俺ガイル色々ごちゃごちゃ   作:根王

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 おまたせしました。許しです。今回は深夜バイト編です。アンチみたいな展開があります…注意してください。後リアルが忙しく原作の部分をいくつか簡略しました。その部分は次回のおまけにします。





口論ってアンチになりますかね?




彼は不良少女を諭し孤高な少女に現実を見せる

去年…

 

「はぁ…はぁ…!」

 

 震える手でカッターナイフを握る。

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

 聞こえるはずが無いのに無駄な事なのにカッターナイフを離さない。離す事ができない。カッターナイフを握った手を振り上げた時、誰かの手に掴まれた。

 

「あんた…駄目だよ!離しな!」

 

 手首を捻られてカッターナイフを落としてしまう。捻られた痛みで尻もちを着く、落ちたカッターナイフを拾おうとすると

 

「だから駄目!」

 

 カッターナイフを蹴っ飛ばし遥か遠くへと吹き飛んだ。顔が見上げると顔を真っ赤にして息を切らした目付きの悪い女子生徒がいた。

 

「あんたさ、何してんの」

 

「償い…」

 

「何を?あんたは何を償おうとしてんの?」

 

「…俺は助けられなかった。その手を離しちまった…それで俺は…」

 

「ねえ少しだけでもいいからさ話聞かせてよ、アタシでよければさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「診察が終わったんで来ました」

 

「そうか分かった。連絡は受けている後でプリントを取りに来なさい」

 

「はい」

 

「それとまた重役出勤かね?川崎沙希」

 

 一コマ目が終わったところで川崎が登校、無論遅刻だ。川崎は平塚先生に詫びを入れるかのように会釈し俺に軽く挨拶する。その声には疲れと眠気が籠っていた。

 

「おはよ」 

 

 俺はただそれに頷いて返答する。

 

「ああ、おはよう…また遅刻か?」

 

「別にアンタには関係ないでしょ」

 

 そう言われては今は引き下がるしかないのでこのまますれ違う俺たち。結局話さないままお互いに席に着いてしまう。平塚先生はやれやれ、とも取れるような表情をして教室を後にした。そういえば今日は奉仕部は無かったな。けどファミレスで集まって勉強会する、て言っていたな。すぐに向かうとするか待たせる訳にはいかないしな。数学はちょっと微妙だな…後で雪ノ下に少し聞いてみるか。まあ一番ヤバそうなのは由比ヶ浜だろうな。

 

「じゃあ次はゆきのんが問題を出す番ね」

 

「では国語から出題。次の慣用句の続きを述べよ。『風が吹けば』」

 

「……京葉線が止まる?」

 

 えぇ…雪ノ下も同じ思いだろうな

 

「不正解…。では、次の問題。地理より出題。『千葉県の名産を二つ答えよ』」

 

「みそぴーと、…ゆでぴー?」

 

 いや他にあんだろ!?梨とか醤油とか…というかどっちも同じ落花生だろうが…

 

「由比ヶ浜…自分の生まれ育った地の名産物ぐらい答えておけよ…」

 

「あっヒッキーじゃん。どうしよー全然わかんないよー!」

 

「普段から予習と復習ぐらいしとけよ…」

 

「八幡も来たんだね」

 

「ああ、そうだ。雪ノ下すまんが数学を教えて貰っていいか?」

 

「ええ、構わないわ。それにしてもあなたのような人も頼むこともあるのね」

 

「一人じゃ何もできないのが人だろ?こんな俺が言えたことじゃないが一人では限界がある。別に人に頼ったって良い」

 

 荷物を置いてそれそれ飲み物を用意しながら苦手な数学を雪ノ下からレクチャーして貰いつつ勉強する…くそっ俺は理系だけは苦手なんだよ。文系なら雪ノ下とタメを張れるぐらい良いんだがな。数学の勉強を終えたら今度は由比ヶ浜に色々教える。

 

「(やっぱりヒッキーは優しいな…暴言吐いちゃって怒られたけど。それでもあたしを突き放すことはしなかったし優しくしてくれる…)」

 

 

 

「(あの時のこと…早く謝らないと…)」

 

 

 

『ああ覚えてるさ。犬庇って轢かれた以上』

 

『別にどうでもいいがな』

 

 

 

 

「(ちゃんと謝ろう…いつかは…)」

 

「由比ヶ浜さん?大丈夫?具合悪いのかしら?」

 

「へっ?あ、いや何でもない!大丈夫だよ平気平気…」 

 

 

 

 

 暫く勉強してると聞き慣れた声が聞こえた。

 

「あ、お兄ちゃんだ」

 

「小町?あと誰」

 

「川崎大志っす。初めましてお兄さん」

 

「お兄さん、て…ん、川崎?お前、川崎の弟か?」

 

「はい。いつも姉がお世話になっています…あの相談が」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不良化?」

 

「そうなんすよ。最近帰りが遅くて…話しても関係ない、て言われて…」

 

「ふむ…」

 

 そういえば最近、遅刻多いよな…あいつ何してんだ?

