海神絶唱シンフォギア~海の化身と装者たち~   作:サミン

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1年近く待たせて申し訳ありませんでした

そして予め言っておきます。クリス推しの皆さん、ごめんなさい


17話 ネフシュタンの鎧

奏との食事を終え、ノイズの出現を確認し、光となって現場へと向かう一翔。

 

その頃、二課では―――

 

 

「ノイズの出現を確認した!既にウルトラマンも向かってるだろうが、今回も翼と響くんで行ってもらう。ただし、決してチームプレイを崩さぬように!そしてウルトラマンと会した際は、彼と共闘してノイズを殲滅させることを最優先するように!」

 

「了解です!」

 

「……」

 

 

弦十郎の指示を聞き入れた響は気合いの入った返事をするが、翼は聞き入れたのかどうかも分からず、何も言わずに黙ったまま速足で指令室を出ていった。

 

「はぁ……まったく、やれやれとしか言えんな、今のあいつは……」

 

「あっ、えと……い、行ってきます!」

 

先程の翼の様子を見た弦十郎はため息を漏らしながら嘆き、響はオロオロしながらも翼の後を追うように指令室を出た。

 

「何かきっかけがない限り、翼さんは一生あのままになりそうですね」

 

「そうだな……せめて、あくまで二課の司令という立場としては、奏が戦線復帰してくれればいいんだが……あいつはあいつで、やるべきことをやってくれてるだろうから、無理に戦線復帰をせがむわけにもいかん」

 

「ですね。となると―――成り行きを見守るしかありませんね」

 

今の翼の状態に、弦十郎と慎次も不満はあるものの、ただ見てやることしか出来ないことに歯痒さを感じていた。

 

 

 

 

 

場所は変わり、ノイズ出現の場では、ウルトラマンが先に駆けつけており、戦闘を開始していた。

 

『デアッ!』

 

ウルトラマンは連続でノイズに蹴りを繰り出し、そしてノイズの動きが鈍ったところですかさずリキデイターを至近距離で放つ。

 

『ハァッ!』

 

そして、他のノイズが近づいてきたと同時に、ウルトラマンは上空へと飛んだ。しかしその後、1体のノイズに向けて降下し、その勢いを利用して飛び掛かり、そのまま回転投げに持ち込んだ。そして投げ飛ばされたノイズは他のノイズと激突し、その隙にリキデイターを放たれる。

 

(ノイズは痛みや疲れを感じることはないし、決して隙を見せねぇだろうから、なるべく攻撃の手を休めずに格闘戦で完全に動きを封じるしかねぇな……)

 

一翔は、これまでのノイズとの戦いを振り返り、回避能力を得たノイズに対抗するにはノイズの動きを封じなければならないと考え、まずは格闘戦に持ち込んでいくことにした。

 

(……前までは普通にパンチやキックの一撃でも倒せてはいたが、恐らくそれに対抗するために強度も増してるだろうからな)

 

そうも考え、今に至っているのだが、ノイズは増殖もするため、今のペースのままでは、ほんの数体倒せたとしても、この場の全てのノイズを殲滅させない限りは増えに増える一方だ。

 

『オゥラッ!オアッ!』

 

それでも、ウルトラマンはめげずに目の前にいる敵を倒していく。

 

『デェェアァッ!!』

 

さらに1体のノイズの足を掴んで何回も回し、ノイズが多く集まってる箇所へと投げ飛ばす。

 

『デェアアアアアアアアアアアッ!!!!』

 

そして怯んでる隙にフォトンクラッシャーを放った。

 

しかし、放ち終わったと同時に別のノイズがウルトラマンに体当りし、ウルトラマンは体制を崩してしまった。

 

(くっ……!これはちょっとやべぇかもな……)

 

さすがにこれ以上はキツくなると苦虫を噛んだその時―――

 

 

━━━千ノ落涙

 

 

『ッ……!』

 

上空からエネルギー剣が降り注ぎ、数十体のノイズを殲滅させた。

 

