体、どうなった?」

 

 眼前に広がる暗闇一色の景色、それは“夜目„を使っても晴れることはない。

 

 いや、待てよ? 

 

「なんか見覚えが……ってか、似てるなぁと思ったら——アレか、神とやり取りした空間に似てやがる」

 

 ひょっとして神様が出てきて「お前死んだから次の世界に転生な」とか言われるのでは? と、身構えていた浩介だったが、そんな事もなく……

 

「……っ、なんだ?」

 

 ——異変を察知する。未だ視界は利かず、何が起こっているか分からない。だが……

 

何かが迫る

 

闇が纏わりつく

 

闇がどんどん侵食して——

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「っ!? はぁっ、はぁっ、な、にが……」

 

「……浩介っ、大丈夫か!?」

 

 ユエと話をしていたハジメは、あれから丸一日寝たきりの状態だった浩介が起きたので血相を変えて近寄る

 

「ハジメ……か、どうやら勝てたみたいだな」

 

「あんなのに負けねぇよ。ってか、あれだけいた兵士と黒騎士を一人でよく倒せたな」

 

「ギリギリだった」

 

 ……ん? 

 

「俺が倒したのは黒騎士と数体の兵士で、まだ結構いたような……?」

 

「は? いや、しかしだな……俺とユエがサソリモドキを殺って駆け付けた時には終わってたけど」

 

 互いの食い違う話に「「んんっ?」」と、二人揃って首を傾げる。

 

「……浩介は、本当に暗殺者?」

 

 ユエのそんな一言がしばらくの間続いていた沈黙を破る。

 

「あぁ、俺の天職は暗殺者で間違いないぞ? なんだったらステータスプレート見てくれ」

 

 何故そんな事を聞くのか疑問に思いつつも素直にそう答え、取り出したステータスプレートを手渡す

 

「……確かに暗殺者……深淵卿?」

 

(よりにもよって始めに目がいった技能が深淵卿(ソレ)か……)

 

 浩介は恥ずかしげに目線を明後日の方へ向け、その様子を気の毒そうな、生暖かい目で見守るハジメ

 

 技能の多さに、ステータスの高さに驚いたりしながら黙々とチェックしていく。

 

「——影の……君主?」

 

(影の……な、なんだって? そんな技能あったか?)

 

「すまん、ちょっと返して貰っていいか?」

 

「……ん」

 

 ===================================

 遠藤浩介 17歳 男 レベル:53

 天職:暗殺者

 筋力:994

 体力:1096

 耐性:899

 敏捷:1138

 魔力:822

 魔耐:822

 技能:暗殺術[+短剣術][+投擲術][+暗器術][+深淵卿][+伝振][+遁術]・気配操作[+気配遮断][+幻踏][+夢幻Ⅲ]・影舞[+水舞][+木葉舞]・直感・魔力操作・胃酸強化・纏雷[+雷耐性]・天歩[+空力][+縮地] [+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・模倣・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・影の君主・言語理解

 ===================================

 

 ユエからステータスプレートを返して貰い、すぐさま技能を確認する。

 

「本当にあるな……」

 

 影の君主

 強さを渇望するあなたの思いは死の谷を彷徨い歩く亡霊を呼び寄せるほど強く、あなたの命令に従う亡者の軍は誰からも助けを借りる事なくただあなたのためだけに道を切り開いてくれるだろう。

 

「ぅわぁ……」

 

 痛い……痛すぎる。「なんで俺ばっかり」っと、悲しみながら頭痛がしたような気がして頭を抑えながら続きを確認する

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 [影の抽出]

 命が尽きた身体から魔力を吸い取り、影の兵士として従わせる。対象が死亡してから長時間経っていたり、対象のレベルが高いと抽出成功率が下がる。

 

 抽出可能な影の数:69/70

 

 影の抽出をする際の命令語:『起きろ』

 

 

 [影の保管]

 影の兵士を術者の影の中に吸収し、保管しておける。

 保管した兵士たちは術者が望むときにいつでも召喚したり再吸収可能

 

