俺ガイル色々ごちゃごちゃ   作:根王

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 I'll be back.

 戻ったぜ…これで千葉村は終わりだぁ…三月に入っちまうぞ!更新を急ぐしかねえ!



彼は少女に同じ道を辿させない為に勇気を少し与える 後編

 

 バンガローに戻って暫くすると暗い顔した葉山と戸部が戻ってきた。気まずそうに俺の顔を見て、足早にビジターハウスの大浴場へと向かって行った。雰囲気?静かに寝れそうだ…

 

 嘘です。物凄く雰囲気は最悪だ…あの戸部すら喋らないだもんな。でもな…今回の俺も言い過ぎたような気がする。鶴見留美を取り巻く環境はそう簡単に変えられるものではない、適切な判断を下さなければ余計に悪化させることになる。中途半端も論外だ。あいつが言う皆仲良くと話し合いはなんだろう…具体的な何かを感じられない。それに雪ノ下の発言が所々気になる。まるで葉山が過去に何かを知っているようで…あの場で言及しなかったのは本人の意志確認と三浦がいたことだ。

 

 ただ、一つ言えるのは問題の深刻さと本質を理解していなかった葉山たちにも非があるのではないかと思われる。小町も小町でよく我慢したな、かなり怒っていたぞ。。彼女のことを姉のように慕いイジメで離れ離れになったことからイジメという単語を嫌っているし、同じく楽観視している葉山らに怒りも覚えたのだろう

 

「なにやってんだろうな…俺」

 

「八幡…でも今回は葉山くんたちも悪いと思うよ」

 

「戸塚?」

 

「僕たちは八幡の過去を知って、できることをしようと思う。でも葉山くんたちはちょっと深刻さを理解していなかったね」

 

「…あいつはそういうことに遭遇したことが無いから言えるのじゃねえのか?じゃなきゃあんなことを言わない」

 

 俺の訴え…いや心の叫びだろうか。その時の葉山といい三浦たちも問題の深刻さを理解していなかった。ただ、海老名だけは俯いていたけどな、女子の方は大丈夫だろうか…三浦がいるからピリピリしそうだけど…

 

「や、やあ…」

 

「何だよ」

 

「お風呂上がったからさ…空いてるよ?」

 

「…わりぃな。わざわざ。じゃあ行くか戸塚」

 

「うん」

 

 タオルだの桶だの着替えを背負って大浴場へ向かった。更衣室で脱ぐときに左腕の包帯も解く。この時に見えた傷、間違った贖罪の証拠…鶴見留美は今、岐路に立っている。そして、自らの行為に反省している。彼女は許される価値がある救われていいのだ。だが、問題を解決解消させるのは他ならぬ鶴見留美本人だ。俺たちができるのは精々土台を作ってやるぐらいしかない

 

 だから、余計なことをしなくてもいいのだ。俺たちはボランティアで来た一介の高校二年生に過ぎない。たった一日以下のやり取りの時間で鶴見留美の全てを理解できたか?否、できていない。頭をシャンプーを泡立てさせ湯で一気に洗い流す、体はさっぱりしたが…心もこれぐらいさっぱりしたいものだ

 

「ねえ八幡。その腕…痛くなかったの?」 

 

 シャツを着ようとした時、戸塚が俺の腕の傷を見て悲しそうな声で質問する

 

「そうだな…痛いというより許して欲しいという思いがなまじ強すぎた所為かあまり痛みを感じることがなくなった」

 

「そうなんだ…でも、あまり自分を傷付けることをしないでね?雪ノ下さんたちも心配しているだろうから…」

 

「ああ、分かってる。家族にも心配されたしな。もうこんな贖罪はしねえよ」

 

 彼女もそれを望んでいないのかもしれないしな。着替えを終えてバンガローへ戻ると神妙な顔つきの葉山が俺たちを待っていたかのように布団の上で崩して座っていた。戸部は慌てて向き合い苦笑いのままだった。俺たちはそれに気にすることなく自分たちが寝る布団の上に座る。暫くすると葉山の口が開いた

 

「俺は…何もできないのか」

 

「ああ、できない」

 

「どうしてそう断言できる?」

 

「お前は鶴見留美の何が分かる?」

 

「でも放っておくことなんて…」

 

「はぁ…」

 

 まだ言うか…こいつは

 

