海神絶唱シンフォギア~海の化身と装者たち~   作:サミン

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ついに翼とアグルが本格的に激突!

そして、ガイア本編でもあったあの現象が……


ただ、タイトルの割には後半はほのぼのしてます。でも、ラストはかなり不吉な予感を思わせるシーンが……


15話 翼対ウルトラマン

『人間と戦うのは心苦しいが、そっちがその気なら―――こちらも敢えて力でお灸を据えてやろう』

 

「そんな余裕ぶっていられるのも今のうちだ……必ず貴様を捕まえる!」

 

お互いに睨み合い、構えを取る両者。すると、ウルトラマンは構えを解いたと思ったら右手を伸ばした。そして、ウルトラマンの右手からスラッシュが放たれた。

 

「ッ!」

 

翼は一瞬驚愕するも、すぐさま刀でスラッシュを斬り裂いた。

 

『……』

 

それを見たウルトラマンは、続けて何発ものスラッシュを放つ。翼は決して怯むことなく、次々と放たれるスラッシュを全て斬り裂いていく。

 

『デアッ!』

 

すると今度は、ウルトラマンは左手からスラッシュを3発ほど、翼の足元めがけて放った。翼はかろうじて避けるが、地面に当たったスラッシュが爆発したことで煙が舞った。

 

「くっ……!」

 

視界を遮られたことで、翼は後ろの方へ後退る。しかし、ウルトラマンはそれを見越していたのか、上空からキックを繰り出してきた。翼は反応が遅れるも、かろうじてウルトラマンのキックを避ける。

 

「次はこちらから参る……!はぁ!」

 

キックを避けた翼は、着地したウルトラマンの隙を突こうと距離を詰め、斬りかかる。だが、ウルトラマンはそれをも見越していたのか、翼が距離を詰めてきたと同時に既にブレードを出しており、それで翼の斬撃を防ぐ。そして振り払い、翼との距離を置く。

 

「せいっ!」

 

それでも、翼は再び距離を詰め、ウルトラマンに斬りかかるが、ウルトラマンはそれをブレードで防いでいく。

 

「どうしたウルトラマン!敢えて力でお灸を据えるのではないのか!先程の勢いはどこへ行った!?」

 

『あくまであれは見定めだ。今はお前の攻撃がどんなものか見定めているところだ』

 

「くっ……調子に乗るなッ!」

 

ウルトラマンの言葉が気に食わなかったのか、今度は刀で突く戦法に出る。しかし、ウルトラマンはそれをも防ぎ、振り払うなどをして自分からは斬りかかってこない。そのことに翼は苛立ち、振り払われた勢いを利用してウルトラマンの顔面めがけて刀を振るった。

 

だが、これもやはり右手のブレードによって防がれてしまう。

 

『ハァッ!』

 

そして、ウルトラマンは空いていた左手を拳にし、翼の顔面めがけて裏拳を放つ。

 

「しまっ―――!?」

 

さすがにやられてしまうと思ったが―――なんとウルトラマンは翼の顔面スレスレのところで寸止めしていた。

 

「―――……ッ、はっ!」

 

一瞬呆気に取られた翼だったがすぐに我に返り、少し後ずさった後にウルトラマンの胴を狙い斬りかかってくる。しかし、先程のことで若干焦りが募ってきたのか、翼の動きがウルトラマンに読まれ、再び翼の斬撃が防がれる。

 

『オゥラッ!』

 

今度は膝蹴りを繰り出してくるウルトラマン。だが、これも翼の顔面スレスレのところで寸止めする。

 

「くっ……この!」

 

なんとしてでもウルトラマンに一撃だけでもと思い、もう一度後退ってから今度は足を狙おうと斬りかかる。だが、それももう見透かされており、三度(みたび)防がれてしまう。

 

『デアッ!』

 

そして、またしてもウルトラマンは左拳を翼の顔面めがけて放つ―――が、これも寸止めした。

 

『……いちいち後退りするなど、無駄な動きが多いな。そんなんじゃノイズ相手ならともかく、俺に一撃与えるなど無理だな』

 