 

「五時過ぎに帰ってくるんですよ」

 

「は?」

 

 そんなに遅いのかよ!?というか朝帰りじゃん…何やってんのあいつは

 

「それ何時から?」

 

「高二からっす…それまでは優しい姉ちゃんだったんすよ」

 

「雪ノ下…どうする?テスト二週間前だから部活停止期間だぞ」

 

「問題無いわ。これは彼女自身の相談内容…部活の範疇よ」

 

「そうだね。頑張ろうみんな!」

 

「…あいつには礼がある。大志、俺はお前の姉ちゃんに助けられたそれの恩を返させて貰うぞ」

 

「ホントっすか!?ありがとうございます!?お兄さん!」

 

「お兄さんは辞めろ。礼は終わってから言え」

 

 ということで川崎沙希の更生を大志から引き受ける形となった。さて元の優しいお姉ちゃんに戻ってもらいますかね。ということで部室で作戦会議だ。

 

「少しいいかしら?今回は川崎さん自身で立ち直るべきだと思うの」

 

「ふーん…で具体的には?」

 

「アニマルセラピー、て知ってる?」

 

 知ってるも何も世話になったわあん時な。そんなことよりも

 

「何すんの?家は猫のカマクラしかいねえぞ」

 

「あたしん家はサブレ…犬が」

 

「なら猫ね。早速連れてきて頂戴」 

 

「…え?マジでやんの?」

 

 という事で自転車飛ばしてカマクラ連れてきましたよ。雪ノ下部長…川崎のルート上にカマクラ設置する。どうやらよく漫画でヤンキーが動物に優しくする展開を期待しつつ川崎を更生させる…

 

 いや無理だろ。今回ばかりは無理だろと思ったけど言い出せなかった…俺の間抜け…

 

 と、メールか…え、マジ?本当なのかい大志くん?それを早く言って欲しかったな…さて作戦中止だ。行くか

 

「にゃー」

 

「ニャー」

 

 

 

 

 

「何してんだてめぇ…」

 

「…あなたには待機命令を出したはずだけれど?」

 

「カマクラを戯れてる貴様に言われたくないわ!」

 

「ぐっ…は、恥ずかしい…恥ずかして過ぎて死にそうだわ…いっそ殺して頂戴」

 

「落ち着け落ち着けそんなもんトラウマの内には入らん。さっき大志からメール来てな…川崎は猫アレルギーだそうだ」

 

「…」

 

 次だ、次だ。何か落ち込んでいそうだったからそのままカマクラを抱かせてやった。こいつもこいつで嬉しそうにしてんな…

 

 それから戸塚の案で平塚先生に協力を仰ぐが見事に失敗。何故かって?川崎が痛いところを言ってしまったからです。川崎よ…それ言い過ぎよ…。先生ドンマイっす。多分結婚できないのは男たちが可笑しいだけですから…禁煙とアニオタを封印すればモテると思うけどな

 

「女の子が変わる理由…こ、恋とか」

 

「そりゃねえな」

 

「そ、即答だし!?」

 

「いやあいつと話していたけどそんな素振りはねえぞ?残念だったな由比ヶ浜」

 

「うーいい案だと思ったのに…」

 

 何だろうな…何か違うんだよな。そうだな…うん。

 

「取り敢えずよ。原点に振り返ろうぜ」

 

「原点…つまり何故川崎さんが帰りが遅いか?ということかしら」

 

「そういうことだ。なんで川崎が帰りが遅いのか…それを考えてから行動すべきだろう」

 

「…そうね、少しばかり焦り過ぎたかもしれないようね」

 

「だから大志に話を聞いてみる。ちょっと待ってろ…あっもしもし俺だが…そう、分かった。そういえばお前なんで小町と知り合いなんだ?あーそう同じ塾ね…川崎も予備校に?ふーん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 成程ね…ある程度理解した。後は確信と行動に移すだけか…ん?あいつらまたどっかに…まあいい追い付く前にあの資料を探しておくか。

 

 

 

 

 

 

 

「んでここだな…『エンジェル・ラダー』」 

 

