海神絶唱シンフォギア~海の化身と装者たち~   作:サミン

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1ヶ月以上経ちましたがお待たせしました(待ってくれてる人いるのかな?)

今回の話の時点では一翔はもうアグルの力を手にしてます。

あと、ご存じかもしれませんが自分はこの作品自体が初投稿であるので、とりあえず最初のうちは文字数少な目な感じで投稿していきます。

タイトルのように今回はライブ事件の前の話となるので予めご了承ください。


2話 悲劇の前の日常

半年前

 

桜ヶ丘中学校―――一翔はここに通っており、現在一翔は中学3年で受験生である。そんな彼の教室では授業が行われている。

 

「―――であるからして、生命の源とも呼ばれている海から生まれた生物たちが、私たち人間の先祖であることが考えられている」

 

ちなみにやっていたのは生物に関する教科の理科であり、海の生物などに関することが担当の教師の口から述べられていた。

 

しかし昼食を食べた後、つまり午後の授業であるため、いくら今年は受験シーズンと言えど、ほとんどの生徒たちにとっては眠たくなったりしてしまうつらい時間である。

 

「…………」(カリカリ)

 

だが一翔はその例外で、あくびをすることなく真面目に先生の話を聞きながら授業内容をノートに書き写していた。

 

そして海に対して強い思い入れがあるのか、この授業の内容を聞いた時に一翔は表情には出さなかったが内心では少し楽しそうな感じになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数回の授業が終わり、最後の授業も終えたところでHRも終了し、放課後となった。

 

「なぁなぁ、知ってるか?今度『ツヴァイウィング』のライブがあるんだぜ!!」

 

「おぉ、俺も知ってる!新曲とかも出たんだろ?俺も行きてぇよ……」

 

帰り支度を始める一翔の近くでそんな話をしている男子たちの声が聞こえてくる。

 

「ふっふーん、そうだろうと思って……じゃじゃーん!お前の分のチケットも手に入れておいたぜ!!」

 

「マジか!?すげぇな!」

 

「だから一緒に行こうぜ!せめてもの息抜きとしてよ」

 

「あぁ、いいなそれ!」

 

その会話は一翔の耳に入りはするが、当の本人は特に気にすることなく支度を終えると教室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その帰り道、一翔は自宅ではなくとある水族館へと足を運んだ。

 

「あの、すいません。館長は今いらっしゃいますか?」

 

受付の方へ行き、入場の手続きをしながら一翔は受付スタッフにここの館長がいるのかどうかを尋ねた。

 

「申し訳ありませんが、館長は現在外出中でして……」

 

 

「僕なら今、戻ってきたところだよ」

 

 

そこへ、青いシャツに白いズボンを穿いている40代くらいの男性が現れた。その胸には館長と書かれた名札が付いている。

 

「それじゃ、手続きが終わったらいつもの場所へ来てくれ」

 

「はい、分かりました。木戸さん」

 

「おいおい、この場では今は館長と呼ぶんだぞ」

 

「あ、すいません……」

 

 

 

 

 

その後、手続きを終えた一翔は関係者以外立入禁止の通路を見つけると、人がいないことを確認してその通路を歩いていく。

 

すると、先程受付で出会った館長がエレベーターと思われる1つの扉の前に立っていた。

 

「やぁ、人に見られずにちゃんと来れたかい?」

 

「大丈夫ですよ、何回も来てるんですから(・・・・・・・・・・・)……」

 

「ははっ、そうだったな。よし、行こうか」

 

館長はそう言うとエレベーターのボタンを押し、扉が開くと二人はその中へ入る。

 

「さて……また来てくれて嬉しいよ、一翔。最近来てくれなかったから他のみんなも寂しがってたんだ」

 

「仕方ないでしょ、今年は受験シーズンで色々と大変なんですから……」

 

「そんなこと言って、本当はもう内定とかは一発合格でもらってるんだろ?」

 

「まぁ、そりゃそうですけど……」

 

目的地へと向かいながらエレベーターの中で談笑を交える2人。

 

