「終わったか」
「ふー、なんか戦い足りないなぁー」
「その辺の敵なら倒していいぞ、
俺の目の届かないところには行くなよ」
「やったー!」
ヤエギリはかなりの速さで
飛んで行ってしまった。
アイツは元気だなー。
「助けてくれてありがとう、オレはレックス」
「レックス!そいつから離れな!」
「……ま、そうなるわな」
ニアがツインリングを構え、
こちらを睨んでいる。
「ニ、ニア?どうしたも?」
「こいつ、スペルビア軍だよ」
「なっ!?」
「俺はお前たちを拘束する気はないが」
「どうだか。私たちを助けるふりして、
捕まえる気立てだったんじゃないの?」
面倒くせぇ………
まぁ誰だってそうなるだろうなぁ。
「………お主、オウカ、じゃな?」
「セイリュウのじいさんか、久しぶりだな」
「え、じっちゃん知り合い?」
「あぁ、古い、な」
レックスは武器をしまってくれる。
ナイスだ、じいさん。
「………ニア、武器をしまってやってくれんか?」
「………分かった。
でも、少しでも危害を加えるつもりなら」
「好きにしてくれ」
まぁ、少しは話せるようになったか?
「まぁ、積もる話もあるじゃろ、
ここいらで少し休憩にせんか?」
「そうだね、そこの木陰で休もうか」
俺は木陰へ向かい、
レックスたちと話し始める。
「まず、お主はなんじゃ?」
「いきなりストレートに聞くね。何、か………」
「スペルビアの兵士、じゃないの?」
「ま、そうなるか。
俺はスペルビア、特別執権官の補佐、だ」
周りの全員が目を丸くする。
「特別執権官、補佐!?」
「あのメレフってやつの部下じゃないか!?」
「て、敵なのかも!?」
「敵じゃない」
まぁ、スペルビアのNo.3だからな。
警戒されるのも仕方ないか。
「俺は今、完全にブレイドと二人。
あいつらはいねぇよ、ブレイドは今いねぇし」
「ですけど、私たちが全力でかかっても、
あなたには勝てない。そのはずです」
流石、天の聖杯、といったところか?
「………さぁ?どうだろうな」
「無理じゃな、
今のレックスたちでは絶対にお前に敵わん」
「……知り合い二人は信じてくれないのかねぇ」
「知り合い二人?
ホムラも、この人と知り合いなの?」
レックスがホムラに聞く。
「はい、彼は500年前、
一時期だけ私たちと旅をした方です」
「その時はブレイドは居なかった筈じゃが……」
「ヤエギリなら五年程前に同調したんだ」
「ちょっ、ちょっと待って!?
ご、500年前に旅をしてたって!?」
「あんた一体何歳なの!?」
「忘れた」
「「はぁぁぁぁっ!?」」
「………お主、人間ではなかったのか?」
「くくっ、まぁ、な」