ありふれた職業と選ばれた勇者で世界最強   作:わったさん

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すごくお久しぶりです。色々と仕事やら出張やらが重なり全然進めず誠に申し訳ない限りです。私の小説に対して待っていてくれた読者の方々には本当に感謝しております。スロースターターではありますが、続けさせていただきます。短いですがどうぞ。


脱出、そして・・・

周囲のマグマの海は、既に、まるでハリケーンの勢力圏に入った海のように荒れ狂い、噴き上がるマグマ柱はその数を次々と増やしている。ハジメ達の足場も端からマグマが流れ込みだした。まるで終末世界のような光景である。敵が完全に居なくなったことを確信したハジメは即座にティオに自分達を乗せて上空へと避難させるように指示する。光輝はマグマで埋め尽くされるその様子を冷静に観察し、懐から一つの瓶を取り出す。

 

ハジメ「光輝!時間がねぇ!お前はティオと一緒に脱出・・・。」

光輝「(あの魔人族の気配は完全に消えたな・・・よし・・・。)大丈夫、時間は十分稼げるから。」

ポチョン・・・ビキキキキキキキキキキキキ!!!

ハジメ「・・・・・・・は?」

 

一瞬呆気にとられるハジメ。同じようにティオたちもその光景を見て目を丸くする。そう、光輝が懐から出した瓶の蓋を開けマグマに垂らした瞬間、マグマがみるみると固まり、わずか数秒で辺り一面のマグマを火山岩へと変貌させる。そう、光輝は次の試練がグリューエン大火山だということを知ってから、この試練ではおそらくマグマと言った熱い物質に悩まされると見越し、ランスロットを作る片手間にマグマを固形化する溶液を予め錬成していたのだった。ランスロットを解除した光輝は地上に降り立ち、完全にマグマが固まったことを確認したあと全員を呼び戻す。一同はこの芸当にそろって呆気にとられていた。

 

光輝「ハジメ、怪我は大丈夫?」

ハジメ「あ・・・あぁ・・・なんとかな。」

光輝「溶液の効果は1日もつ。先を急ごう・・・。・・・何?」

ユエ「みんな光輝の活躍にビックリしてる・・・。」

シア「あは・・・ははは!!すごい!!すごいです!!」

優花「ほんと・・・もうだめかと思った・・・ありがとう、助かったよ。」

光輝「たいしたことじゃない。みんなの頑張りにほんの少し手を貸しただけだよ。それよりも先を急ごう、ハジメの怪我も心配だ。」

ティオ「そうじゃの。」

 

マグマのほとんどが流れたせいか、中央の島には、最初に見たマグマのドームはなくなっていて、代わりに漆黒の建造物がその姿を見せていた。その傍らには、地面から数センチほど浮遊している円盤がある。漆黒の建造物へと近づくと、一見、扉などない唯の長方体に見えるが、壁の一部に毎度お馴染みの七大迷宮を示す文様が刻まれている場所があった。ハジメ達が、その前に立つと、スっと音もなく壁がスライドし、中に入ることが出来た。

 

ユエ「ハジメ、あれ」

ハジメ「魔法陣か。」

光輝「歩けるか?」

ハジメ「何とかな・・・。」

 

自分の肩を貸してハジメを支えていた光輝はそこから一人離れ、その先にある神代魔法の魔法陣へとハジメ達は踏み込んだ。オルクス大迷宮の時と同じように、記憶が勝手に溢れ出し迷宮攻略の軌跡が脳内を駆け巡る。そして、マグマ蛇を全て討伐したところで攻略を認められたようで、脳内に直接、神代魔法が刻み込まれていった。

 

優花「これが・・・神代魔法・・・。」

ハジメ「これは、空間操作の魔法か。」

シア「ああ、あのいきなり背後に現れたやつですね。」

ティオ「あやつが使ってた魔法の正体がこれか・・・。」

 

どうやら、グリューエン大火山における神代魔法は〝空間魔法〟らしい。また、とんでもないものに干渉できる魔法だ。相変わらず神代の魔法はぶっ飛んでいる。

 

優花「天之河、あんたも魔方陣に入ってみたら?」

光輝「え?でも俺は途中参加だし・・・認められるとは思えないけどな・・・。」

ハジメ「ダメ元だ。入ってみろよ。」

光輝「・・・うん、分かった。」

 

