翌朝、ハジメ達は身支度を整えていた。光輝達はハジメ達の身支度が整うまでの間、保護したとされるクデタ伯爵家の三男ウィル・クデタと話をしていた。今回のフューレン支部のギルド長から捜索依頼の為駆り出された冒険家と言う事を伝えた。
ウィル「すみません。私の為にあなた方にまでご迷惑を・・・。」
光輝「いえいえ、仕事ですから。」
香織「報酬も既に前金で頂いてますので、どうかお気になさらず。」
ウィル「はい・・・。」
ハジメ「お前等、待たせたな。」
光輝「うん!・・・お?」
ユエ「チュウウウウウウ~・・・。」
ハジメ達が宿屋の外に出た瞬間に凍り付く光輝達。そう・・・金髪の美少女、ユエがハジメの首に纏わりついて血を吸っていたからなのだ。その様子に驚いた光輝達だが一番にどす黒いオーラを出しながら驚いていたのは他でもない香織であった。
光輝「ハジメ・・・それ・・・。」
ハジメ「あ・・・まぁ気にすんな。これは・・・ユエの日課みたいなもんだ。」
ユエ「ハジメの血を吸うのは私の日課・・・お構いなく。」
光輝「そ・・・そう・・・。」
香織「ッチ・・・・。」
雫「香織・・・今は自己紹介の時だから抑えようね。」
香織「ダイジョウブ・・・ワカッテルヨ。」
龍太郎「(ぜってぇ分かってねぇよこいつ・・・。)」
光輝「じゃあちょっと遅れたけど自己紹介しようか。俺は天之河光輝。ハジメの友達一号だ。」
龍太郎「坂上龍太郎だ、ハジメの友達二号って事にしといてくれや。」
雫「八重樫雫よ。じゃあ私は南雲君の友達三号って事でよろしくね。」
香織「私は”白崎香織”です。ハジメ君の”友達四号”・・・ではなく”特別な関係”を狙っているのでそこの所よろしく。」
ユエ「ップ・・・特別・・・・ねぇ?・・・ププ!」
香織「ナニガオカシイノカナァ?」
光輝「香織・・・ステイ。」
ハジメ「お前もだユエ。挑発すんな。」
ユエ「っん。」
ハジメ「よし、お前等も自己紹介だ。」
ハジメからユエ達に対して自己紹介をするように命令する。最初に名乗りを上げたシアは笑顔で自己紹介をしながら光輝達と握手をかわし始める。
シア「了解ですぅ!初めまして皆さん!兎人族のシア・ハウリアと申します!この度はご助力誠にありがとうございます!」
光輝「よろしく。こうやってハジメと一緒に同行してるって事はハジメの助けになってくれたんだよね。友達を助けてくれてどうもありがとう。」
シア「はい!こちらこそ!助けられたのはお互い様です!」
龍太郎「よろしくな、お前中々鍛えてんな。ちょっとだけどお前の戦闘見たぜ。」
シア「はい!ハジメさんにビシビシ鍛えてもらいましたので!」
雫「よろしく、かわいいうさ耳ね。今度・・・触らせてくれるかしら////?」
シア「はい!たまになら!」
香織「・・・ハジメ君とのキスの味はどうだった?」
シア「う?どうしてそれを・・・。」
雫「香織!今は自己紹介!握手握手!」
香織「ッチ・・・・ヨロシク。」
シア「(う・・・この人怖い・・・。)」
ティオ「次は妾の番じゃな。初めまして皆の衆。妾はティオ・クラルス・・・竜人族をやっておるぞ。」
光輝「竜人族!?あの伝説の?」
雫「そんな凄い人を仲間に引き入れたの?凄いわね南雲君・・・。」
ハジメ「あ~仲間にしたっつ~か~こいつが~単に~・・・。」
ティオ「ご主人様の熱烈な愛に絆されてのぉ~。」
香織「熱烈な・・・愛?」
ティオ「お尻の穴にご主人様の太くて固い長いモノでこねくりまわれた時の快感・・・思い出しただけで・・・・・タマラン!!!」
「太くて長いモノ!?」
光輝「ハジメ・・・・お前・・・・。」
ハジメ「てめぇやっぱ一回死ぬか?あぁ!?」
ティオ「あぁ!!そんなゴミを見るような眼で死ぬかなんて・・・タマラン!」