「ぐぅ……!だ、黙れぇ!!」

 

━━━逆羅刹

 

ウルトラマンの言葉に何も言い返せないまま、翼は平静を保つことも出来ずにバク転したと思いきや、逆立ちしたと同時に横回転して脚部にあるブレードを展開し、ウルトラマンを切り裂こうとする。

 

それに対して、今度はウルトラマンが後退りして距離を置き、ブレードを戻した。

 

「私は……!私は、この国を守らんがために防人として―――剣として生き、精進してきた……貴様のような得体の知れない者を捕まえるためにも、あの日から2年間、準備をしてきたのだ……!絶対に負けるものかッ!」

 

━━━千ノ落涙

 

自分に奮い立たせるように叫び、跳躍すると空間から大量の青いエネルギー剣を具現化させた。そしてウルトラマンめがけて大量のエネルギー剣を落下させた。

 

『ハァッ!デヤッ!』

 

ウルトラマンはそれを難なく回避し、リキデイターを何発も放ち、続けて動作を省いて簡略化させたフォトンクラッシャーも放ってエネルギー剣と衝突させていく。

 

━━━天ノ逆鱗

 

その隙を突くため、翼は自身が落下する勢いを利用し、刀を巨大化させて蹴り込み、ウルトラマンを両断しようとする。

 

『ンッ!』

 

これにはさすがにウルトラマンも対応が遅れかけたが、すぐさま体制を立て直して自らも跳躍し、蹴りを放った。

 

そして互いに激突―――すると突然、謎の光エネルギーが発生し、そのエネルギーは上空へと消えていった。

 

(何だ?今のは……)

 

ウルトラマン―――一翔は先程の現象に疑問を持つが、それを考えるのは後回しにし、翼の方へ向き合う。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……!負けない……絶対に負けない……!」

 

地面に着地した翼は息切れしているが、ここで負けるわけにはいかないと、再び自分を奮い立たせる。

 

「私は……私は絶対に、こんなことで負けるわけにはいかないのだッ!!」

 

━━━炎鳥極翔斬

 

そう叫び、刀からなんと青い炎を放出させ、自身を青い火の鳥と化し、ウルトラマンめがけて突貫してきた。

 

『オゥラッ!』

 

それに対し、ウルトラマンは再びブレードを出して体をスピンさせ、先程のノイズ戦で新たに繰り出した技『スピニングブレードクラッシャー』で対抗した。

 

「食らえええええええええええッ!!!!」

 

『デェアアアアアアアアアアアッ!!!!』

 

お互いに叫び、そして両者は激突した。

 

すると激突したと同時に、先程激突した時よりも膨大な光エネルギーが発生した。そしてそのエネルギーの衝撃でウルトラマンと翼が吹き飛ばされた。

 

「ぐあぁっ!?」

 

『ウゥオアアァッ!?』

 

光エネルギーは先程と同じように上空へと消え、そのエネルギーによって吹き飛ばされた勢いで両者は地面に叩きつけられ、翼が身に纏っていた天羽々斬は強制解除された。

 

 

ピコンッ、ピコンッ、ピコンッ、ピコンッ……

 

 

ウルトラマンは変身こそ解除されなかったが、さすがにブレードを使いすぎたせいでライフゲージが赤になり、点滅のテンポが少し早くなっていた。それでもなんとか立ち上がり、倒れている翼のいる方へ歩いていく。

 

「うっ、うぅ……!」

 

シンフォギアのお陰でダメージは軽減されているが、戦いの疲労からか翼は自力で起き上がれそうになかった。

 

『……どうやらここまでのようだな。それから、これではっきりした―――今のお前では俺を越えるどころか、俺と同等になることは出来ん』

 

「ッ……!?」

 

ウルトラマンの言葉にショックを受け、言葉が出ない翼。そんな翼に、ウルトラマンは2年前に翼たちの傷を癒やした光線『ヒーリング』を放つ。

 