 川崎の勤め先が分かったホテル・ロイヤルオークラの最上階のバーでバイトしてる。明らかに年齢詐称だな…でも時給は高そうだな。一旦、家に帰って着替えた、ていうしここに来ているはずだ。後はどう説得するかだな。現状、メンバーで話が聞けそうなのは俺だろうな。けして自惚れではないクラスで話してるのは俺だけだろうな。由比ヶ浜と雪ノ下は接点無し戸塚も…さっきメイド喫茶についてきた材木座は戦力外です。大人しくラノベでも書いてろデブ。後で読んでやるから

 

「ねえ本当に行くの?リスク冒しすぎだろ。そこに宝でもあんの?」 

 

「川崎さんを説得するなら殴り込んだ方が効果的よ」

 

「喧嘩しに来た訳じゃないだろうがよ…」

 

 漆黒のドレスを身に纏う雪ノ下…綺麗だなこいつ。というかやっぱり間違いなかったのか。

 

「ヒッキー…どう?似合うかな…」

 

「キャバ嬢みてぇだな」

 

「もう辛辣すぎるし!」

 

 正直に言った感想なんだがな…早速エレベーターに乗って川崎がいるであろう最上階へと目指すと同時に二人に釘を刺す

 

「一つ言うぞ…騒ぎを起こすなよ?やったら俺もお前達も川崎もアウトだ…分かったな?」

 

「う、うん」

 

「勿論よ」

 

 本当に分かってんのか?こいつらは…この問題の本質は川崎が何故深夜バイトしているかだ。それを理解していないようでは解決なんてできないし彼女の性格上そう簡単に折れないだろう。今の雪ノ下と川崎は相性は最悪だろう。正直言って乗り込むのは反対だった…でも何もできない訳じゃない。俺は俺の役割をこなし川崎の問題を解決する…それだけだ。恩人にはちゃんと礼を返さないとな

 

「ねえヒッキーさ…川崎さんとはどんな感じなの?」

 

「どう、て?」

 

「大志くんにさ…恩があるからってどんな関係なの?」

 

「…彼女には一度助けられた…だから、恩返しするだけさ」

 

「そう…なんだ」

 

「何かあんのか?」 

 

「な、なんでもないし!」

 

「もう着くわよ」

 

 なんだかんだあって到着。エレベーターから出ると…これはまた豪華な…しかも外国人までいやがる。まあそういう系の店ではないというのは確定したな…だが安心はできない。まずは川崎を探そう。雪ノ下からはあまりきょろきょろせず背筋を伸ばせと言われたのを思い出して目だけを動かす。するとカウンターにあのポニーテールが特徴的な彼女がそこにいた。

 

「見つけた…川崎」

 

「え…比企谷?なんでここに…」

 

 

 

 

 

「ご注文は?」

 

 うぉぉおおっ…ヤバイこいつ機嫌が悪いぞ…頼むから睨まないでくれよ…おい雪ノ下お前も臨戦態勢に入るな

 

「雪ノ下に由比ヶ浜…モテモテだね比企谷」

 

「いやそういう関係じゃないから…」

 

 マジでそんな眼で見ないでぇ…見ないでぇ…

 

「それよりも川崎さん。あなたここでバイトしてるのね。どうみても高校生が来る場所じゃないけど」

 

「あんたらもでしょ。何未成年で飲酒しに来たの?」

 

「いやーそのなんというかその…大志くんがさ」

 

 その一言で川崎はため息を吐く。グラスを磨いてそれを丁寧に置く

 

「何飲むの?」

 

「ペリエを一つ」

 

「あ、あたしもそれで…」

 

「期待はしない。MAXコーヒー」

 

「はぁ…そんなものがここにあr」

 

「あるよ?」

 

「……ぇ。狙った訳じゃないんだけどな…まあ酒を飲む訳にはいかない。それにしてくれ」

 

「じゃあ、ちょっと待ってて」

 

 早速、ドリンクを作る川崎。様になってんな…さてはこいつ前からバイトしてんな?差し出されたMAXコーヒーを飲みつつ俺から切り出す

 

「大志から聞いたぞ。帰りが遅いって…」

 

「…そ、知ったんだ。大志からバイトを辞めさせろって言われたんでしょ?生憎だけど…辞めるつもりないよ」

 

 きっぱり言われた…でもこれで川崎の意志を知れた。まだ仕掛ける時じゃない。

 

「だから、もう関わんないでね。あんたらとは別にそこまで知り合いレベルじゃないんだから…赤の他人のあんたらに何ができんの?」

 

 えっ?俺ってそんな程度の認識なの?マジ?少し泣きそう…

 

「あ…比企谷は別だから」

 

「ちょっとホッとした」

 

 思わず口に出ちまったよ…

 

