俺ガイル色々ごちゃごちゃ   作:根王

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どうも最近の俺ガイルのSSにヤンデレ成分が見られなかったので書き終えました。という事で留美登場。次回が最終回?になるかもしれません。もうちょっと続けても良かったのですがリアルが忙しく他のシリーズもあるので一回終わらせようと思っています。後18禁もそれなり書いたのですがまだ出来上がっていない上に「チープ過ぎかな…これ」みたいなスパイラルに入っているので当分先かもしれません。うーん難しい…


彼は狂愛にまた浸食される

side 八幡

 

「…」

 

 聞いてしまった。ここに雪ノ下さんが居なくて風呂に入っている事が幸運だった。俺は葉山から聞いてしまった。彼女達の行動…目的…それは『花園計画』。詳細は不明だが…雪ノ下さんが企んでる計画だ。

 

「俺を…どうするつもりだ?」

 

 兎に角俺は大きく関わってるのは確かで俺という存在を欲している。だけどそこに俺が求める本物はあるのか?あんな狂った愛情に本物が存在するのか?いや…どうすりゃいいんだよ俺は…

 

「は~ちまん君♡」

 

「ゆ、雪ノ下さん!?」

 

 バスタオルだけ巻いた雪ノ下さんがそこにいた。シャンプーの香りと雪ノ下さんの体付きで思わず見とれてしまう。それにしても寒くないのだろうか?

 

「さあ一緒に寝よ♡今日は寝かさないz」

 

「おやすみなさーい」ガチャバンカチャ

 

 ここで緊急回避を発動させマイルームに避難。バスタオル巻いただけの雪ノ下さんがそこにいた。

 

「…八幡君?あの入れてくれない?お風呂上りだから寒いな~お姉さん~」

 

「はいはーいこっちですよー」

 

「あの小町ちゃん?小町ちゃん?」

 

 ファインプレーだマイエンジェルシスター小町。ゴールデングラブ賞確定のプレーだったぞ。今度どっか連れてってやるからな。それにしても良かった良かったこれで俺は平穏に寝れるし雪ノ下さんも風邪引かないし今夜は平和に寝れそうだ。お休み

 

 そして翌朝、風邪を引きかけた姉乃下さんを置いて学校へ向かう。由比ヶ浜と川崎に穴を開けられそうな視線を受けつつ放課後まで無事に生き残る。今日は奉仕部の活動が無く生徒会の手伝いに行く事になった。

 

「いや~緊張します~せんぱ~い」

 

 会長は言わずもがなこいつ一色いろはだ。生徒会選挙は一色が勝利し恥をかかせようとした女子達の目論見は見事に裏切られたのだ。めでたく生徒会長となった彼女の初仕事は海浜総合高校との合同のクリスマスパーティーの開催だ。俺達奉仕部はそれの助っ人として参加する事になった訳だが…

 

「あっ比企谷じゃんこのまえ振りじゃん」

 

「折本…」

 

 あいつ海浜総合の生徒だったのかよ…この前みたいな小馬鹿にした態度ではなく何やら聞きたそうな表情をしていた。雪ノ下さんのインパクトは凄かったようだな。俺もあの時は流石に肝が冷えたぞ。

 

「何だい知り合いかい?それじゃあ会議を始めようじゃないか」

 

 海浜総合の玉縄の掛け声で会議が始まったが…色んな専門用語だらけでちっとも進む事はなかった。ホント何を言ってるか分からない。あっちの世界にでも行ってんじゃねえのか?休憩となりさっきの会議とは言えない会議に頭を痛めつつマッ〇ンを飲み干す。

 

「ねえ比企谷ちょっといい?」

 

「おういいぞどうした?」

 

「この前の怖い女の人って誰?」

 

「あーあの人か…そうだなこの世で誰よりも怖く強く手段を選ばない人」

 

「何それ…ウケないんですけど。どんな関係?付き合ってるとか?」

 

「…聞くか?」

 

「ちょっと気になるというか」

 

 それはめっちゃ気にしてるという意味だぞ折本よ…

 

「…俺という人間、俺という存在を手に入れようとする人だ。それまでの経緯を教える。まずはな…」

 

 俺は折本に彼女達と狂った日の事を教えた。修学旅行の嘘告白、その後いじめられて彼女達が俺を守る為に狂愛に走った事、海浜総合でも有名な葉山の末路…今までの事を全て話した。折本は恐怖に怯えた表情している

 

「狂ってる…狂っていすぎでしょその娘達…比企谷は逃げないの?」

 