そして、目的地へと着いたエレベーターの扉が開くと、辺り全体がガラス張りの通路があり、その外には抜群の透明度を誇る海と、その中を泳ぐ魚や海洋生物がたくさんいるという美しい景色が広がっていた。

 

「……やっぱり、何度見ても綺麗だな。まるで疲れた魂がこの海の方へ戻っていく感じだ……」

 

「その年でお爺さんみたいなことを言うのは本当に君しかいないくらいだよ。ま、何はともあれ今日も彼らに顔出してやりな。あの子達(・・・・)も喜ぶことだろう」

 

「はい」

 

会話を交えながら2人は通路の先に見える、海の中に設置されている1つの建物へと足を進める。

 

 

 

 

 

そしてその建物の中に入ると、先程の水族館より近未来的な仕上がりとなっている広い部屋がそこにあった。その場には館長と同じ服装をした、職員と思われる人たちが様々な作業をしていた。

 

「みんな、久々に一翔が来てくれたぞ」

 

「お久しぶりです、皆さん」

 

館長がそう言うと一翔も挨拶をする。

 

「おぉ、来てくれたか一翔!」

 

「なかなか来てくれなかったから寂しかったのよ?」

 

屈強な体格をした男性と何かのメカを製作していた女性が一翔に声を掛けながら歩み寄ってくる。

 

「真壁さん、日向さん、ここに来る時に木戸さんにも言いましたけど、俺は今年受験なんだから―――」

 

「そんな事言っておきながら、天才頭脳の持ち主である君なら一発合格だったんだろ?」

 

「狩野さん……それ、木戸さんにも同じこと言われましたよ……」

 

コンピューターで何かを操作していた物静かな感じがする男性が館長と同じようなことを言い、一翔は苦笑いしながらそう言葉を返す。

 

すると―――

 

 

「グワァ、グワァ」

 

「キイィッ!」

 

1つの大きな水槽から、緑の体色に丸い目、赤い唇をしたトカゲのような小さな生物と、水色の体色にクジラとノコギリザメが合わさったような姿をした小さな生物が顔を出してきた。

 

「よぉ、チビスケにジョリー。元気にしてたか?」

 

「グワァ」

 

「キイィッ!」

 

一翔はトカゲのような生物に『チビスケ』、クジラとノコギリザメが合わさったような生物に『ジョリー』と呼び、2匹は嬉しそうな鳴き声を発する。

 

 

ここで彼らの説明をしよう。

 

彼らは、民間の水族館の職員として働いているがそれは表向きであり、本来は海洋専門に関する研究やチビスケやジョリーといった海で生まれた未知の生物を保護するために結成された組織である。

 

その名も『Oceanography Research Circle(海洋学研究サークル)(通称ORC)』

 

表向きの水族館側の職員もこの組織に属しているが、現時点でここでメインとして働いているのが以下の4人。

 

日向(ひゅうが)(りょう)

この組織の中では紅一点であり、海に潜るためのメカを開発、操縦を担当する。

 

狩野(かのう)浩平(こうへい)

海洋生物学の専門家。物静かで、コンピューター操作を得意とする。

 

真壁(まかべ)孝信(たかのぶ)

データリング担当。屈強な体格の持ち主であることから、格闘家と思われているが……それとは裏腹に臆病な一面があるらしい。

 

 

そして『木戸(きど)慎吾(しんご)

水族館の館長兼ORCの隊長で、落ち着いた性格であるが時々他の隊員たちや一翔と明るく接するムードメーカーでもある。

 

 

一翔はここに属しているわけではないが、幼い頃から木戸との交流があることもあり、名目上はORCの関係者及び、協力者という立場にある。

 

「チビスケたちがここで保護されてもう大分経つんだな……結構それなりに成長もしてきてるし」

 

一翔はそう呟きながらチビスケにチョコレート、ジョリーに骨抜きの魚を食べさせていた。

 

「まぁ、ここである程度保護して、もう海に帰しても良い具合になれたらその時はしばらく会えなくなっちゃうけどな」

 

「……そうですね。けど、大丈夫ですかね?こいつらは結構遠くの海から来たらしいけど、今でも帰りたがらないんでしょ?」

 

「そうなんだよなぁ……まぁ、帰りたがらないのは一翔が恋しいのかもしれないしな」

 