「やああああああああああ!!!!」

 

すると今度は叫び声がしたと思ったら、橙色に光る何かがノイズの群れへと降下し、1体ずつ次々と殲滅されていった。

 

「お久しぶりです、ウルトラマンさん!」

 

その何かの正体は、ガングニールを纏った響だった。その場のノイズ殲滅を確認すると、ウルトラマンに駆け寄ってくる。

 

「えっと、確かウルトラマンさんは言葉が通じるはずだから……まともにすることも出来なかったので、自己紹介します!私は立花響!15歳!誕生日は9月の13日で血液型はO型!身長はこの間の測定では157cm!体重は……これはさすがにウルトラマンさん相手に仲良くなっても教えるべきかは分かりませんが、とりあえず省きます!趣味は人助けで、好きなものはごはん&ごはん!あとは、彼氏いない歴は年齢と同じです!」

 

そして、ウルトラマンに対して元気よく自己紹介したのだが、突然自己紹介されたウルトラマン―――一翔は、こんな状況でも呑気に自己紹介してくる響に対して呆れながらも、いつもと変わらない感じに少しばかり感心していた。そして、ウルトラマンは立ち上がってからもう1人の方へ顔を向ける。

 

『さすがに今のこの状況で、この前のリベンジを果たそうなどとは無理があるぞ―――風鳴翼』

 

ウルトラマンに名前を呼ばれ、天羽々斬を纏っていた翼が姿を現してきた。

 

「……そのことだが、確かにこの状況では私たちが戦うのは無理がある。だから貴様や立花と共に、この場にいるノイズの殲滅を優先する」

 

『ほぉ……賢しい選択だ』

 

「勘違いするな。私はあくまで、司令の命令に従っただけだ」

 

そんなやり取りをしている2人だが、ウルトラマンは翼に対してのみテレパシーを送っているため、響から見ると翼が独り言を言ってるように見えてしまっていた。

 

「とにかく、不承不承ながら今回のような場合は貴方と共闘することに、と命令を受けている。決して貴様を認めたわけではないからな」

 

そう言い捨て、翼はノイズの方へ駆け出していった。

 

(何もそこまで釘を刺さなくていいものを……)

 

「え、えっと……翼さん、さっきから誰と話をして―――」

 

『立花響と言ったな』

 

「―――うええぇっ!?う、ウルトラマンさんが喋った!?」

 

響は、自分から見て独り言のように喋っていた翼のことを疑問に思っていると、ウルトラマンが次は響の方にテレパシーを送って語りかけてきた。当然、響にとっては初めてのため、結構なリアクションをしていた。

 

『風鳴翼にも説明したが、テレパシーを使って語りかけている。先程までは風鳴翼に対してのみだったから、お前には聞こえていなかっただけだ』

 

「へ、へぇ〜……すごいな、ウルトラマンさんって……やっぱり万能って感じが伝わってきます!」

 

ウルトラマンの能力に響は嘘偽りなく正直に称賛した。

 

しかし、ウルトラマンは先程の“万能”という言葉を聞いて―――

 

 

『決して万能ではないさ……』

 

 

「えっ?」

 

そう呟き、ウルトラマンも翼に続いてノイズの方へ駆け出す。

 

「あっ!わ、私も……!」

 

遅れて響が最後に駆け出し、3人でノイズ殲滅を開始した。

 

「ふんっ!はぁっ!」

 

翼は1体のノイズを斬り裂いた後、目の前に現れた別のノイズに対し、ほんの少しだが後退りした後にその別のノイズを斬り裂いた。今の翼は、ノイズを相手しているとはいえ、ウルトラマンから見ればまだ無駄な動きが少々見られがちである。しかし、以前よりは少しばかり改善されているようだ。

 

『デェアッ!オゥラッ!』

 

そして、ウルトラマンは相変わらずシャープでスマートな戦闘スタイルでノイズを翻弄、ノイズの動きが鈍ったところで光線技を放った。

 

そんな2人に対し、響は―――

 

 