「逃げれない…な。多分どこまでも追ってくんじゃないか?それに下手な事をしたらギリギリの理性が吹っ飛んでどうなるのか…想像もしたくない」

 

「うわっ絶対絶命じゃんそれ」

 

「その通りだ。だから耐えるしかない…僅かな可能性に賭けて元に戻るまでな」

 

「なんか逞しいね比企谷」

 

「別に…というかあの会議どうすんの?あんな調子じゃ間に合わねえぞ?」

 

「あーそれねーなんか、いつもあの調子なんだよね何言ってるか分からないけど」

 

「安心しろ俺もだ」

 

 折本のやり取りを終えて尚会議は続いたが進展も無く解散となった。一色達と別れた後コミュニティーセンターを後にして暫くすると

 

「あっヒッキー!」

 

「ご苦労様八幡…さあ帰りましょう」

 

「お、おう」

 

 他校の生徒かうちの学校の生徒かは分からないが道行く人々は俺達に注視する。そりゃ冴えなそうな腐り目の男がこんな美人と二人も腕を組んでいるんだからな。でもなこの状態はな俺にとって拘束なんだぞ?おいそこのお前交換してやろうか?ドロドロの修羅場を覚悟すんだな

 

「何か余計な事を考えていないかしら?」ジー

 

「いや別に…」

 

「…」スンスン

 

 雪ノ下の問い詰めをはぐらかす間、由比ヶ浜は俺の服を掴み匂いを嗅いでいる。それはせめて家でやって?家でもされたくないけど

 

「ねえヒッキー…」

 

「なんだよ…もう満足か早く行くぞ」

 

 ガシッ

 

 腕を掴まれる。その手にはとんでもない力を宿していた…ってめっちゃ痛い!?お前そんなキャラじゃないだろ!下を向いていた由比ヶ浜の顔が徐々に明らかになり…

 

 

 

 狂犬のような眼で俺を睨み怒気が孕んだ声が聞こえた。

 

「ヒッキーさぁ…どうしていろはちゃん以外の()の匂いがするの?どうして?コタエテヒッキー」ハイライトオフ

 

「ワタシモクワシクキキタイワネ。マサカウワキカシラ?」ハイライトry 

 

 なんでこうなったし必死に弁明して許しを乞えた俺は何されるか分からないまま帰宅し二回目の尋問を受けて今夜一緒に寝るという事になった。小町はマジギレだったが…就寝しようにも四六時中頭が比企谷菌に感染し狂気と発情しているこいつらに隙を見せる訳にいかず全く寝れなかった。由比ヶ浜がさりげなく当ててきたり雪ノ下が胸に頭をうずめてきたりして理性が飛びそうだった。お願いだから寝かして?まだ魔法使いでいたいの

 

 

 

 

 

 とある日、クリスマスパーティーの協力を乞う為近くの保育園に顔を出しに…何故か川崎が付いてきたがな。保育園の先生に話を伺おうとしたら

 

「さーちゃん!」

 

 川崎の髪と同じ女の子が川崎に抱きついて来た。そういえば妹がいるって言っていたな。この娘が妹なのか。

 

「紹介するよ。妹の京華だよ」

 

「よろしくな京華ちゃん。俺は比企谷八幡だ」

 

「はち…まん…」

 

 

 

「さーちゃんの旦那さん」

 

「ぶほぉあっ!?」

 

 吹くわこんなの。目を丸くして川崎を見る。母性溢れる笑顔で京華を抱き上げ

 

「そーだよけーちゃん。さーちゃんの未来の旦那さんだよ」

 

「さーちゃんの旦那さんがはーちゃん?」

 

「そう。今日から家族…」

 

「待て待て待て待て待てベ〇カー家よりはマシかもしれないけど。それはそれで怖いし駄目でしょ」

 

「え、どこが?」

 

「もう色々だろうが!?」

 

 一色は「うわぁ…」とドン引き。ここって保育園だよね?なんでこんなドロドロした展開になってんのさ!もし川崎家公認だったらマジで逃げ場が存在しないぞ!最近俺の逃げ道が無くなっているのは気のせいか?気のせいであってくれ

 

 という事が起きてまた海浜との会議に参加。雪ノ下さんの計画といい雪ノ下と由比ヶ浜の睡眠妨害といい川崎の未来旦那宣言といい話が頭に入らん。もうどうにでもなーれ…そんな訳にも行かず。玉縄に今後の対応を話し合って進展もせず。席に着く…くそ…彼女達の狂気で精神が擦り減り進まない会議にイラつき体も疲れ切っている…どうすりゃいいんだよ。

 

「あれ…八幡?」

 

「え…留美?」

 

