ありふれた職業と選ばれた勇者で世界最強   作:わったさん

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ようやくあの子が参戦!


新メンバー参戦!

光輝「ハジメ・・・時間だ。」

ハジメ「あぁ・・・行くか。」

 

身支度を整え、雫達に後の事は任せて二人は外出する。ギルドに向かい、以前捕虜としてキープしていたフリートホーフの残党を連れ、フューレンの外へと向かい始める。残党は”何処へ連れて行く気だ?”と質問するが、二人は口を揃えて”黙れ”と言うだけで質問に答えようとはしなかった。彼等の向かう先・・・それは、オスカーの隠れ家であった。隠れ家の外には既に優花が二人を待っていた。

 

優花「・・・来たね・・・二人とも・・・。」

光輝「約束の期日だ・・・。」

ハジメ「見せて貰おうか・・・お前の成果・・・。」

優花「?・・・その人誰?」

光輝「後で話すよ。ステータスプレートを確認させて。」

優花「うん。」

 

恐る恐る優花は自分が一週間鍛えに鍛えた成果を二人に見せる。ステータスプレートを見た二人は、自分達が想定した以上の優花の成果に内心驚愕する。

 

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園部優花 17歳 女 レベル:70 + 20

天職:投擲師、料理人(天職追加)

筋力:650

体力:750

耐性:650

敏捷:900

魔力:550

魔耐:600

 

技能:投擲術[+攻撃スピード上昇] [+投擲ナイフ本数増加] [+集中力強化] [+精密投擲強化]・気配感知・言語理解・縮地・調理[+攻撃力強化作用追加][+防御力強化作用追加][+異常耐性強化作用追加][+魔法力強化作用追加]

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ハジメ「(この短期間でこのレベルにまで持ってくとは予想外だったぜ・・・。)」

光輝「(レベルは勿論だけど一番の注目点は天職が追加されている事だ・・・。俺や雫達でも天職が追加されるかクラスアップするのに3 ~ 4週間かかったのに・・・これは、思ってた以上の逸材かもしれない・・・!)」

優花「どう・・・かな?」

ハジメ「(おっと・・・ここで甘い顔をするのはまだ早い・・・。)」

光輝「よし・・・一次テストは合格だよ。ハジメも良いね?」

ハジメ「あぁ。」

優花「よっし!!!!」

ハジメ「次は最終テストだ・・・だが、こいつが問題だ・・・。」

優花「・・・そのテスト・・・当てても・・・良い?」

光輝「!」

優花「・・・人殺しの・・・テストでしょ?」

光輝「・・・そうだ。・・・今連れてきたあの男は、フリートホーフと呼ばれるならず者集団の一人だ。こいつは罪の無い子供を攫っては、オークションで馬鹿な金持ちに売り飛ばして多額の金儲けをしていた救いようのないクズ・・・この世に居ちゃいけない人間だ。」

「お・・俺はただの末端構成員だよ!・・・だから・・・。」

ハジメ「あ?」

「ひぃ!」

光輝「フリートホーフはもう俺達の手で壊滅したが、こいつは今日この日の為だけに生かして置いた。園部・・・この男を殺せ・・・それが最終テストだ。」

優花「・・・。(このテストが来る事は分かってたことだ・・・いくら実力をつけても・・・その場で敵を殺せなきゃ・・・何も意味を成さない。・・・でも・・・恐い・・・。恐いよ・・・けど・・・。)」

ハジメ「?」

“お前は死なねぇよ・・・根性があるからな”

優花「(南雲・・・あんたの言葉で、無限に勇気が沸いてくる!!)・・・良いよ。分かった・・・!」

 

投擲用のナイフを手に持ち、覚悟を決めた優花の眼差しを見て光輝はフリートホーフの男を解放する。男は逃げようにも逃げられない状況に頭はパニック状態であった。唯一の生き残る道・・・それは目の前に居る少女を人質にこの場から脱出する事であった。相手は子供の女・・・力ではこちらが勝っているとそう判断した男は考え無しに突っ込み強引に優花に襲い掛かる。優花は襲い来る男の行動に異様な違和感を覚えた。襲ってくるはずの男のスピードが異常に遅く感じたのだった。

 

「ヒァアアアアアアアアアアアア!!」

優花「(おっそ!!!何こいつ・・・ふざけてんの・・・動画のスローモーション見てるみたい・・・。・・・首の頸動脈がガラ空き・・・よし!)」

 

そのまま流れるようにゆっくりと男の突進をかわし”ッピ!!”っと何かを切ったような鋭い音を鳴らしながら男の後ろを通り過ぎる。その瞬間、男の頸動脈から異常な血が勢いよく吹き出し、悲鳴を上げながらその場でのた打ち回り始めるのであった。今の優花の実力は桁外れに上がっており、最早その辺に居るチンピラ程度では象と蟻レベルに力の差が歴然であった。