 保管した影の数:1/50

 

 [君主の領域]

 影の領域を展開。その範囲内にいる影の兵士たちの全能力を上昇させる

 

 [影の交換]

 自分の影の兵士の位置を交換する。

 

 [影の支配]

 術者、他者を含めた全ての影を自在に操る

 

 ——絶句する。厨二臭い技能名に説明ではあったが……その実、強力すぎる力だった。

 

「は、半端ないな……」

 

「やっぱり……見間違いじゃなかった」

 

 覗き込んでいたハジメは浩介と同じように絶句し、ユエはというと納得がいった、という顔をする。

 

「どう言う事だ?」

 

「……黒い騎士が、浩介に跪いてて……従属させたのかなって」

 

(じゅ、従属って……う〜ん、影の……あ〜、抽出とかってのをした覚えないんだかなぁ。気絶した後に何かあったのかな?)

 

「浩介、ほらコイツ」

 

「……おっと」

 

 済んでの所を”直感„のおかげで投げ渡された物を落とさずに受け取る。自分の刀が側に無いと思ってはいたが……どうやら強化を施してくれていたらしい

 

「魔力を込めた分だけ硬度が増すっつーシュタル鉱石っていうのを使ってる。お前は刀の使い方が上手いから硬度とか関係ないかもしれないが——」

 

【いや、助かる。して……この刀の真名(まな)は?】

 

「どういたし——ま、真名(まな)?」

 

【俺が付けることもできる……が、やはり創造主に名付けて貰うのが幸せだろう。この刀もな】

 

 二人は同時に気が付いた「「あ、これ……深淵卿モード(入ってるな)」」……と

 

「あ〜うん、そうだな……闇鴉(ヤミガラス)とか?」

 

【……闇鴉? フハハハっ! 流石は魔王。素晴らしい真名だ。気に入った!】

 

「そうか、そりゃ良かった——てか、誰が魔王だ! それだと俺がラスボスになるだろうがっ!」

 

【ふ、そうだな。非礼を詫びよう……我が親友っ、南雲ハジメよ!】

 

「なんでフルネームなんだよ……面倒くせぇよコイツの技能」

 

【そう言うな……見た目的に南雲ハジメも厨二(此方)側だろう?】

 

はなっ!」

 

「これが、深淵卿……っ!」

 

 対応に疲れたといった感じのハジメと、噛み締めるようにそう言うユエ

 

【——久しいな。このやり取りも】

 

 急にしおらしくなり、自分たちを見つめる浩介。その様子と発言に違和感を覚えたハジメだったが……

 

「また何やってんだ俺ぇぇ!?」

 

 顔を赤く染め、地面に頭を打ち付け始める浩介の姿を見た事でそんな違和感も吹っ飛んでしまう

 

「……まぁ、落ち着けって。病み上がりなんだから大人しくしろ」

 

「ほんっとうにすまん」

 

「……あ、ハジメ」

 

 二人のやりとりを黙って見ていたユエがタイミングを見計らったように話をふる

 

「コウスケも起きたし、二人のこと教えて?」

 

「ん? あー、そうだな……」

 

 少し考えた後、ハジメはこれまでの経緯をゆっくりと話し始めた。

 

 仲間と共に異世界に召喚されたこと、ハジメはありふれた職業である[錬成師]が天職で能力値も並以下、それが原因で無能と言われていたこと、ベヒモスとの戦いで仲間に裏切られて奈落に落ちたこと、魔物を喰って変化したこと、神水のことや今使っている武器が元いた世界での兵器だということ

 

 すると、グスッと鼻を啜るような音が聞こえだす。発生源を見ると、ハラハラと泣き出すユエがいた

 

「……ぐすっ……ハジメ……つらい……私もつらい……」

 

「気にするなよ。もうクラスメイトのことは割りかしどうでもいいんだ。そんな些事にこだわっても仕方無いしな。ここから出て復讐しに行って、それでどうすんだって話だよ。そんなことより、生き残る術を磨くこと、故郷に帰る方法を探すこと、それに全力を注がねぇとな」

