深淵卿に憑依しました リメイク 作:這いよる深淵より.闇の主人
おかしな部分などは後々訂正いたします!
それではどうぞ!
「殺せ」
浩介が影の兵士達に命令を下すと同時に足元の影が蠢き、一瞬の内に階層内の床を全て
“君主の領域„……影の領域を展開し、その影の上で戦う事で影の兵士達のステータスが強化される
「「「「「クルゥァァアアン!!」」」」」
突如として現れた未知の敵に対する威嚇か、大絶叫をあげるヒュドラへと君主の領域で強化された
その速度は浩介の所有する影の兵士達の中でも最速。動きが素早くなく、ましてや敵を前にして呑気に吠えているヒュドラでは対応できず、黒頭が斬り飛ばされる。
「クルゥアン!」
やはりと言うべきかすぐに白頭の鳴き声が響き、斬り飛ばしたはずの黒頭が時の巻き戻しにあったかのごとく瞬時に再生される。
流石に斬り飛ばした筈の相手が即座に復活すれば動揺する。ほんの一瞬ではあるが硬直してしまったランスロットは赤頭、青頭、緑頭から魔法を一斉に浴びせられ消し飛ばされてしまった。
シュゥゥゥ
影の兵士は浩介の魔力がある限り消える事なく戦い続ける不死の存在。三種の魔法による余波で抉られ、クレーターが生成された場所に影が集うと、消滅したた筈のランスロットが復活する。
「「「グルルルッ!?」」」
先程のランスロットのように倒した筈の相手が即座に復帰すれば動揺する。それはヒュドラも同様で、動きが鈍った三つの頭のうち一頭が再びランスロットに斬り飛ばされ、もう一頭が遅れて参戦したアナトに刈り取られる
「クルゥアンッ!」
またもや白頭の喧しい鳴き声により復活した頭をランスロットとアナトが相手をしている内に黒頭が浩介に接近する
「グルッ!?」
黒頭が浩介の眼を捉え、恐慌の魔法を行使しようとする。しかし、そうなる前にザードが間に割って入り、その剛腕をもって頭を地面に叩き落とす事で妨害する。大きさは中型の個体ではあるものの素早さと力がバランスのよく取れた兵士なだけになかなか優秀である
「……ランスロットの攻撃を受けて
何度も再生されていく頭にまずは先に回復役を潰そうと、二頭の頭を潰した瞬間に再生される一瞬の隙をついて白頭に肉薄するランスロット
だが、あと少しのところで黄頭が割って入り”金剛„のような技能を使って斬撃を耐え切ってしまう
その場に留まり、三頭同時に相手取っていたアナトは流石に数的不利をひっくり返すことはできず一度倒されてしまう
アナトが再生しきる前に赤頭は炎の魔法を、青頭は氷の魔法、緑頭は風の魔法を浩介に向け一斉に放つ
「——残念だが、優秀な盾役がいるのは此方も同じだ」
前線には出ず、浩介の隣に控えていたオルグが障壁のようなものを展開、浩介に一切届く事なく三種の魔法は呆気なく霧散してしまう
スコルプとオルグは護衛に回し、ランスロットとアナト、ザードで
「仕方ないか……スコルプは護衛。オルグ……終わらせろ」
オルグと同じく後方に控え、散弾針による前線の支援をしていたスコルプが爪で攻撃が通らぬよう覆い隠すよう防御しつつ、散弾針や溶解液を飛ばして牽制している内にオルグが魔術の詠唱を始める。
「「「「「「グルゥウウウウ!!!」」」」」」
スコルプの両尻尾から散弾針と溶解液を飛ばされ、ヒュドラ達は絶叫に近い悲鳴をあげてのたうち回りながらも危険を察知したのかオルグを護衛しているスコルプを集中的に攻撃し始める。
「キィシャァァアア!!」
悲鳴を上げながらも魔法攻撃を何とか受け切ったスコルプだったが二度目となると流石に受け切れないだろう。そんな事はお構いなしに三頭の頭が魔法を放とうとするが、ランスロット達が一頭ずつ妨害に入り、時間を稼いでくれる。
本来であれば、90階層で影の兵士に加えたオルグは詠唱など数秒程度しただけで容易にデバフや自身に対するバフを行っていたチート級の相手だった。しかし、影の兵士になる事でいくらか弱体化するようで、詠唱時間が倍以上掛かるようになってしまった
詠唱が終わったのを確認すると、それぞれの頭を相手していた3体を下がらせ、スコルプの爪をどかすように命じると同時にオルグの身体が倍以上の大きさに肥大化。その巨大な身体を後方へ少し仰け反らせて喉と口を大きく膨らませる
ゴオォォォォッ!!