「えいっ!この……やあっ!うわっ!?」

 

 

二課に所属して1ヶ月は過ぎている響なのだが、まともに戦闘訓練に参加することが出来なかったうえ、ウルトラマンに対する意見の食い違いによって翼から指導してもらえてなかったため、標的も定まらないまま拳を振るってるだけであり、ノイズからの攻撃を食らってしまうばかりだった。

 

(……さすがに見ていられねぇな……)

 

見かねたウルトラマンは、響のところへ駆け寄ってくる。

 

『手こずっているようだな、立花響』

 

「ウルトラマンさん……!」

 

『あまり無茶はするな。ここは俺が引き受けよう』

 

そう言って響の前に出て、スラッシュを何発も放ち、ノイズが怯んだところで格闘戦に持ち込んだ。そして、フォトンクラッシャーを放ち、ノイズを倒した。

 

「や、やっぱすごい……!もう語彙力が……!」

 

もはやどういう言葉を出したらいいのか、響はもう分からなくなっていた。

 

 

 

 

 

そして、翼とウルトラマンによってノイズはあっという間に殲滅された。

 

(いや雑だな)

 

一翔は思わず心の中でそう呟いた。

 

『この前やり合った時よりは動きに無駄がなくなったようだな、風鳴翼』

 

「ふん……認めたくはなかったが、確かに貴様の言う通り、あの時は無駄な動きが多すぎた。だが、これで貴様と互角になるための一歩は少なからず歩めたはずだ」

 

『そうか……。それと、立花響』

 

「は、はいっ!」

 

『見た感じ、お前はその鎧で戦うには日が浅く感じられる。敢えて悪い言い方をするが、そんな状態で来られてはさすがに足手まといだ』

 

「うっ……」

 

自覚していたとはいえ、ウルトラマンからそう言われたことで、響は何も言えない状態だった。しかし、響はそれでも思ったことを口にしようとする。

 

「……確かに、私はこのシンフォギアをまだ完全には使いこなせません……以前、翼さんからも半人前どころか3分の1人前だって言われました。それでも、翼さんや奏さんと同じ力を持ったからには、私だってやるべきことはちゃんとやりたいんです……!この力で、守るべきものを守りたいんです!だから―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから?で、何だよ?」

 

 

「「ッ!?」」

 

(誰だ?)

 

突然その場に響いた謎の声。その声がした方向へ顔を向ける3人。

 

そこには3人に近づいてくる1つの人影があった。そして、雲に隠れていた月の光によって声の主の姿が露になった。

 

「そ、それは……ッ!!」

 

『風鳴翼、あれが何か分かるのか?』

 

声の主の姿を見た翼は絶句した。その様子を見たウルトラマンは疑問に思って翼に問う。その問いに答えたのかどうかは知らないが、翼は口にする。

 

「ネフシュタンの……鎧……!!」

 

(何!?あれが天羽の言ってた……?)

 

翼の口からネフシュタンの鎧という名前が出て、以前奏から聞いていたものが目の前にあることに驚愕するウルトラマン。

 

 

 

 

 

同時刻―――

 

 

「そんなバカな……!」

 

二課の指令室にて、モニターに表示されている『NEHUSHTAN』の文字を見て、弦十郎たちも驚愕のあまり目を見開いていた。

 

「現場に急行する!なんとしてでも、ネフシュタンの鎧を確保するんだ!」

 

弦十郎はそう言い、自ら現場へと赴いていった。

 

 

 

 

 

「へぇ……てことはあんた、この鎧の出自を知ってるんだ?」

 

鎧の人物はそんな翼に対して挑発的な笑みを浮かべる。

 

「当然よ。忘れもしない……私たちの不始末で奪われたそれを!」

 

(奪われた?そういえば、ネフシュタンの鎧がその後どうなったのかを聞いてなかったが……なるほど、その疑問が解けたぜ)

 

翼は鎧の人物を鋭く睨みながら言葉を発し、それを聞いたウルトラマンはネフシュタンの鎧が2年前の事件後どうなったのか知ることが出来た。

 

