ゼノブレイド2 特別執権官補佐   作:青い灰

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ほのぼの回。
ヤエギリのヒロイン要素忘れそうになります。
イラストとか、普通に可愛いですよね(圧)。



フォンス・マイムでヤエギリと

 

「さて、と」

 

 

俺は軍刀を背負い直し、

フレースヴェルグの村を出る。

 

 

「レックスたちには説明終わったのかい?」

 

「あぁ、そろそろ出るとしよう」

 

 

先日、フレースヴェルグの村へメガネが

襲撃を仕掛けてきた。

 

俺はそれを帰ってきたレックスたちに伝えると、

イーラについて調べる、という名目で

先にフォンス・マイムに向かうことにした。

 

本当の目的は、イーラの連中、

特に、シンとメツを探すためだ。

 

 

「シンはどうしたんだろうなぁ」

 

「んん?会ったことあるの?」

 

「まぁな、アイツは

 メツを敵視してた筈なんだがな」

 

 

洗脳でもされたか?

ラウラのやつが死んでメツと同調したのか?

あれがメツと同調するとは思えないが。

 

 

「まぁ考えても仕方ない、行くか」

 

「そうだねー」

 

 

こうして、俺たちは

フォンス・マイムへ向けて歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が傾き始めたころ。

歩き始めて5時間ほどで、俺とヤエギリは

フォンス・マイムにたどり着いた。

 

 

「おおー!ここがフォンス・マイムかー!」

 

 

門を通ったとき、ヤエギリの腹から

「ぐぅぅ」という音がなる。

 

 

「……あー、ごめん、お腹すいて………///」

 

「はははっ、そうだな、腹も減ったし、

 何か買って食べることにしよう」

 

「いぇーい!」

 

 

俺とヤエギリは店を見て回る。

いい臭いがするな。

結構な長時間歩いてたし、

モンスターと戦っていたので流石に腹が減る。

 

 

「………ん?」

 

 

ヤエギリが隣から消えていることに気付き、

俺が後ろを振り向くと、

 

炭焼き鳥の屋台をヨダレを

垂らしたヤエギリが凝視していた。

 

俺は財布を取り出し、

焼き鳥を5本ほどパックで買う。

……中々高い。

ヤエギリが見ていただけの理由がこれだろうな。

 

それをヤエギリに手渡す。

 

 

「ほれ」

 

「いいの!?」

 

「あぁ、今日はかなり歩いたからな。

 メレフもいないし、贅沢しても大丈夫だろ」

 

「ありがとー!」

 

「うおっ!人目もあるから抱きつくなッ!!」

 

 

少し周りを見渡すと、ちょっとした

騒ぎのようになっていて、周りの人々に

暖かい目で見られていた。

 

俺は離してくれないヤエギリをくっ付けたまま、

逃げるようにその場を離れた。

 

ていうか、顔に胸を押し付けるのは辞めろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは崩れた橋の端で落ち着き、

テッカ鳥の炭焼きをかじっていた。

 

 

「うーん、美味しい!

 こんな美味しい物初めてだよ!」

 

「ははは、大袈裟だな。

  ほら、俺の分もやるよ」

 

「えっ、いいの!?」

 

 

俺の一本目(食べかけ)を

ヤエギリの口の前に持っていく。

 

 

「遠慮すんな、ほれ。あーん」

 

「っ!?……あ、あーん///」

 

 

ヤエギリは顔を赤くしてそれを食べる。

………たまに見せるが、こういう時とか反応が

可愛いんだよな。

 

 

「………」

 

「………///」

 

 

しまった。小さな悪戯心のせいで

話しづらくなってしまった。

 

 

「……け、景色、綺麗だよね!///」

 

「お、おう。確かに………な」

 

 

言われる通り、無理矢理に景色に視線を向ける。

確かに、綺麗だった。

 

 

「………幻想的って、こういうことを言うんだね」

 

 

オレンジ色に発光するの桜の花びらが舞い、

それが水に映り、舞い上がるようにも見えた。

 

幻想的……そんな言葉を

具現化したらこんな感じなのだろう。

 

 

「……そうだな、本当に……」

 

「うん。また、来ようね」

 

 

肩を寄せ、俺たちは景色を

眺めながら眠ってしまったのだった。

 


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