雫「ねぇ・・・本当に何したの?」
ハジメ「こいつの言う事真に受けんな!!!・・・まぁほじくり回したのは本当だけどな・・・。」
龍太郎「じゃあティオが言ってる事は本当じゃねぇのか?」
ハジメ「い・・・いやだからなぁ!」
ユエ「私から説明する。」
ユエからようやくティオと仲間になった経緯を聞く一向は一応の納得をする。ティオの特殊な性癖に戸惑いながらも自己紹介を済ませ、最後にユエが自己紹介を始める。
ユエ「ボイスレコーダーで既に自己紹介済かもだけど念のためもう一回。私はユエ・・・吸血鬼一族の生き残りでハジメの特別な女。」
香織「特別な・・・女?フフ・・・フフフフ・・・。」
光輝「はいはい落ち着く。・・・よろしくね。君が居なかったら多分ハジメもあの大迷宮の攻略は成し得なかったと思う・・・ハジメの命を救ってくれて、本当にありがとう。」
ユエ「ん~ん、ハジメの特別として当然の事をしたまで。あなたもハジメの為にここまで助けにきてくれて私もうれしく思う。一緒に旅する仲間として今後ともよろしく。」
龍太郎「よろしくな。聞いてるぜぇ・・・ブルックの町でお前等の噂・・・。」
ユエ「あぁ・・・そんな噂話がチラホラとあった・・・私はハジメだけのモノ・・・それ以外は邪魔!」
雫「よろしく。南雲君は光輝同様に私にとっても大切な友人だったの・・・助けてくれてありがとうね。」
ユエ「気にしないで。」
香織「・・・。」
ユエ「・・・。」
最後に香織と握手を交わすユエ。握手をしたは良いが中々手を離そうとせず、徐々に力を込めながらにこやかな笑顔で香織とユエは自己紹介を始める。
香織「単刀直入に聞くね?・・・ユエにとってハジメ君はなんなの?」
ユエ「同じことを何度も言わせないで・・・特別な女。お前にはもう特別な関係を狙う資格は無い。」
香織「資格って何かな?ハジメくんをどれだけ想っているかってこと?だったら、誰にも負けないよ?」
ユエの手を離し、ハジメの元へ向かう香織。そして自分の胸の想いを打ち明けるべく告白しようとする・・・はずだったが・・・思わぬ伏兵がここで登場するのであった。そう、小走りでハジメ達に接触して来たのは園部優花であった。
優花「ハァハァハァ・・・あの!」
ハジメ「!・・・園部か?」
香織「(・・・告白のタイミング逃した・・・。あぁ、駄目だ・・・完全に話題が優花ちゃんに向いた。)」
光輝「どうしたの?愛子先生と一緒に戦後の事後処理に入ってたんじゃ・・・。」
優花「・・・。・・・勝手を承知で言う・・・私も皆と一緒に連れてって!!!」
「!」
ハジメ「・・・どういう事だ。」
優花「私なりにずっと考えた。自分が今何をすべきで、何がしたいのか・・・。・・・あの日の夜、天之川と南雲の会話を聞いてから・・・。」
光輝「聞いてたのか・・・。」
優花「その神代魔法の力で、この世界から帰れる方法が見つかるかもしれないんでしょ?私にもその手伝いをさせて。」
ハジメ「お前・・・自分が何を言ってるのか・・・。」
優花「分かってる!今まで以上に厳しい旅になる事も・・・人殺しが必要になる機会が増える事も・・・皆理解してるつもり。・・・でも私は、真剣に悩んで悩んで決めたの。・・・南雲に助けられて、天之川に無能と言われた時から・・・ずっと・・・。だから・・・お願い!!荷物持ちでも雑用でも何でもする!!!私を、一緒に連れてって!!!」
ハジメ「・・・。」
優花「・・・。」
光輝「先生は何て?」
優花「私が説得してこの話を認めてくれた。他の皆にもちゃんと言ってある。身勝手な事を言ってるのは分かってる!!!・・・でも、これをやらなきゃ・・・あの日南雲が助けてくれたこの命の意味が無い。・・・頭がどうかなったわけじゃない・・・やっと出せたの。・・・自分が今、本当に何がしたくて何をすべきなのか・・・それが正しいって・・・信じてる。」
