深淵卿に憑依しました リメイク 作:這いよる深淵より.闇の主人
ちょっとステータス上げた位か
それでは、どうぞ
翌日、これからの訓練についての説明があるとメルド団長から召集をうけた
俺とハジメは集合の10分前には並んでいた。時間になると生徒全員が到着したようで、メルド団長が確認する
「全員いるか!」
「そういや遠藤は?」
「ほんとだ」
「まだ来てない?」
という言葉にメルド団長は側にいた部下に部屋を見てくるよう指示を出す
「遠藤がまだ寝ているかもしれん、少し部屋の様子を——」
「あの、すいません。此処にいます」
「ぬおっ?! い、いたのか。これはすまない」
俺がいきなり現れたかのようなリアクションをするメルドにがっくりしていると、「流石は遠藤、影の薄さは異世界でも健在だな」とか「そういえばコンビニのドアも反応しなかったんだよな」「なにそれ凄い」
とのクラスメイト達からのこそこそ話を聞き、テンションが下がった。
そんな俺の事を極力見ないように目を逸らしつつ、メルドはウオッホンと、咳払いをすると俺たちに銀色のプレート……ステータスカードを配っていく
そんなんで誤魔化せるか! と、心の中でツッコミつつ、自分の初期値はどのぐらいなのかの方が気になったので、おとなしくメルド団長の説明を聞く
「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、無くすなよ?」
「は〜い」と、まばらながら返事が返ってきたのに頷くと、続きを説明していく
「プレートの一面に魔方陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔方陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所有者が登録される。'ステータスオープン'と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類いだ」
この程度の説明は覚えていたので、天之河がアーティファクトについて聞いているのを華麗にスルーして、さっさと言われた通り指に針を少しだけ刺して血を垂らし、こっそりと'ステータスオープン'と言った
一瞬淡く輝くと文字が表示された
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遠藤浩介 17歳 男 レベル:1
天職:暗殺者
筋力:110
体力:120
耐性:85
敏捷:190
魔力:60
魔耐:60
技能:暗殺術《+暗器術》・気配操作《+気配遮断》・影舞・直感・言語理解
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へぇ、これが初期値か……意外と高いな。天之河のステータスがオール100だとして、筋力と体力、敏捷が優ってるな。技能は暗器と気配遮断が派生である……
一人プレートとにらめっこをしていると、説明が終わったのか全員がステータスを見ている
「南雲はどうだったんだ?」
知ってはいるが、確認の意味を込めて一応みせてもらう……お?
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1
天職:錬成師
筋力:15
体力:15
耐性:15
敏捷:15
魔力:10
魔耐:10
技能:錬成・言語理解
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「錬成師……か、
「それは錬金術師だから違うと思うけど、ていうか遠藤君凄いね? このステータス」
「俺なんかより多分、天之河の方がヤバイだろ天職が勇者だったりしてな」
「確かに天之河君なら勇者でチート技能持ってそうだよね」
二人で天之河について話していると、メルドの一言で南雲が凍りつく
「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」
「ぐふっ」
「南雲は心に100のダメージを受けた」
「はあ、こういうのって俺TUEEEEだと思ったのに」
ふざけて言ってみたが予想以上に落ち込んでいるようだ。でも原作とは違ってステータス値が少し上がってるじゃん
「落ち込むのは早いって、こういう話でのお決まりを思い出してみろよ」
「ピンチに陥ると、覚醒する~的なやつ?」
「そうそう、諦めんなって」
話し合っていると、メルドに「二人も列に並んで報告しに来てくれ」と言われて初めてクラスメイト達が一列に並んでいることに気がついた。
「次は……遠藤か。ではプレートを見せてくれ」
「はい」
返事をしてプレートを手渡す。因みに少し改竄しているので余り代わり映えしないだろう
「ほう、暗殺者か……素質はあると思っていたが」
おっと影が薄いからかな? そうなのかな? ケンカ売ってる? とか思ったが、頑張って表情をつくり、「ありがとうございます」と返した
ついに南雲の順番になり、メルドは先程までのホクホク顔から一転して、「うん?」と笑顔のまま固まり、「見間違いかしらん?」と目をゴシゴシしたり、プレートを叩いたり、光にかざしたりした後に微妙そうな表情で南雲にプレートを返した
「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときは便利だとか.」
と、歯切れ悪く説明するメルド
そこへ、南雲のことをよく思っていない……目の敵にしている者の筆頭である檜山が、ニヤニヤしながら近づいてくる
これから始まるのは原作通り、檜山が南雲をボロクソに言う胸くそ展開だ。
しかしまぁ、親友をボロクソに言うんなら……それなりの対価が必要だろう?
俺は息を潜め、何を面白いのかニヤニヤしている檜山の足を払う
「なっ……おぶっ?!」
盛大にすっ転んで、顔面を地面にぶつける檜山
「何やってるんだよ~」
と、クラスの殆どが何もないところで
「く、おい南雲! お前そんな非戦闘系でどうやって戦うんだ? メルドさん、錬成師って珍しいんっすか?」
「……いや、鍛冶職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っていたな」
「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?」
檜山が、ウザイ感じでハジメと肩を組む。周りの生徒達──特に男子はニヤニヤと嗤わらっている。
天之河くぅ~ん! ここに仲間を苛めている人がいるよぉ! 的な感じで天之河をみるが、顔をしかめているが助ける気はないようだ。こういう所が少しアレだよなぁ天之河は
「さぁ、やってみないと分からないかな」
「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」
本当に嫌な性格をしている。メルドの表情から結果を察している筈なのにニヤニヤ気持ち悪い笑みで手を差し出している。他三人もギャハハ! と笑いながらまくしたてている
白崎さんや八重樫さんなどは不快げに眉をひそめている。
ハジメは投げやり気味にプレートを渡す。
ハジメのプレートの内容を見て、檜山はわざとらしく爆笑した。そして、斎藤達取り巻きに投げ渡し内容を見た他の連中も爆笑なり失笑なりをしていく。
「ぶっはははっ~、なんだこれ! ほぼ一般人じゃねぇか!」
「ぎゃははは~、むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~」
「ヒァハハハ~、無理無理! 直ぐ死ぬってコイツ! 肉壁にもならねぇよ!」
「おい、お前らいい加減に——」
流石に堪忍袋の尾が切れたのか、注意しようとする龍太郎は
「はい、ズドーン」
俺の足払いによって本日二度目の地面へキスをすることになった檜山へかける言葉を失った
「ギャーギャー喧しいんだよ。猿かお前」
「て、テメェ!この野—-ぶぺぇぁっ?!」
「何もない所ですっ転んで恥ずかしいのは分かるが、人に当たるのはよくないぞ?」
立ち上がって掴みかかろうとしてきた檜山を三度目の地面へボッシュートした俺は呆然としている三人を無視してハジメのプレートをひったくって返す
「ほい、災難だったな」
「あ、ありがとう」
や、やり過ぎじゃあ……と、苦笑いするハジメ。龍太郎達も幾分か気分が晴れたようだが、苦笑いだ。
「て、てめぇ! この野郎っ」
殴りかかろうとしてきた檜山だったが、流石にメルドが止めに入ってきた。愛子先生がオロオロしながら自分のプレートを見せてハジメを励まそうとして失敗して場が和み、その後は色々な場所を案内されてその日は解散となった。
悲報:檜山君のファーストキスは地面となりました。
次は原作には無い所書くからオリジナルなんで少し時間かかります。
もう少しでお気に入り400いくかも!
まだ気が早いか………
それではまだ次話で会いましょう
雫可愛いよぉ!!
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