オルグの口から全てを焼き尽くすかのような豪炎が吐き出される。三頭が一斉に魔法を放って対抗しようにも威力の差がありすぎたようで呆気なく三種の魔法は飲み込まれる
「クルゥアン!」
威力を寸分も落とさずに迫りくる豪炎に対抗すべく黄頭が近くの柱を変形させて即席の盾を作り、自らも白頭を守らんと立ち塞がるが……その奮闘虚しく断末魔の叫び声を残して全ての頭が焼き尽くされる
「
何処ぞの◯◯な冒険のようなセリフと共に定番のポーズを決めていく浩介。
この階層に足を踏み入れてから発動していた”深淵卿”により言動が強制的に、完全無欠の厨二化(アビスゲート卿化)している
(なんだ? 妙な違和感がある……この後は残りの頭が出てきて──いや、それ以前に何かを──)
「なるべく急いで来たつもりだったんだがな……」
ハジメの声が聞こえた瞬間、思考に耽っていた浩介は急いで香ばしいポーズから何事もなかったように真顔で振り返る。
「……俺も油断した。すまない」
浩介の返答にハジメは「なんでお前が謝るんだよ」と苦笑してくるが、隣にいるユエは顔を俯かせたまま沈んだ表情をしている。どうやら先程のことを気にしているようだ
「浩介、ごめんなさい……私、役に立たなくて……」
「——いや、ユエは悪くないよ。俺が最初から影の兵士を出しておくべきだった……ごめんな辛い思いさせて」
「そんな……浩介は——」
(何も悪くない)と言いかけたユエは急に顔を青ざめさせる。それもそのはず浩介の背後で音もなく七つ目の頭が黒く炭化しかけている胴体部分からせり上がり、三人を
「浩介っ!」
「なっ、七つ目の頭があったのか!?」
ユエの叫び声とハジメの驚愕の声が階層内に響く。突然の事に一瞬のうちは硬直しつつも直ぐに体制を整えてユエは魔法を放とうとし、ハジメもドンナーを構えて敵に照準を合わせる
「オルグ! 障壁を張って二人を守……ぐぅ!?」
二人が攻撃をする前に最後の頭である銀頭が予備動作もなくいきなり極光を放つ。避けきれないと顔を青ざめる二人だったが、浩介の指示によりオルグが障壁を展開、極光を何とか防ぐことに成功する
「「浩介っ!」」
オルグに指示を出した瞬間、突然現れた何者かに吹き飛ばされた浩介に二人は心配の声を上げる。
「問題ない! 二人は
「——はっ、マジかよ。確かにそっちに気を回す余裕ないな」
「——やり返せなくて不服だったから……丁度いい」
浩介の元へと向かおうとした二人の目の前に浩介が倒したはずの赤、青、緑、黄、白、黒に加えて金、銀の頭が立ち塞がる
「上等ォ! 早く終わらせて今度こそ加勢に行くぞ、ユエっ!」
「んっ!」
かかった時間の割に少ないって?
ご安心を!流れ的に切っただけでもう一話分は夜中に投稿したいと思います!
本当にお待たせしてごめんなさい
完結は絶対に目指すので気長に待ってくださると嬉しいです!