「留美ちゃんが可哀想だしこのままにしとくっていうのもあれっしょ?」

 

「じゃあお前たちに鶴見留美の何が分かる?言って見ろよ」

 

「…それは」

 

「わ、分からないっしょ」

 

「俺も分からない。だから、明日俺が話を聞きに行くし、さっきも言ったはずだが部外者は黙ってろ」

 

 語気を強めて葉山と戸部を警告する。もう一度こいつらに教えてやらないとな問題の深刻さと本質さを

 

「大体よ…俺たちと鶴見留美は知り合ってまだ一日程度だろ?彼女の望は何だと思う?」

 

「っ…」

 

「もう一度あの言葉を言わせて貰うぞ?下手な真似して悪化させたら俺たちは鶴見留美に恨まれるぞ。もし、助けるのならそれ相応の覚悟をする必要がある…雪ノ下みたいにな。その覚悟を持たない奴の言葉に何の意味がある。よく覚えておけ俺は寝る」

 

 これだけを言わせておけば分かるだろ。正義感の強さなら認めてやるがそれだけでは人は救えねえぞ?

 

 

 

 

 

「寝れん…」

 

 なんだろう寝れない。はぁ…無駄にイラつくな…三人を起こさないようにバンガローを出て夜空を見上げた。彼女と一緒に見たのはいつだっただろうか。あの時から大分時が過ぎたな…夜風が吹くと草木も揺れ月明かりのお陰でまるで別の世界に変わる。昼と夜でこんなに顔が変わるんだなここは…そこそこほっつき歩くと、誰かを見つける。気のせいと思ったら

 

「……誰?」

 

「俺だ」

 

「…一瞬だけクリーチャーに見えたわ」

 

「この目だろうな。この目を見て言ってんだろ?まあいい星でも見てたか?」

 

「別にそういう訳では…三浦さんが突っかかってきてね…」

 

「延長戦?鶴見留美のことか?」

 

「ええまあ…論破していたら小町さんも加わって凄い剣幕で三浦さんを…笑顔の意味ってそういう意味だったのね」

 

「小町ぇ…」

 

 彼女のことで多分、ひと悶着あったんだろうがまた小町がキレたんだろうな。しかし、この光景に不思議と神秘さを感じ取る。星が輝く夜空に下に彼女程似合う人物がいるだろうか

 

「何ボーっとして?」

 

「見惚れていると言ったら?」

 

「あなたが言うと似合わないかしらね」

 

「るっせ」

 

「でも誉め言葉として受け取っておくわ。それにあの子のことをなんとかしなければね」

 

「当たり前だ…なあ雪ノ下。俺もあの子を何とかしてやりたい。もしもの時は手を貸してくれるか?」

 

「当たり前じゃない。あなたは奉仕部の一員よ、私も由比ヶ浜さんも川崎さんも協力するわ一人で背負うとしないで」

 

「わかった…それとだ。お前さん葉山のことをやけに辛辣だが…それにあの時の発言といい過去に何か?」

 

「ええ。まあ、あなたのことだから聞いて来ると思っていたわ。あなたが過去を話したのだから私も話さなくてはね…そうね小学生の時よ」

 

 雪ノ下が過去を語った。内容は……これもまだ酷い内容だ。だから、葉山の案に対して反対したのも頷ける。現に雪ノ下はそれで助かっていないのだから。リア充故に上手く行くと思っていたのか?自分に可能性があると思っていたのか?というか誰がそんなことを断言した?どこでそう思った?リア充だろうと非リア充だろうと大人だろうと子供だろうと結局は人間だ。世界の困難に立ち向かえるマーベルのヒーローではないのだ

 

 しかし、心に染みついた負の記憶は中々消えないものだ。忘れと言っても忘れらないし、あの光景も偶に思い出す。人の闇に触れてしまった記憶…彼女にとっては恐怖も含まれるのだろうか。例え、鶴見留美を助けたとしてもあの時の俺の罪が晴れる訳ではない。ただ、同じ過ちを繰り返さないことはできる。鶴見留美、お前はまだ間に合う、こっち側に来るべき人間ではない。こっちに来たら壊れるか壊れないかの世界で己との戦いだからな…

 

 

 

 