 

 ポンポンとユエの頭に手をやり、そう言うハジメ

 

(う〜ん、俺って此処にいない方が良いんじゃね? 新しい力も試したいし……出るか)

 

 新たな武器、闇鴉を持った浩介は気付かれないように外へ出て行こうとして

 

「待って……」

 

 ユエに呼び止められる。

 

「コウスケの話も聞かせて……」

 

「別に俺は話すような事は無いしなぁ……」

 

 話す気がない雰囲気を察したハジメが自分の話した内容に少し付け加えた

 

「俺は確かに仲間に裏切られて逃げ遅れ、奈落へと落ちた。でもな、浩介がいなけりゃそもそも俺は此処にいない。ベヒモスの時もそうだが、奈落に落ちてすぐの時も命を救って貰った。前の世界でも、この世界でも……浩介には助けられっぱなしだ」

 

「……大したことはしてない。それに、俺は——っ」

 

 何故か苦しげな表情で言い淀む浩介。どうしたのか気になる二人だったが、敢えて聞かない。その代わりにユエが近づいてきて浩介の頭を撫でる

 

「……なぜ、撫でる?」

 

「コウスケ、命懸けでハジメのこと助けた。偉い」

 

「——、自分の為にしたようなものだ。偉くはない」 

 

「お、おい! 何処に……」

 

「傷が残ってる訳でもないし、病み上がりっても別に動いても問題ないだろ?」

 

「また素振りか——無理すんなよ」

 

「……あぁ」

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「不気味って言うよりは鬱陶しいって感じだな」

 

 ユエが封印されていた部屋へ戻ってきた浩介は、悲鳴のようなものを聞きながら兵士たちの亡骸を前にしてそう呟く。

 

「さて、なんだったか——”起きろ(・・・)„」

 

 新しく手に入れた”影の君主„を試そうと命令語になっていた言葉を口にする

 

 ゴオッ! 

 

 兵士たちの影が一斉に蠢き出す。しばらくすると、影から黒い手が伸び、漆黒の甲冑を纏った兵士が這い上がってくる。

 

「死者の軍団……違うな。影の軍団……いや、軍勢の方がいいか。王の軍勢(アイオニオンヘタイロイ)みたいでカッコいい」

 

 そう言い、ニヤリと笑みを浮かべながら影の兵士たちの事を見ていた浩介はハッとしたように一体の亡骸の元へと駆け寄る

 

(コイツを従える事ができれば迷宮の攻略が楽になる)

 

「”起きろ„」

 

 ——ん? 

 

「あれ、ちょっと?」

 

 兵士たちの時とは違い、何も起こらない。影が蠢いたりだとかの変化も当然ないので流石に焦るが……

 

「っ、そういえば——」

 

 先程ユエが言っていた事を思いだす。

 

《黒い騎士が浩介に跪いて——》

 

 可能性として考えられるのは……気絶した俺は無意識のうちに深淵卿化、”影の君主”を発動して、黒騎士を影の軍勢に加えた? 

 

「……来い、黒騎士」

 

 そう言った瞬間、浩介の影から漆黒の騎士が出現する。どうやら浩介の読みは当たっていたらしい

 

「この調子で影を集めれば……」

 

 雫や恵里は勿論、ハジメ達だって危険な目に合わせる事なく……傷つかずに済むかもしれない。俺一人で全て終わらせる事ができるかもしれない

 

「何故こんな技能()を手に入れる事ができたのか。いや、そんな事はどうでもいいか……使えるものは使う。ありがたく利用させてもらうぞ」

 

 

——最良の未来を掴む為に

 

 




影の君主っていう技能に影の抽出とか保管、などなどをまとめちゃいましたが、お許しを!

アンケートですが、最奥のガーディアンからだと割と早めに投稿できます。そんなに悩みませんからね

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それではまた次回

続きについて。

  • 前作のように最奥のガーディアンから
  • 何話かオリジナルの話
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