「……何の真似だ?」

 

『さすがにこのままにしたのでは後味が悪いからな。それに、俺は人間の命を奪うことはしない。例え愚かな部分が多くても、美しい部分がわずかにでも残っている人間の命を、俺は絶対に奪わない』

 

「……騙されないぞ……!私は認めない……貴様も、貴様を信用している立花も、私は決して認めない……ッ!!」

 

『そうか……まぁ、俺を信用するかしないかはそっちの自由だ。だが―――あの女だけはせめて信用してやれ。お前たちは仲間なんだから』

 

最後にそう告げ、ウルトラマンは踵を返し、光となってこの場から去っていった。

 

 

 

 

 

ウルトラマンが去ってから数十秒後、まだ倒れ込んだままでいた翼の元に、ある人物がやって来た。

 

「どうやら結構派手にやられたみたいだなぁ……ま、ウルトラマンのあの光線のお陰で傷こそ癒えてるみたいだが」

 

「奏……」

 

その人物とは奏だった。

 

「いい加減、諦めたらどうだ?いくらシンフォギア装者とはいえ、人間がウルトラマンと戦うなんて、本当の意味で死にに行くようなもんだぞ?あたしが2年前、絶唱をして死のうとしてたみたいによ」

 

「……」

 

奏からの忠告に対し、翼は何も答えない。そして無言で立ち上がり、何も言わずに立ち去ろうとする。

 

「お前がウルトラマンをどう思ってようと勝手だけどよ、これだけは言っとくぜ。響だけじゃなく、あたしもあいつのことは認めているし、信用している。なんたってあいつは、あたしの―――いや、あたしたちの命の恩人様だからな。またあいつにちょっかいかけるようだったら……今度はあたしがお前の相手になるからな」

 

その言葉を聞き入れたのかは知らないまま、翼はそれにも何も答えずに去っていった。

 

「はぁ……もし翼があのまま何も変わらないようだったら、響や一翔はこれからも翼相手に苦労しそうだな」

 

奏は去っていく相方の背を見つめながらため息を漏らし、相方の意見が食い違ったままの後輩の響と、自分たちを救ってくれた恩人のウルトラマン本人である一翔のことを憂えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃―――

 

 

「いやー、すっごく綺麗だったよね!こと座流星群!」

 

「本当にな!天気が悪くなくて、まさに絶好の観測にもってこいって感じの夜でよかったよ。ただなぁ〜……さすがに女子3人の中に男1人なんて、肩身が狭かったなぁ……」

 

「でも、それに関しては一翔さんが未来の誘いを断ったことが要因でしょ?」

 

「全くだ!いい加減、一翔はもっと楽しいことに目を向けるようにだな―――」

 

「そんなことより、もう少しで出来上がるからせめて食器を出すだけでもしろ。小日向と野々川を見習え、バカどもが……」

 

「「あはは……」」

 

一翔はキッチンでカレーを作りながら、リビングで談笑を交える響と俊に対して怒るように言葉を発し、同じくキッチンで一翔の手伝いをしている未来と深生は苦笑いしていた。

 

 

なぜ響と未来、俊と深生が一翔の自宅にいるのか―――それは、翼との戦いを終えて自宅へと戻ってきた一翔は、かなり疲労があったものの、せめて作りかけの料理だけでも完成させなきゃと思い、ダイニングキッチンへと足を運んだ。

 

そして、煮込みを中断していた鍋に火をかけ、再度煮込んでいき、カレールウを入れたところで一翔のスマホに俊からメッセージが届いた。

 

[流星群観終わったんで、今からお前んち行くからな!]