「私は二度と過ちを繰り返すわけにはいかない。なんとしてでもそれを返させてもらう!」

 

そう見得を切り、翼は刀を構える。

 

「……へっ、取り返せるもんなら取り返してみろよ」

 

対する鎧の人物は右手に杖のようなもの、左手には紫色に光る棘のある鞭を手に持って構える。

 

「ち、ちょっと待ってください翼さん!相手はノイズじゃなくて人です!同じ人間です!!」

 

それを見た響は翼を止めようとするが―――

 

 

 

「「戦場(いくさば)で何をバカなことをッ!?」」

 

 

 

翼だけでなく、鎧の人物にまで怒鳴られてしまった。

 

「うえぇっ!?」

 

(なんとなく気が合いそうだな、この2人)

 

響は2人から怒鳴られたことに思わず変な声を出してしまい、ウルトラマンは思わずハモってしまった2人を見て思わず呑気なことを心の中で呟いた。

 

「あなたとは気が合いそうね」

 

「だったら仲良くじゃれ合うかい!」

 

その直後に鎧の人物は3人めがけて鞭を振るう。

 

「ッ!」

 

『デヤッ!』

 

「わわっ!?」

 

翼はそれを跳躍して避け、ウルトラマンは響に鞭が当たらないように離れた場所へ押し飛ばしながら自身も跳躍することで回避した。

 

━━━蒼ノ一閃

 

翼は跳躍したまま青い斬撃を放つ。しかし、鎧の人物の振るう鞭によって簡単に弾かれてしまった。

 

「くっ!」

 

そのまま地上へ着地した翼は接近し、刀を振るう。だが、鎧の人物はそれを軽々と躱し、刀を鞭で絡めて受け止める。そしてガラ空きとなった翼の腹部に蹴りを入れる。

 

「がはっ!!」

 

思い切り蹴り飛ばされた翼だが、なんとか受け身を取って立ち上がる。

 

「言っておくが、ネフシュタンの力だなんて思わないでくれよな?あたしのてっぺんは、まだまだこんなもんじゃねぇぞ?」

 

鎧の人物はそう言って今度は自分が跳躍し、そのまま翼に対して鞭を連続で振るって攻撃してくる。

 

「くっ、この!ぐあっ!?」

 

翼はなんとしてでも反撃の隙を伺おうとするが、死角からの鞭の攻撃を避けられずに受けてしまう。

 

(このままでは……ッ!!)

 

焦りが募り、冷静さが失われていく翼。

 

「もう一丁、これでどうかなぁ!!」

 

鎧の人物は鞭を大きく振るい、さらに強力な攻撃を翼に与えようとする。

 

(これが……ネフシュタンのポテンシャルなのか……)

 

思わず翼は目を閉じたまま身構えてしまう。

 

「翼さん!」

 

響は居ても立ってもいられずに思わず飛び出そうとする。

 

その時―――

 

 

『フッ』

 

 

突然速く動く何かが翼を抱きかかえ、鞭の攻撃を回避させた。

 

「なっ!?」

 

「あっ!」

 

突然の現象に鎧の人物と響は驚愕の声を上げる。

 

「どこに行った!」

 

鎧の人物は周辺を見渡す。すると背後から声がした。

 

『こいつにとっては不本意だろうが、さすがに見てられなかったのでな』

 

背後へ顔を向けると、なんとウルトラマンがそこにおり、翼を抱きかかえたまま立っていた。実は、鞭が当たる直前にウルトラマンが高速移動で翼を間一髪のところで救出していたのだ。

 

「うぅ……なっ、ウルトラマン……!?」

 

『何だ?今の動きは。まるでこの前戦った時に逆戻りしていたぞ?』

 

「や、やかましい……」

 

図星を突かれたのか、翼は歯ぎしりしてそう言い返す。すると、自分が今どういう状況になっているのか認識すると、急に顔が赤くなった。

 