「・・・。」
ユエ「・・・ハジメと光輝が決めていいよ。」
ハジメ「え?」
光輝「俺達が?」
龍太郎「このチームのリーダー的存在は誰かって言ったら二人だからな。」
雫「そうね、二人の判断に任せたいわ。」
新しい仲間の加入の判断をハジメと光輝の二人に任せたいと言う一同。自分達では感情にモノを言わせて判断してしまう恐れから冷静に状況判断が出来、的確な指示が下せる二人なら間違いないと言う事。香織自身も彼女がハジメを狙ってる一人だと勘付いてはいたが、そう言った感情抜きに戦力が増える可能性がある事は喜ばしいため全員の意見に賛成した。ハジメと光輝はしばらく考えながら、一先ず優花からステータスプレートの提示を求めた。
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園部優花 17歳 女 レベル:7
天職:投擲師
筋力:70
体力:50
耐性:75
敏捷:90
魔力:70
魔耐:60
技能:投擲術[+集中強化]・気配感知・言語理解
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二人は優花のステータスプレートを確認しながらしばらく話し合い始める。数十分後、話し合った結果を光輝が代表して優花に話しかける。
光輝「園部の覚悟と考えは分かった。でも現状のレベルでこの旅に連れて行くのは極めて厳しい。・・・そこで、オスカーの隠れ家でしばらく自己研鑽に励んでもらいたい。」
優花「自己研鑽?」
光輝「そう・・・俺と雫・龍太郎・香織の4人は一ヶ月の自己研鑽でレベル70~100までのレベルアップに成功している。その成長速度を計算に入れて・・・一週間、最低でもレベル50以上まで自力を高めて欲しい。」
優花「ご・・・50!?」
光輝「オスカーの隠れ家には書物もあるし広い敷地もある。自己研鑽するには持って来いの場所だ。メルド団長の元で学んだ訓練・書物からの知識の勉強、あらゆる手段を使って構わない。とにかく一週間はひたすら自分の地力を高める事に専念するんだ。その後で・・・最後の訓練をクリアすれば同行を認める。出来なければ俺達との同行は諦めてくれ。」
優花「・・・。」
光輝「どうする・・・園部が決めてくれ。」
優花「(レベル50・・・。・・・メルド団長の元で修行した時は数日でやっとこさレベル5まで上げられたのに・・・たった一週間でレベル50以上・・・。厳しい・・・・・・・でも・・・!!)」
腕を組み二人のやり取りを外で見ていたハジメをチラリと見た優花。ウルの町での魔物討伐前にハジメに対し感謝の言葉を述べた際に言われた言葉”お前は死なねぇよ・・・根性があるからな”を思いだし、くじけそうになった自分の決心を固め奮い立たせる。
優花「・・・分かった、それで良いよ。」
光輝「よし・・・俺は園部を連れてオスカーの隠れ家に連れて行く。皆は再来の腕輪でフューレンまで移動してくれ。ハジメ、クエストの報告は任せた。」
ハジメ「あいよ。」
予め複製した再来の腕輪を人数分渡し、フューレンまでへのワープをする準備を整えさせる光輝。ユエ達は光輝が作ったアーティファクトの性能に驚きを隠せずにいた。ちなみにハジメ自身は先日の夜に話しをして光輝が錬成師のクラスを習得した事自体は知っていたものの、まさか街から街へ移動できるアーティファクトを作り出していたことに内心は一同同様に驚いていた。
光輝「既にフューレンの外にマーキングしてあるから、人に見つかる事は無いと思う。」
ハジメ「あぁ、分かった。(まさかワープが可能なアーティファクトまで作っていやがったとはな・・・この間見た武器も、俺が初期に錬成した武器を比べ物にならないレベルにまで強化されてやがった・・・発現させた新天職でここまで極めるかよ・・・こいつ・・・。)」