 早朝…眠気がありつつも何とか起きる。インドアの人間にはちとキツイかもな…本日のお仕事は丸太の積み上げだ。一人なので黙々と仕事を進めて完了…しかし、暑いなぁ。川が近くにあったし顔でも洗いに行くか。川で顔を洗っていると水着姿の皆がいた。元々川で泳ぐ計画だったが腕の包帯もあるので今回は見送った。中々消えない傷故にすまないと思っている。

 

「お兄ちゃん、どう小町の水着は?」

 

「おう、可愛いと思うぞ」

 

「じゃあ、雪乃さん、結衣さん、沙希さんの水着も見て行こうか!」

 

「俺の感性は同世代の中でも最底辺レベルの感性だぞ?」

 

 しょうがねえなと思い、振り返ると

 

 やっべえ…何というかやっべえ…これしか言葉が出てこない

 

「ヒッキー…ど、どうかな」ボン

 

「お、おう。いい感じだな…その似合ってる…」 

 

 顔を思わずそらしてしまう。いや誰だってあれは駄目だ。雪ノ下の眼が一瞬笑っていなかったことを思い出し未来に死を覚悟した俺氏。ええい次だ!誰だ!さきさきか!

 

「あ、あんまジロジロ見ないでよ…は、恥ずかしい…」

 

「あ、あ、すまねぇ…おと…なっぽいぞ」 

 

 駄目だ駄目だ、陰キャの俺には刺激が強すぎる。どいつこいつも可愛いらしくてよ…この場に材木座がいたらフリーズもんだろうな

 

「どう…かしら」

 

「落ち着きがあって大変宜しいと思います」

 

 パレオで隠しているが、雪ノ下は雪ノ下で綺麗なもんだ。ただ、三浦が笑っていたのは敢えて触れない。そこを触れて瞬間、終焉がお迎えに来るだろう。やたら似合っていた平塚先生が励ましていたが、次期的に…もう…手遅れだと思う。まあ、そこだけで女性の価値は変わらないと聞くが男である俺がそんなこと言っても女性の気持ちなんて分からないコンプレックスは誰でもあるもんだ。俺はこの目がコンプレックスだけどな

 

 近くの木陰に移動して、少し休むことにした。するとそこには鶴見留美がそこに座り込んでいた。相変わらず一人のようだ。声を掛けてそっと隣に座る

 

「よっ」

 

「ん…何で一人なの?」

 

「水着無いから、それに腕の傷が酷くて入れん」

 

「ふーん。……私のほうはね、今日自由行動なんだって。朝ごはん終わって部屋に戻ったら誰もいなかった」

 

「そうか」

 

「は、八幡?」

 

「なんだ」

 

「なんで撫でてるの?」

 

「止めるか?」

 

「べ、別に…嫌って言ってない」 

 

 素直じゃない奴め…というか名前呼びかよ…まあいい、俺は優しく彼女の頭を撫でて続けた。表情に少し安らぎを感じてくれたようだ。さて、本題に入ろうとするか…でお前たちも来てたのか

 

「やっはろー留美ちゃん」

 

「…」

 

「鶴見さん。一つお願いがあるの」

 

「お願い…?」

 

「そいつ比企谷の話を聞いてくれない?大丈夫、アンタのことを悪くしないから」

 

「お兄ちゃん、留美ちゃんのこと見捨てるつもりはないからね?」

 

「留美ちゃん。あたしからもお願いヒッキーのお話…聞いてくれないかな?」

 

「…うん。分かった八幡の話聞く…」 

 

 雪ノ下たちが留美に「見捨てるつもりはない」という意志を伝え、留美がそれに応えてくれた。留美は頷き顔も見なかった由比ヶ浜の目を見て頷いた。それに由比ヶ浜も笑顔を見せる。後は俺の仕事だ

 

「なあ留美。後悔してるか、ハブったこと」

 

「うん…とてもなんて馬鹿なことしたんだろうって」

 

「因果応報って俺は言った…でもお前は後悔して反省してる…もうこんなことしないな?」

 

「う、うん…!もうしないよ…」

 

「謝りたいか?」

 

「謝りたい…!でも許してくれるかな…」

 

「それは俺には分からない。でも、謝るんだ…誠心誠意込めて謝れ…失った関係は戻れないがもう一度やり直せる。お前は俺と違ってまだ間に合うんだから」

 

「八幡…何かあったの?」

 