 

「……は?」

 

突然のメッセージの内容に、一翔は思わず間の抜けた声を出していた。

 

 

その後、数分も待たずして流星群を観に行った4人が一翔の自宅へやってきた。

 

「お邪魔しまーす!う~ん……!カレーのいい匂いがするぅ〜!」

 

「おいこら、タダ飯食らいに来ただけならお帰り願おうか?」

 

「まーまーまー、そんな固いこと言うなよ。差し入れだって持ってきたんだぜ?ということで、俺たちの分も追加で作ってくれよな」

 

「差し入れ持ってきさえすれば図々しく出来ると思ってんのかお前は……!」

 

「ごめんね、一翔……俊がどうしてもって言って聞かなくて……」

 

「響も俊さんに便乗しちゃって……」

 

「……ったく、仕方ねぇな……少し時間が掛かるけど、待ってろよ」

 

 

 

 

 

……ということもあり、未来と深生が手伝いを買って出てくれたこともあり、少し時間は経ってしまったが、カレーを完成させた。

 

そしてサラダも無事作り終え、5人分のご飯をよそってカレーを盛り付け、響と俊をダイニングキッチンのテーブルに移動させ、談笑を交えながらの食事が始まった。

 

「いやー、流星群を観終わった後に食べる一翔さんのご飯って、それはそれで格別ですよねぇ〜」

 

「まぁ、確かにそれはそれでいいような気もしちゃうかな。ただ、今回は便乗した形とはいえ、響は少し遠慮を覚えた方がいいと思うよ……」

 

「少しどころか大いに覚えるべきだと思うがな」

 

「俊にも言えることね、それは……」

 

「まぁ、少なくともこの2人が遠慮を覚えるのは無理そうだな」

 

「「いやーそれほどでもー」」

 

「「「褒めてない」」」

 

 

 

 

 

その後、カレーを食べ終えて、俊が持ってきたという差し入れはスイーツだったのでそれも食べた後、リディアンの寮でルームシェアしてる響と未来はそろそろ門限の時間になるため帰ることにした。

 

「外食ならいつでも付き合ってやるが、わざわざ俺の家に来てまで食事する必要性はないだろ」

 

「まーたそんなこと言っちゃって……本当は俺たちが来てくれて嬉しかったくせに」

 

「……そんなわけねぇだろ」

 

「今の間は何だ?今の間は」

 

(また始まった……)

 

一翔は食器の片付けを行い、その手伝いを今回は俊がやり、深生はテーブルでお茶を飲みながら休ませてもらっていた。

 

その後、俊と深生もそろそろ帰らなきゃいけない時間となったため、片付けを終えた後に2人も一翔の自宅を後にした。それを見送り、一翔はベランダの方へ足を運び、夜空を見上げながらお茶を飲む。

 

「はぁ……あまり他人と関わりを持つのは避けたかったが、こうなってしまった以上、何があっても俺がウルトラマンだってことは隠し通さなきゃな」

 

以前、俊が言ってたように、一翔は基本的に他人に対して素っ気ないが、それは自分がウルトラマンであることを隠すためや、それとは別の理由(・・・・)があるためなのだが、ORCや奏という例外も含めて俊たち4人とはかなりの関係を築いているため、改めて自分がウルトラマンであるという秘密は隠そうと一翔は思った。

 

「ま、少なくともあの女とは悪い関係が続きそうだがな……」

 

未だに自分を信用していない翼のことが頭に浮かび、思わずそう呟いた。

 

「とりあえず、シャワーだけでも浴びて寝るか……」

 

そう言って中へ入ろうとする一翔。

 

 

「ッ……?」

 

 

すると何かの気配を感じたのか、周囲を見渡し、空を見上げる。だが、何も変なことは起きていなかった。

 

「気のせいか……?」

 

そう思い、一翔は今度こそ中へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、一翔は気づいていなかった。ほんの一瞬だが、空の一部が歪みかけていたことに……そして、その時にチビスケやジョリーたちが再び騒ぎ出していたことに……。




翼を嫌なキャラから解放させるのは、もう少し先かもしれないです……まぁ、嫌なキャラってのはそんなすぐには良い方向へ変わりはしませんしね(←自分で嫌なキャラに設定させておいて何を言っておるのやら)

ラスト、一翔は一体何の気配を感じていたのだろうか……

主人公にCVを付けるなら?(最終投票)

  • 松岡禎丞
  • 内山昂輝
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