「理由ならあるわ…十時四十分…。シンデレラならあと一時間ちょっと猶予があったけれど、あなたの魔法はここで解けたみたいね」

 

「魔法が解けたなら、あとはハッピーエンドが待ってるだけなんじゃないの?」

 

「それはどうかしら、人形姫さん。あなたに待ち構えているのはバットエンドだと思うけれど?」

 

 雲行きが怪しくなってきたな…どっちも気が強いからな。どうするか考えてるときに肩を叩かれる。

 

「…ねぇ、ヒッキー。あの二人何言ってんの?」

 

「…簡単に言うと労働基準法で十八歳以下この時間まで働いてはいけない。けど川崎は年齢を偽っている」 

 

「そうなんだ…ねえ川崎さん?あたしもお金欲しいときはバイトするけど年齢誤魔化してまで夜は働かないし…」

 

「別に…お金が必要なだけだけど」

 

 …そうか。全てのピースが嵌った。ビンゴだな…これを調べたかいがあったもんだ。後はこれを川崎に教えるだけだ。これで終わり…

 

「で、でもさ?辛くない?もしかしたら力になれるかもしれないし…話すだけで楽になれること、も…」

 

 おい中途半端だぞ…本当に助ける気あんのか?川崎から思い切り睨まれてるしよ…『何が言いたいんだお前は?』みたいだぞ…

 

「言ったところで何?力になる?楽になるかも?そう、それじゃ、あんた、アタシの為にお金用意できるんだ。うちの親が用意できないものをあんたたちが肩代わりしてくれるんだ?」

 

「そ、それは…」

 

 さてそろそろだな…

 

「そのあたりでやめなさい。これ以上吠えるなら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ…雪ノ下…由比ヶ浜…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「失望したぞお前たちに」

 

「えっ?な、何言ってんのヒッキー?」

 

「比企谷くん…どういうことかしら?」

 

「そのままの意味だ…俺たちの目的は何だ?喧嘩か?違うだろ…というか。こればかりは擁護できんなお前達に」

 

「なんですって…!」

 

「一つ言うぞ…今のお前たちじゃ川崎を救えないし誰も救えない…このままだと騒ぎになる。帰れ」

 

「…」

 

 雪ノ下は下唇を噛むようにその場を後にした。由比ヶ浜は悲しそうな眼で俺を見つめる

 

「ねえヒッキー…どうしてそんなことを言うの?あたしたち同じ部活なのに…どうしてゆきのんにあんなこと言ったの?」

 

「今のあいつじゃ川崎を救えないからだ。俺が止めなかったら不味かったんだぞ?俺もお前も」

 

「で、でも…こんなの…」

 

「お前もお前もだ。よくあんな中途半端な言葉が言えたな…俺が川崎の立場ならキレるぜ」

 

「あ、あたしだって川崎さんの力に…!」

 

「いやなってない。二人とも…川崎の環境を理解していないし何よりも…」

 

 

 

「助けるということを軽視してないか?人はなそう簡単に助けれないんだぞ。お前たちは見落としてはいけない物を見落とした。だから、こうなったんだ。お前らじゃ無力だ」

 

「!?うぅ…」

 

「覚悟と…あれだな甘く見過ぎたな…お前も帰れ。雪ノ下と二人で帰れ」

 

「ヒッキーは…どうすんの?」

 

「切り札がある。これで駄目だったら…別の案を使うまでさ。俺は救う為なら何だってするぞ?…じゃあ任された」

 

 由比ヶ浜を見送ってカウンターへと戻る。やっと二人きりになった。兎に角ヤバイ局面を超えた。二人には悪いがな…でも川崎を助ける為だだからな

 

「すまん、迷惑を掛けた」

 

「いいよ別に」

 

「なぁ川崎…お前やっぱりこのバイトを辞める気無いだろう?」

 

「そうだよ…これよりいい条件があるなら辞めるけど?」

 

「そうか…ならあるぞ。深夜までバイトしなくてもいいし遅刻しなくても済む」

 

「ふーん…ま、期待させて貰うよ」

 

「取り敢えずバイト終わったら駅前のワックに来てくれるか?」

 

「分かった。ちゃんと行くよ」

 

 ということで駅前のワックに到着。うぉぉおお眠い…これじゃ遅刻なんてするわな

 

「お待たせ」

 

「よしじゃあ中に…」

 

 そこに大志と小町…そんで奉仕部二人…来るかどうかは本人任せなんだけどな

 

「来たんだな」

 

「えぇ」

 

「分かったか?」

 

「えぇ…」

 

「あたしも思うところが…」

 

