深淵卿に憑依しました リメイク 作:這いよる深淵より.闇の主人
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突然なんですが、なんとなく原作を読み返していたのですが………恵里が可愛そうすぎるんだよなぁ?!何度見ても……
という事でタグ追加させて頂きました。'原作死亡キャラ生存'
ワンチャンヒロイン?
流れで書いていきます。中学生編書けてないのが本当に痛いなぁ
それではどうぞ
トータスへ
眩い光で目がやられないように眼前へ両手を持っていく事で防いだ俺はざわざわと騒ぐ無数の気配を感じてゆっくりと手を下ろした。そして、周囲を見渡す。
そろそろだと思ってはいたが、ついに原作開始のようだ。目の前に広がる巨大な壁画には後光を背負い長い金髪を靡かせうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物、
その絵を睨め付けるように見た後、呆然と周囲を見渡しているクラスメイト達に目を向ける。
ハジメ、龍太郎、香織、雫、天之河、鈴、恵里、園部、愛子先生……どうやら欠けている人たちはいないよう……ん?
必要不可欠なメンバーは全員いるので問題ないだろうと判断した俺は一人の少女に目を向ける。月の初めに転校してきたという本来いるはずのない
「浩介、これって……浩介?」
「……ああ、すまん。呆気に取られてた」
「…無理もないわ。こんな一昨日借りたラノベみたいな展開、普通はあり得ないもの」
あ、見たんだ盾の勇者の成り上がり……とか思いつつ取り敢えず後輩女子は放っておく事にして、いつものメンバーを集めようとしたところで、俺たちを取り囲むようにして一人一人が祈りを捧げるように跪き、両手を胸の前で組んでいる人達。その中でも特に豪奢で煌きらびやかな衣装を纏い、高さ三十センチ位はありそうなこれまた細かい意匠の凝らされた烏帽子のような物を被っている七十代くらいの老人が進み出てきた。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」
そう言って、イシュタルと名乗った老人は、
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現在、俺達は場所を移り、十メートル以上ありそうなテーブルが幾つも並んだ大広間に通されていた。
(しかし、この状況で誰もたいして騒がないってのは流石カリスマ持ってるだけはあるな天之河)
そう、この状況でクラスメイト達が騒いでいないのは、認識が追い付いてない者も勿論いるが、他は天之河が持ち前のリーダーシップを働かせて、皆を落ち着かせて誘導したからなのだ。涙目の愛子先生に一言……ドンマイ
全員が席に着席すると、絶妙なタイミングでパチモンではない、異世界の……本物のメイドが飲み物を注いでいってくれる。そんな美少女メイドを大半の男子が凝視し、その光景に女子は絶対零度の視線を向けていた
ハジメも俺も男の子で、思春期だ。側に来たメイドを凝視……することはなく、南雲は白崎からの笑っていない笑みを受け、俺は隣の八重樫から笑顔で太股をつねられたあげく何処からかジト目を頂戴してしまった為、二人してメイドから目を反らした。メイド服姿のポニテ少女だったので、服のデザインも中々だし雫が着たら可愛いだろうなんて思っていただけなのに——と、少し残念そうにしていると南雲はビクビクしながら話しかけてきた。
「こ、浩介君、これってさ……」
「言いたいことは分かる。こんな円卓みたいな席で気分が上がらない筈ないもんな」
俺の発言にズルッと肩を落とすハジメ
「いや、まぁそうなんだけど……そうじゃなくて——-」
ハジメの話はイシュタルの説明が始まった事により、中断してしまった。
イシュタルの話を要約するとこうだ。
・この世界はトータスと呼ばれている場所で、存在している種族は大きく分けて3つで人間族、魔人族、亜人族である
・人間族は北一帯、魔人族は南一帯、亜人族は東の巨大な樹海のなかで生きているらしい
・魔人族と人間族は何百年も戦争を続けている
・魔物と呼ばれる通常の野生生物が魔力を取り入れ変質した異形の存在で、それぞれ強力な種族固有の魔法が使えるらしく強力で凶悪な害獣
・魔人族は人よりも数が少ないが、個人の持つ力が強く最近では数多くの魔物を使役してきているせいで、人間の数の有利が覆りつつあるとのこと
まぁ、此処までは何度も原作読んでいた俺としてはなんとか覚えている。そんな事よりも今後について考えなければいけないだろう
今後の事とは勿論、
俺たちは…………全員死ぬ。
そこまで考えた所で、愛子先生の抗議の声が上がる
「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません!
ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい!
きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」
生きて帰るために親友を死地に送るか、親友を助けて全員が死亡するbadend展開か……いや、なにか抜け道がある筈だと悩んでいたところに愛子先生がぷりぷり怒っているのを見て、こんな状況で不謹慎だが頬が緩んだ
「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」
先程までぷりぷり怒っていた先生は勿論、その先生を見て「かわいいなあ先生」とかほんわかしていたクラスメイトも顔を青ざめさせ、誰もが何を言っているのか分からないという表情でイシュタルをみる
「ふ、不可能って…… ど、どういうことですか!? 喚べたのなら返せるでしょう!?」
誰もが衝撃の事実に、何も言えなくなっているが流石は先生、イシュタルに説明を求める
「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」
流石の先生でも、そんな事をイシュタルに言われてしまい、脱力したように椅子に腰を落とす
それをきっかけに、生徒たちは口々に騒ぎ始めた
「嘘だろ 帰れないってなんなんだよおかしいだろ!」
「そんなのいやよ! なんでもいいから帰してよぉ!」
「戦争なんて冗談じゃねぇ! やるわけねぇだろ!」
「なんで、どうして……」
パニックになるクラスメイトたち
右隣を見ればハジメも多少は平静を保てていた。オタクであるが故にライトノベルでこのような状況のは多々ある。まぁ、一番最悪な展開ってわけじゃないからな
他のみんながパニックの中、天之河は立ち上がると、机をバンッと叩いて注目を集めた
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
天之河の問いに対してイシュタルは、フム……と悩む仕草をすると、そう答えた
「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
ギュッと握り拳を作りそう宣言する光輝。無駄に歯がキラリと光る。
さて、どうやら勇者様(笑)のカリスマは効果を発揮したようで、さっきまで絶望の表情だった生徒たちは活気と冷静さを取り戻し始めた。女子生徒は頬を赤らめ、熱っぽい視線を送っている。目がハートに見えたのは気のせいではないだろう
「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。俺もやるぜ?」
「龍太郎……」
それに食い付いたのは第二の親友である
はぁ、仕方ない……
「郷に入っては郷に従えって言うし、自分にできることをやるよ」
「……遠藤」
「……そうね今のところ、それしかないわよね。私もやるわ」
「雫………」
「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」
「香織……」
原作通りとはいかなかったが、オロオロと「ダメですよ~」と困った顔をした先生を尻目に俺たちはクラス全員で戦争に参加することが決まった
さて、誰かなぁ後輩ちゃんは〜
最初に言っておきますと、アフターで出てきた後輩ちゃんではありません
前の話の異世界召喚の内容を少し変えたので見ていただけると嬉しいです。ほんのちょっとだけなのでね
次の話をもしかすると3時頃に投稿するかもしれません→あくまでかもです。
それでは、また次のお話もお願いします。