「留美…特別に教えてやる。俺の過去を」

 

 俺は雪ノ下たちに教えたように過去を留美に教えた。俺の後悔も…だから

 

「お前は俺と同じ道を辿るな…留美。まだやり直せる」 

 

「うん…その子に謝る、許してくれるかどうか分からないけど…謝ってみる!」

 

「ああ、それでいい。あとな留美…他にもハブった奴と謝っておけ。そして、輪を作るんだ」

 

「輪を?」

 

「そう謝ってできた輪を作るんだ。俺たちがそのハブりを止めるには時間が足りないしもう一つ案があるがリスクがデカ過ぎるのがネックだ…でも、きっかけは作ってやれる。そのきっかけでハブりの流行を止めるのはお前だ留美。ハブりの主犯格よりもハブられた連中が多いはずだ。その連中で輪を作ればそいつらより大きい輪になるし連中は何も言えまい。数で押してそういう風習を消してしまえ」

 

「分かった」

 

「でも、あの四人をハブるの駄目だぞ。そんなことしたら…」

 

「大丈夫しないよ。ありがとう八幡…私謝ってくるね」

 

「ああ行ってこい」

 

 それから肝試しの準備に取り掛かった俺たち、葉山は相変わらず留美を心配していたが

 

「心配無用だ。さっさと準備するぞ」

 

「あ?あ、あぁ…」

 

 留美がどれだけ輪を作れるかだな。尚、準備中俺はゾンビメイクさせられたがほぼ本物に近く川崎に至っては腰抜かしていた…なんか狼?みたいなコスプレしてるけど刺激が強いから駄目なそれ、あと由比ヶ浜は悪魔?で色々なポーズを取っていたな…雪ノ下は着物着て雪女か、和服似合いすぎだろお前、小町は猫又のコスプレだった。戸塚は何故か魔法少女、これも似合っていたな。海老名は巫女か…

 

「比企谷これを」

 

「何すかこれ?」

 

「初代バ〇オハザードのゾンビが死体を貪る音を録音したレコーダーだ」

 

「本格的過ぎでしょ!?」

 

 なんでそこまでぇ!?聞いて見たけどブチブチ…うわぁ…

 

 そして、肝試しの夜。キャンプファイヤーの前をこっそり覗くとそこには笑顔の留美が居て何人かの子と楽しく話していた。そして、ハブっていた四人は気まずそうな雰囲気に…もうハブることはすんじゃねーぞー。肩を叩かれて振り返ると小町たちがいて、静かにサムズアップして目的が達成できたのを知らせる。

 

 これでオールオーケーだ。後は留美次第だな…さてさてゾンビのお仕事でもしますか。後はあいつらの思い出作りを手伝ってやるとするか…ホラーだけど

 

 

 

 

「ね、ねぇ…なんか静かじゃない?」

 

「そ、そうだよね…」

 

「気のせいかも…よ?」

 

 ムシャ…ムシャ…ブチブチ

 

「ひっ!?何か聞こえた!?」

 

「しー…!静かに…!」

 

「この先?」

 

 ブチブチ…ブチブチ…ムシャ

 

「ライト照らすよ…!せーのっ!」

 

 

 

 

「ぅぅ…ぁああ…あ"あ"あ"あ"あ"あ"」ベチャベチャ

 

 

 

 

「「「きゃぁぁああああああああああああああああっ!?」」」

 

 

 

 

 

「…大成功だな…というか…」

 

 特殊メイクにペイント血塗れ、腕のマネキンに貪る振りをしてあのスピーカーを流す。ライトに照らされたら演技開始、平塚先生曰く、この振り向く光景がバ〇オハザードの名シーンらしくて同時にホラーポイントらしい

  

 取り敢えず、終わったな。片付けをしていたら

 

「ちょっといいかい?」

 

「何だよ…葉山」

 

「…留美ちゃんの雰囲気が変わった気がするんだ…何をしたんだい?」

 

「別に…ハブった連中に謝って仲直りしとけと教えただけだ」

 

「そ、それだけ?」

 

「ああ」

 

「それじゃああの四人は……」

 

「安心しろよ…留美に輪を作らせて大きくすれば馬鹿な真似はしないだろうし数の多さに勝てないしハブるという行為をしづらい環境に誘導させる。問題無いだろ?これで皆仲良くだ」