「フッ……そうだと良いんですけどね」

 

 

 

 

 

その後、チビスケやジョリー以外の他の生物たちのことや最近の海の変化などのことを色々知った後、そろそろ水族館の方が閉館時間となるため一翔は帰宅することにした。

 

「それじゃあ、また時間があれば来ます」

 

「あぁ、いつでも待ってるぞ」

 

木戸に出入り口まで見送ってもらった後、一翔は自宅へと帰るために歩き始める。

 

「一翔」

 

と、そこで木戸が呼び止めたため振り向くと、真剣な表情をしながら木戸は一翔に問いかけた。

 

「君は今もずっとノイズと戦っているのか?」

 

「……はい。そのために俺はこの光を手にしたんです」

 

一翔はそう言うと胸ポケットの中からウルトラマンに変身するブレスレットを取り出した。それを木戸に隠すことなく見せる。

 

「……君の気持ちは僕も……いや、僕たちも痛いほどよく分かる。けど……無茶だけはするな。そんな事じゃ、僕たちだけでなく彼ら(・・)も悲しい思いをするんだ」

 

木戸が以前ノイズに襲われかけた時に一翔は彼の前でウルトラマンに変身したことがある。そのため、木戸や他のメンバーは一翔がウルトラマンであることを知っている。

 

そして、一翔はその時の戦いで結構無茶な戦い方をしていたため、木戸はその時のような無茶な戦いを続けているのではないかと案じていた。

 

その言葉に対して一翔は―――

 

 

「無茶かもしれないけど無理じゃない……ノイズが現れ続ける限り、俺も戦い続けるだけです」

 

 

なんとも冷たい眼をしながら一翔は今度こそ歩き出して水族館を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、完全に日が沈んだ頃―――

 

 

『ハァッ!』

 

 

一翔はウルトラマンとなってノイズと戦っていた。その後ろには1人の人間がウルトラマンとノイズの戦いの場から遠ざかるように逃げていた。

 

ノイズが現れた場所に一翔が偶然その近くを歩いていたため、炭化される前に早く駆けつけることが出来たようだ。

 

『デェアアアアアアアアアアアッ!!!!』

 

そしてとどめに額から光の刃『フォトンクラッシャー』を放ち、ノイズたちを一掃した。

 

(ふぅ、なんとかすぐに駆けつけられたか……今日はこれまでだな)

 

ノイズの一掃を確認すると、ウルトラマンはその場から飛び去ろうとする。

 

すると―――

 

 

『ッ!』

 

 

彼の背後から突然青く光る何かが向かってきた。ウルトラマンはいち早く気づき跳躍して回避する。すると謎の衝撃で辺りに煙が舞い上がる。

 

「見つけたぞ!」

 

そして煙が晴れるとそこにいたのは、青い長髪と左側で結わえたサイドポニーという特徴的な髪型をし、機械的なアーマーを身に纏って、1本の刀を構えている謎の少女だった。

 

(何だこいつ……?人間らしいが、ただ者じゃなさそうだな……)

 

突然現れた謎の少女に警戒しながらウルトラマンは少女を観察する。

 

「噂や二課での情報通りのようだな。ノイズを倒し、人間を襲わないということは人間の敵ではないのは確かだろう。しかし、正体が分からない以上、安易に味方だと断言することも出来ない。だからここで貴方を拘束し、正体を暴かせてもらう!」

 

(なるほど……どうやらこいつはその二課って言う組織に属していて、身に纏っている鎧のようなものはその組織のもの……そして、その組織の命令かどうかは知らないが俺を捕まえようと……少なくとも、ORCのような秘密組織であるのも間違いなさそうだな)

 

その考えに至ると、ウルトラマンは胸のランプ『ライフゲージ』から青い光を発生させてこの場から消えようとする。

 

「させるかッ!!」

 

『ッ!?』

 

しかし、光が発生しかけたと同時に少女はウルトラマンとの距離を積め、手に持っていた刀で彼に斬りかかる。

 

だが、間一髪のところでウルトラマンは斬撃を免れることに成功する。

 

「やはり光となって消え去るということも本当のようだな。だが、ここでみすみす野放しにするわけにはいかんッ!!」

 

そう言って少女は再びウルトラマンに斬りかかる。しかしウルトラマン―――一翔は人間とは戦いたくないため、ただただ避け続けるだけだった。

 

(くっ……!このままじゃ埒が明かねぇ……!)