「う、ウルトラマン!は、早く私を降ろしてくれ!」

 

『どうした?』

 

「どうしたじゃない!早くしてくれ!!」

 

突然顔を赤くしながら慌てふためく翼に疑問を感じるウルトラマン。

 

すると、それを見ていた響が―――

 

 

「すごい!ウルトラマンさんにお姫様抱っこされ(・・・・・・・・・・・・・・・・・)()なんて、結構貴重な体験じゃないですか!」

 

 

―――と、ある意味で爆弾発言をかました。

 

そう、今の翼はウルトラマンに横抱き―――つまりお姫様抱っこという、女性のほとんどが憧れることをされていたのだ。

 

「う、うるさい立花!は、早く降ろしてくれウルトラマン!!」

 

『あ、あぁ……すまない』

 

ウルトラマンは謝罪の言葉をかけ、翼を降ろして立たせる。

 

(何で顔を赤くしてたのかよく分からんが、ちゃんと人間としての一面があったんだな)

 

赤面状態になった翼を見て、ウルトラマンは思わずそう感じた。

 

「ちっ、急な横槍を入れやがって……お前はお呼びじゃねぇんだよ!」

 

『横槍ってのは案外急に来るものでもあるだろう?それに―――立花響も言ってたように、いくら敵とはいえ、人と人が争うのなんて見ちゃいられない』

 

「言葉話せるのかよ……でもな、正体も分からんような奴に人間同士の争いにとやかく言われる筋合いもねぇんだよ!!」

 

そう吐き捨てた鎧の人物はウルトラマンに向けて鞭を振るう。ウルトラマンはそれを難なく躱し、スラッシュを放って鞭の攻撃を防ぐ。

 

「ウルトラマンさん!」

 

「おっと、お前もお呼びじゃないんだよ。こいつらの相手でもしてな!」

 

響は思わず再び飛び出そうとすると、鎧の人物は左手に持っていた杖を響に向ける。すると杖の先端が発光して光が放たれた。

 

そして、放たれた光の中から―――

 

 

「うそっ!?ノイズ!?」

 

 

なんとノイズが4体も出現した。ダチョウのような形をしたダチョウ型ノイズだ。

 

『ッ!?』

 

それを見たウルトラマンは驚愕する。そして、ウルトラマンに変身している一翔の脳裏にあるものが浮かんでいた。

 

 

 

───ノイズは自力で学習能力を得たんじゃない、学習能力を与えられたんだ。つまり、これまでのノイズ出現は人為的なものなんだ

 

 

 

奏から伝えられたこれまでのノイズ出現―――それは人為的によって起こされたもの。その言葉が脳裏に浮かんでいた。

 

そして、一翔の脳裏には別のあるものが浮かんでいた。

 

「ノイズが操られてる!?どうして!?」

 

「そいつがこの『ソロモンの杖』の力なのさ!雑魚は雑魚らしく、ノイズとでも戯れてな!』

 

ノイズを操るというソロモンの杖。その力に目を見開く響。一方、ウルトラマンは立ったまま俯いていた。

 

「お前はなにボーッと突っ立ってやがる!」

 

それを見た鎧の人物はウルトラマンへと鞭を振るう。しかし、ウルトラマンは鞭の攻撃をそのまま受け、吹き飛ばされて倒れてしまい、動かなくなった。

 

「んだよ、あっけねぇな。ちったぁやり合えるもんだと期待してたのによ」

 

鎧の人物はウルトラマンがあっけなくやられたことで軽蔑の視線を向ける。

 

「ウルトラマンさん!くっ……えええい!!」

 

響はそれでも果敢にノイズに挑もうとするが、4体のダチョウ型ノイズは口から粘液を吐き出し、響を拘束した。

 

「うわあああっ!?」

 

「ふん、これなら手も足も出まい」

 

拘束されてる響を見て鎧の人物は余裕そうに呟く。

 

「そいつらにかまけて、私を忘れたかッ!」

 

「ッ!?」

 