 

光輝「(速い・・・集中力が桁違いだ・・・。)」

ハジメ「(攻撃のねらい目も良い・・・取り回しの効くナイフを上手く使った実に効率の良い殺し方だ。暗殺にも向いてるかもしれねぇな。)」

「ヒギィイイイイ!!アヒィ・・・・た・・・助け・・・!」

優花「・・・我が小さき僕たちよ・・・群れと成し刻み込め・・・無頼刃!」

 

一本のナイフを使い、目の前に円形の魔方陣を描く優花。魔法陣にナイフを投げた瞬間、魔法陣を通り過ぎたナイフは一本から百本の投擲ナイフへといつの間にか数が増え、そのまま男に向かって襲い掛かる。投げられた百本のナイフはそのまま全てグサリ!グサリ!と男に命中、出血多量で死ぬ前に男は完全に絶命、優花は最後の試験に見事合格するのであった。初めての人殺しをした余韻が残っているのか、優花は深呼吸して心を落ち着かせていた。そんな優花の傍にハジメが近寄る。

 

優花「・・・スゥウウウ~・・・ハァアアアア~・・・」

ハジメ「・・・どうだ?・・・俺達は、こんな毎日を当たり前のように続けていくつもりだ・・・試験には合格したが、最終的に俺達に参加するかどうかの決断は改めてお前に任せたい。俺達としては園部の実力を高く評価している・・・一緒に・・・来るか?」

優花「・・・。・・・行く・・・行くよ・・・!・・・自分で、決めた道なんだ・・・!!」

ハジメ「・・・ッフ・・・そうか。・・・やっぱ・・・根性あるな・・・お前・・・。」

優花「・・・!」

 

ハジメの温かな笑顔を見て、張り詰めた緊張が揺らいだ優花はハジメに対し何とも愛おしい気持ちが抑えきれずそのままハジメの首に抱きつきキスをする。その思いがけない行動に目を丸くしてしまったハジメ、何とかしろと光輝を流し目で見ようとするが縮地を使い死体を連れ、”スッタカター!後はごゆっくりどうぞ~!”っと言い、死体を担いでどこかへ捨てに隠れ家を一瞬だけ後にする。

 

ハジメ「・・・園部、お前・・・。」

優花「・・・好きです・・・あんたが好きだ・・・。」

ハジメ「!」

優花「・・・だから・・・コレぐらい許してよ・・・頑張ったご褒美にさ・・・。」

ハジメ「・・・けどなぁ・・・」

優花「・・・他に好意を持たれてる子が居る事ぐらい分かってる・・・でも、関係ないから・・・今は違うけど・・・あんたを振り向かせる・・・絶対に・・・!」

ハジメ「(根性ありすぎだぜ・・・ったくよぉ・・・。)」

 

死体を隠れ家の外に捨てた光輝は、巨人の星に登場する星明子よろしくの如く木の後ろに隠れながらハジメと優花の二人だけの甘い空間の様子を見守る。優花のハジメに対する恋心は分かっていたが、まさかここまで大胆にやってくるとは思わなかったからだ。

 

光輝「(あいつto loveるのハーレムでも目指してんのかよ・・・香織が居なくてよかったぁ・・・)」

 

こうして、園部優花の加入は決定した。ハジメと光輝は優花を引き連れて宿屋に戻り早速メンバーに優花を紹介し始める。時刻は既に夕刻を回っていた。

 

光輝「・・・っというわけで新メンバーとして園部優花さんが加入しました。」

優花「園部優花です。よろしく!」

 

全員がパチパチと拍手して新メンバーの加入を称える中、何故か素直に喜べない女子が約一名居た・・・そう・・・彼女だ・・・

 

香織「・・・。」

雫「どうしたの?ブーたれた顔して・・・。」

香織「別に。(優花ちゃん・・・ハジメ君にご執心だとは思ったけど・・・またしても新たな宿敵出現・・・!)」

優花「あっと・・・祝いって訳じゃないけど、私をこのパーティに入れてくれたお礼に今日の夕飯は私に作らせてくれないかな?」

ハジメ「おぉそうか。作ってみてくれよ。俺も興味あるんだ。」

香織「!!!???(興味ある!?この短時間の間に何が!?)」

ユエ「優花の作る料理は美味しいの?」

ハジメ「こいつの天職に料理人って天職があってな・・・気になってたんだよ・・・な?」

光輝「そうだね。園部の新天職を見れるいい機会だ。」

優花「うん、任せて。」

香織「(なるほど・・・天職に料理人があるわけね・・・。・・・・意地悪の一つでも言って嫌がらせしてやろうかな~・・・)」

龍太郎「ボソ(おいあれ・・・。)」

雫「ボソ(言わないで・・・。)」

 