周りに勧められ、魔方陣の中に入る。光輝本人は途中参加と言うことで貰えないだろうと思っていたが、ハジメ達同様、脳内に直接、神代魔法が刻み込まれ、プレートにもしっかりと記載されていることを確認する。おそらくではあるが、グリューエン大火山のマグマを固め仲間の窮地を救った功績、なおかつフリードとその仲間の竜を圧倒した実力を認めたが故の結果だと一同は推測する。

 

光輝「なんだか反則っぽい気もするけど、貰えるものは貰っておいて損はないかな。もうけたよ。」

ティオ「おぬしの活躍は皆が認めておる。反則でもなんでもない。」

ハジメ「あぁ、これは当然の結果だ。」

 

光輝が、空間魔法を修得し、魔法陣の輝きが収まっていくと同時に、カコンと音を立てて壁の一部が開き、更に正面の壁に輝く文字が浮き出始めた。

 

〝人の未来が 自由な意思のもとにあらんことを 切に願う〟

 

                          〝ナイズ・グリューエン〟

 

ハジメ「シンプルだな・・・。」

シア「ナイズさんは、魔法以外、何も残さなかったみたいですね」

光輝「そういえば、オスカーの手記に、ナイズってやつも出てたね。すごく寡黙な人だったみたいだけど・・・。」

 

ハジメを支える役をシア一人に任せて、ユエは、拳サイズの開いた壁のところに行き、中に入っていたペンダントを取り出した。今まで手に入れた証と少々趣が異なる意匠を凝らしたサークル状のペンダントだ。それを、そっとハジメの首にかける。

 

光輝「よし、これで完了だな。あとは、脱出だけだ。」

 

こうしてグリューエン大火山でのやるべきことを終えた一同は再来の腕輪を使い即座にアンカジの街へと戻るのであった。大量に仕入れた静因石、そして龍太郎と香織の活躍のおかげで患者達のほとんどが回復し、依頼はほぼほぼ完了したのだった。安全が確立されたことを雫達にも伝え、雫とミュウもアンカジの街にてハジメ達の帰りを出迎える。ハジメパパがボロボロなことに泣きべそをかくミュウだったが、”ハジメパパの娘は、そう簡単に泣いたりしない。ミュウがそんな泣き虫だと、パパに笑われちゃうよ?”と光輝ママに言われて、ほっぺをプクッと膨らませながら懸命に泣くのを堪えるということがあった。そして、激戦をくぐり抜けたユエ達がその疲れを癒やすように深い眠りについた夜のことだった。

 

ハジメ「・・・。」

香織「傷はどう?・・・ハジメ君・・・。」

ハジメ「悪くねぇよ・・・。光輝が助っ人に来なけりゃ、もっとやばかったかもな。白崎も・・・疲れてるところで俺の治療を夜遅くまで頼んじまって、悪かったな。」

香織「そんなこと気にしないで・・・ハジメ君が無事で居続けてくれるなら私・・・何も苦しくなんかないから・・・。」

 

ハジメの無事を心から喜ぶようにハジメの身体を優しく抱きしめる香織。ハジメはバツが悪そうにまたしても頭をポリポリかきながら香織に抱きしめられながらただ立ち尽くす。一向に進展しないその様子を陰で見守っていたのはまたしてもいつもの三人組であった。

 

雫「(こんの意気地なしの腰抜け!何も進歩してないじゃないの!!)」

龍太郎「(香織も頑張ったんだからよぉ・・・ちったぁ応えてやれやぁ・・・根性が足りねぇんだよ・・・!!!)」

光輝「(ほんっと・・・ふにゃちん野郎だねぇ。見た目がナイスガイに変わってもアソコだけはふにゃちん野郎だねぇ。)」

ハジメ「(だから、聞こえてんだよてめぇら・・・。)」

 

ハジメに対し念話で悪態をつきながら歯ぎしりする雫と龍太郎、そしてファックユーサインを送る光輝を見てハジメは念話で突っ込みを入れる。こうしていつものやりとりを最後に夜を終えた一同。そして・・・次なる目的地であるエリセンへと一同はめざし進むのであった。




ミュウとのしばしの別れ・・・はたして・・・

ハジメに気のある園部優花はウルの町での騒動以降、ハジメ達の仲間として付いて行く

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