鎧の人物が油断してる隙を突こうと、翼は回し蹴りを繰り出し、両脚部の展開したブレードを振るう。だが、鎧の人物も負けじとその脚を鞭で受け止め、啖呵を返す。

 

「この……お高く止まるなッ!!」

 

鎧の人物はブレードを受け止めたまま翼の足を掴み、力任せに放り投げた。

 

「ぐあああああっ!!!」

 

放り投げられた勢いで地面に叩きつけられた翼。鎧の人物は跳躍し、翼の元へ着地するとその頭を踏みつけた。

 

「のぼせ上がるな人気者!誰もかれもが構ってくれるなどと思うんじゃねぇ!!」

 

翼を見下しながらそう罵り、拘束されてる響とまだ倒れたままのウルトラマンを見ながら言った。

 

「この場の主役と勘違いしてるなら教えてやる。狙いは端っからそいつと、そこで倒れてる奴を掻っ攫うことだ」

 

「え……私、たち……?」

 

「何だと……!?」

 

「あのオレンジの奴はともかく、ウルトラマンはかなりの強さを持ってるもんだと思って警戒はしていたが―――とんだ期待外れだぜ。まぁ、お陰でスムーズに事が進んだけどよ」

 

鎧の人物は不敵に笑い、再び翼を見下した後、後退りする。

 

「ということだから、さっさとあんたを片付けて、あいつらを掻っ攫っていくとしようか」

 

「くっ……!」

 

鎧の人物は鞭を構え、翼に迫ろうとする。翼はなんとか立ち上がろうとするが、力が入らない。

 

「ほぉ……まだ立ち上がろうとするかい」

 

「言ったはずだ……二度と過ちを繰り返すわけにはいかないと……!ここで倒れるわけには―――……はっ!」

 

「あん?」

 

立ち上がろうとした翼が鎧の人物を―――というよりは鎧の人物の背後(・・)を見て目を見開いた。その様子に疑問を持った鎧の人物も後ろを振り向く。

 

「なっ!?」

 

それを見た鎧の人物はたじろいだ。

 

なぜなら―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オォアアアアァァァ……!』

 

さっきまで倒れていたはずのウルトラマンが立ち上がっており、フォトンクラッシャーを放つ構えをしていたのだ。

 

『デェアアアアアアアアアアアッ!!!!』

 

そしてフォトンクラッシャーを鎧の人物めがけて放った。

 

「やばい!」

 

すかさず鎧の人物はソロモンの杖をかざし、ノイズを出現させて盾にし、フォトンクラッシャーの直撃から逃れた。

 

「ウルトラマンさん!」

 

拘束されたままの響はウルトラマンが立ち上がったことに歓喜の声を上げる。すると、ウルトラマンは響を拘束させたダチョウ型ノイズにリキデイターを放ち、それを受けたダチョウ型ノイズは炭化した。さらにスラッシュを数発放ち、響を拘束している粘液を取り払った。

 

『……』

 

そして鎧の人物の方へ向き直り、ゆっくりと歩みながら近づこうとする。

 

「けっ!あっけなくやられたくせに余裕ぶるな!」

 

そう言い放ち、鞭を何回も振るってウルトラマンを攻撃する。しかし、先程と違い何度攻撃を受けてもウルトラマンはものともせず、鎧の人物と距離を詰めようとする。

 

「な、なんなんだよ!さっきはあっけなくやられたのに、なんで急に頑丈になるんだよ!!」

 

さっきまでの様子と違うことに焦るが、それでも鞭を振るってウルトラマンの動きを封じようとするが、全く止まる様子がない。ウルトラマンはさらに距離を詰める。

 

「く、来るな……!来るなぁ!!」

 

さすがに恐怖を感じたのか、今度はソロモンの杖を前にかざして再びダチョウ型ノイズを出現させ、粘液で拘束させる。

 

『オアッ……』

 

さすがのウルトラマンも動きが止まり、ダチョウ型ノイズはウルトラマンを囲む。

 

しかし―――

 

 