 小学生が来てるかと思えば千葉村で出会った鶴見留美がそこにいた。留美は俺だと分かると飾りを作る道具を手放して俺に抱きついてきた。流石に気まずいので場所を移した…袖を掴んで顔を赤くする留美を連れて。その時俺は思った…まさか留美も?なんてな流石に小学生の彼女がな…場所を屋上に移して道中で買ったココアを留美に渡してベンチに座った

 

「久しぶりだな留美」

 

「うん…あの時はありがとう」

 

「まあ気にすんな。それにしても分かったなお前」

 

「アホ毛にその目…すぐに分かった」

 

「そうか」

 

 あれ至って普通だな…まあよかった。留美は狂気に染まっていないようだな…異性の知り合いにまともな奴はいないからな。留美がまだ普通で…せめてこいつだけでも…後で忠告するか今の雪ノ下と由比ヶ浜に近付く事を。留美を狂愛に支配される前にな。ココアを飲み干した留美はベンチから立ち上がった。どうしたんだ?と思って顔を覗いた。

 

「ねえ八幡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 顔を覗いた。その時は俺は後悔した。何故か、て?だってよ…口元はにやりと笑って生気のない目。この目は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 期待は見事に砕けた。せめて留美だけでも正常でいて欲しかった俺の希望は地の底の闇へと飲まれた。

 

「例えそんな特徴無くても八幡ならすぐに分かるよ?だって八幡の匂いってすぐ分かるし。それにあの時から八幡の仕草とか分かるようになったよ?凄いでしょ。でもね足りないの…私はまだ小学生だから知らない事が多いけど八幡の事はもっと知りたい。八幡は私にとって王子様だしヒーローだから…///それに自分の身を顧みずに助けようとしてくれるからもっと好きになっちゃった♡千葉村にいた金髪のお兄さんはかっこよかったけど八幡の方が100万倍かっこいいよ?だってあの人、余計な事しかしないし私の立場を危うくさせようとしてたもん。それに頼んでいないのに話し合いさせて仲良くって…そんなで仲直りなんてできないのにあの人馬鹿だね。後、雪乃さんから聞いたけど八幡を利用しようとしてたんでしょ?八幡に助けられていながら都合良く利用しといて自分の地位だけを守ろうとする人…最低な人だね。もういないって聞いて清々した。これで八幡ともっと仲良くなれるね♡だって邪魔者はいないんだから。今ねお母さんと一緒にお料理とかお裁縫の練習してるの花嫁修業をしてるんだ。私ね夢があるの…それはね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「八幡の奥さん♡素敵でしょ?ねえ八幡」

 

 

 

 留美の熱弁に俺はベンチから立ち上がり後退りしてしまう。留美はそんな俺の姿を見ながらも熱弁を止める事なくゆっくりと一歩ずつ俺に歩み寄る。小さな少女に宿ってしまった狂愛は高校生を震え上がるには十分な恐怖だった。留美に追い詰められ金網に背を預けてしまう俺。そんな俺を見て留美は微笑みながら小さな両手で俺の頬に添える。真っ黒で光沢の無い眼をして…そうだこの目は紛れもないあの目。

 

「大丈夫だよ八幡…今度は私達が守ってあげるね?ずっとずぅーーーーーーと一緒だよ♡幸せになろうね私達皆で」

 

  

 

 おぼつかない足取りで会議室に戻る。本牧が心配してきたが大丈夫と言って席に着く。玉縄や一色、折本が話し合っていたが…何の話だったかは覚えていない。ただ一つ確かな事は12歳の少女が狂気と愛に身を溺れさせたという事だけだ。

 

 後日、雪ノ下と由比ヶ浜に川崎、城廻先輩、雪ノ下さんも会議に参加。後で一色に確認した所、玉縄を逆論破しあれよあれよと計画が進み。クリスマスパーティーが無事に開催される事になった、と…仕事を達成した動かない会議が進み開催までにこじつけた。でも俺の心は晴れる事はなかった。

 

 

 

 それから…時は元旦まで進む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉さん計画の方は?」

 

「問題無し。留美ちゃんの一仕事で八幡君は陥落まで後一歩だね」

 

「陽乃さんこれであたし達みんな幸せになるんですよね♪」

 

「そうだよ。八幡君と彼を愛するだけの世界ができるから…雪乃ちゃんもガハマちゃんも沙希ちゃんもめぐりも留美ちゃんも私も…」

 

「はるさん…楽しみです!私はもう…我慢できないですよ♡」

 

「だーめ。まだだよめぐり?さてもう一押しは…任せるね」

 

 

 




 それではよいお年を

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