安寧の護り手   作:夜刀ノ神

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第5話

 

「やはり戦いとはうまくいかないものですね」

そう言いつつ胸の前で十字架を切ったのは此度の大戦フレイムヘイズ側の総大将”震威の結い手”ゾフィー・サバリッシュだ

 

「開戦早々に”焚塵の関”を討滅出来たのは、君が立てた作戦の確かな戦果ですぞ」

それに答えるのは彼女が契約している”払の雷剣”タケミカヅチだ

 

「代わりに私たちが追い散らかされているではありませんか。今回集めた連中は18年前の英傑達とは違う・・・・

”とむらいの鐘”(トーテン・グロッケ)と正面から殴り合うために限界まで数をそろえた分、誰もかれも急増の、打ち手としては素人ばかり。必ず勝たねばならない戦いだというのに」

 

ゾフィーがいる本陣から見える戦場でまた爆炎があがった、怒号と絶叫が地鳴りのように響いている

 

__あそこで何人死んでいるのやら

 

今大戦に挑むべく集められた打ち手は契約して間もないか、独自の技を磨いてすらないいわば新米ばかりだった、数少ない腕利きの打ち手らを隊長として配置してはいるものの。所詮は即席兵団、戦場の往来の古強者たる”九垓の天秤”直率の軍勢と、まともに当たり得ようもない

 

「せめて彼女が参戦してくれれば、幾分かこの大戦も楽になったと思うのですが・・・」

 

「ゾフィー・サバリッシュ君、戦場でない物ねだりは良くないですぞ」

 

「ええ、分かっているのですが、彼女なら真っ先に参戦してくれると思っていただけに不参戦の返答を貰った時の衝撃が存外大きくて」

 

「彼女は、人々が安らかに暮らすことを常日頃からねがっていますからな、確か__拾った打ち手の育成__を理由に否を返したのでしたかな」

 

「そう、手紙には書いてありましたね・・・・」

 

__まずいですね、これは危機的状況といっても差しさわりないですね

 

 

「私が出ます」

 

思わぬ声に天幕内で地図を睨んでいた数名に動揺の声があがる

 

「なんと、総大将自らの太刀打ちとは愚策の極みですぞ」

 

「そうです、ここは私に任せてください」

 

「!この声は!?」

 

いきなり天幕に設置してあった蝋燭から火の粉が飛びそれが地面に着くと同時に膨れ上がり

二つの人影が生成される

 

やがて膨れ上がった炎は霧散し中から女性と少女が現れる

 

「ゾフィー・サバリッシュお待たせしましたこれより、私”安寧の護り手”(あんねいのまもりて)イリス・アンテュール戦列に参戦したく思います」

 

「同じく、”護り手の守護手”(まもりてのしゅごしゅ)ベル参戦しまーす」

 

「”安寧の護り手”なぜ急に参戦する気になったのですかな」

 

タケミカヅチが参戦が遅れたことを責めるように問う

 

「彼女の育成に手間をかけたかったもので」

 

「いまはその回答で満足しておく」

 

「タケミカヅチー乙女には秘密があるものなのよー?」

 

「さようですか」

 

「さようでーす」

 

「ベル彼女が、古い知り合いの”震威の結い手”よ」

 

「改めてよろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、”震威の結い手”現状は?」

 

「かなり悪いです、”ウルリクムミ”の軍に我が軍は攻められています

こちらは新米ばかり、で________

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、では前半戦に戦線できなかったお詫びとしてひと暴れしてくるとしましょう

例の二人の作戦が成功すれば、いい感じになるのですよね」

 

「ええ、頼みましたよ」

 

「お任せを、ベル私は今からひと暴れしてきます貴方はここで総大将の護りをお願いします」

 

「イリス様!私もついていきます!」

 

「・・・分かりました遅れないように」

 

「はい!!」

 

 

 

 

 

「さあ、久しぶりに暴れますよ!!準備はいいですね!?ベル」

 

「はい!!」

 

「貴方は近づいてくる敵をひたすら防いでください殲滅は私がします

さあ!!これまで貯めてきた自在式の椀飯振舞ですよ!!

__自在式__”純心なる祈り・エイラ”__”7宝石の姫・レフィーエ”__”聖弓の使い手・クルト”__”ホワイトスワン・オディール”__”天狐”__”安息の従者”__

__自在法__”天狐の社”__”詠唱:白牙の神殿”__ペガサスの結晶像

発動!!更に一部を進化!」

 

イリスが自在式と自在法を展開させる途中でそれに気付いた”徒”もいたが全てベルの”自在式””刃鏡”によって防がれた

 

 

そしてイリスの自在法と自在式が発動する

 

祈り続ける聖女、七つの宝石を操る姫、凄まじい弓の名手でいくつもの的を射抜く射手、黒と対になっている白鳥、天からやってきたやべー狐、安息を求める従者

そして、天の狐が務める社、白い牙が祭られている神殿、羽の生えた馬の結晶像

 

更に、エイラとクルトが進化する

 

 

「さあさあ!皆さん久しぶりにやりますよ!」

 

エイラが進化したことによって”エイラの祈祷”が発動、更にクルトが進化したことでイリスの体力=”存在の力”が回復それによってクルトによる敵全体への一斉攻撃が始まる更に”天狐の社”の効果で光の球体が敵に向かって飛んでいく、更に”エイラの祈祷”が発動し()()()()()()()()()()()が上昇更に”白牙の神殿”のカウントダウンが進む、同じくレフィーエ、オディール、安息の従者、詠唱:白牙の神殿、ペガサスの結晶像の効果により同じことが起こる

 

 

本陣で見ていた打ち手達、流石にこの光景には唖然としている

 

クルトと天狐の社からの攻撃でこの周辺までせめて来ていた”徒”が殲滅されている

 

それどころではなく、敵軍が出して空を覆っている”自在法””五月蠅る風”の蠅まで攻撃し出している

 

__これなら!一気にあの二人の作戦の難易度が下がりますね

 

「”安寧の護り手”にそのまま蠅の駆逐をするように伝えてください」

 

「はっ!!」

 

 

 

 

「うーん爽快ねえ、これほどまで簡単に打ち取れると」

 

「普段は流石に自重していますからね、”存在の力”の消費が馬鹿になりませんし」

 

「でも、もう回復してるんでしょう?」

 

「ええ、私達フレイムヘイズに取って”存在の力”は体力と同じことです、つまりはそう言うことですね」

 

そう話している間にも蠅を駆逐していっている、蠅もこの状況を不利と悟ったのか

果敢に攻めて来るが、体力と攻撃力が凄まじいほどに上がったレフィーエに防がれてこちらまで来れない

蠅を防ぐのに消費した体力も、すぐに回復してしまい更に強くなっていく

この布陣は物量こそ増えないが、味方がどんどん強くなっていく

更に、”白牙の神殿”から出てきた”大翼の白竜"が大暴れしている

 

「少し、頑張りすぎましたね蠅がすごい勢いで減って行きます」

 

少し前まで空を埋め尽くすほどにいた蠅だがはその半分にも満たなくなっている

 

「とはいえ、そろそろ維持に限界がきますね、エイラとクルトだけ残して後は撤収ですね」

 

「それがいいと、思うよーレフィーエのおかげで随時回復はできるし効果が切れるまで」

 

「ではそうしましょう、皆さん御苦労さまでしたご褒美は又今度にしますので__解除__」

 

二人以外の身体が火の子になりイリスの元へ戻ってくる

 

「では二人、もうしばらく力を貸してもらいますよ、もちろんベルも」

 

「はい!」

 

 

 

 

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