優花「あ・・・その前に、最後だから愛ちゃんに挨拶してから行きたい。」
香織「そうだね。私達もお世話になったし、行こうか。」
荒れた大地の復興作業・魔物の死体処理などの復興作業に勤しむ人々をかき分け、愛子を探す一同。愛子は豊穣の女神の名に恥じない働きを見せ、人々と生徒と共に町の復興支援に当たっていた。そんな愛子たちの前に優花達が声をかける。優花は光輝と話した事を包み隠さず全て話し始め、最後に途中で抜ける事に関して再度謝罪する。愛子ちゃんを護り隊の生徒は全員が優花の決めた事を尊重し、もし駄目だった場合でもここに戻ってきても大丈夫と約束する。そして、最後に愛子に話しかける。
優花「先生・・・皆・・・あたし・・・天之川達と話し合って、今日からここを離れるよ。」
愛子「そうですか・・・。」
優花「・・・愛ちゃん先生・・・あたし・・・。」
愛子「私が園部さんに言える事はたった一つだけです。・・・後悔が残らないように、精一杯頑張る事・・・そして、生きて帰ってくる事・・・それだけです。」
優花「先生・・・それじゃ二つです。」
愛子「あ・・・あれ?」
優花「アハハ!愛ちゃん先生相変わらず!!・・・行ってきます!」
愛子「はい、いってらっしゃい!・・・皆さん・・・彼女をよろしくお願いします。」
愛子は光輝達に改めて優花を託しお辞儀をする。そのお辞儀に応えるように全員がお辞儀をし、ハジメも不器用ながら軽く会釈をする。光輝は昨日愛子に少々きつく言い過ぎた事を気にしていたのか、愛子に対し言い過ぎたと謝ろうと言葉をかけようとする。
光輝「先生・・・昨日は俺・・・言い過ぎ・・・。」
愛子「ストップですよ天之川君。・・・あなたは、何も間違った事は仰っていません。全て私の甘さが招いた結果なんです・・・。大丈夫!天之川君はしっかりと正しい道へ一歩ずつ進めています!天之川君の言葉を胸に刻みつけて・・・私も自分の出来る事をしていきます。」
光輝「・・・はい!」
光輝からの謝罪を止め、愛子は光輝の指摘が間違っていない事を強調しながらこれからの旅に期待を込めてエールを送る。光輝は力強く返事をした後で愛子と握手を交し、そんな光輝の肩をハジメはポンと叩きながら微笑する。お互いの蟠りが完全に無くなり、改めて出発しようとその場を後にしようとする光輝達。そんな光輝達の前に神殿騎士専属護衛隊隊長であるデビッド・ザーラーが部下の騎士達を引き連れて接触する。
デビッド「お待ちください!勇者殿!」
光輝「え・・・どこどこ?」
雫「あんたでしょうよ。」
光輝「あ、そっか俺か。」
優花「ボソ(天之川、気を付けなよ。こいつ愛ちゃん先生にどっぷりな男の一人で結構なチャランポランだからね。)」
光輝「フ~ン。」
デビッド「今回、間近であなたの活躍を拝見させて頂きました!実に勇敢且つ気高い戦いぶりでした!」
光輝「はい、どうもありがとうございます。」
デビッド「それで・・・一つ確認したい事がございまして・・・。ハイリヒ王国騎士団長のメルド・ロギンス殿から”勇者光輝は、戦いに恐れをなして数人の仲間を引き連れて逃げた”という嫌な噂が流れておりまして・・・。聖教教会はこの件を頑なに否定しております。噂は・・・与太話ですよね?この世界を救う為に旅をしてらっしゃるのですよね?」
デビッドの質問から彼の思想を瞬時に把握した光輝。”あぁ・・・この人も神エヒト様に心酔した考えない人間だな・・・その神エヒトが召喚した勇者が尻尾を巻いて逃げ出した事実をただ認めたくないから聞いてるだけなんだなと”と分かり、光輝は返答する。
光輝「・・・まぁ、あなたがそう思うのであればそうなんじゃないですかね?」