 

「そうだけど…いや何でもない」

 

 そう言って足早と去って行った。あいつは何を?まっいいか。、お片付けお片付け…

 

 翌日、林間学校は終わりを迎えた。雪ノ下と由比ヶ浜が和解したこと。途中で留美の問題も直面したがこれを解消させた。なんだろうやり切った感が凄いぞ

 

「ヒッキーのお陰だね」 

 

「いや…留美に勇気を与えたのはお前達のお陰だ。俺だけじゃ何もできない」

 

「…あなたの過去を聞かなかったら、冷静に対応できなかったかもしれないわ」

 

「アタシは…アンタが居なかったら何もできなかったと思う」 

 

「いや君たちが全員居たからできたことだ。奉仕部は全員揃っていたからできたと私は思っている」

 

「先生…」

 

「君たちはよくやった。学校に着いたら林間学校のボランティアは終了で各自帰宅するようにいいな?」

 

「「「はい」」」

 

 暫くして、学校に到着先生に起こされる形で目を覚ます。校門の前で小町と家までの岐路を考えていると…見た事のある車が一台止まる。そこから降りたのは初老の男の人と

 

「はーい、雪乃ちゃん」

 

 うわっ、出た

 

「姉さん…」

 

「え、ゆきのんの、…お、お姉さん?」

 

「ほぁー、似てる…」

 

 戸塚がうんうんと頷いてる間に雪ノ下陽乃の眼が俺を捉える。ロックオンだ。雪ノ下陽乃はここに来たのは数日連絡がつかなかった雪ノ下を心配してきたようだ……それにしてもGPSを利用するのか…ストーカーかよ 

 

「あ、比企谷くんだー。なんだー、やっぱ一緒に遊んでたのか。んー?デートか!デートだな、このこのっ!羨ましい!青春っ!」

 

「…」

 

「あ、あのヒッキー嫌がってますから」

 

 俺が雪ノ下陽乃を睨むと由比ヶ浜が割って入る。その時、川崎と同じように頭から足先までじっくりと流し見て、一瞬だけ鋭い視線を飛ばす

 

「えーっと、新キャラだねー。あなたは……、川崎ちゃんと同じく比企谷くんの彼女?」

 

「ち、違います!ぜ、全然そんな!」

 

「なんだ、よかったー。雪乃ちゃんの邪魔する子だったらどうしようって考えちゃった。わたしは雪ノ下陽乃。雪乃ちゃんのお姉ちゃんです」

 

「あ、ご丁寧にどうも……。ゆきのんの友達の由比ヶ浜結衣です」

 

「友達、ねぇ…」

 

「そっか、雪乃ちゃんにも友達がいるんだね。よかった、安心したよ。あ、でも、比企谷くんに手を出しちゃだめだよ。それは雪乃ちゃんのだから」

 

「俺は物扱いですか……そんな関係じゃありませんけど。恋人作るのも雪ノ下次第でしょ?」

 

「ふーん言うねー比企谷くん……でも」

 

 俺が反論すると、またニヤリとして何かを言おうとするが平塚先生が言葉で遮る

 

「陽乃、その辺にしとけ」

 

「久しぶり、静ちゃん」

 

「その呼び方をやめろ」

 

 どうやら知り合いで、ここの卒業生だという…平塚先生とは教え子の関係だという

 

「まぁ積もる話はまた改めて、ね、静ちゃん。じゃあ、雪乃ちゃん。そろそろ行こっか……ほら、お母さん、待ってるよ」

 

「ごめんなさい、小町さん…」

 

「あ、いえ……」

 

 雪ノ下と小町が申し訳なさそうなにする……こればかりはしょうがない。と、思っていたら。雪ノ下陽乃の声が耳元で囁けき始めた

 

「それと比企谷くん。――――――――――――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何故、知っている

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんた…‼いや、雪ノ下陽乃っ‼それを何処で知ったぁ‼」

 

 

 

 

 

 

 

 何故、彼女を知っている

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあね、比企谷くん。都築出してちょうだい」

 

 

 

 

 

 それを知ってどうするつもりだ

 

 

 

 

「この仮面を被った臆病者めがぁ‼」

 

 ハイヤーのエンジン音に俺の叫び声はかき消された。その後、夏休みの間に雪ノ下と会うことはなかった…… 

 

 

 

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