宿屋の一室にてミュウは光輝達に囲まれながら目を丸くする。光輝はミュウの今後の事について既にギルドに話自体は通していたため一通りの説明を全員にする。それはギルドに預かって貰い、正規の手続きでエリセンに送還する、もしくはギルドの正式な依頼の体で光輝達に預けて送還する二つに一つであった。ミュウはその話を聞いた途端にビクッとこわばる。
光輝「どうする?ハジメ・・・。」
シア「ハジメさん・・・私、絶対この子を守ってみせます。だから、一緒に・・・お願いします!!」
シアが、ハジメに頭を下げる。どうしても、ミュウが家に帰るまで一緒にいたいようだ。その他全員もあとはハジメの判断に任せる空気となったようで沈黙したままハジメに注目していた。
ハジメ「・・・フゥ・・・・。・・・まぁ、最初からそうするつもりで助けたからな・・・お前らにも色々協力して貰ったし・・・ここまで情を抱かせておいて、はいさよならなんて真似は流石にしねぇよ・・・。」
シア「ハジメさん!」
ミュウ「お兄ちゃん!」
満面の笑みで喜びを表にするシアとミュウ。”【海上の都市エリセン】に行く前に【大火山】の大迷宮を攻略しなければならないが大丈夫か?”と光輝はハジメにぼそりと言うが、ハジメは”まぁ、何とかするさ。いざとなればテレポートでオスカーの隠れ家へ避難させる”と光輝に言い聞かせミュウの同行を許す。
ハジメ「ただな、ミュウ。そのお兄ちゃんってのは止めてくれないか?普通にハジメでいい。何というかむず痒いんだよ、その呼び方・・・。」
龍太郎「そうだな。俺達も居るし名前呼びの方が紛らわしくならないだろうぜ。」
ハジメの提案により、一同はミュウに対して一通り自己紹介を始める。名前呼びの下にお兄ちゃん、お姉ちゃんで落ち着くかに思えたが・・・ハジメに対してミュウは衝撃的な呼び方をし始め、その直後全員が呆気にとられたように声を出す。
ミュウ「・・・パパ」
「・・・・エ!?」
ハジメ「・・・な、何だって? 悪い、ミュウ。よく聞こえなかったんだ。もう一度頼む・・・。」
ミュウ「パパ」
ハジメ「・・・そ、それはあれか?海人族の言葉で”お兄ちゃんとか”ハジメ”という意味か?」
ミュウ「ううん。パパはパパなの」
ハジメ「うん、ちょっと待とうか」
香織「えっと・・・ミュウちゃん?・・・なんでハジメ君がパパなの?」
ミュウ「ミュウね、パパいないの・・・ミュウが生まれる前に神様のところにいっちゃったの・・・キーちゃんにもルーちゃんにもミーちゃんにもいるのにミュウにはいないの・・・だからお兄ちゃんがパパなの。」
ハジメ「何となくわかったが・・・。ミュウ。頼むからパパは勘弁してくれ。俺は、まだ十七なんだぞ?」
雫「十七でパパになった高校生も稀にいるらしいわよ?出来婚で。」
光輝「あぁニュースでよくやってたね。」
ハジメ「るせぇ!外野はすっこんでろ!」
ミュウ「やっ、パパなの!」
ハジメ「わかった。もうお兄ちゃんでいい!贅沢はいわないからパパは止めてくれ!」
ミュウ「やっーー!!パパはミュウのパパなのー!」
その後、あの手この手でミュウの”パパ”を撤回させようと試みるが、ミュウ的にお兄ちゃんよりしっくり来たようで意外なほどの強情さを見せたため、結局撤回には至らなかった。このやり取りを経て、その様子を見ていた香織はある事を思いつく。
香織「(待てよ・・・これはチャンス!!!もしここで私がミュウからママ呼ばわりされる事になれば・・・。)」
「ミュウ!ご飯よ!」
「わーい!ママのご飯美味しいから好きなのー!パパー!ごはんなのー!」
「分かった分かった・・・ママの料理は世界一だからなぁ。」
「やだもうパパったら・・・うふふ!!」
香織「(こんな展開が自然になり・・・やがて自然と夫婦に・・・フフ!ウフフフフ!)」
龍太郎「ボソ(すっげぇニヤケてやがる・・・)」
雫「ボソ(どんな妄想抱いてるのかしら・・・香織)」
光輝「ボソ(まぁ大体予想はつくけど・・・。)」
香織「(よし!そうと決まったら!)ねぇミュウちゃん!」
ミュウ「?」
早速ミュウに自分をママ呼ばわりさせるべくお姉ちゃん達の中でママは誰と聞くが、”ママ”は本物のママしかダメらしく中々折れないミュウ。しかし香織は諦めなかった。
香織「でもねミュウちゃん・・・もしも・・・もしもだよ!このお姉ちゃん達の中でパパに相応しいママが居るのだとしたら・・・誰になるかなぁ?パパが居るなら必ず・・・必ず!!一時だけでもママが必要になると思うの!!分かるでしょ?」