『ハアアァァァァァァァ……!!』

 

 

ウルトラマンが両腕をクロスすると、彼の周りに青い光の粒子が集まってくる。

 

『デヤアアァァッ!!』

 

そして両腕を振り抜くと、拘束させていた粘液が弾かれていき、その衝撃でダチョウ型ノイズは吹き飛ばされた。

 

「嘘だろ……!?」

 

それを見た鎧の人物の恐怖心が募り始め、体が震え始めた。

 

そして、瞬きしたその瞬間―――

 

 

『デアッ!』

 

 

高速移動で一瞬のうちに鎧の人物の間合いに入ったウルトラマンは腹部を思いきり殴り、鎧の人物を吹き飛ばした。

 

「ぐはぁっ!?」

 

殴り飛ばされた鎧の人物は地面にバウンドしながら叩きつけられた。

 

「くそっ!」

 

腹部を押さえながらなんとか立ち上がると、既にウルトラマンは背後にいた。

 

「しまっ―――!?がぁっ!!」

 

しかし反応が遅れてしまい、パンチの連打を背中で受けてしまい、さらに蹴りを入れられうつ伏せになって倒れる。

 

ウルトラマンは高速移動し、うつ伏せのままの鎧の人物の両足を持ち上げ、何回も回して空中へ投げ飛ばした。

 

「くっ、このぉ……!」

 

鎧の人物はなんとか力を振り絞り、ウルトラマンめがけて鞭を振るう。だが、ウルトラマンはそれを片手でキャッチして引き寄せる。

 

「うわぁ!?ま、待ってくれぇ!!」

 

引き寄せられた鎧の人物は思わずそう懇願するも、それは叶わずウルトラマンとの距離が縮まったと同時に強烈なカウンターキックを食らった。

 

「やっぱりすごい……ウルトラマンさんはとても強い……!でも、なんだか……怖い……」

 

先程まで翼が苦戦していた相手を追い詰めていくウルトラマンを見た響は改めて彼の強さを絶賛するも、鎧の人物と同様に彼に対する恐怖をも感じ始めていた。

 

「うっ、うぅ……!」

 

ネフシュタンの鎧のお陰でダメージは軽減されてるが、立て続けにウルトラマンからの攻撃を受け続けたことで、鎧の人物は上半身を起こすだけでもやっとだった。

 

『お前が……』

 

「ひぃっ!」

 

ウルトラマンは再びゆっくりと歩み始め、それに対し鎧の人物は逃げようとするも、恐怖で体が思うように動けなかった。

 

『お前が……お前が……お前が……!』

 

ウルトラマンは同じ言葉を何度も繰り返し、鎧の人物に歩み寄る。

 

『お前が……これまで多くの人たちの命を奪ったノイズを操っていた黒幕か……!!』

 

そして、怒りと憎しみに満ちた声でそう言い放つ。

 

そう、ウルトラマン―――一翔は以前、奏からノイズ出現は人為的であるということを聞かされていた。そして、つい先程に鎧の人物がソロモンの杖でノイズを操っていた。

 

つまり、これまでのノイズ出現は、今自分の目の前にいるネフシュタンの鎧を纏っている人物によるものだと確信したのだ。

 

『お前のせいで……罪のない多くの人たちが命を落としたんだ……!それによって、他にも多くの人が悲しみ、さらには多くの人が酷い目に遭った……!お前さえ……お前さえいなければ……!』

 

そう言ってウルトラマンは右手にブレードを生成する。

 

 

 

そして、ブレードを天に掲げてから斬り裂こうとしていた。





改めて、クリス推しの皆さん、本当にごめんなさい

いくら人間とは戦いたくない一翔でも、ノイズを操っているのなら話は別というような感じでボコボコにさせてしまいました

それと、アンケートの件ですが、投票していただきありがとうございました。ただ、個人的な事情でしばらくは同票のままにしておきますので、どうかご了承ください

主人公にCVを付けるなら?(最終投票)

  • 松岡禎丞
  • 内山昂輝
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