あと、キャラ崩壊する時があります
前回と変えた部分がいくつかありますが、おかしな所出るかもしれません
その際はブラウザバックするなりして下さい
次の日、俺は氷川さんに昼休みに話があるので、ある場所へ来てほしいと言われた。教室では話せないってことなんだろう。案内するとは行ってたが、どこで話すんだ……。
昨日はレノンが走ったから足が痛い、それに眠い。明日は土曜だから休もうと思ったが、母さんから店番を頼まれた。はぁ、休めないというのが残念だ。だが、花について勉強してるんだからやるしかない。
「氷川さんが同じクラスだったのは気づかなかったな」
欠伸をしつつ氷川さんを待つ。教室にいないってことは風紀委員の仕事でいないんだろう。昼休みは一時間あるんだから、じっくり待とう。
「遅くなってすみません結城さん。風紀委員の打ち合わせで遅くなりました」
「大丈夫、俺はそんなに待ってないから」
「お気遣いありがとうございます。では案内しますので、着いて来て下さい」
俺は氷川さんの後を着いて行き、階段を上った。上がるということは屋上なのか?道からして屋上しかないか。
しかし、遅くなったということは昼飯はまだ食べてないのだろう。手に持っている袋、それが証拠だろうな。俺も食べないで待っていた。先に食べるというのはさすがに彼女に対して失礼だ。
それにしても、氷川さんが風紀委員だなんて、似合っているとしか思えない。真面目であるのはいいが、息抜きも大事だと思う。彼女が折れないことを祈ろう。
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私が案内した場所は屋上だ。私は周りから話し掛けにくいと言われている。そのため、昼食はいつも屋上か、白金さんと一緒に食べることが多い。
私にとってここは落ち着く所、云わば聖地だ。こんなことを日菜に知られたらあの子はきっと一緒に食べよう、なんて言うわね。いや、絶対に言う。
「結城さん、私が昨日言ったことは覚えていますか?」
「覚えてる。俺に聞きたいことがあるんだろ?」
「はい。食べながら聞きますが、よろしいですか?」
私の言ったことに対し、結城さんは頷いた。私は授業中に思った。結城さんとはどういう人物なのか、気になっている訳ではないけど、単に知りたいというだけだ。
噂では周りからは妖精と言われているらしい。更に花のことについても知っている。情報はこれしかないけれど、本人から聞けば色々とわかるかもしれない。
ーーこんなことをするなんて、私はどうしてしまったのだろう。日菜に心配されてもおかしくないわね。
私と結城さんは向かい合って床に座った。結城さんのお弁当は野菜を中心とした物だった。人参が入っている、私は苦手だけれど、結城さんはベジタリアンなのかしら?
「では結城さん。お尋ねしますが貴方、昨日の授業の時、注意されてましたよね?」
「そうだが、それがどうしたんだ?」
「外の景色について考えていたと仰ってましたが、あれは嘘ですよね?」
「……どうしてそう思ったんだ?」
私は理由を話した。結城さんは花のことについて知っている、きっと桜を見ていたのかもしれない。こんな人が外の景色について考えるなどまず有り得ない。
しかも妖精と呼ばれている。そうなると、重症と言えるかもしれない。これはあくまで私の個人的な意見だ。
「これが私の思ったことです」
「氷川さん、正解だ。確かにあれは嘘だ。俺は桜を見ていたし、ボーッとしていたのは事実だ」
「どうして桜を……」
「綺麗だったからだ。それに、花言葉のことについても考えていたんだ。これでもまだ勉強中だけどな」
私は結城さんに桜の花言葉について話を聞いた。桜には純潔や精神美という意味が込められている。そんなことを考えているなんて、この人は何者なの?
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まさか昨日のことを聞かれるなんてな。俺はあの時嘘をついていた。その場しのぎをするために嘘をついた。授業中に花のことを考えてましたなんて言ったら今度こそやべーやつと言われる。まぁ手遅れだけど。
「これでも勉強中の身だ。知ってるって思われてるけど、知らないことはたくさんあるんだ。答えられないこともある」
「そうでしたか」
「そういうことだ。他に聞きたいことあるか?」
「ではもう一つ聞きます。結城さんのその髪は地毛ですか?」
「地毛だよ!染めてたら指導室行きになるだろ。さすがにそれは御免だよ」
俺がそう言うと、氷川さんは納得したような顔をした。俺ってやっぱり不良って思われてるんだな。我ながら嫌な感じだ。花屋の息子が悪いことをしたら退学案件になっちまう。そんなことはしたくないし、親に迷惑は掛けたくない。
「氷川さん、言っておくが人間は見た目より中身が大事だからな?」
「言われなくてもわかっています。私もそのくらいはわかっていますので」
なんだかなぁ……。染めてるのかなんて何回か聞かれたけど、聞かれるのは半年ぶりだ。先生にまで聞かれたことはあるが、風紀委員に聞かれるというのは予想してなかった。
そろそろ昼休みが終わる頃だ。俺は立ち上がり、弁当を袋にしまった。氷川さんはもうそんな時間ですか、と言って立ち上がった。花のことについて答えられたのは俺としてもいい。他の奴は話しても話が長いって言われて放せなかったが、氷川さんは聞いてくれた。なんか嬉しいな。
「結城さん、何を笑っているんですか?」
「何でもない。別に疚しいことは考えてないぞ」
「それならいいですが、変なことは考えないで下さいね」
「わかってる。さて、別々に戻るぞ。噂になったら面倒だからな」
俺と氷川さんが噂になると色々と面倒だ。そんなことで聞かれるとか、こっちから願い下げだし、デマとか流れたら近所にもその噂が流れるかもしれない。
帰ったらまた店番だ。今日はそこまでやらないみたいだから頑張ろう。時間なんてあっという間なんだ。三時間の辛抱だから耐えよう。
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結城さんが花のことを話していた時の表情を思い出す。あの時の結城さんは真剣だった。楽しそうに話していた。よっぽど花が好きなんだ。
あの表情は好きなことを語れない限り出来ない表情だ。私は日菜に散々抜かされたからギターを始めたけれど、ギターについて話したことはあまりなかったわね。
今後も結城さんについて話を聞いてみよう。まるで調査をしているみたいだ。こんなことをしているなんて、私は何をしているのかしら……。
明日は久しぶりにあの場所へ行こう。そこで息抜きをして、その後に練習に出る。練習は午後からだから午前に行って癒されよう。そうすれば、練習に集中出来る筈だ。
練習に集中しよう。日菜に抜かされてはいけないし、手本になるように頑張らないといけない。やることはたくさんある。少しずつでもいいから、やっていかないと!
その花はまだ咲かない、まだ蕾のままなのだから