ミュウ「んん~・・・。」
ハジメ「(なに子供相手にマジになってんだこいつ・・・。)」
香織「じゃ、じゃあ!直感で決めて!ミュウちゃんにとってママに近い存在!この中に居るとしたら・・・さぁ!誰!!!」
下心見え見えの香織の要望に流石にユエ達も香織が何を考えているかは分かり切っていたが、ここでミュウに誰がママ呼ばわりされるかでハジメとの距離がグンと近づく事も知っていた為敢えて香織の動向を止めずにいた。特にシアはミュウとはかなり交流を深めていた為一番可能性が高い事から内心かなり期待を膨らませていた。そして・・・ミュウは考えに考え込み・・・ようやく答えを言う。
ミュウ「じゃあねぇ・・・この中からミュウのママなのは~・・・。」
香織「(私!!)」
ティオ「(妾じゃ!)」
ユエ「(私・・・!!)」
シア「(私です!!)」
ミュウ「・・・・ミュウのママは・・・・光輝お兄ちゃん!!」
「・・・・・・・・・・。・・・・・・・え!?」
光輝「・・・・。・・・・・ん?・・・・俺?」
「えぇええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!???」
光輝の服のすそを掴みながら発言したミュウの爆弾発言に対し、爆発するかのように驚きの声を上げる一同。当然理由を聞いた一同は、自分の為に可愛らしい髪留めを作ってくれたり、話してくれる姿勢や優しさがママとそっくりだったという理由からである。その理由を聞いてどこか納得していた雫はにやけながら、”よろしくね!ママ!”っと言わんばかりに光輝の肩をポンっと叩き任せる流れを作ってしまう。ユエ達はミュウと光輝との交流自体も予めミュウから聞いて知っていた為、仕方がないと言った表情で光輝に任せる流れにした。光輝は苦笑いしながらミュウに語りかける。
光輝「えっとぉ・・・ミュウ・・・本当に俺がママで良いの?俺男だよ?」
ミュウ「うん!光輝お兄ちゃんがママが良いの!!」
雫「問題ないわよ。アニメにだって男キャラでもオカン呼ばわりされてる子が居るって光輝が私に教えてくれたじゃない・・・それと一緒よ。」
光輝「妙なところでアニメに詳しかったりするよね雫は・・・。」
ハジメ「・・・ま、お前が良いなら良いんじゃねぇの?」
光輝「じゃあ・・・。」
香織「だめぇえええええええええええええ!!!!!」
雫「か・・・香織・・・。」
香織「何故!?何故なの!?ここは私がママと呼ばれる事になり、その後ハジメ君ことパパとミュウと一緒に仲良くお夕飯を食べながら家族関係を作り自然な流れで夫婦になる!!そういう流れじゃないのぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
雫「ミュウは香織とはほぼ初対面なんだから、その発想はちょっとおかしいわよ・・・。」
光輝「香織・・・流石にそのビジョンはご都合主義過ぎるような・・・。」
自分が頭の中で立てた流れにならなかったことに頭を抱え目を血走らせながら大いに苦悩する香織。更に光輝からご都合主義呼ばわりされた瞬間、目のハイライトが消えた香織が光輝の首を両手で締め上げ持ち上げ始める。
光輝「グエエエエ・・・何をするんだぁ~」
香織「なんでかなぁ・・・自分でもよく分からないんだけど光輝君からご都合主義呼ばわりされた瞬間に怒気が膨れ上がっちゃったんだよねぇ・・・お前が言うかぁ!!・・・って感じでさぁ~。」
光輝「何それ!?意味が分からないよ!俺がいつご都合主義な発言したのぉ~・・・!」
雫「香織!落ち着きなさいってば!」
香織「溢れ出る殺気と怒気が収まらないよぉ~・・・溢れ出ちゃうよぉ~・・・」
龍太郎「香織!しっかりしろ!」
訳の分からない因縁をつけられなおも光輝の首を持ち上げる香織。ミュウに静止させられようやく止めるも、なおも香織の嫉妬心は燃え上がっていた。こうして、勇者と魔王・・・二人の娘?が誕生した瞬間を迎えるのであった。
あ・・・ありのままに書きました。決して腐ではありません!えぇ!腐ではないですとも!!!
ハジメに気のある園部優花はウルの町での騒動以降、ハジメ達の仲間として付いて行く
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賛成
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反対