デビッド「え?」
光輝「俺達は先を急いでるのでこれで・・・。」
教会側は召喚した勇者が逃げたと言う事実を隠蔽して世間体だけを護っている事に関してだけ分かった後は、デビッドの質問に対し適当に投げ返しその場を後にしようとする光輝。その後ろ姿を見たデビッドはしつこく光輝を引き留める。
デビッド「あの・・・お言葉ですが勇者殿。見た所そこに居る亜人共も旅に同行させている見たいですが・・・直ぐに外された方がよろしいかと・・・奴らは所詮神エヒト様に見放された愚者の末裔です・・・勇者殿の名誉が汚されるのではないかと・・・。」
ハジメに痛い目に会わされたにも関わらずシア達に対して差別的意見を述べ空気を悪くするデビッド。ハジメはまだ懲りないのかと怒りを通り越して呆れた表情でデビッドを軽視し、同様にユエも冷たい眼差しでデビッドを睨みつける。仲間を侮辱された事で雫達も同様に不快な気分にさせられデビッドを睨みつける。光輝はそんなデビッドの失言に対し感情的にならず率直な意見を述べる。
光輝「・・・あなた方は今回の魔物掃討作戦で一体何を見ていたのでしょうか?愚者の末裔とあなた方が見下したその亜人共もこの町を守る為に必死に戦っていたと思いますが・・・その間あなた方は何をしていたのですか?本来騎士は、民を守る事こそが本分のはず・・・その騎士が守られる側に立っていたというのは、騎士的にはどうなんでしょうね?」
デビッド「そ・・・それは・・・。」
光輝「別に俺はあなた方の差別思想をどうこうする気はありませんが・・・民族間の些細な違いで誹謗中傷を述べる暇がおありでしたら自分達の行いを省みてはいかがでしょう?信じられる仲間も自分で決めますのでどうぞお構いなく。亜人を仲間に引き連れただけで汚れる勇者の名誉とやらはおしっこでも引っかけてポイ捨てします。」
デビッド「な・・・何をおっしゃいますか!!それでも勇者の自覚がおありか・・・!お前達もお前達だ!!勇者殿に汚名を着せたくなければ即刻立ち去れ!!獣風情共が!」
光輝の言葉に全く耳を傾けず、愛も変わらず亜人であるユエとシアを敵視し続け、勇者パーティから外れろと訴えるデビッド。これ以上の言葉は無意味と判断した光輝はため息をつき、ハジメ達と共にこの場を早く去ろうと動こうとするが、その前に優花がデビッドに対し抗議をしようと前に出る。ハジメはこれ以上のゴタゴタはまずいと判断し優花を制止する。
優花「ちょっとあんた好い加減に・・・!」
ハジメ「よせ園部。」
優花「だって南雲・・・。」
光輝「言って分かんないなら放っておけばいいよ。それで困るのは当人たちなんだからさ。」
ティオ「じゃのう・・・ここは、妾達が大人になって引き下がろうではないか。」
優花「・・・。・・・そう・・・だね。」
デビッド「おい待て!!無視するな!!まだ話は終わってない!!勇者殿、考えを改める気が無いなら無理にでもその汚らわしい獣共を引きはがし・・・!」
愛子「デビッドさん・・・。」
デビッド「なんだ愛子!俺は今この若い勇者に勇者としての在り方を説いて・・・。」
デビッドが何かを言いかけた瞬間、愛子はバチィンンンン!!と力強い音が鳴るレベルの平手打ちをデビッドに炸裂させデビッドに尻餅を付かせる。何が何だか分からないデビッドは殴られた頬を抑えながら、愛子を確認すると普段からは考えられない鬼の形相でデビッドを睨みつけながら怒声を上げる。
愛子「何が勇者としての在り方ですか!!!自分達は安全な場所で待機して女子供を戦いの場に駆り出しておいて、あまつさえその子達に対して侮辱を止めない!!!そんなあなたが人に対してお説教する資格があると思っているのですか!!!!レストランの時での侮辱といい・・・今自分がどれだけ格好悪い事をしているのかちゃんと自覚しているのですか!!!恥を知りなさい!!!!ましてウサ耳の子は敵の攻撃から私を救ってくれた命の恩人なのですよ!!!これ以上あの子達を侮辱するなら、今後あなた方の護衛は一切受けません!!!!どうぞお引き取り下さい!!!」