 

先程のノイズとの戦いの後ということもあり、このままではまずいと思い、ウルトラマンは目にも留まらぬ速さで移動する『高速移動能力』で少女の背後に回り込む。そしてその直後にウルトラマンは飛び上がり、光となって消えていった。

 

「なっ!?待てッ!!」

 

目の前から突然消えたことに少女は一瞬驚愕するも、背後に回り込まれたと瞬時に気づき振り返るが、すでにウルトラマンは消え去ってしまったため追いかけることができなくなった。

 

「くっ、逃げられたか……!」

 

悔しそうに少女は呟くと、謎のアーマーは解除されていくかのように消え、どこかの学校の制服姿になる。

 

「何者なのだ、一体……?」

 

1人そこに残った少女はウルトラマンが消えた場所を見つめながらそう呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日経ったある日―――

 

 

(一体何だったんだ、あの女……?恐らくあの女が言っていた二課って言う組織の本来の目的は俺と同じようにノイズを倒すこと……しかし、あの見たことのない鎧は何だ?)

 

一軒のラーメン屋で椅子に腰掛けながら、注文した品を待っている間に一翔は前に現れた謎の少女や彼女の言ってた二課という組織について考えていた。

 

(にしても、俺を捕獲か……ま、他人から見れば俺が手にした力は未知のものだ。調べるために捕獲しようとするのにも納得がいく。けど、俺だってまだ訳の分からん組織にこの力のことを教えるつもりは毛頭ないがな……)

 

「へい、醤油ラーメン1丁お待ち!」

 

考えてる途中で注文したラーメンが出てきたため、考えることは一度中断して食事を摂ることにする。

 

そして、一翔は割り箸を取り出して2つに割り、出されたラーメン―――そこに入っているなるとを

 

 

ブスッ

 

 

……ぶっ刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、店を出た一翔は見知った人物と遭遇した。

 

「ん?立花じゃないか」

 

「あ、一翔さん!こんなところで会うなんて奇遇ですね」

 

その人物とは響だった。

 

響と未来は一翔と同じ中学に通ってる後輩であり、一翔は時折2人の勉強(特に響の)を見てくれることもあるので、2人からは結構信頼されている。

 

「今日はどうしたんですか?」

 

「ただの気分転換だよ。そういうお前こそ、小日向がいないみたいがどうしたんだ?」

 

「今日はツヴァイウィングのライブがあってこれから向かうんですけど、未来は急な用事があって来れなくなって……それで、私1人で行くことになっちゃったんです……」

 

見て分かるほど響は本当に残念そうに落ち込む。

 

「私、呪われてるかも……」

 

「その口癖は聞き飽きた。まぁ、行ってやりたいがチケットはもう完売してるだろうし、あまり知らないアーティストのライブを楽しむのもどうかと思うし……悪いとは思うが、俺たちが後悔するくらい1人で楽しんでこい。今度俺と小日向で焼肉奢ってやるから」

 

「やったー!じゃあ思いっきり楽しんできますね!!絶対にライブに来なかったことを後悔させてやりますから!!」

 

そう言って響はさっきまでの落ち込みが嘘のように元気よく返事して走っていった。

 

「ったく、現金な奴だな……」

 

響の変わり様に呆れながらも一翔は微笑ましく響を見送った。

 

 

しかし、この時一翔は知らなかった

 

この後に起こる悲劇により、別の意味で後悔することに……。




原作やアニメだと響と未来の通ってた中学の名前は出てなかったと思うので、仮にあったとしたもオリジナル設定に基づいて敢えてここは主人公の通ってる中学と同じという設定であります。

あと、今回登場したORCという組織とそこに所属するメンバー……分かる人には分かります。

この後にやるライブ事件エピソードは2回に分けて投稿する予定です。

主人公にCVを付けるなら?(最終投票)

  • 松岡禎丞
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