 そうか、少しは理解できたんだな。力無い頷きで分かる

 

「ならそれでいい。失敗は次にいかせばいいさ…さてと」

 

「川崎…俺はお前に恩がある、だからここで返させて貰う。『スカラシップ』…この制度を使えばかなり楽になるぞ。どうやらこれ成績優秀者なら色々と学費をチャラになるそうだ」

 

「これなら…確かに深夜までバイトしなくても済む…」

 

「お前が働いてた理由…それは自分の予備校の代金や学費の為だ。だから年齢詐称して働いていた…危ない橋だったがな…けどこれでもうその橋を渡らなくていい」

 

 

 

 

 

 

 

「あのーちょっといいですか?」

 

 小町がここで切り出した。話の内容は下の子も兄や姉を心配している迷惑をかけたくないということだ。それに対して川崎は沈黙してしまう。やっぱり、思うところがあったんだな。

 

「ありがとう…比企谷。このスカラシップ取るよ」

 

「頑張れよ。もう遅刻すんなよ」

 

「お兄さんありがとうございました!」

 

 とういうことで色々あったが依頼は解決した。

 

「きょうだいってああいうものなのかしらね…」

 

「急にどうした?」

 

「いえ別に…その比企谷くん…あの時はごめんなさい…」

 

「あたしも…ごめん」  

 

「…一つ過去の話をしよう…」

 

「え?」

 

「俺は昔、助けを求める手を取ることができなかった。そして、死ぬ程後悔した。結果、この左腕だ…言い方はその…悪かった。でもよ、俺と同じように後悔しそうだったから」

 

「比企谷くん…」

 

「ヒッキー…」

 

「んじゃ、一旦戻るぞ」

 

 朝の日の光を浴びて欠伸をして家に戻った

 

「(言おうか迷ったけど…お兄ちゃん…やっぱりどうでもいいのかな?)」

 

「(結衣さんがあの時の飼い主だって)」

 

 

 

 

 数日後…

 

「諸君、喜べ新しい部員が来るぞ」

 

 恒例のノック無しの入室で登場の平塚先生。この前の傷からピンピンしてるぜ。立ち直りが早い

 

「いやー物好きですね。そいつ」

 

「入りたまえ」

 

 そこに入ってきたのは

 

「川崎沙希。今日からよろしく」

 

 視界が変わった。天井を見上げる体制になる。どうやら思いっ切りこけたようだ。由比ヶ浜は『え?マジで!?』みたいな感じで雪ノ下は目を丸くした。

 

「なんで来たの?」

 

「実はさ…」

 

 あの後、平塚先生に全てを打ち明けてバイト先に謝りにいったそうだ。あちらも大事したくないのでさほど大きい問題にはならず。両親からも怒られたらしい。そこで罰として奉仕部への入部が決定した、てことだ。多分あれだな。遅刻の分の内申点を埋めるべく平塚先生が思い付いたんだろうな。この人…結構見てるんだな

 

「ということでよろしく頼むよ」

 

「あーこれは賑やかになりそうだな」

 

 

 

 

 

職場見学当日 

 

 戸塚と川崎で組んだグループでここに来た。そして、葉山お前は許さん。人が多いわ…そして、終わりに近づいて一人になっているところに由比ヶ浜がやって来た。三浦と一緒じゃないのか?

 

「ヒッキーちょっといい?」

 

「なんだ?」

 

「そのあの時…去年の事故…覚えてる?」

 

「あー俺が犬庇って轢かれた…あれ?それがどうしたんだ?」

 

「ごめんなさい!」

 

「はっ?」

 

「あの時の犬…サブレの飼い主…あたしなんだ…」

 

「あ、そう」

 

「えぇー!?な、なんか軽いよ!?」

 

「いや、もう去年のことだし…何?それで俺に優しくしていたのか?」

 

 

 

 

 

「言っておくが。俺に優しさはいらん…別の奴に向けてくれ。俺はそのお前の優しさを受ける権利は…」

 

「馬鹿!」

 

「…」

 

「ヒッキーの馬鹿!そうやってまた…自分だけ…ヒッキーは悲しくないの?痛くないの?」

 

「そんな昔に捨てた…じゃあな」

 

 俺は立ち尽くす由比ヶ浜を置いてその場を後にした。優しさは嬉しい…こんな俺に…でもなその優しさを受け取る資格はないんだよ…俺には…

 

 

 

 

 すまん

 

 

 

 

 

 

 

「あいつ…また。後で二人に話してみるか…悪いけど比企谷…少しだけ話させて貰うよ二人にね」

 




 次回は陽乃が登場ですね。八幡の過去も少しずつ明らかになります。
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