デビッド「・・・!」
優花「先生・・・。」
愛子の毅然とした態度に黙りこくるデビッド。それまでどこか頼りなく怒るにしてもそこまで怖くなかった愛子だったが今回は違う。女神から鬼へと変わった瞬間である。デビッドは普段と打って変った愛子に対して脅える部下の騎士達を引き連れてその場からすごすごと立ち去るのであった。そんな愛子に対して、生徒達は”かっこいい!!愛ちゃん先生!!””スカッとしたぜ!!”と言った賛嘆の声が沸き上がる。優花はそんな愛子を見て、最早自分達の護衛はいらないのかもしれないと悟り安心した表情になる。
愛子「ごめんなさい皆さん・・・お見苦しい所を見せてしまいましたね。」
ハジメ「・・・クックック!!!やるじゃねぇか!先生!」
シア「かっこよかったです!」
ユエ「愛子・・・グッジョブ。」
光輝「先生・・・。」
愛子「性根が捻じ曲がった人間には言葉よりも時には愛のムチが必要になる時もあります・・・これも教師にとっては大事な事・・・天之川君から教わった事ですよ。」
光輝「・・・はい!」
シア「光輝さんも、さっきはありがとうございます。」
ユエ「光輝・・・胸がスッとした。」
光輝「別に感謝する必要はないよ。当たり前の事しか言ってないしね。」
生徒の言葉に触れて一皮剥けた愛子の頼もしさに再び笑顔を漏らす光輝。そしてウルの町から少し離れた場所にて、一同は人目に触れない近隣の雑木林で再来の腕輪を使ったフューレンまでのワープの準備に入る。
光輝「それじゃ、園部を案内したらギルドに立ち寄るよ。」
ハジメ「おぉ、また後でな。」
光輝「じゃ、行こうか。」
優花「うん。」
ハジメ「・・・。・・・園部。」
優花「!」
ハジメ「さっきはユエ達の為に怒ってくれて・・・ありがとうな。」
優花「////!!!・・・嫌・・・別にあの時はただカッとなっただけであって・・・////」
香織「あ、ごめんね優花ちゃん。お話も良いけどそろそろ行かないと・・・ね?」
優花「あ・・・そうだよね・・・でも・・・。」
香織「ね?(イイフンイキニナッテルミタイダケド・・・ワタシノメガクロイウチハサセナイヨ?)」
優花「うん・・・じゃあ、またね。(え・・・笑顔が怖い・・・下手に逆らわない方が良いかも・・・。)」
雫「優花・・・頑張って。」
龍太郎「期待してるぜ!」
優花「うん!(ようし・・・やってやる!!一週間でレベル50以上!!)」
ハジメの優しい言葉と微笑に優花は思わず顔をトマトの如く赤く染めてしまう。普段は滅多に見られないハジメの緩んだ表情というレアシチュエーションにユエを含むハジメ大好き組はその様子にギリギリと歯ぎしりする。当然そんな甘い空気は許すまじと阻んだのは香織であり、無理矢理に優花とハジメの間に割って入ると強制的に会話を終了させ、黒いオーラを滲み出しながら優花に無言で訴える。最後に雫・龍太郎から応援の言葉を貰い、今度こそ優花は光輝と共にオスカーの隠れ家へとワープするのであった。新たな仲間、園部優花が加わる事への期待を胸に秘め、一同は今日も前に進む。
頑張れ優花!根性見せろ!
ハジメに気のある園部優花はウルの町での騒動以降、ハジメ達の仲間として付いて行く
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賛成
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反対