香織のどす黒いオーラに気付きながらも気付かないふりをする二名。優花は宿屋の調理場を借り、プロ級の腕前を披露しながら次々と料理を作りあげる。調理開始から15分、食堂に訪れた一同の前に、和洋中の料理がテーブルの上にズラリと並べられていたのであった。

 

優花「はい、完成!」

ティオ「ぉおおおおお!」

ミュウ「おいしそうなの~・・・。」

光輝「じゃあ皆さん・・・手を合わせてぇ・・・!!」

「いただきま~す!!!」

 

お腹が空いていた一同は優花の作った料理を一斉に食べ始める。その瞬間、その美味しさのオーラに当てられたのか、全員が昇天するかのようなヘブン顔で料理に舌鼓を打ち始めたのであった。

 

龍太郎「(う・・・うめぇ!!噛んだ瞬間に肉汁が口いっぱいに広がって旨みが無限に広がってきやがる・・・!)」

雫「(野菜の新鮮な瑞々しさが噛むほどに行き渡る・・・食感がシャキシャキとして実に活き活きしてるわ・・・!)」

香織「(お・・・美味しい・・・!悔しい・・・けど・・・鳥肌が立つぐらいに美味しいよぉ・・・!!)」

優花「・・・ど・・・どうかな?皆・・・。」

ユエ「美味しすぎる・・・!」

ミュウ「ハグハグ!!」

シア「ほらほら、ミュウちゃん・・・口が汚れちゃいますよ?・・・とってもおいしいです!!」

ティオ「見事じゃ!」

ハジメ「こりゃうめぇ・・・!!」

優花「!////・・・そ・・・そう?良かった・・・////」

光輝「味も良いけど・・・なんだろう・・・力が沸いてくる感じがするんだよね。」

優花「天之川、ステータスプレートを確認してみて。」

光輝「!・・・これは・・・攻撃力の数値が40%増しになってる・・・!」

優花「食事を通して皆のステータスに補正を加える・・・今作った料理には攻撃力を高める効果があるんだ。これが私の天職”料理人”の能力だよ。この効果は丸一日持つから、結構役立つと思う。」

光輝「うーん成程。保存食を作ればその場で自分達の戦力を一時的にアップする事も可能と言うわけか。」

ハジメ「メシもうめぇし、こりゃ士気にも大きく影響するな・・・・園部、お前戦力だけじゃなくて良い嫁にもなれるな!」

ピシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーンンンン!!!

 

ハジメの爆弾発言にハジメラヴァーズが衝撃を受けそのままゾンビのようにゆらゆらと立ち尽くす。光輝達は顔を青くしながらその様子を黙って見守るしかなかった。唯一ミュウだけはキョトンとした表情で周囲をじっと見ていた。

 

光輝「ミュウ、おいで・・・ママの膝の上で食べようか。」

ミュウ「うん!」

香織「(よ・・・・よ・・・め?)」

ユエ「(嫁・・・。)」

ティオ「(嫁・・・?)」

シア「(嫁・・・。)」

 

「あなた?美味しい?」

「うん、優花の作る料理は最高だ・・・デザートはあるかな?」

「うふふ・・・デザートは・・・わ・た・し♪寝る前は、デザートに私をた・べ・て♪」

 

ユエ「(夕食をそのまま二人で美味しく食べて・・・。)」

シア「(甘い時間が続き・・・そのまま・・・。)」

ティオ「(必然的に・・・二人は・・・夜のぉ・・・。)」

 

香織「ランデブゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

ハジメ「!?」

香織「ハジメ君!!明日からは私も料理作るから!!だから一旦落ち着こう!!ね!?ね!?ね!?ね!?」

ユエ「抜け駆けは駄目・・・私が作る・・・!」

シア「いえいえ!私が・・・!!」

ティオ「ご主人様!!妾の料理を食べた後は夜のご奉仕を~!!」

ハジメ「な・・・何だ急に・・・。」

優花「(私・・・絶対に振り向かせるからね・・・!)」

 

優花とハジメの新婚生活を想像してしまったハジメラヴァーズの暴走にハジメはたじろぎ後ずさりする。そんなハジメの状況を差し置いて光輝はミュウと共に料理を堪能していた。

 

龍太郎「どうすんだ・・・また始めやがったよ・・・。」

光輝「モグ・・・食べてからにしようよ・・・料理冷めちゃうし・・・。」

雫「そうね・・・今は食べましょう。ミュウ。このアップルパイも食べてみる?」

ミュウ「食べるの~!」

 

いろんな意味で嵐を呼ぶ新メンバーの加入によって、パーティは更ににぎやかになりそうであった。園部優花が仲間になった!!!




ハジメの嫁は誰に!?

ハジメに気のある園部優花はウルの町での騒動以降、ハジメ達の仲間として付いて行く

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